★ 鳥人のお楽しみとは

 カレーで楽しい思いをしたと語るのは、なんとピーウィット・クルーらシンの篤志家の面々だ。彼らと腹の中を探り合いながら交わすやり取りの末、この言葉を聞き出すことができる。大魔法使いの野望を阻止するために決死の思いでマンパン砦に潜入している彼らが、カレーでお楽しみになった経験があるとは驚きだ。

 例の北門をはじめとして、カレーという街は周囲をぐるりと塁壁で囲って守りを固めている。無法極まるカーカバードの脅威に対する防衛というわけだが、そんな街に建前上とはいえマンパンで働く鳥人が遊びに行くなんてことがあるのだろうか? もしかしたらマンパンに潜入する前に行ったのかもしれないが、特に警戒していると思われる北側からの客をカレーがお客さんとして受け入れるとも思えない。空を飛んで壁を超えることができる鳥人なんて、カレーからすれば何があっても見逃してはならない相手ではないだろうか?

 彼らと砦で出会ったとき、乾燥蛆虫を勧められるのは印象的だ。しかしカレーでのお楽しみに食事が含まれていたかは大いに疑問だ。第二巻に登場するあの町の住人たちはそんなものを喜んで食べてはおるまい。ハーピーはもしかしたらかもしれないが、アレを住人にカテゴライズするのは間違っている気がする。
 では鳥人にとっての「楽しい思い」とは何か。食べ物以外となると、賭博やカーニバル、色とりどりの炎や絵描きのパフォーマンス、水煙管あたりが第二巻のお楽しみイベントであったが……。

 しかし彼らがマンパンを危険視する「シンの篤志家」と呼ばれる集団であることを忘れてはいけない。そんな個人的な享楽とは限らないのではないか? そう、例えばカレーで共にマンパンに立ち向かう味方を見つけたのだとしたら……彼らはきっと「楽しい思い」をしたに違いない。
 カレーを代表する実力者と言えば第一貴人サンサスその人だ。もしもピーウィット・クルーたちがサンサスと同盟を結んでいたのであれば、その場には特別な料理として乾燥蛆虫の用意があったとしても不思議ではあるまい。

(6/26/22)

【追記】
 創土訳では「蚯蚓」でしたな。蛆虫よりはまだ喰うやつがいるやもしれん……

(6/27/22)

【追追記】
 ここへきて虫食文化が出てきました……!

(2/25/24)

★ ボンバを探せ!

 『タイタン植物図鑑』をパラりとめくっておると、そこにはいくつかのなじみある植物が見いだせるのであります。そんな一つである「ボンバ」。シャムタンティで入手できるこの果物は滋養に富み、ほかの食べ物と一緒に摂取することで回復する体力値が倍になるという、ありがたいものだ。
 さて、図鑑にはこれらの載っている植物やキノコの出展もまた記載されているわけだが、ボンバの場合には小説『トロール牙戦争』と並び、『シャムタンティの丘を越えて』及び『諸王の冠』が挙げられている。……第一巻はわかるが、個人的には第四巻にボンバが出てきた覚えがない。これはどういうことだろうか?

 第四巻に登場する食物をあたってみよう。まずは女サテュロスの村でもらえる果物。こいつは体力を4点回復できる優れものだが、ボンバとは効能が異なる。『タイタン植物図鑑』には「ザメンの実」なる存在が載っていて、こちらが合致するようだ。
 次に出てくるのが、赤目が提供する酒、それにヴァリーニャが進めてくるお茶とスープ。どちらもろくなもんじゃない。続いてスログの食糧庫では馬糞黄金虫のピクルスに変異現象団子を食する機会がある……なかなか稀有な体験となろうが、肝心のボンバは見当たらない。鳥人からは乾燥ミミズとパンを薦められるが、残念ながらここにも出てこない。ニブダムをどやしつけてスープを持ってこさせるも、やはり果物はない。
 この後はもう食物らしい食物は登場しない。旅の終わりに近づき、監獄塔で囚われとなった際に牢屋で食べかすのついた皿を見つけることができるが、それだけだ。さて、牢屋でおとなしくしていると食事が運ばれてくる。いよいよお目見えか……と思いきや、でてきたのはトウモロコシのパンと粗挽きされた穀物のみであった。その後は最早処刑を待つばかりとなるので、ついにボンバには出会えず潰える運命だ。

 ボンバよ、滋養溢るる魅惑のフルーツよ、お前はどこに?
 もしもあの食べかすがそうなのだとしたら、たとえわずかでもZEDの足しになったのかもしれない……一緒に食べる何かがないと、普通の食材と変わりない回復量ではあるが。

(7/03/22)

★ 六ツ身

 SIXという魔法は実は恐ろしい術なのかもしれない。これまでどういうわけか、生まれる分身たちは幻であると思い込んできたが、どうやらそうではないらしいということに気づいた。生まれた分身たちは確かな実体を備え、なおかつ自らの自由意志さえ持っているのだ。魔導書には「術師にかけて使う」とあるが、嘘である。さらには「鏡のように同じ行動しかとれない」とも書かれているが、これも正しくはない。どこまでを「鏡のように」と考えるかという部分に、かなり曖昧なところがある。そう、『ソーサリー!』本編に描写されるSIXが持つポテンシャルはすさまじいものがあるのだ。

 これはオークリングの子供たちを相手にSIXを使用すると判明するのだが、分身たちはそれぞれ別の子供たちを押しとどめ、盗まれた品を取り戻すことができる。また、狭い舟の上でSIXを使った際には、彼らは水に落ちまいとしてぎゅうぎゅう詰めになってしまう。単なる幻の呪文ではこうはいくまい。特に前者の成果は注目に値する。
 術師以外にも使えるということについても実例がある。第一巻にて、エルヴィンの長役を増やすシーンがあるのだ。とっさの判断で主人公がSIXの新たな使い方を見つけたとも考えられるが、だとしたら天才の所業だろう。
 さあ、これでSIXのもつ性質はお分かりになったかと思う。では、この活用法を考えてみよう!

 まずはGOBとYOBだ。実に6倍の兵力を活用することができる。6体の巨人が闊歩する様はさぞ見物にちがいない。
 KINもいい。6人もの「自分」に襲われて平気な敵などいやしないだろう。冥府の魔王だって即死の鼻息が飛び交う中では、無事ではすむまい。

(7/03/22)

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