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ミュージック アレンジは、日下部徳一郎(作・編曲家)のホームページです

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MARCHING

DCI 続き


移動の足

 メンバーの移動に使用されるバス。
 Cabby (The Cavaliersの愛称)も5台のバスと、楽器車 ・ユニフォームが収められる車(トレーラー)が連なって の移動で会場移動はもちろん合宿場→会場移動に至るまで のゼ〜ンブが団体行動。
 合宿場付近といえば、徒歩で、ん〜時間も歩かないとパチ ンコ屋・ん?・・イヤ、繁華街はおろか民家さえ見えない 
これではもはや、ただひたすら修行するのみの生活。
ボーイスカウトが前身でメンバー全員が男性のMadison ScoutsやThe Cavaliers では、自然と男同士の**が・・・・
あっ、これって知る人ぞ知るホントの話。

話変わって、練習は裸でも、いざ本番となると当然ユニフォーム着用となる。
が、いくら本番が夜とはいっても、頃は夏の夜。「動き命」のSUMMER MUSIC GAMES!世界トップのショーを演じるプレイヤーと云えど神でも仏でも無い人間、汗は当然出ます。VTRでは演技終了後のすがすしい汗たっ〜ぷりが、画面いっぱい写しだされていますよネ。しかし、ツアーでは演奏終了後に毎回洗濯している時間は無く、そのままユニフォーム車のハンガーに吊るして自然乾燥。
そのため、この車に10mほどの距離に近づくともう異臭が漂って来るし、まして、車に乗ろうモノなら!「鼻がもげるヨ・・・」とTubaを担当している息子の応援でツアーの世話をしているお母さんが話してくれました。でも、これって・・・サモありなん!しかし、ファイナルにはきちんと洗濯したユニフォームを着用するそうですヨ!

 この写真(右から二人目)の女性の息子が全米高校生Tubaの 部で第一位となり、キャバリアーズより音を充実させたい とスカウトされ入団したそうです。が、高校生の時にはマ ーチングの経験が無かったので、練習期間に「動き」がマ スターなかったら、本番には出さないと条件付きで入団し たそうで、こうやって心配していつも見にきているとか。 まあ、何とか皆に付いていってるそうです。このお方とは スタジアムのブースでキャビーのグッズを売ってたのでこの後会場に行った時に再会しました。
幸いこの女性に今年の様子やキャビーの色々なエピソードを含め面白い事もい〜っぱい、教えてもらいました。

(A先生、M先生と公認指導員のY氏)



 

大会会場                    

メンバーは大会会場に到着すると隣接する別の場所に、チームにごとに割り当てられた所に集合して最後の調整。
驚くのは、この間の楽器の保管からメンバーの移動まですべて整然と行われる。、まるで演奏をしないパレードを見ている感じ。日本でファイナルのショーをVTRで見て「やれハデだの・何だの・カンダと」 DCI を批判する教育者と称する人たちの弁を聞く度に、この一連の光景をぜひ見てもらいたい。
マーチングの効用の社会的・精神的な教育に貢献し協調性、忍耐力等の向上が、この様子を見るとはっきり理解できるし、日本では戦後軍事教練に結び付くものとして集団教育が廃止された現在、特にスクールバンドでのマーング導入に絶対賛成!・・・・・声を大にしたい。



 さて、一般の見学者が会場に到着して最初にもらうのは、 入り口付近で無料で配布される前日の成績表。
 これはA4サイズにカラーのパンフレットで、前日までの 成績・今日の出演順とその時間、それにトピックスが掲載 されている。この成績表では Caption ごとに General   Effect  Visual, Music と3部門に別れ、さらに General Effect は Visual と Music に別れ,Visual に2名 Musicに2名の審査員が付く。
ついでに述べると Caption での Visua lは Performance, Ensemble, Colorguard の三つにさらに別れてそれぞれ2名づつ、Musicでは Brass, Ensemble, Percussionと三つに分かれ、これもそれぞれ2名づつの審査員が配置される。
これらは表で実際に見るとシンプルでも下手な文章で説明するとヤヤコシイ。
つまり、10点満点で採点する16名の審査員の General Effect の審査員の点数以外は 1/2 に換算して合計され、100点満点にて順位を競う。そして、この点数は審査員名公表にて印刷され翌日にはもう配布される。ただしこれはインターネットでも発信されるので、2〜3時間後には全世界で知ることが出来る。

これをもらって情報を仕入れたら、次はお目当ての 各 Corpsの出展しているのブースへと急ぐ。ブースでは 各コー のロゴ入りグッズを販売しており、面白い物や珍しい物が所狭しと陳列されている。
この他には、マーチング用品の会社や楽器会社もそれぞれ出展しているので、競技前のひと時を過ごすのに退屈はしない。腹が空いたらファスト・フードのコーナーも有るので、チョットした腹ごしらえも出来る。
私はYAMAHAからお足をもらっているのでYAMAHAブースも覗くが、同じロゴをかかげる会社ではあっても、ここはYCA(YAMAHA Corporation America)の別会社。
ちなみに日本のYAMAHAはYCJ(Jは当然Japan)と区別され、ブースには本家の日本には無い珍しい物も有り、当然、対応するお方もネイティブ。
そうこうしているうちに開催の時刻が迫ってくるが、開会式の中では世界大会として参加国全部の国歌が歌われる中、日本も2003nihaDivisionVにYAMATOがCaliforniaで現地のメンバーと合流して参加しているので、台湾国歌に次いで、ヘンテコリンな発音での「君が代」がアメリカ人のシンガーによって聞けた。
今、日本では卒業式などで起立して国歌を歌わないのがTVのニュースで報じられているが、そんな人はこんな場面でも座ったままなんだろうなキット!恥かしい・・・



ファイナルの表彰

  [ VTRでは見られぬ光景 の一つ!]
 各Corpsはショーの開始に際 しておのおの入場口より登 場して来るが、フロント・ パーカッションに関しては その分量が半端な量ではな い。
Timpami,BassDram,Marimba,Xlophone,Vibraphone,と基本的なPercussionの種類だけでもたくさん。これが武道館なんかだとカラーガーズや管楽器のメンバーが分担して入場し、ほぼ60秒以内でセッティングしてしまうが、ここの分量はケタがちがう。
しかし、最近の DCI はマーチングで勝負!の傾向が強く、大物セットがすっかり影を潜めたので搬入するのは Percussions のみ。
それを、小型電動トラクターのような自動車に積んでフィールドに運び入れ、運営スタッフとパーカッションのメンバーによってセッティングが完了、すると、会場アナウンスにより競技開始となる。
どうでも良いが、このアナウンスがアメリカなまりの発音なので、T の音が L に変わって発音され慣れないと聞き取り難い。The Cavaliers がラ・キャバリアーズはまあ良いとして、Blue Devils はブルーデボーだしSanta Clara Vanguard はサナクラバンガードでは英語が苦手な人には全く聞き取れず「お経」状態。
チーム名さえ聞き取れない。

  [ 圧巻はファイナルでの表彰式!]
順位ごとに一位より入場し(もう、この時点でチャンピオンは誰の目にも明らか)ヤードライン二本分の中に右から順に、それぞれ特色あるスタイルにて整列して表彰を受ける。
日本のコンクール表彰式みたいな、OO中学校・・・ゴールド・金賞、・・ワォー!キャー!の光景はなし。
ここに参加できるのは世界のトップ12だけなので、1位は言うに及ばず12位まで、皆晴れやかな表情で参加している。
たしか、ここでは Individualでの チャンピオンも表彰してたっけ?この時はトイレに・・・・行って見逃した。

セレモニー終盤でのハイライトは、その年のチャンピオン・チームがテーマ曲のイントロを演奏し始め、8小節ほど演奏したらそれに引き続き全部のコーが演奏に加わる。
しかし、その距離が端から端まで優に100m以上は離れて演奏しているのに、これが何と全くズレない。
しかも、途中にはリタルダンドもあって Tempo 変化があるのにズレ無い・・・・・
これにはもう、脱帽。
そして、しずかにFinalの夜はふけ行く・・・・なんて感傷にひたろうにも、もう深夜12時を過ぎているではないか・・・・早くHOTELに戻って酒盛りしたい!
かくしてDCI ツアーは終了することとなるが、国内線に乗ってアトランタ国際空港に向かう飛行機に出発時刻直前に危うく滑りこんできた若きご婦人が、なんと私の隣の席に。そのご婦人が着ている上着の背中にはドデカク Santa Clara Vanguard のロゴが有りまして、旅の恥はなんとかで喋りかけようかどうか迷っている間にバク睡をお召になりました。幸運にも着陸寸前にお目覚めあそばしたのを機に質問したところ、夫が Santa Clara Vanguard の1st Bass Drum を演奏しているので応援に来たとか。で、バク睡の理由は昨晩メンバー全員の打ち上げがあって寝れなかったそうで、オヨヨッ、日本と同じ事やってるな・・・と、妙にこの若妻に親しみを感じました。

さて、長々と書いてしまいましたが02、03年に訪れたこの DCI では数多くのMarching Arrange で役に立つヒントを得ました。が、これは企業秘密!・・・・・・
うそですヨ、その内に順次紹介して参りますが、あまり期待しないで待ってて下さい。