放電加工は、火花で金属を彫る加工法(火花を断続的に飛ばし、金属の溶解・冷却・飛散を繰り返すことにより、金属を彫る)のことを指し、絶縁性の液体中にセットした加工電極と工作物の間に、微少なギャップを設けて電圧を加えることにより、加工電極と工作物間にアーク放電を発生させ、その熱によって工作物を溶融、同時に液体の気化する際の圧力で溶融部分を吹き飛ばして除去する加工方法である。
放電加工の原理を用い、電極の代わりに0.1mm前後の細い電極ワイヤを用いて工作物との間にアーク放電を発生させて加工を行う方法がワイヤ放電加工である。
ちなみに、ワイヤ放電加工と区別する場合は、「型彫放電加工」と称される。絶縁性液体としてケロシン油や脱イオン水、電極には銅、グラファイト、タングステン合金などが使用される。工作物が導電性であれば、材料硬度に関わらず加工が行えるため、タングステンや超硬合金の様な難削材の加工も容易に行えるほか、ダイヤモンドへの穴開けにも使用される。また加工時に電極は工作物に接触しないため、工作物は加工反力をほとんど受けず、残留応力が少ない加工方法である。
工作物を乗せたテーブルをNC制御によって高精度で動かすことにより、自由な二次元形状の加工ができるため、特に金型加工においてめざましい成果を得ているが、ワイヤ放電加工では、その原理から三次元加工は困難であるといえる。
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