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ミュージック アレンジは、日下部徳一郎(作・編曲家)のホームページです

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 作・編曲講座 Vol. 準和声音(テンション)

さてさて、Vol.5での隠密忍者の話はいかがでした?・・・・・チト難しい??
まっ、今すぐには解からなくとも、あきらめずに和声学の本でも買って覘いてみてください。

で、今回は江戸の街の安全をあずかる私、人呼んで銭形平次と云われるあっしの話を聞いてもらいやしょう。




前回登場した隠密たちは、その動きが人に知れても社会に不安を起こさないようにすぐに取り繕っていたので、隠密が起こす不穏な空気も、そう長くは続かなかったもんです。



しかし、月日が経ち元禄時代の世の中・・・・長く平和が続くと、刺激を求める武士たちの中にはこの隠密たちを屋敷へ囲い込んで雇い入れ、自分に味方する冠者とする者もでてきたとです。トサッ。
まっ、時代の変化とも言うんでしょう・・・・・世の中色々です。。。。



エヘン!・・・・私が、平次親分の言っていることを現代の言葉へ通訳しましょう!!

「非和声音」はメロディーの移行につれて生じるもので、和声音に解決することが原則である。
現代のジャズやポップスでは、さらに刺激性や色彩感を求めてコードに非和声音を加えて使用するようになる。
これら緊迫した感じや色彩を和音に与えながらも、基本コードの機能をそこなわない音を「テンション」といい、「準和声音」とも呼ばれる。
しかし、あくまでも非和声音なので音楽として美しさを失わないように慎重に扱うべきである。と、ネっ。





 「テンション」(準和声音)

イ) ⅠとⅠmのテンション


①6thとメジャー7のコードを基本コードとし、その上に付加される準和声音をテンションとする。

②トニック&トニック マイナーのテンションは長9度上の音、9thのみである。

③メロディーが9thの場合maj7th(または6th)を内声におぎなうことが多い。


④テンションは常にカッコの中に入れて表す。
 ただし、メロディーの中の経過音あるいは隣接音として現れるときは、テンションを記入する必要はない。



                           


ロ) Ⅳのテンション


①ⅣもⅠと同様Ⅳmaj7,Ⅳ6のコードを基本コードとし、その上に付加される準和声音をテンションとする。

②Ⅳのテンションは長9度上の音9thと増11度上の#11thである。

③#11thのテンションを付加したものは、独立したコードとして単独で使われることはまれで、
 #11th→3あるいは#11th→5というメロディーの移行によって偶発的に生じることがほとんどである。

④#11thをテンションとする場合はmaj7を補う。

⑤#11thが上行して第5音に解決するときは、第5音を省略する。
  また#11thが下行して第3音に解決するときは、第3音を省略する。




                            


ハ) ドミナント セブンスのテンション
    
※ドミナントと云うと、機能としての属和音としての印象でKey in C でのG7のみと勘違いしがちだが、長三和音にセブンス(根音から短7度)を加えた和音はその4度上もしくは5度下の調へ解決したい響き、
つまり、ドミナント モーションを期待させるので、これらはすべてドミナント セブンスである。

☆上の和音はすべてトライアード・コード(3全音)を有するドミナント セブンス。なのだ!
 世の中この他の和音も色々あるが、ドミナント モーションはVol.1へ記載。



①ドミナント セブンスは9th、11th、13thの3種の音をそれぞれテンションとすることが出来る。

②9thのテンションは根音からの音程によって次の3種にわけることが出来、また次のような場合に使われる。
     9th  長9度・・・・長調の場合。

    b9th  短9度・・・・短調またはマイナー系のコードに進行する場合。

     #9th  増9度・・・ 自然的短音階のメロディーやブルース スケールによる曲                  の場合。


③11thのテンションは常に#11th(増11度)とする。
  なぜならば、11th(完全11度)の音は、そのドミナント7thが自然的な解決をする5度下のコードの根音で、
  この音を付加することでドミナント セブンはⅤ7の機能がいちじるしく弱まってしまう。

  ★上記の理由で11thをテンションには含めないが、第3音を省略したこの11thを持ったドミナント セブンスを
    最近では(Sus4)で表す。


④13thのテンションは根音からの音程によって次の2通りがある。
      13th  メジャーキー、あるいはメジャー系のコードに進行する場合に多い。

     b13th  マイナーキー、あるいはマイナー系のコードに進行する場合に多い。

  ★13thをテンションとする場合には、上声部から第5音を省略する。またいずれかの9th(9th or b9th)
    をおぎなうことが多い。






ニ) マイナー セブンスのテンション

①マイナー セブンスのコードは長9度9thと完全11度の11thをテンションとすることができる。

②9thのテンションは常に長9度で、しかもスケールに含まれる音でなければならない。


③上記Ⅲm7の9thはスケール外となる。したがってⅢm7では9thをテンションとすることはできない。

④9thをテンションとする場合の省略音は1である。

⑤11thのテンションは常に完全11度でなければならない。

⑥このときの省略音は第3音である。



ホ) ディミニッシュ セブンスのテンション

①ディミニッシュ セブンスのテンションは、そのコードトーンを各1全音あげてみてそれがスケールに含まれていればテンションとすることができる。




さてさて、次のテーマは何にしましょーーーか?  ご期待ください・・・・