アリアンナの褒美であるラグナルの剣豪腕輪。このラグナル、実際にタイタン世界に存在する人物である。ただし、彼が住むのはカーカバードではない。アランシアだ。
日本版ウォーロック#1に収録されているFFボードゲーム『メイヘム市場(Market Mayhem)』。英語版だと#3だ。イアン・リビングストン作、舞台はポートブラックサンド。このボードゲームのプレーヤーキャラクターの1人として、ラグナルは登場するのである。使用可能キャラクターは以下の通りだ。
ラグナルのステータスを見ると技術点が7、体力点が16。あまり強く感じないが、『メイヘム市場』と『ソーサリー!』では同じFFとはいえルールが違うので直接数値だけ比べてもしかたあるまい。ラグナルの話に戻すと、彼はハーフエルフのショートソード使いだ。剣豪らしく、武器は剣であった。ここで弓とかだったら同名の別人扱いをしなければならなかったところだ。呪文は使えず、技術点をUPする薬を持っている。剣に生きる男としては合格といえるのではないだろうか。
だが、ここからちょっと怪しくなってくる。彼は犬が嫌いらしい。その理由は、かつて左目を犬に潰されたからだという。犬相手に苦戦したのだろうか。その後剣豪として名を売るまでに鍛錬した可能性もあるので、まぁ良しとしようか。
だが、さらに怪しくなる記述が続くのである。犬嫌いの彼は、犬とその飼い主を蹴り飛ばす機会があったら、決して逃がさないというのだ。なんか小さい男だ。剣豪のイメージが崩れていくわぁ~。
というわけで、彼がラグナルさんです。
つぶれた左目には眼帯。着物っぽい衣装はいかにも日本の浪人をイメージさせる。もしかしたら彼は八幡かぶれなのかも知れない。名前からして、八幡人ではないことはハッキリしているからな。そして短剣と丸盾を装備。なぜここで盾……。そしてこれが一番肝心なことなのだが、残念なことに腕環をしているかどうかはイラストからはわからない。
プロファイリング後に改めてルールをよく読んでみると、6面サイコロとは書かれていないことに気がついた! ただサイコロとあるだけだ。ならばゴルフボールもかくやの百面サイコロや、バックギャモンで使うダブリングキューブを使ってもいいってことじゃあないか!?
技術点 104
体力点 212
運勢点 106
そして48の魔法!
スーパーアナランド人見参!
物見頭が言うには、バクランドでは超自然的な力が昼夜を支配しているという。だが実際にバクランドを旅してみると、結構普通に昼と夜はやってくるようだ。例外的に、辺りを夜にする能力を持っている月大蛇との遭遇イベントがあるが、七大蛇はバクランドで暴れまわるとはいえ、マンパンの密使である。バクランドに常駐しているわけではないので、これを以ってして超自然的な力が昼夜を支配しているとするのはおかしいだろう。(ゲーム中では披露されないが、日輪大蛇も同じように辺りを昼にする能力を持っていると推測される。)
「バクランドの秘密」に名を連ねる魔女であるシャムは、おそらくこの地に長い間住み続けていると思われる。その彼女をして「日没までに家に帰りたいから急いでいる」と言わせるからには、この地の昼夜は一定の法則を持っているのだろう。超自然的とはいえ、決して予測不能なランダムというわけではなさそうだ。この点から言っても、大蛇の能力は考慮しなくていいだろう。
さて、では何がバクランドと他の地では違うのだろうか。先日バクランドを主人公が横断したのにかかった日数を計算していたので、とりあえず他の地と比べてみようかと思った。すると、シャムタンティ踏破に6日もかかるじゃないか。シャムタンティは起伏が激しく高低差も多い険しい道で、バクランドは緩やかに高地へと続く斜面という差はあるが、この距離の差で1日違いというのはおかしくないか?
地図上で比べてみるとこうなる。
1 『ソーサリー!』のカーカバードMAP
2 『モンスター事典』のカーカバードMAP
3 『タイタン』のカーカバードMAP
そう、バクランドをこのスピードで踏破するのがおかしいのである。これはすなわち、バクランドの一日はシャムタンティのそれよりも長いということだ。バクランドの時間はゆっくり進んでいると考えて差し支えあるまい。同じ太陽と月を擁いていながら、一日の長さが違う……まさしく超自然的な力が関与しているということだろう。
何? 主人公の食欲と栄養失調のペースまでゆっくりになるのはおかしい? うん、そこは突っ込まないで欲しいなぁ。