2007年09月27日
2007年09月04日

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適当RPG【3rd edition】リプレイ




【第3部】 クルセイド・ウォー・ダンジョン


幕間2 イリスとゼファー イリスとニイ





 得意な得物は槍と決めてきたゼファー。でもやはりテオを目指す限りは剣を使いたい。
 そう。テオ語録にある伝説の英雄テオの武器“悪滅のサーベル”も剣。
 そんな時、ゼファーは聞いた。自分をコピーした敵が背が高く、しかも剣を得意としていたことを。
 剣を使いこなす!
 ゼファーが希望を持った瞬間だった。

 聖騎士の得意武器が槍から剣に変わった理由付けとか言わないで(笑)

 そしてニイは、ひとりイリスの部屋を訪ねた。どうしても気になることがあったから。
 それは、病弱なイリスが、危険なダンジョンに赴くクレースに体を預けられるその理由。
 誰も信じず一人で生きてきたニイにとって、あまりにも想像し難いことだったから。
 彼女は、答えてくれるだろうか。







今回の参加メンバー


イリス
骨董屋

ゼファー
聖騎士

カイマ
魔導師

ニイ
忍者

テオ
騎士

トリガ
怪盗



◆Scene01◆ イリスとゼファー

 これは前回「VSゼットン ゼファー テンサイに遭う」の直後のエピソードです。



イリス : ゼファー、寝てます?
ゼファー : 下の段を今は占拠中ですかね(笑)
イリス : わかりました、じゃあ側についてましょう。


イリス : 「無茶したって、聞いたけれど…大丈夫なの?」
ゼファー : 「ん? ああ、ちょっとドジっただけだから、大丈夫」
ゼファー : 「ごめんな、イリス姉ちゃん。心配かけちまった…」
カイマ : 「うおーい。かゆ炊いたぞー…って、取り込み中か?」
イリス : 「あ、カイマさん。取り込み中ってほどでもないんだけど」
カイマ : 「まぁ、衰弱してるみてぇだから、とりあえずコレ喰わせてやんな」
ゼファー : 「げぇー、なんだ? このドロドロしたの…、ホントに食い物か?」(笑)
カイマ : 「我慢しろ。卵入れてやったから」
イリス : 「ミルクがゆみたいなものじゃない?」(西洋だとオートミールみたいな?)
カイマ : 「……おめぇ覚えてないだろうが大変だったんだぞ。毒は喰らうわ息子は作るわ
ゼファー : 「ハ。お前何言ってんの?」
イリス : 「え? え? 毒はわかるけど…」
カイマ : 「――あー、知らんのか」
カイマ : 「あの後、お前を襲った奴に鉢合わせたんだが。……なんかお前に似たのが出てきてよ」
ゼファー : 「そんな奴は、アヒルの階層が襲われた時には、いなかったぞ?」
カイマ : 「奴が言うには、お前を元にして作ったんだと。……それなりにてこずったな」
ゼファー : 「俺を…?」
イリス : 「ゼファーの背が伸びたら…みたいな相手だったみたい」←クレースから聞いた
カイマ : 「ゼットンとか言ってたな。でかくて、剣使って」
イリス : 「ゼファーも何年かしたらそうなるのかしら…」
ゼファー : 「えーっと、つまり…ゼットンってのか? そいつは俺の分身みたいなもんなのか…?」
カイマ : 「つーか、息子?
ゼファー : 「なんでそうなるんだよ?」
カイマ : 「そのほうが面白いからな!」
イリス : 「ゼファーより大きいのに?」(笑)
ゼファー : 「うぐっ!」
カイマ : 「そしてゼファーより強かったな」
ゼファー : 「剣使ってるのにか?」
カイマ : 「使いこなしていた、というべきか」
カイマ : 「見よう見た目とは違う。剣を自分のものにしていた……師匠の言葉を借りるなら。己の太刀筋を見出したものの剣だ」
ゼファー : 「ふーん…。で、そいつどうなったんだ?」
カイマ : 「うむ。強かったんで、数の暴力で倒した
カイマ : 「1対1じゃ、まず勝ち目なかったな。……お前もいつかはあーなるのかねぇ」
ゼファー : 「背が高くて、剣を使いこなす…か…」
イリス : 「…最初に背の話?」(笑)
カイマ : 「そこが重要なのかよ」
ゼファー : 「背は重要だって。守る方が背が低いんじゃ、後ろに抜けてくかもしれねえじゃねえか」
ゼファー : 「駆けつけようと思っても、手が届かなくて間に合わないかもしれない…」
イリス : ちょっと待ってね、って目配せして部屋を出ます。
カイマ : 「………。いつものお前なら、その分早く走ればいいとか抜かすだろうに」
ゼファー : 「倒れた人を運ぶのだって、相手より背が低いと引きずっちまうんだぜ。いや、あれは情けなかった」
カイマ : 「アレぐらい高くなられると……逆に俺が落ち込みそうだが」
ゼファー : 「お前も高くなりゃ良いじゃん」(笑)
カイマ : 「まぁ、どうにもならんもんはどうにもならんだろ。今の自分にできることを、全力でこなすしか」
イリス : 小瓶持って戻ってきます。
イリス : 「ゼファー。これ、乾燥した小魚。今度の食事からスープに混ぜてみてね?」
イリス : 「乳鉢で粉末にしたほうがいいかしら…」
ゼファー : 「魚? そんなので背が高くなるのか…?」
カイマ : 「まぁ、お前はお前の強みを見つけろよ」
ゼファー : 「俺の強みねえ…」
カイマ : 「ま、自分で探せ」
ゼファー : 「そうだな…、まあ、そのうち見つかるだろう」
ゼファー : 「ま、俺には希望が見えてきたわけだけどな!」(笑)
ゼファー : 「そういやあ、そのゼットンって、生きてるのか?」
カイマ : 「…分からん。倒したが、死んだかどうかは。ま、今はとりあえず身体なおせや」

ゼファー : カイマが真相をぼかした(笑)
イリス : 同じく、イリスもはぐらかされました(笑)
カイマ : 量産されてるかもしれないしさ!


イリス : 「もう少し、ついてていいかしら」 たぶん、初めて誰かが死に掛けるってのを実感したんだろうし。
ゼファー : 「ん? オッケーオッケー、カイマに看病されるのは正直アレだし」
カイマ : 「俺も男を看病するのはアレだ。……そこの菓子でも食べてのんびりしといてくれ、お嬢さん」
ゼファー : 「あ、イリス姉ちゃん、俺にもそれくれ」
カイマ : 「病人は禁止(ニヤ)」
イリス : 「お菓子ばっかりだと…早く治らないわよ?」(手の届かないところへ移動ー(笑))
ゼファー : 「でもよ…、コレ(粥)の方が治らないように見えねえ?」
カイマ : 「お前な……」
イリス : 「なら…すったリンゴ、食べる?」
カイマ : 「甘やかすなっ」
カイマ : 「消化器よわっとるんだからそれでいいんだっ」
カイマ : 「心配かけたんだからっ、その分早く身体なおさんとっ、いかんだろがっ!」(スプーンを口に突っ込む)
ゼファー : 「ぬごっ!」
カイマ : 「甘いものが食べたかったら、我慢してさっさと治せ!」

 そんな2人の怒涛のやりとりをしばらく眺めているイリスでしたが、やがてくすりと笑うと、そっと部屋をあとにするのでした。





◆Scene02◆ イリスとニイ
イリス : 「……大変ねー。二人とも」

 さて、イリスが部屋に戻ると、珍しくニイが訪ねてきます。


ニイ : 「……イリス……さん?」
イリス : 「はい? …あ、そうよ。今はそう」(笑)
ニイ : 「少し、いい?」
イリス : 「私はかまわないけれど。どうしたの?」 手に新しい錠前持ってる(笑)
ニイ : 錠前……(笑)
ニイ : 「……クレースさんは、しまってあるの?」
イリス : 「泥棒じゃなかったけど、前にもこんなことあったから」(カラス事件
イリス : 外してる時は、大体しまってる。「待っててね、今お茶を入れるから」
ニイ : 「あ、うん」
ニイ : 「……クレースさん、戻ってきて、よかった?」
イリス : 「……ええ、とても。ほっとしてるわ」
ニイ : 「……私にはわからない。理解できないの、どうしても」
ニイ : 「何で……イリスさんは、クレースさんの腕輪を受け入れることができるのか」
イリス : 「私にも、よくわからないわ。この状況にすっかり慣れたせいかしら」
ニイ : 「けど……」
イリス : 「……クレースがいない…話しかけても誰も答えてくれないことのほうがずっと…不安で心細かった」
ニイ : 「クレースさんが支配している間、イリスさんの体は命の危険すらある、ダンジョンに潜っている……」
ニイ : 「……それは、自分の命を他者に預けているということ」
イリス : 「迷宮の中ではないけれど、私にはよくあることだったからかもしれないわ」
ニイ : 「……?」
イリス : 「熱に浮かされてる時なんか、今の自分がどうなってるか何もわからないまま、お医者様に命を預けてる……」
イリス : 「目が覚めるまで、なんにもわからないの」
ニイ : 「……それで…それだけで、……平気なの?」
イリス : 「迷宮に行くのは今の話とは比べ物にならないぐらい、ずっと危険だってことはわかってる…つもり。でも」
イリス : 「でも…『冒険者』だから。みなさんだってついてくれてる。だから…きっと大丈夫だと思ってる」

ニイ : クレースさんは、ダンジョンの中で起きた出来事とか、イリスさんと話したりしてるんでしょうかー?
イリス : たまーに。会話内容が淡白なのであんまり危険度は伝わってないと思われる(笑)
イリス : それにこのひともテオ語録の読者なんですよねえ、やっぱ。
ニイ : そんなところにテオ語録効果が(笑)


ニイ : 「…私は……。……やっぱり、わからない」
ニイ : 「ずっと、一人で生き残る術だけを求めてきていたから」
ニイ : 「けれどもここでは、パーティの力が必要になる。…だから」
ニイ : 「だから、常に他の人の力を推し量り、その人に何ができるのかの判断をして、その中で動いてきた」
ニイ : 「私にとって、パーティはそういう存在でしかない。そのはずなのに……」
ニイ : そこまで話して、自分が今質問をぶつけてることと言ってる内容の矛盾に気づいてみたり。
イリス : 「『何ができるのか』…わたしも同じよ?」
イリス : 「あの時、どうしても迷宮の入り口までしか行けなかった。行きたいのに、そこから先に進めなくて」
イリス : 「踏み込むだけなら、できるはずなのに。わたしの行っていい所じゃないって心のどこかで誰かが止めているの」
イリス : 「…おかしな話だけど、クレースがいたら、当たり前のようにみんなと入ってたはずよね」
ニイ : 「……だって、それは『クレースさん』だから。イリスさんとは違う……」
イリス : 「そこに行くべきなのは、わたしじゃないのよ……」
ニイ : 「じゃあ、イリスさんにとって、クレースさんは……『何』?」
イリス : 「『何』かはあまり考えたことないけれど。ここに、わたしがいられるのはあの人がいるからで……」
イリス : 「多分、わたしが一生かかっても触れなかったはずの世界に少しでも触れられるのもあの人がいるからで」
ニイ : 「………」
イリス : 「きっとそんな感じ。魔法だってクレースが使うのではじめてみたのよ? あの時はドキドキしたわ」
ニイ : 「……うん」(中途半端ながら席を立つ)
ニイ : 「……変なことを聞いた、ね」
ニイ : 「………」そのまま部屋を出て行ってしまいます。
イリス : 「あ…ニイさん?」
イリス : ちょっと追いかけるのもなんだなーみたいな様子で。

ゼファー : 今だ! 今が出番だぞ! カイマ!(笑)
カイマ : いいんですかー!?
ニイ : あー、今は待ってー。ニイは、部屋に戻って自問したいんです。


ニイ : ニイは、とても中途半端な表情をしていると思う。
ニイ : 自分の行動がわからない。どうしてあんなことを聞いたのだろう、と。
ニイ : 本当にパーティメンバーの能力だけを見て判断しているのだったら、そもそもこんなこと聞こうとも思わないはず。だけど。
ニイ : 「私はクレースさんのように戦局全体を見渡す目も持ってない」
ニイ : 「ゼファーのようにアクティブにはなれないし、アリス様のような絶大な攻撃力も胸も持ってない。ナギさんのような一途さもない。カイマのような魔力もない」
ニイ : 「だから、ダンジョンに潜る時には、自分にできないことをやってもらうしかない。ただ、それだけのはずなのに……」

 ニイはまだ気づいていませんでした。以前の自分なら、他人に興味を持つことさえしなかったことに。自分の中で、何かが変わりつつあることに。





◆オマケ◆ テオ語録のできるまで 悪滅のサーベル編
イリス : ゼファー、剣よりも身長に興味が出てしまったようです(笑)
カイマ : どうするんですかフラグ(笑)
ゼファー : ちゃんと言ってるじゃん。希望が見えたって(笑)
カイマ : 背に!?(笑)
ゼファー : ゼットンが剣を使えてるんなら、自分も使える可能性は十分ありますからねえ(笑)
イリス : 剣使いたかったのかなあ(笑)
ゼファー : 剣は断然使いたかった! テオの武器は剣だから(笑)

 というわけで。これがゼファーが槍から剣へと転向するフラグになったのでした(笑)


イリス : でも、テオの武器は万年悪のサーベルだったんです!(笑) 買ってから、ずっとー。
ゼファー : 語録によれば後に、テオの持っていた剣は“悪滅のサーベル”と名前を変えているのです(笑)
イリス : そのネーミング考えたの出て来い(笑)
ゼファー : トリガが嬉しそうに付けました(何)
イリス : トリガか! しかも嬉しそうに!!
カイマ : トリガ…(ほろり)
イリス : たまにしたたかですよね(笑)
ゼファー : そりゃ、イストの部下やってりゃあねえ(笑)
イリス : そして泣いてるテオ。
カイマ : テオは水属性ですね…。

*   *   *



トリガ : 「テオさんが持ってるのに、悪のサーベルじゃあダメだと思うんです」
トリガ : 「“悪滅のサーベル”///
テオ : 「だからってそれはないだろ!? なあ! おい!」(むなしくこだまする)
トリガ : 「悪を倒す正義の剣って感じで、素敵ですよねえ…」(笑)
テオ : 「本当にそう思うか…、目をそらさずにもう一度言ってくれないか…?」
トリガ : 「素敵な名前です。テオさんの剣にピッタリですよ」(キラキラした目で)(笑)
テオ : テオのほうが、目をそらすのでした…ちょっと、死んだ魚のような目で。



*   *   *



イリス : 別のところのオチもつきました(笑)






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