クソ忙しい時に限って
どうしてバカバカしい電話がかかってくるのだろう
俺
「アリガトウございますOO自動車でございます」
ねえちゃん
「お忙しい所失礼いたします
XXファイナンス株式会社
クレジット審査部 のササキと申します
先ほどオートローンのお申し込み用紙をFAX頂きまして
まことにありがとうございます」
俺
「ゴメン今忙しいサ 後でかけなおす イイ?」
ねえちゃん
「それが お申し込み用紙に大至急! と書いてございまして
出先の社長様より 携帯電話の催促を頂きまして」
あーくそ 社長・・・そりゃないよ
「急いでやってくれ!」 ってパトカーのパンクを修理していて
電話している今も おまわりさんに視線で殺されそうな上
クルマにキーを閉じ込めたうっかり主婦さんが
スーパーの駐車場で俺を待っているんだ
その時鳴り出すおれの携帯電話・・・ 社長か
俺 有無を言わさず
「わかってます 切ります」
切ってもすぐまた鳴り出すコールは無視
俺
「あーゴメン ちょっとまってて」
おねえちゃん
「はい」
保留。
電話を子機に交換
あー すんません
あんまり急ぐなら
スペアタイヤに換えて 走ってもらって
パンク修理終ったら 署に取り付けに行きますけど?
「ダメだ スペアタイヤが道中でパンクしたら困る」
と言い張るバカ巡査長二人組
(嗚呼! クルマがパンクするのは
6万キロ走行に一回なんだ 知らないだろう)@心の声
作業再開
肩とアゴに挟んだ子機電話とも 通話再開
俺
「おまたせ」
手だけは動かす。
ねえちゃん
「誠に申しわけございません 申し込みいただいた
O川 センゾウ様の お電話番号を・・
あ
あと 職業欄が
「その他」 に丸を頂いてまして
「モデラー」 と書いてございますが
どのようなお仕事で?
俺
「モデラー? 知らん!アハハ
売れない彫刻家だし。 自営でイイよ
電話番号・・?
社長の携帯に聞いて」
ガチャ。
電話を切ったと同時に
まだですか? と マヌケな主婦さんからの電話が。
「もう出ました」 と
ドラえもんみたいな声に変えて答えます
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