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【ダンジョン日報2】 第25-2号 06年08月21日

『ダンジョンからの使者』



 ザトンのダンジョンのモンスター達は何故かお行儀良くダンジョンの中で待ち構えており、向こうからやってくることはまずないと言っていい。
 しかし、この時は違った。異空の門からやってきたモンスターどもは、特定のパーティに狙いを定めていたのだ。




今回のトピック 『いくぞディーダムたたかいだ』

 その時彼らは、キルケの裏ダンジョンのほんの入口付近にいた。そこに奴らはやってきた。

ディー : 「くふふ。最近迷宮を荒らしまわってるめっさ強い冒険者ってキミたちだね?」
ダム : 「ブラックドラゴン様からの命令で『なんかヤバそうだから今のうちにシメとけ』とのお達しさ」

 異界からの使者ディー&ダム。その恐るべき能力【虚数解の加護】。能力の謎を解かない限り、パーティに勝利はない!







今回の参加メンバー


トリガ
怪盗/レベル2


タック
魔導師/レベル6


リコル
魔法剣士/レベル7


ジン
侍/レベル7

   



◆ティーブレイク◆ 本日二度目の挑戦?

 さて、当初の予定では1回目の冒険をさくっと終わって、メンバーが揃ったところで2回目に挑もうというつもりだったのだ。が、コボルドキングに予想外にてこずったため、今日はすでに随分遅い時間である。
 もう一度ダンジョンに潜るには時間が足りないという話になっていたところに、GMがある提案をした。


GM : さて…実は「カルドを見て思いついたボス」がいるのですが。今からやりあってみます?(笑)

 そう。これこそがGMが使おうと思っていた「ひどい仕掛け」だったのだ。多分おそらく。


ジン : 私は平気ですが……こ、このメンバーで、その。やばい敵と?
リコル : ……カルドはすごくイヤな特殊スキル持ってるから…。
GM : アヌビアスじゃないので安心して下さい(笑) やばいかどうかは、まあ、戦ってみてのお楽しみ。
ジン : …どうします?
トリガ : やってみたいです。
ジン : 私も…皆さんよろしければ。
タック : 「今度こそ、ママに会うんだもんね!」(無駄に意気込み)
リコル : (つーか目の前にイベントぶらさげられて引きさがる冒険者【ゲーマー】がいるかよ(笑))

 これが激戦の開幕だった。





◆修羅の門◆ 大きなものから小さなものまで

 そして、修羅の門が開き、モンスターがやってくる。


GM : ずんぐりと太った小人が、2人。悪魔を引き連れて現れた。
ディー@GM : 「僕の名前はディー君♪」
ダム@GM : 「僕の名前はダム君♪」
ディー&ダム@GM : 「二人そろってディーダムさ〜♪」
ジン : 「…ヤンマー?」
ディー@GM : 「くふふ。最近迷宮を荒らしまわってるめっさ強い冒険者ってキミたちだね?」
ダム@GM : 「ブラックドラゴン様からの命令で『なんかヤバそうだから今のうちにシメとけ』とのお達しさ」
ジン : 「うわ、シメられてしまうんですか?」
タック : 「僕たち、そんな強かったっけ? まだまだママたちのパーティの方がずっと強いと思うしー」
ジン : 「だから、『今のうち』なのでは?」
トリガ : 「では、貴方たち二人が相手、ということですか?」
GM : ディーダムは、2人いますがデータ的には1人ぶんです。で、お供としてフィーンドを4体連れています。
ジン : 「うわ、お供いますよ」
タック : 「あっちのモンスターも会ったことないのだ」
リコル : フィーンド。【闇の力】《戦姫の槍》【仲間を呼ぶ】………。
ジン : 「やばすぎる…」
トリガ : 「やっかいですね」
GM : 戦闘開始です。敵はディーダム、フィーンド×4

ジン : ディーダム、ぐぐるんじゃなかった…。
タック : こ、こんなのだったんだー!!(爆)
GM : え、こんなに恐いキャラだったのこいつら(汗)
リコル : いや、それはたぶん、アリスインナイトメアの映像じゃない? ホラーの範疇に入ってるゲームだし。
ジン : ちょっと、トラウマになりそうです。





◆第1ターン◆ 不気味な展開

 さて、そんな一幕は置いて戦闘開始。


ジン : とりあえず、ヤンマーのMR分かりませんよね?
GM : ネタバレしますと、表向きの数値データはヒドラと一緒です。
リコル : とりあえず、ボスはMR70ってことはわかった。
ジン : ボーパルソードの『強打』は、できると。
タック : ……表向き。
GM : 特殊能力がだいぶ違う。
タック : 敵の行動予定とか、わかる?
GM : 敵の行動ですが、ディーダムは白兵戦の構え。フィーンドは3体が《戦姫の槍》、1体が【仲間を呼ぶ】です。
リコル : 《戦姫の槍》2D6+11が、達成値の2倍のダメージで3発……。
ジン : …とりあえず、フィーンド潰さなくてはですね。《戦姫の槍》はダメージ分散しないです。できるだけ多く潰したいですよね…。
タック : 僕は《爆裂究極》して様子見ようか?
トリガ : 撃ちもらしたのを、《狙撃》予定です。
リコル : よし、《狙撃》があるなら、《神の衣》を安心してかけられる。


GM : では、戦闘開始。ターン開始時タイミングから。
リコル : 《神の衣》!
タック : じゃあ、《爆裂究極》にTP3点! ここで炸裂すれば……!
ジン : がんばれー!
ディーダム@GM : 「いいのかな〜?」「いいのかな〜?」(にやにや)
GM : ディーダムは丸々太った顔にイヤらしい笑みを浮かべる。「20世紀少年」のヤン坊マー坊ばりの笑みだ(笑)
タック : (コロコロ)あんまり行かなかった。達成値34を倍にして68点。
GM : にゅう。えーと、2体潰しました(笑) 3体目に14ダメージだね。
ジン : 何もおこらないよ!?
トリガ : ダメージ受けてるのを《狙撃》します。《アットピンホール》付けて、行きます。
トリガ : (コロコロ)16を倍にして32。倒しました。
タック : すごい《狙撃》だ! さすがアットピンホール。
GM : うぐう。あっさり3体倒されちゃった。えーと、魔法使うやつらを全滅だね?
リコル : いいよ、裏になんかあっても、目の前の《戦姫の槍》のほうが怖い。



◆第1ターン◆ 【虚数解の加護】
GM : では味方にかける魔法のタイミング。残った1体のフィーンドが仲間を呼びます。
GM : 白兵戦の相手はディーダム、フィーンド×2です。
リコル : MR合計134?
ジン : 《精神高揚》を、自分に。
GM : ディーダムは【凶暴化】を発動(ニヤリ)。ディーダムのMRは2倍で計算される。
リコル : あっ、ああーーーーそれかああーーーー。
ジン : くぅ…TP2点。
トリガ : 《不意打ち》+TP1点で白兵参加です。
リコル : TP2。次からTP入れられないかも。
タック : 「が、がんばってみんな!!」
GM : 様子見で、BPは2点使おう。基本数値はこの時点で194もある(笑)。(コロコロ)217も行っちゃった。

トリガ : (コロコロ)うう、全然だめです。25点でした。
リコル : (コロコロ)あーだめ、23しか。
ジン : (コロコロ)すいません、1連打で49しか(汗)


GM : …マジですか?(汗) ……えー。お三方の達成値は、0にされますた(笑)
GM : ディーダムは【虚数解の加護】を使用。
タック : 聞いたことない能力?
リコル : もしかして、50に届かなかったら無効!?
GM : いえ、そういう訳じゃないんですけど…運が悪かったですね(汗)
GM : 一人73、72、72の物理ダメージ。ひどいなこりゃ(汗)
タック : いきなり生命の危機?!(爆)
リコル : あうー生き残れと言うほうが無理だー。
タック : あまりにも、どうしようもないことない?(爆)
ジン : TP使っても…超過ダメージで死ぬ?
GM : ああ、今回は超過ダメージはなしでいいっすよ。余りに予想外(笑) ホントは【病気】もあるんですが、TPで防ぐでしょうしナシで。

 GMの動揺っぷりが予想外にひどい結果だったことを物語っている。
 しかし、戦闘は中断されない。今回だけは救済されたが、この能力の謎を解かない限りは彼らに勝利はないだろう。





◆第2ターン◆ 解けない虚数解

 白兵戦に参加した全員がTPを使用して復活する。HPを超過するダメージは受けてしまうのだが、特別救済措置で免除ということになった。
 しかし、あまりに極端な攻撃に全滅の危機を間近に感じる一同である。そして戦いは第2ターンに突入した。


ジン : さてやばいです。
タック : ……うあー。
トリガ : あ〜、大失敗。《死毒の刃》があったのに(泣)
ジン : あ(汗)
トリガ : あまりのダメージに動揺してました。


ディー@GM : 「げっへっへっへー」
ダム@GM : 「ちょっとばかり、本気を出しすぎちゃったかな〜?」
ディー@GM : 「大した事ないねー」
ダム@GM : 「ないない。楽勝ー」
リコル : わかってることは今フィーンドは潰さないと。
GM : フィーンドは1体が《戦姫の槍》、1体が【仲間を呼ぶ】。
タック : 僕は今回、雑魚を片付けることしかできない。というか、それを全力でやる。
リコル : 白兵にはTPを盛り込まないで、振りなおしのみ!
リコル : 白兵がきびしい今、【病気】をガードしよう。トリガに《加護》!
トリガ : ありがとうございます。
GM : なるほど。そう来ましたか(笑)
ダム@GM : 「俺たちのコンビプレイは無敵だぜ!」
ディー@GM : 「次は、ダムがやっちゃえよ」
ダム@GM : 「おーいえー!」
GM : 第2ターン。《加護》ですね。敵にかける魔法は?
タック : 「じゃあ、僕の番だね! 雑魚みんな潰してやる! TP2点で《爆裂究極》!」
ディー@GM : 「むりすんなー」(ニヤニヤ)
ダム@GM : 「あんまきばるなー?」(ニヤニヤ)
タック : (コロコロ)39! 倍にして、78!! もちろん雑魚から潰してくー。
ジン : 凄いっ。
GM : くそ…39か…39…だめだ、通しだ…。じゃあ、雑魚が全滅してディーダムに24ダメージ当たった。
タック : ふうー。
ディー@GM : 「さっきから、なんて運のいい魔法使いだ!」
ダム@GM : 「心配ない。おいらだけでみんなの肉が食える」
ディー@GM : 「そーだね!」
ダム@GM : 「どうせ、みんなおいらの腹の肉になるのさァ!」
ジン : …奇数ではない? 何かの倍数か?
タック : 【虚数解の加護】、だもんねー。

リコル : …虚数を数えて落ち着くんだ。
GM : それ素数(笑)





◆第2ターン◆ 虚数解を求めよ!
GM : では、味方にかける魔法が終わったらディーダムとの白兵です。BP2点使おう…こっちの合計は155ね。
トリガ : 私は自分に《魔力付与》使いますね。《不意打ち》使って白兵参加です。
ジン : 《精神高揚》継続で。

ジン : (コロコロ)43……
リコル : (コロコロ)更に低い、18。通ってもあんま意味ない数字。
トリガ : (コロコロ)41です。


GM : リコルの達成値だけ0にされた。
タック : うーん、通るか通らないか以前に、全然届かないねー。
GM : んで、ジンの43と41は通った。通っただけじゃない。84×2=168になった(笑)
ジン : 倍デスカ!?
タック : うわ!!(爆)
GM : ディーダムに13ダメージ!(笑)
タック : 不思議空間だ!
ディーダム@GM : 「ギャアアアア」「ちくしょう、痛いよぉぉぉぉ」



◆第3ターン◆ 解がわかれば怖くない
トリガ : ターン数がカラクリに関係してるっぽいですね。次は偶数になるように、達成値を出しましょう。
リコル : あ、あー! ターン数によって、奇数ダメージと偶数ダメージのそれぞれを有効、無効にするというクリーチャーがいた! ような!
ジン : なるほど、それで虚数解。←虚数解とは関係ありません。
GM : では、次のターン。第3ターン。
トリガ : GMもさっきからワザとターン数を言ってますし。
ジン : 「2人がターンごとに入れ替わって、無効化をずらしてるんだなぁ…。ネタが分かれば怖く無いです。参りましょう」
ディーダム@GM : 「く、くそう! 俺たちの秘密を知ったからには生かしちゃおけねえ!」
タック : 「どうしよ、僕、《弱体化》いっといた方がいい?」
トリガ : 「タック君はどんどん魔法を撃ってください。白兵でほんのちょっとのダメージを与えるだけで、倒せる状態にしましょう」
ジン : 「お願いします」
タック : 「うん、わかった。じゃあダメージ魔法を撃つことにする」
ジン : 「次で決める。ですね」
タック : 「いくよー! 《爆裂究極》!」(コロコロ)26! 倍にして、52!!
ジン : よし、偶数だ(笑)
GM : くそ、無効化できねえ!(汗)
タック : ぐ。
トリガ : 「うまいですよ。タック君」
タック : 「へっへー」
GM : 52ダメージそのまま通った。累計で89ダメージ通ってますね。
リコル : こっちも《爆裂究極》。(コロコロ)うっ…33…。
GM : 【虚数解の加護】が発動しますよ?(笑)
ジン : 振りなおしはっ?
リコル : TP、TP使いますーー!(コロコロ)今度はじ、17です…
GM : どっちみちカチン(笑)
リコル : せっかくのクリティカルが。
ジン : なんて、PL泣かせな能力…。
GM : では、味方にかける魔法。
トリガ : これですね。《魔力付与》します。リコルさんへ。
GM : 白兵戦です。敵はディーダム。BP4点突っ込んで応戦だ。(コロコロ)合計159!

タック : がんばれ偶数っ!
ジン : (コロコロ)40発。あまりまわりませんでしたが、偶数ですっ
GM : にゅう、やるな…。
リコル : (コロコロ)やった、44!
トリガ : 最後の《不意打ち》使います。(コロコロ)50になりました(笑)
GM : くそ、申し合わせたかのように!(笑)


トリガ : 134が倍になるんですね(笑)
GM : 134×2=268対159。そちらの108アップ。吹っ飛ばした(笑)
ディーダム@GM : 「ひ、ひぃぃぃ」「まさか俺たちがぁぁぁぁ」
トリガ : やったーー!
タック : かったー!
ジン : やりましたー…
リコル : やった、全滅するかと思ったけど勝ったよー



◆戦場跡◆ 戦い終わって日は暮れなずむ

ディーダム BL:12 BP:12 MR:70 HP:120
特殊能力 【凶暴化】 バーサークする。白兵戦時、MR×2倍。
【虚数解の加護】 奇数ターン時に奇数の達成値を、偶数ターン時に偶数の達成値を0に変更する。その代わり、逆の数の達成値は2倍で計算する。
【病気】 HPダメージを与えると【病気】を与える。
【親衛隊】 常にフィーンドを(パーティの人数)体連れている。



GM : こんなデータでした。
ジン : なかなかスリリングでした…。
トリガ : 最初のターンに3人とも白兵達成値が0になった時は、どうしようかと思いました(笑)
ジン : 呪われてましたね…。
GM : みんなして奇数振るとは思わなかったよ、こっちも(笑)
タック : 白兵ダメージ全部通るって、暴力、だねー(笑)
ジン : しかし。タック君が成功したのが救いでしたね。《戦姫の槍》は飛んできませんでした。
トリガ : 「タック君のおかげで、カラクリが解けました。ありがとうございます」
ジン : 「大活躍ですよ! タック君」
タック : 「え? 僕、何にもしてないけど……」
キルケ@GM : 「なんか、変なモンスターが外部から入ったって訊いたけど、大丈夫?」
タック : 「侵入者だったんだ…。何とか、倒しといたよー」
キルケ@GM : 「アブドゥールの配下のブラックドラゴンが、特別に召喚したらしいわね。ねちっこいというか姑息というか」
ジン : 「アブさん配下? なんでまた我々を…」
リコル : 「…主の性格が出てるってかんじ」
タック : 「でも、アブさんたまに、本人が裏にも来てるみたいだよ?」(笑)
トリガ : 「なかなかの強敵でした。そして、身包みを剥ぎました(笑)」
キルケ@GM : 「そう。じゃあ、わたしからもお礼を言っておくわね」
GM : 帰還しました(笑)

トリガ : 「はあ、今回は危なかったですね。」
ジン : 「なんとか勝てて、幸運でしたねぇ」





◆後日談◆ 数ヵ月後
GM : 実は、ディーダムの使ってた能力を持ってたのは、カルドでは違うクリーチャーだったというオチが(笑)
リコル : なんだってー。

 カルドセプトのディーダムの能力は、「十の位が奇数のダメージでは死なない」だったらしい。


 ちゃんちゃん。






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