マーケティングなどの分野では伝統的に「上位2割の合計が全体の8割を占める」という経験則が知られてきたが、ロングテール(long tail)とは、「生起頻度の低い要素の合計が全体に対して無視できない割合を占めるという法則」であり、「少数の上位で全体の大半を占める」という、「20:80の法則」に対するアンチテーゼとなっている。
この理論は、ネット上での人々の行動の特徴を表す理論として注目されており、米WIRED誌の編集長だったChris Anderson(クリス・アンダーソン)氏が2004年10月に発表した「the Long Tail」という記事の中で提唱した法則をいう。
オンラインビジネスでは無限ともいえる売り場スペース(Webサイトなど)を用意することができ、地代の安価な場所に在庫スペースを設置することができるため、在庫管理などのわずらわしさもなく、従来の物理的制約の多くを乗り越えることができる。
ロングテール現象は、グラフに描画し、縦軸に販売数量を取り、横軸に頻度の高い順に要素を並べると、あまり売れていない商品の部分が横に長く伸びていることが分かるが、これを動物の尻尾に見立て、「ロングテール」(long tail:長い尻尾)と名付けられた。
ロングテール現象そのものは、物品の販売だけでなく、オンライン広告やWebページのアクセスなどでもよく見られ、ロングテールとは、従来ならば“死に筋”と呼ばれたニッチ商品(群)のことを指す。
特に在庫固定費をほとんど無視できるビジネス(デジタルコンテンツのダウンロード販売のようなもの)では、数年に1回しか売れないようなアイテムであっても、データベース上に登録しておくだけでよく、そうしたアイテムを数多く用意することで大きな売り上げが見込める。
IT・技術翻訳の翻訳会社【斉藤翻訳事務所】
英語・中国語・韓国語、多言語翻訳からホームページ制作、印刷物制作まで幅広く対応いたします。