平成20年9月20〜23日
ハワイ オアフ島(Oahu, Hawai, USA)

(釣人:管理人A)
幼い頃、釣りサンデーの魚大図鑑をみながら、南洋の海釣りによく夢をみた。

小笠原諸島、徳之島、ベヨネーズ列岩、どこにあるのかもわからなかったが、

なんとなくその言葉からにじみ出る情景に魅せられていた。

4泊5日の装備で磯に上がり、磯マグロ、ヒラマサ、ロウニンアジとの死闘。

ハワイ諸島まで来ると少し違うようだ。外洋のど真ん中にあり、

無機質な白い海底と、燦々とした日差し、澄んだ海水のコンビネーションは、
これまでにみた、中泊の蒼穹

伊豆諸島の孤独な青

クレーター湖の神秘的なアクアブルー

オレゴンコーストの未知との遭遇

を期待させる青、
のどれとも違う、

「青い砂漠」を創り出している。
ワイキキとノースショアで竿を出してみたが、何も釣れない。

少年たちが、アオヤガラを釣って遊んでいる。魚影は乏しい。

スキューバーダイビングをしてみればよくわかる。

浅瀬には普通の熱帯魚とブダイ、沖の沈潜周辺にはマンタとバラクーダ。

岸壁にコバルトブルーのスズメダイが戯れる四国、西海の十分の一に及ばない魚影。

白い海底の中、まばらに熱帯魚が集まり暮らしている姿は、砂漠のオアシスのよう。
日本人向けの「さしみフィシングツアー」なるものもあるが、明らかに観光客向けの退屈な釣りだろう。

トローリングでシイラ、カツオ、カジキを狙う他にはなさそうだ。

片っ端から問い合わせをしてみる、5人でチャーターが基本のハワイ、なかなか1人できても難しい。
やっとこさ見つけた。シェアード・チャーターという、いわゆる「乗合船」だ。

ゲームフィッシングのルール上、客は5人まで。船にセットできる竿と同じ人数だ。

今日の客は、僕のほかにアメリカ人3人、オーストラリア人1人。みんな一匹客。

キャプテンがトランプでそれぞれの竿を決める。僕の竿は「2番」だ。

ダイアモンドヘッドの奥から朝日が昇るとともに出船。

客どうし、無駄な会話はない。竿に何の反応もないまま数時間。

一本の竿にアタリがあった時、クルーより先に全員反応している。
その時の反応速度、

バラシてしまった時のリアクション、

今日もまたボーズか、という雰囲気、

そそくさとした解散際、

全員ホンモノの釣師だった。
ノースショアのハレイワで少し夜釣り。

地元釣り師のタックルは、ごっついグラスロッドに10号くらいの道糸、魚の切り身をつけて放り込んでいる。

半分熱帯魚のような魚をバケツに入れ、持ち帰っている。

イカの切り身の塩漬けをエサに、カサゴ釣りのようりょうで狙ってみる。

日が暮れるとともに反応が出始めた。そして初の魚?となったのは・・・。タコ、しかもブルーの斑点が。。。タコまでハワイアンだ。
その後、ネンブツのような魚がポツポツ。

帰り際、入れ違いで、竿をもったお兄さんとその彼女さんとすれ違い、

少し話しをすると、あきらかに、他の退屈そうな釣り人とは違う。

装備が、ルアーが、目つきが、何かを狙っている、釣り師のそれである。

彼女の竿は小物用だが、彼氏のは、4号くらいの竿に大型スピニング、

しかもウキが付いている。加えてルアーロッド、ルアーもでかい。
これは想像だが、

彼女がネンブツを釣り、それで

「バラクーダ」を狙う、

しかもその間ルアーを投げる、

としか考えられない。

ぼくの竿はオレゴンで買ったトラウト用。

諦めて家路についた。
カウアイ島、ハワイ島まで足を運んでいればまた違った結果になっていたのかもしれない。

小学生の頃、由良半島の堤防でケミホタルを浮かべて夢中で夜釣りをしていたのが懐かしい。

M先生、バリ君でもいたら、2、3日バラクーダを狙うこともできたか。

竿をもって一人、夜の華やぐワイキキに戻るのは、なんとも虚しい。

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