1月5日(土)    陽朔のサイクリング

「陽朔のサイクリング」

 小平と私は、饅頭研究家でもあるので、今日の朝は、饅頭系のものをさがして町に出る。この陽朔というさほど大きくない町でも、歩いているだけでのどがいたくなる。排気ガス。とにかく、車のガソリンが悪いのだろう。恐ろしい黒い煙をふりたてた車が走る。本当に、短時間でのどが痛くなることを実感。

 ここ陽朔は西洋人が闊歩する町だが、でも、本当はそのストリートは一本だけで裏に入ればごちゃごちゃした中国の市場や店がたくさんある。朝、道に机と椅子を並べ営業している。せいろが湯気を立て、小龍包や餃子が蒸されている。みな一人で一つせいろをとっているが、中には10個もあるので、私たちは二人で一つ、小龍包をとってみた。小龍包というよりも、小さな肉まんという感じ。前の人が食べる餃子もおいしそう。みんな、まるでみそ汁のような色をしたスープを飲んでいる。「シェンマ?(何?)」と尋ねると、「油茶(ヨウツァ)」と言う。私たちが見た油、茶油の逆?と興味津々で頼んでみる。それはお茶ベースのスープとでもいおうか、少しお茶の苦みがするスープに、ピーナッツ(花生:フアセー)と、ひなまつりのあられ(米花:ミーフアー)と丸い揚げ菓子?(油子:ヨウゴー)のがたくさん浮いている。お茶ベースのスープ。バター茶ののりかなぁ?と。日本の中華料理ではお目にかかれない、不思議な味。

「親切?客引き?」

 自転車を借りて、10km先にある月亮山を目指して行く。道沿いには、桂林と同じ石灰岩の仙人の山々が迫っている。分かれ道で自転車をとめ少し迷っていると、どこからともなく女の子が自転車でこぎ着け「一緒に行こうか?」と言う。「いい、いい。ありがとう」と断る。しばらく行くと、ずっと前を走っていた二人乗りの男の子たちが自転車の向きをかえ引っ返して来て、「一緒に行こうか?」と言う。みんな、親切なのか?押し売りガイドなのか?判断がつきかねてしまう。自転車で通ると、おじさんもおばさんも「去不去?(チュプーチュ)行くか?行かないか?」「要不要(ヨウプヨウ?)いるのか?いらないのか?」と自転車を併走させてくる。村中客引き?ではないが、そんな雰囲気なのだ。

「プー、プー、いらないよぉ」と言いつつ、必死に自転車を漕ぐ。

 こんな景勝地なのだが、やはり道路は車が通るたびに、排気ガスであふれるので、私はサングラスにマフラーを顔にまき、月光仮面のような怪しい格好をして、借りた自転車(ママチャリ)を漕いでいた。そんな怪しげなヤツ(私なら見知らぬ人がこんな格好していたら絶対声をかけたくないと思うが・・)なのに、みんなすぐ声をかけてくる。負ける。


月光仮面?

 月亮山という景勝地に着き、自転車を置いて登りはじめた。すると、水とジュースをかばんにいれたおばあさんがずっとついてくる。落ち着いて景色を楽しんで歩くどころではない。「私たちは水をもってるから、いらない」と一生懸命示しても、ずっとついてくる。階段を上ってふうふうとついてくる。私たちも「いらないいらない」を連発したので、しばらくしてようやっとあきらめたようだったが・・・カップルだろうが、他の人々の後ろにもヒタヒタとくっついて歩く水売りのおばあさんたちの姿。あきらめずに山頂までついてくる人もいる。すごい根性。中国の観光地を歩くのは、相当に意志頑強でなくてはいけない。ふぅー。

 しかし、私たちも何でも値切るようになった。値切れば結構半額くらいになったりする。

バス代でも、最初は200と言っていたのが、150になった。唯一値切らずにすむのは、お饅頭や麺やその手のたぐいの庶民の食べ物。これは、ふっかけてくることはない。

 夜行バスで広州へ。2段ベット(リクライニング)が縦3列に並ぶ。バスは爆走。

                               (1元=16円)

小龍包+油茶 4 / ナツメ 1斤(500g)5 / 中華菓子 3/貸し自転車 5x2 =10

ボート 8 / 月亮山入場料 10x2=20 / 蒸し餃子 3 / パン 2.5

ぶっかけ飯(夕食)  4x2= 8(おかずを選ぶ。皿いっぱいにとにかくモリモリと盛る)

南瓜餅 1/切手代(日本へのえはがき 1枚4.5元) 4.5x3=13.5/夜行バス150x2=300

                            378元(6048円)二人分