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第31回:渡部昇一先生のこと ~その2~

上智大学の名誉教授をされている渡部昇一氏については、いろいろとエピソードがありますので、もう一つお話いたしましょう。

今回、渡部昇一先生監訳で幸福の科学出版から「自助論」が出されました。イギリスのスマイルズが書いた本で、中村正直が明治時代に翻訳をして、日本中で大ベストセラーになった本であり、当時の知識人で読まなかった人はないといわれ、明治以降の日本の発展にすごく貢献した本です。

渡部先生は、なぜ今「自助論」を再翻訳することにしたのかという質問に対して、「今の日本人に一番欠けている精神が自助努力の精神である。国や政府に頼るのではなく、自分の力で自分の人生は切り開いていけねばならない」と、非常に率直に正論を述べられていました。

前回のブログで、渡部先生が、大正時代に出た英文法の本にまで遡って文法を確認するという立派な態度を紹介いたしましたが、その根本にあるのは、渡部先生の自助努力の精神なのだなと感心した次第です。

我々も、このような自助努力の精神を常にもって、誠実に翻訳に取り組んでいきたいものだと思う次第です。

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