時事放談
神石高原町議会議員
木野山孝志
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平成23年  6月
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 6月29日(水)

  神石高原町議会議員の定数条例の一部改正発議について


 この度の6月定例会に於いて、本町議会議員の定数を14人から12人に削減する条例案の提案が、提案議員1人、賛成議員1人の2名により提出された。提案者の提案理由の説明。賛成者の補足説明。3名の議員による質疑、それに対する賛成者の答弁。反対討論1名。賛成討論1名。の後、採決し反対者10名、賛成者3名の10対3で否決となった。

 私は、反対の意思を表明し起立をしませんでした。以下、その理由を述べます。

 提案理由は、

@アンケート結果による民意の反映。(削減すべし79.9%。適正議員数12人が55.8%)。

A議員一人当たりの住民数。(全国レベルで11.0人、県レベルで8.3人)

B財政面を考慮。(平成25年度には公債費比率が18%を切る見通しだが、国の財政は厳しくこの度の震災により本町の財政は予断を許さない。2名減の財政効果は1%に満たないが財政健全化の一助となる。の3点。

 補足説明で、

@アンケートは、469人を対象。自治会長、各事務所、JA、局、役場などで実施。民意と認められる。アンケート文には、議員削減によるデメリットも記入した。

A議会改革の本丸は定数と報酬だ。順風満帆の時ほど改革が必要。

B町財政は厳しい。執行部、国家公務員も報酬減の方向。定数・給与の一体改革が必要。この度の議員報酬減による削減効果は230万円だが、定数2名減で670万円の効果が有り、定数減を優先すべきだ。

 反対の理由

@アンケート結果が民意との判断だが、公平な第3者機関や議会として公に行ったものではなく、特定の議員が恣意的に行ったアンケートであり、とうてい民意とは認められない。また、為に行ったアンケートであり、議員定数のみを主題に実施しており、議会そのものの在り方を尋ねたものでは無い。議員定数、議員報酬の多寡のみを問えば住民感情として少ないほうが良いと答えが出るのは当然であり、それだけで民意と判断するには無理がある。

A提案者は、提案の定数12人についての根拠を議員一人当たりの住民数に求めている。

 この考え方は明治21年に制定された市制・町村制の制定以来の、住民の数を基礎に議員定数を定めようとの方針のもとに展開されてきたもので、平成15年1月から法律で人口に応じた定数の上限を定め、その範囲内で各自治体が自由に定数を決定できるようになった(条例定数制度)。ちなみに地方自治法91条をみると上限定数は、2000人未満は12人、5000人〜1万未満18人、1万〜2万未満は22人、〜、となっている。

 しかし、適正議員数は其々の地域によって異なり、定められた上限数も確固たる根拠はなく、地方分権制度にふさわしい本格的な条例制定主義に変えるべきだ、と平成21年9月、第29次地方制度調査会は、地方議員の数を人口比に応じて法定する制度そのものを全廃に踏切るよう答申している。本町の定数14人は。法定の上限22人を8人も下回っており、提案者も指摘されているようにこの基準で判断すると全国レベルで14.6人、広島県レベルで15.2人となりその数をも下回っており12人という根拠も、定員数減の為にする一要件を示したにすぎなく絶対的なものではない。

 あくまで、地方分権時代の地方自治体は大きく変わらねばならず、議会も2元代表制の一翼を担う重要な位置にあり、従来のようなチェック機関であるとの認識ではとうてい分権時代は乗り切れない。地域間競争に敗れてしまう。議会は立法機関を目指すべきである。この重要な時に議員定数は如何にあるべきか。安易な古い考え方で定数問題を語るべきでは無い。

B提案者は、本町の牧野町長の英断により財政再建が進み見通しは明るい、と言いながら一般会計のわずか1%にも満たない削減費が必要と述べられる。

 私も、最終的には財政的な判断が議員定数に引導を渡すと思っていますが、その定数判断は12とか14とか言ったところにあるのではなく、あくまでも議会のあり方に突き付けられるもので、現時点で一方的な財政判断を持ちだすことは好ましくない。
 定数と報酬が議会改革の本丸では無い。議会のあり方を問う中で結論を出すべきで、本町議会としては議会改革に向けスタートを切ったばかりであり拙速な結論は行き先はゴルフボールに聞いてくれとなってしまう。

C結論

 もう少し議会内で議論を行おう、と言う事であり議会での総意を以って提案すべきである。と言うのが私の思いです。提案は、議員の議案提出権を定めた自治法112条の2項に基ずく12分の1を持ちだし権利を行使するのではなく、あくまで議会としての総意に基ずいて代表するものが提案することが望ましい。

 また、今回はその結論を待たずに、否決が予想される中での提案であり、私個人的には、提案者は、提案することその事が目的であるように感じられ、賛成同意は出来ませんでした。


                        






 6月28日(火)

IP告知放送端末機・デジタルテレビ放送(11ch)の活用について
(神石高原かがやきネットの利用について)


 ようやく本町に於いても、光ケーブルが全町に張り巡らされ、デジタルテレビ放送の視聴が可能となった。同時に、合併前の旧4町村で異なっていた公共放送システムが、町内でが統一された。また、インターネット環境も整い、光通信で2メガと20メガのどちらかを選べることとなった。地域によっては従来のISDNやADSLよりも格段に早い。

 公共の告知は、IP電話も可能な告知放送端末を各家庭に設置し、その端末で○公共情報放送(アナウンス(音声)にて告知) ○ページング放送 ○FM放送 ○緊急放送などが音声で行われる。また、別回線にてデジタルテレビ放送により ○情報の告知(11ch)が視聴可能となった。
 地上デジタルテレビ放送において、府中ジョイネットからの配信で、イ)町のお知らせ ロ)おくやみ ハ)自治会情報 ニ)天気予報などが静止画面にて発信される。また ホ)ケーブルジョイの番組が音声とともに

  @15 かがやき便り・・・町の話題

A5、10 お知らせ情報(知っとくネット)・・・町・府中・新市のお得な情報

B15 案内番組・・・・・・多チャンネルなどの情報

C15 フリータイム・・・・特別番組、ものづくりの工程など紹介

D60 チャンネル700・・総合エンタテイメント(地域色豊かな番組、ドキュメンタリー、音楽、生活情報)

E60 特バン・・・・・・・・議会放送、講演会、行事の様子

Fショップチャンネル・・テレビショッピング広告放送

が1時間のサイクルで放送されることとなった。

 IP告知放送端末、デジタルテレビ放送(11ch)ともに、情報の告知が目的であるので、町民から見て有料・無料を問わず、大いに活用すべきである。また、町としては、その利用にあっては、最小費用で最大効果をあげることが肝心であり、その観点から地域の情報をどう扱うかが問題となる。

 この度スタートした情報告知システムでは、町民側・利用者サイドからでは、*告知端末でのアナウンス(無料) *告知端末でのページング放送(無料) *町で対応するテレビ画面の利用(無料) *行事など地域情報(自主番組でケーブルジョイが取材→無料)となっており、広告放送は、ケーブルジョイの番組(知っとくネット)を利用する事となり有料である。言い換えると、町では広告放送を取り扱わないこととなった。

 町からのお知らせは公共告知であり可能な限り、IP告知端末、地デジ放送にて行われるので問題はない。

 地域での自治会や地域おこしボランティア団体が実施する行事に関する情報は、告知端末や町で対応するテレビ画面を活用して積極的に発信すべきであり、多ければ多いほど情報・地域のニュースに関心を持つ人が増え、神石高原かがやきネットの視聴率も上がり、地域の行事も活発化する。地域の活性化に繋がる。そういう意味で、上記の行事についての情報や地域の観光スポットなどの紹介にケーブルジョイの番組を利用することを大いに奨励すべきである。

 また、地域での自治会や地域おこしボランティア団体が実施する行事に関する情報は、規制を掛けないで、出来るだけ告知端末でのアナウンス放送、告知端末でのページング放送、町で対応するテレビ画面での告知にて対応すべきだ。

 「広告放送」の定義付けが問題となるが、出来るだけ狭義に解釈し商業ベースでの広告・宣伝、営利団体による興行の宣伝・広告に限るべきではないか。

 いずれにしても、スタート時点で、町民が大いに利用しやすい環境を整える事が肝心だ。




                       




 

 6月19日(日)

 イノシシ被害の復旧対策について


 近年、鳥獣による被害が拡大し、各自治体ともにその対策に頭を痛めている。

 特にイノシシは頭数が増大し、夜中に車を運転中突然イノシシの家族とご対面した、という物語をよく聞くようになった。
イノシシによる被害はダメージが大きい。農作物を根こそぎ持っていくし、あちこち機械を使ったかと見間違うほど掘り返す。

 本年度、本町における有害鳥獣駆除対策事業費は1,803万円で、捕獲奨励費(イノシシ5000円、サル10000円/頭)・駆除活動委託料・防止策などの補助・新規狩猟免許取得補助(わな20000円、銃50000円)などを実施している。
 イノシシの捕獲頭数は、平成16年度は132頭だったのが、平成19年度では296頭、21年度では489頭、22年度では590頭と年々増加しているが、イノシシの自然増には全く追いつかず被害は益々拡大というのが現実である。捕獲班(100名)の年齢も高齢化し往年のベテランが一人一人と引退されても後継ぎがいない。総合的な、より実効性のある対策が必要だ。

 有害鳥獣の捕獲対策については補助規定もあり、本年度は先進地視察も計画されている。しかし、イノシシによる被害の復旧については、町道や農道の復旧は行われているが私有地については現在規定もなく行われていない。なんとかならないか、と言うのが皆の気持ちである。

 ただでさえ農作業がたくさんあるのに、その上鳥獣被害対策の負担が増えるのは大変なことで、このような農地は耕作するのを止めてしまおう、というような気持ちになる。イノシシが来ると一晩で今までの苦労がダメになってしまう。荒れた土地にはイノシシが入ってきやすくなりそうすると益々管理できなくなる。悪循環だ。という声を聞くようになった。

 今まで復旧に補助規定が無い理由は、私なりに考えてみれば、まず個人の土地被害については保険でも掛けて対応してくださいということですが、復旧への補助は際限が無い。被害はあちこちそこらじゅうで限が無い、お金はいくらでも必要となる。また幾ら直してもすぐ掘り返されてしまう。復旧よりも被害が起きないようにすべきだ。またどこまでするのか、査定が難しい。などなどで、今まで復旧には予算が付いていないのが現状です。

 しかし、過疎化・高齢化により土地の維持が困難になっており、先ほど述べたように農地の荒廃が加速する可能性が高くなってきたこと。そして被害が、町道や河川、隣地に影響を及ぼし大規模化することが予測される場合もあり、そろそろ復旧対策を考えなければ、「住みたくなる高原町」で無くなってしまうのではないか。

 また、あらためて、先祖から受け継いできた土地を守る事の大切さ、自然な景観の維持、整備された生活環境をいかに維持して行くか、考えねばならないと思います。

 他の市町で実施しているところはないかと調べてみると、すでに農業振興の一環として一定の条件を設けて復旧補助を実施している市町もあり、どこまで復旧費を補償するか、限度額や一定の条件を設けて復旧を促すことが必要ではないか。