☆ 大蛇週間

 陽の蛇 ⇒ 太陽 ⇒ 日 ⇒ 日曜日
 月の蛇 ⇒ 月 ⇒ 月曜日
 火の蛇 ⇒ 火 ⇒ 火曜日
 水の蛇 ⇒ 水 ⇒ 水曜日
 気の蛇 ⇒ 気 ⇒ キ ⇒ 木 ⇒ 木曜日
 時の蛇 ⇒ 時は金なり ⇒ 金 ⇒ 金曜日
 地の蛇 ⇒ 地 ⇒ 土 ⇒ 土曜日

 年中無休。七匹に隙無し。

(9/21/12)

★ 負の遺産

 以前紹介したWAP版『ソーサリー!』について、今でもweb検索をかけるとちょこちょこと記事などが出てくる。そんな風にして一枚のショットを発見した。これである。

 一番上に物見の斥候とある。彼らが発見したのはゴブリンの鉱山の近くへ続く秘密の入口とのこと。そして、ここをいくならロープが必要だと言っている。一番下の「Take Rope」はカーソルがあっているように見え、これが選択肢の一つではないかと思わせる。

 ゴブリンの鉱山と言えば、シャンカー鉱山にほぼ間違いはあるまい。つまり、アナランドの近くだ。そして物見の斥候が主人公に助言を与えているとなれば、彼らはアナランドに所属する物見の偵察部隊と見るのが妥当なところだ。アナランドもそれなりに手を打っていたというわけだ。確かに鳥人に冠を盗まれ、まだ気がついてはいないとはいえ、七大蛇にも情報を探られているような状況だ。近隣に斥候を放っていても不思議ではない。いや、せめてそれぐらいはしておいてほしい。

 しかし、気になるのはロープである。「ここから先はロープが必要だぜ。さあ受け取りな」
…どこかで聞いたような展開だ。そう、マンパン砦の中庭の物見たちが勧めてくる拘束衣の印象がかぶるのである!
 もちろん「物見の斥候」と、はっきりと身分を出した見出しにはだまし討ちの気配は全くない。鉱山のことだって、ここがマンパン砦ではなく、アナランドの近くだということもわかる。先に書いたように、この物見たちがアナランドのために働いているという考察だって十分できているのだ。

 だが、だがどうしてもふと頭によぎるのは「裏切り」という単語なのだ…。あの化け物見どもがアナランドの物見たちに残した負の遺産は大きいと言わねばなるまい。

(1/15/13)

 カレーという港町は、言わずと知れた罠の町である。地区のあちこちに住民たちが仕掛けた罠があふれ、基本的に皆、よく知る場所のみ行き来するという説明が第二巻の冒頭にてなされる。だが、実際にこの町を進むうちに、言われるほど頻繁に罠に遭遇するわけではないことに気づくだろう。ざっと思い出してみても、罠らしい罠は2、3ほどしかない。それも極めて致死性に乏しいものばかりだ。
 鎖職人の罠は明らかに捕縛を目的としており、殺傷能力はない。鞭叩きの料理小屋に至っては、被害者を禿げにするというものである。港における海賊の船員集めや、ギロチン宿は厳密に罠とは言いにくい。事前説明にあったような自衛のための罠ではなく、陰謀が存在しているからである。北カレーに点在する魔法の落とし穴は、罠と言えば罠に属するであろうが、文字通り魔法の力が関わっていて、一般住民たちによる脅威とは言えないだろう。

 カレーが罠の都というのは誇張表現だったのだろうか? 少し考察をしてみると、決してそうとは言い切れないという結論に達する。主人公が進む道は基本的に大通りであることに留意するべきだ。礼拝堂が存在し、市場やお祭りも開催されるカレーにおいて、これら大通りまで罠だらけであるとは考えられない。人々が行きかわなければありえない営みがそこでは繰り広げられているからだ。つまり、罠だらけなのはもっと小さい道、居住区レベルの小路群だと考えることができるのだ。これならつじつまが合う。

 しかし、ゲーム中にはそんな小路にも関わらず罠が一切登場しない場所が存在する。北カレーの一角、赤目たちが住むエリアである。赤目たちに絡まれた主人公がひたすらに走って逃げるシーンだが、用意された選択肢は行き当たりばったりに分かれ道を曲がりながら進むというものだ。どう考えても大通りではない。罠が存在するはずの小路なのである。だが、そこに罠は登場しない。主人公が迎える展開は、赤目たちに追いつめられるか、あるいは交換屋ノームの小屋にいきつくかだ。

 赤目たちが住む一角には罠が無い理由としては、彼らには自衛のための罠が必要ないという事実が挙げられる。炎の視線という強力な武器を持つ赤目たちは、罠に頼らずとも外敵を撃退することができるのである。もともと好戦的な性格を持つ赤目はどこにいても避けられる存在であると『モンスター事典』には記されている。自衛するまでもなく、赤目たちに好んで近づく悪党などいないということかもしれない。
 さらに、赤目たちにとって罠は相性が悪いということもあるだろう。普段から目を閉じていなければならない彼らだが、その視力は強い。瞼を閉じていながら物の輪郭がわかるほどだというが、しかし輪郭程度では罠の判別は難しいに違いない。赤目が北カレーの一区画に収まっているのもこれが原因だろう。罠で自衛している他のエリアへは、そうおいそれと勢力を伸ばすことができないのだ。だが広場のシーンで見ての通り、彼らの人数は極めて多い。今後、徐々に勢力を伸ばしていくに違いない。

(1/19/13)

【追記】
 赤目街の牢屋の鍵をもっていた男がクリスタタンティにいるのだが、彼曰く、かつて自分は牢番であり、その時から持ち続けていた鍵がきっと役に立つだろうという。さらに赤目には気をつけろと助言をくれる。これはつまり、かつてはあの監獄を管理していたのは赤目ではなく人間だったということだ。赤目たちがテリトリーを広げてきた証左であろう。

(8/13/22)

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