8月26日(火)アフガニスタンを去る
今日、アフガニスタンを去る。短いようで長いようで・・・である。
朝、ミーティングの後、図書館スタッフ、カビール、ハニーフ、バトゥーにまとめの話をしたが、カビールが「図書館を開ける時間だけど・・・子どもも来るし・・・」と気にしている様子。それが気になる。私も気持ちがとてもせいてしまった。
エリさんたちが先に車で図書館を開けに行ったので、私とカビールは歩いて行く。歩くことにも慣れてきた。途中で、ハキラ?ハキラ・・と子どもが言う。外国人ということだそうだ。やっぱり一目でハキラだとわかるんだろうなぁ・・・・。そりゃそうか、鼻が低いもの。
図書館では子どもたちが絵を描いていた。模様的な花か、模様的な果物(マナ、アンクル)が多い。戦車とヘリコプターを描いた子もいた。ザキアという子は、すてきな女の人を描いていた。エリさんがみんなで絵を描いて私に渡すように言ったらしい。みんな、私にくれる。
ジェネレーターが回っていなかったので、扇風機が回らずに暑い。ガルミダ(暑い)、ガルミダ、デーラガルミダ(とても暑いね)・・・と言って、女の子たちが本で扇いでくれる。(ほんとはそんな本の使い方しちゃいけないよ!と言いたいところだったが、なんだか言えなかった)昨日水くみをしていた子が、アイスキャンデーを食べながら入ってくると、食べかけのアイスを私に差し出す。「ウホラ!(食べて)」と。そりゃあ困った。ここでアイスを食べるのかい?と思いつつ、もらってしまって、仕方なく食べる。片方の手には、他の女の子が、お米の揚げ菓子みたいなのを入れてくれていて、私は両手に食い物。げげげ・・最後にお腹壊さないかしら?と思う。その子に「ウホラ!」と返そうとすると、あんたが食べろと受け取らない。仕方なく全部食べた。まったく困ったものである。
カビールは外でジェネレーターを回してきたのだろう。汗だくだくになって入ってきて、扇風機にあたっている。
最初は少し少な目であったが、大勢子どもたちが入ってきた。昨日「さようなら」を言って別れたシャバナも後から来て、目を大きくした。あの子は、今日は私が来ていないと思ったはずである。
「おおきなかぶ」後ろの男の子たちも、目を大きくして見ている。前の女の子たちは、動物が出てくると、一緒に鳴き声を出す。かぶを引いていると、「ネキギ(だめだよ。抜けないよ)」というので、私は「キーギ、キーギ(できる。抜けるさ)」といいながら引く。最後に抜けると、大きな拍手。前に陣取った女の子が、「チェリタゼ?(どこへ行くの?)」というので、ガンピーさんを出すと、もう「ガンピー」と大声があがる。みんなもう名前を覚えている。これも終わると拍手。今日は私が最後だということを知っているらしい。みんな大きな拍手をしてくれる。「さんびきのやぎ」。そして、最後に「さんびきのくま」を話す。すると、バギーの顔が見えた。迎えにきたらしい。オフィスから車の迎えをよこしてくれているのだ。最後に子どもたちの写真を撮る。「ハンダ(笑って)」というと、みんな大きく笑う。アジマルが顔をのぞかせて、「ズ(行くよ)」と言う。子どもたちの握手に囲まれて出た。「ビアラズム、ビアラズム(また来るね)」と言いながら。
この子どもたちのこのエネルギーは何なのだろう?こんなにエネルギーを持った子どもたち。私はまた来るのだろうか?いつまで私はこんなことをやっているのだろう?絵本を通した出会いと別れ。
午後、アフガンを出てペシャワールへ。午後4時の閉鎖ぎりぎりに、パキスタンのイミグレに到着。途中、砂嵐。
アフガニスタン国境を越え、パキスタンのトライバルエリアに入る。また、銃を持ったガードマンが同乗して通過したが、初めて通った2週間ほど前には、「異邦人がいきなり紛れ込んでしまった異次元の世界」のように感じた景色が、なんだか見慣れた景色に見えてしまった。新しい世界に出会っていくということは、ふしぎなものだな・・・と思った。
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