用語集・MOX燃料（ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料） | IT・技術翻訳の専門会社【斉藤翻訳事務所】

原子力発電所では、ウランの核分裂だけではなく、発電中にウラン燃料からプルトニウムが生まれ、さらにその一部が核分裂して発電に利用されており、使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウム（酸化プルトニウム）と、天然ウラン、または同じく再処理で回収した減損ウランと混ぜてつくった燃料のことを指す。
MOX燃料のMOXとはMixed Oxide（ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料）の頭文字をとったもの。
MOX燃料は、この核分裂しやすいウラン235の代わりにプルトニウムを使用する。日本では核燃料サイクル開発機構（現：日本原子力研究開発機構）で開発され、新型転換炉「ふげん」、高速増殖炉「常陽」に供給されてきた。電力業界も青森県六ヶ所村にMOX燃料の加工工場を建設する計画がある。再処理（ウランとプルトニウムの使用済燃料を科学的に処理することにより、取り出される）によって回収したプルトニウムについては高速増殖炉で使うほうが望ましいが、その実用化が2030年以降になる見通しのため、その間プルトニウムの有効利用を図るため、一般の原子力発電所（軽水炉）でMOX燃料を使うプルサーマル計画が進められている。