第四巻では「リブラに助けを求めもよい」という趣旨の選択肢がないですね。という指摘でした。確かに第一巻から第三巻までの各巻では、窮地に陥ったときにそのような選択肢が用意されている場合があります。例えば、首狩り族に捕まり目の前で大ナベに湯が沸かされた時。または赤目の牢獄に囚われてしまった時、そしてセスター達によって磔にされた上、バクランドに放置されてしまった時……。
こういったリブラの助けは、だいたい各巻ごとに2~3箇所ぐらい用意されています。二巻以降はリブラへの信仰を捨てることになる展開などもあるため、女神の助けを得られる可能性が少しづつ低くなっていきます。第三巻では、女神に助けを求めたはいいが場所が他の神の神殿内部であったために助けを得られないというハズレもあり、巻を追うごとに徐々に難易度が高くなる作りになっています。
そして最終第四巻においては、そもそもの選択肢がなくなってしまうというわけです。
一応その理由は提示されています。ゲーム中にリブラ本人から語られますが、「砦の中はマンパンの神々が支配する領域であり、その中ではリブラは力を発揮することができない」と。第三巻での「他の神の神殿では助けてやることはできません」と同じ理屈である。
第四巻では、その冒険のほとんどをマンパン砦の中で行うことになるので、必然的にお助け選択肢が用意できる場所がしぼられていると言えるでしょう。
でも、砦に入る前にも絶望的状況はあるよね? という疑問もある。これに関しては、掲示板で以下のような意見をいただきました。砦に忍び込む前夜、リブラが夢に現れてヒントをくれるシーンがあります(クリアに必須なので、リブラ信仰を捨てていた場合はこの先行き詰ることになっています)。この助言こそが第四巻におけるリブラの助けなのではないかと。これは実に納得がいく話で、私も「うむ、そうにちがいない」と思った程です。
……でもね。ステータスの回復や病の療治など、選択肢に関係なく選べるリブラの助けは砦の外で行えるので、残念ながら完全な定義にはならないですね(汗 かなり綺麗にまとまりそうだったのに、残念。
【追記】
最弱戦士君のことを思ったら、魔法使いの塔の入口では助けてくれてもいいのにとか思った。
塔は砦の外にあるので、リブラの力は……やっぱり届かないかな。うん、届きそうにないな。
さて、先にリブラの助けに関して書いたのですが、まだ疑問は残る。
ルールにのっとれば厳密には、第四巻における「夢のお告げ」はリブラの助けにカウントはできないとの結論が出た。ならば、第三巻で登場する「女の声」はどうなのだろうか? 戦士でのプレイ時限定で登場するこの助言者は、時大蛇と戦う前に、羊皮紙の巻物の解読方法を教えてくれるのだ。これがリブラの声であると考える人が多いとは思うが(私もそう思っていたし)、でもルールにのっとればこれは成り立たないことが分かる。セスターの仕打ちから逃れるためにリブラに祈った戦士がいたら、彼は一つの巻の中でリブラの助けを二度借りることになるからである。
……一つ思いついた。というか、神々の気まぐれな気質を考えると、これしかない。「女神リブラにお願いするのは巻毎に一回しかできないが、向こうは気まぐれに助け舟を出してくれることもある」
ところで、他にも主人公を助けてくれる謎の存在がいることに気がついているであろうか? それは第一巻に登場する。かすめ草の群生地にて、主人公の手を引いてくれる何者かだ。結局姿を見せずに去るこの存在は、一言も発さないためリブラなのかどうかすらわからない。まさに正体不明の協力者なのだ。これはいったい何者だろう……?(抗えば蛇が登場するのだが、蛇がそんな道案内をする道理が無い。これは二つの可能性を持つイベントということだろうと解釈している)
答えらしき存在は『モンスター事典』に載っていた。スーマと呼ばれる、善の神々に使える者たちである。善の神のために旅する冒険者を時折助けるという彼らは、天使の一種だろう。もしかしたら、第三巻の助言者もリブラではなくスーマなのかもしれない。(スーマには性別はないらしいが)
【追記】
善の神に仕える存在がスーマであるが、『モンスター事典』にはその逆、悪の神に仕える存在の記述もある。その名をナンカ。黒い煙のような姿だという。……さぁ、どっかで見たような気ガしてきたよ?
ほら、あれだよ。何故あんな箱の中にいたのかよくわからない「マナンカの霊」。ナンカのように冒険者を閉じ込めたりはしないけれども、呪いとかかけてくるし。大体名前が「マナンカ」。たった一文字違い。アナランド弁とかそういう理由で充分同一存在と思えてくるよ。そもそも姿がほとんどおんなじだよ。
【追追記】
第一巻に登場するこの導き手だが、最近思うのはこやつ実はかすめ草ではないかということだ。なにしろおとなしく着いていくとかすめ草の真っただ中へと案内されるのだから。
【追追追記】
後の『真・モンスター事典』の記述によれば、これは例の二又の尾をもつ蛇の仕業らしい。だいぶ無理があるような気もするが、そういうことに落ち着いたようだ。
こいつは、蛇とかすめ草の間に何か共存関係があるといい感じな気がしてきた。かすめ草が盗む物品が蛇にとって有益であれば、群生地へと他者を導く蛇の習性に説明がつくだろう。先ず思い浮かぶのは食料だが、『超・モンスター事典』におけるかすめ草の説明や、『ソーサリー!』本編での指示を見るに、他に盗むアイテムがない場合でないと食料に手を出してこない。カラスのように蛇が光り物を好むとかでもない限り、奇麗にまとめることは難しいようだ。残念。
【時計】
カレーの取引屋ノームの部屋には、置時計がある。カレー北区の記念碑広場にも、時計がある。ヴラダの賭博場近くの建物にも、時計がついている。マンパン砦内部で商いをするナイロックの店の棚、そして守銭奴ヴァリーニャの部屋にも置時計が見える。
時計は結構普及しているようだ。アナランドの術に使う「真鍮の振り子」も振り子時計のそれに近い形をしているし(セスターキャラバンのイラスト参照)カーカバードにおいて、時計はそれなりに普及しているらしい。時計といえば歯車だが、こちらはカレーの悪名高き「旅の宿」の仕掛けギロチンに大いに一役かっている!
【レンズ】
ロルタグの書斎の棚に、台座付きの望遠鏡がある。(あるいは顕微鏡か?)
大魔王の塔には、明らかに天体望遠鏡がある! そしてその部屋の主(大魔王の影武者)の鼻先には、半月型の眼鏡が光っている。イラストはないが、セスターキャラバンのウールーがやはり半月型の眼鏡をしていると本文で語られている。
【その他】
明らかに「機械」がいくつか存在している。
マンパン砦にある自動研磨機、シャンカー鉱山の宝石磨き機の2つだ。イラストはないが、第1のスローベン・ドアも機械仕掛けの品であることは以前書いた。
文明レベルが高いと推察されるマンパンはともかく、シャムタンティのシャンカー鉱山の機械は、正直その存在が奇蹟としかいいようがない。働いているのはゴブリンたちと鬼。最寄りの街はクリスタタンティ。そして首狩り族の集落である。もっとも、ここの機械は鬼の怪力をもってしか動かせないという、極めて原始的な動力に依っている品であり、あきらかな故障品を無理矢理つかっているのかもと思わせる。自前のこじつけ説に合わせるならば、マンパンからの廃棄処分品であろう。その運搬には、セスターたちカーカバードの何でも屋が関わっているに違いない。ジャバジ河の渡河に関しても、おそらくカレーの海賊との取引があるのだろう。
カレーといえば、機械的なモノではないが、カレー北区の下水道も実は重要な文化ポイントだ。1370年にパリで作られるまではヨーロッパ各地の主要都市には下水道がなかった。ペストの流行の一因とも言われている。(インダス文明やメソポタミア文明、ローマのような古代都市では下水道は存在していたが。)カレーの場合、上流階層がすむ北区のみに存在するあたり生々しい。南区のはずれ、ノーム街あたりでは道の脇に溝が掘ってある程度である。しかも生き骸が頭をつっこんでいるときたもんだ!