文
作・編曲講座 Vol.
和声の機能→主要三和音、副三和音
「和声の機能」
さてさて、作・編曲講座を始めて今回で2回目となりました。とです。
ドミナント・モーションは、和声学でのLESSON 1と言いましたが今回は「和声の機能」に
ついて・・・・、です。
あ、ところで前回でのC藩の筆頭家老{G大老}のお話、覚えていますか?
今回はその{C大名}が城主のC藩でのお話ですので、この話、知らない人はVol.1を復習して
から。どーぞ。
[C藩の名簿]
ご主人 家来 家来 老中 大老 家来 大老あずけ
C藩では城主さまが{C大名}で、それに仕えるご大老の{G大老}が居ることは前回言いましたネ。が、C藩のご家中にはいろんな「ご家来衆」がこの名簿のようにいらっしゃいます。とっさ。
この家来の中でも特に{G大老}はC藩にとっては無くてはならない存在でして、この方がドミナント・モーションを引き起こして{C大名}をいつも引き立てるんで、この藩の君主としての
{C大名}が存在していると言っても過言ではありません。
しかし、この藩にはもうお一方次席家老の{F老中}という方が居て、この方は{G大老}とは
意見がことごとく異なり・・・・
そう、どこかの国の二大政党のボスのごときお方なんです・・・が、この方もまた、C藩の重鎮
です。
相反する政党・・・・というのも、この{G大老}(ソ・シ・レ)と{F老中}(ファ・ラ・ド)同じ音がまったくありません。
これでは意見が合わないのもごもっとも・・・・やはり、C藩での二大派閥??なのでしょう。
主和音Cをトニックと英語を使ってかっこよくやると・・・・・世間ではこの大老のGを属和音のドミナントと呼び、
老中のFは人呼んでサブ・ドミナントと呼ばれています。
そして、この{C大名}と{G大老}それに{F老中}のお三方をC藩での主要ご三家(主要三和
音)と申しております。
はい。
つまり、Tの{C大名}は言わずと知れた「C藩のご主人」・・・・・(主和音)
Xの{G大老}はC藩の重鎮。大名をいつもたたえる「筆頭家来」で派閥を持つ。・・・・・
(属和音)
Wの{F老中}はG大老と意見が異なるが「C藩を支えるもう一つの家来」で、同じく派閥を持つ・・・・・(下属和音)
そして、この他のご家来衆の「派閥構成」と言えば・・・・
U(Dm7)のご家来はDmを4和音にしてDm7とし、展開形にするとF6(ファ・ラ・ド・レ)と同じになります。
これはもう完全にF老中派!!つまり、サブ・ドミナント。
W(F)の代理和音です。
V(Em7)のご家来はと言うと、ちとめんどうで、Em(ミ・ソ・シ)はCM7の根音省略形だし、
Emの根音ミを省略すると(ソ・シ・レ)でXの和音Gと構成音はまったく同じ!
えー、そうなんです。このお方・・・・ご主人に従っているかと思えば、大老にも通じている言わばコロコロ変わるコウモリ?的機能の和音。
あるときはトニック派、またあるときはドミナント派!と、少々あつかいにやっかいなお方なんです。
したがって、T(C)もしくはX(G)の代理和音。
Y(Am7)構成音は展開形にすると(ド・ミ・ソ・ラ)。これはもう大名の血筋を引くトニック派。
それ以外のなにものでも無い。時には城主の名代としてご活躍もたびたび。(偽終止)
T(C)の代理和音。
Z(Bm7−5)この方は特別で、ほとんど単独行動をなさらないお方です。
まだ元服されていませんので、後見人のご大老といつも一緒となって(ソ・シ・レ・ファ)のG7としてお働きになります。
未成年ですので、どなたの代理も務まりません。
★ないしょの話・・・
Tのセブンスは奥方が公認しているBのご側室でなければなりませぬ。つまりCM7。
このBの方(CM7)では家庭騒動はおきませんが、もしも、このセブンスの君がBbの君となるとC7となり、これでは
も〜う、ミとシbの音程の間に例のX7と同じ減5度(増4度)の不響和音が発生してしまい
、Fへと解決したくなる
ドミナント・セブンスとなってしまいます。
そうなってしまったら、もはやC藩の大名の座を追われてしまい、F藩の大老職としてF大名を引き立てる役目が出てしまい、ドミナント・モーションを引き起こすC7となってしまいます。
ん・・・ん、やべ!大変!! 大名が他の藩の家来へ格下げ!!!
そう、これが戦国の世で言う藩主交代・・「転調」・・・・・・・・このお家騒動は、面白いのでいずれお話しましょう。
元の話にもどして。。。。以上がC藩のご家中内の固有和音とも呼ばれます。
んで、この世に存在するDbやF#なんかの多くの他の和音はよその藩のご家中で、残念ながら
C藩のご家中にはいらっしゃいません。
しかし、「影の大老」が居るんです!。実は。。。。C藩には{G大老}の他に・・・・・・・
なんと。
X7(G7)のファとシの間に出来る音程・不響和音がT(C)へと解決する強い感覚をドミナント・モーション!
これが和声のLESSON 1とVol 1で言いましたが、この世になんともう一つ。
「ファ」と「シ」の音程を有する「和音」が存在するんです・・・・・
これがなんと・・・・・
G7とDb7をこうやってならべてみると・・・・・
ナント、なんと、何とG7・・・・つまり、X7の和音に含まれる「ファ」と「シ」の減5度
(増4度)が二つの和音には有るではありませんか!
(Db7のCbは異名同音でBとなります)
そう、Db7はC藩のご家中には存在しませんが、影の大老として、ポップスなどの曲でドミナント・モーションの機能として曲の終止形なんかに出てきます。
もしかして、これって、G7の影武者??
いや、音楽的にはG7の「代理和音」と呼んでます・
では、次回はそれといざ戦の時には、よその藩から助っ人として加勢に来てくれる武士、人呼んで「借用和音」のお話でもしましょうか・・・・・・・ねっ。
あ、この講座はコード・ネームで話を進めていますので、すべて英語表記です。
ドイツ語ではありませんので、「シ」は英語のBで表し、決してHではありません〜〜〜。
念のため。
したがって シb はBb(ビーフラット)で B (ビー)と記すと シ で〜〜す。
このへん、音楽大学で学んだ方は切り替えが必要ですね。