以前軽く触れたこともある(☆21 新訳(創土社版)『ソーサリー!』発売直前 )けれども、第四巻にはイエローフルーツの皮なるアイテムが存在するらしい。
するらしいというのは、使用するアイテムを選ぶ選択肢としては登場するものの、肝心の品を入手するシーンが見当たらないというわけなのである。創土版新訳も既に第三巻までが発表・発売されているけれど、今のところそれらしいアイテムは存在していない。となると、件の品は第四巻にて入手することができる品なのだと推察できる。
そこで、イエローフルーツを探してみることにしよう。黄色い果物が手に入りそうな場所は何処だろうか。スログの食物庫? いや、あそこは実はデッドブロックであり、このルートだとイエローフルーツを使用することができる場所(眠れぬラムとの遭遇)まで進むことが不可能である。禁呪文ZEDによる二周目を考慮に入れれば、皮を持ち込むことは可能だが、第一巻~第三巻までの間での触媒不備による魔法失敗が強制的であることを考えると、『ソーサリー!』は二周目を前提に作られていないことがわかるので、このことは考慮に入れなくてもいいだろう。
では次の場所だ。眠れぬラムよりも前ということで、大魔王の塔の牢獄で出される食事の残りという線は消える。一撃君が運んできてくれる食事の残りか? いや、あれはスープだった。
そこでさらにさかのぼってマンパン砦の外に目を向けてみた私は、それっぽい場所を発見した。シーサチュロスの女王から送られる元気の出る果物。色については記述されていないが、これが今のところ私の中では最有力候補である。(原文でも色に関する記述はないので、多分に憶測込みではあるが)
創土訳の最終巻。来年頭に出ると予告されているこの本で、正解が提示されるのを待つばかりである。
【追記】
ついに創土訳でも解決されなかったこのアイテム。最近こんなことを思うようになりました。
これって、「バナナの皮で突進してくる眠れぬラムを転ばそう」という定番シチュエーション用お遊び選択肢だったのではないかと。
もったいないとは言っても、マグソコガネの酢漬けのことではないぞ。
マンパン砦の内部にある、スログの貯蔵庫。実はここはデッドブロックである。ここに来てしまうと、第三のスローベン・ドアの秘密を聞き出すことができず、立ち往生した末に炎の中に飛び込むしか道はないのだ。
さて、では何がもったいないかというと、ココでおきるイベントの数々である。主にミュータントミートボールの効能であるが、それだけじゃぁない。だが、まずはミートボールからいこう。
ミートボールがおこす突然変異の中に、衛兵そっくりになってしまうというものがある。こいつは主人公がアナランド人であることを隠すという便利な内容だが、この先、つまりスログの貯蔵庫からスローベン・ドアまでの間には「アナランド人だ」と騒ぐ登場人物はいない。
もう一つミートボールのおこすもったいない変異がある。それは爬虫類恐怖症で、これは今後は爬虫類を見るとショック死してしまうというものだが、やはりデッドエンドまでの間に爬虫類は登場しない。
いずれも、スローベン・ドアを抜けることさえできたなら、有効になるであろう地点があるのだ。衛兵隊長カートゥームと大魔王の影武者はアナランド人だと言ってくれるし、爬虫類のほうは、かの名高き神の頭を持つヒドラが待っている。
そして見落とせないのが、第三巻で蛇の指輪を使って大蛇達から聞きだせる情報の中に、この貯蔵庫についてのヒントがある点だ。他の大蛇達の情報はいずれもクリアルートに関係しているものなのに、この一つだけがデッドブロックに関するものなのである。
私が思うに、おそらく最初はスログの貯蔵庫はデッドブロックではなく、クリア可能なルートに含まれていたのではないか? 貯蔵庫から出るさいに、もとの入り口から出てバードマンの詰め所へ向う選択肢が加わっていたならば、これらのもったいない点は全て解決するのだ。
カレーで出会うもっとも謎な生き物。それは銀魚である。コミュニケーションがとれそうで、とれていない。ちょっかいを出すことができ、また向こうもそれに答えてくれるのだが、何を考えているのかはまったく理解できない。銀魚とは、そんな存在である。
この銀魚は貴方に言葉らしきことを言うのだが、なにせ水の中からなので、あぶくになってしまってひどく聞き取り難い。
「ぐぼおだばび」
…何のことやらさっぱりわからない。だが、我々には3つの言語がある。すなわち、英語による原文と、創元版日本語、創土版日本語だ。3つを比べてみれば何かしらの意味を見出すことができるのではないだろうか。
では実際に並べてみよう。
二つ目の創元訳は、単純に原文をカタカナ語にしているようだ。だが、創土訳はあきらかに原文に意味を見出しているとしか思えないほど、音がかけ離れている。私はしばし考え、これではないかという答えを見つけた。
「Brothers(兄弟)」
そう、貴方は銀魚に「よぉ兄弟」と呼びかけられていたのではなだろうか。…凄い魚だなぁ、おぃ。
【追記】
当サイトの掲示板に解読情報が寄せられました。(子曰くさん、ありがとうございます)
「Bwrthhrs」には実は、母音が含まれていません。子音のみです。つまり、「どんな母音を入れれば意味が通じるか」というタイプの暗号なのではないか、という推測が成り立つのです。銀魚のシーンを越えると、次には暴れ馬のシーンへとつながります。そこで、馬(horse)を当てはめてみると、見事はまる場所があります。母音をはめ込んで、「Bwrth horse」となります。英単語でthとなれば、theの算段が高いので、「Bwr the horse」にすると……
これまでまったく意味不明な文字の羅列であった「Bwrthhrs」。実はリドルだったのだ。(私の兄弟説は所詮思いつきの域を出ません)
見事な解釈だと思います。ジャクソン氏に確認しない限り正解か否かはわかりませんが、かなり説得力のある解読方法ではないでしょうか。
子曰くさんの了解を得た上で、創土社の酒井さんに情報連絡させていただきました。今回は本当に関連サイト作っていてよかったと思いました。『魔の罠の都』第二版が出て間もない現状、気の長い話ですが第三版以降どのように訳されるかが楽しみです。(採用されるかどうかも含め)
【追追記】
ところで、一体馬の何に気を付けろというのかという話をば。
実はこの馬に乗ると、呪文の一行を知るロルタグへと至るルートを外れてしまうのである。多分にメタではあるが、まさに「Beware the horse」なのだ。御用心あれ。
【追追追記】
FFコレクション版における銀魚のセリフは「まにちゅう」。これは間違いなく「(う)まにちゅう(い)」でしょう!