本格的な商業・サービス業向け補助金を作る  

書類審査が終わったら面接審査へ

私が考えた対応策~(g)経営力向上コース(3)
経営力向上コースの場合も、もちろん現地確認を織り込んでもいいのですが、経営についての一定の知識・経験を有する企業を前提として資格要件を作っていますから、あまり意味がありません。
とすれば、書面審査からいきなり面接審査に移行してもいいと思います。

面接票の案を作ってみましたが、ここで私が思案したのは、「すでに完成した企業ではなく、これから伸びていきそうな企業を高評価する方法はないだろうか」という点です。いわゆる“伸びしろ”を見ようとしています。
このことについては、異論もあろうかと思いますが、完成度が高すぎる企業であれば、何も補助金もらって事業を行う必要もないわけですから、本当ならご遠慮いただきたいところです。
そんなわけで、通常、審査票などは公表しないものですが、このコースでは予め公表することとします。

【東京都商業・サービス業育成補助金 経営力向上支援コース面接票】       整理№
                                        面接日 2017年  月  日
面接者氏名
申請企業名
受付番号  
代表者名  
主たる事業  
評価項目
Ⅰ.経営者の人物評価
☐(10) 今後の成長が楽しみである
☐(8) すでに完成の域に達している
☐(6) 指導如何によっては伸びる可能性あり
☐(4) 個性が感じられない
☐(2) 考え方を変える必要がある
☐(0) 現時点では成長が望めない
*評価のための視点
・意欲があり、事業に積極的に取り組もうとしている。
・柔軟な発想が可能である。
・考え方に芯が通っていて、流行を無批判に追ったりはしない。自分の目指すべき方向性をしっかりつかんでいる。
・人脈がある。従業員から慕われている。
・これまでの事業経験が新事業にも活かせる。
Ⅱ.現在実施している事業の評価
☐(5) まだ伸びる可能性あり
☐(4) 市場で確たる位置を確保している
☐(3) 収益は出ているが、将来の伸びは難しい
☐(2) 収益はあまり出ていない
☐(1) 解決の難しい問題を抱えている
☐(0) 現時点では評価できない
*評価のための視点
・安定した収益源となっているか。
・社内の実施体制は整っているか。提携先企業は確保されているか。
・財務状況に問題はないか。
・知財等の権利、市場内での位置づけは把握できているか。
Ⅲ.今後の事業展開についての評価①(実現可能性)
☐(10) 大きな伸びが期待できる
☐(8) 一定の収益は期待できる
☐(6) 課題を解決できれば、収益は上がる
☐(4) 問題はないが、収益は期待できない
☐(2) 解決の難しい問題を抱えている
☐(0) 現時点では評価できない
*評価のための視点
・魅力のある事業か。将来性が期待できるか。経営者の好みだけで企画されていないか。
・大手企業との競合が発生しないか。小規模企業でも実施可能な事業か。
・事業構想に具体性があるか(原材料の供給元、要求品質、資金計画、販路・市場、提携先など)。
・チャレンジ精神が感じられる事業であるか(先進分野、海外展開など)。
Ⅳ.今後の事業展開についての評価②(行政施策との親和性)
☐(5) 行政目標と合致している
☐(4) 無難な事業展開が可能
☐(3) 公益性はあるが、収益を上げるのは難しい
☐(2) 問題なく実施できるが、公益性は感じられない
☐(1) 法令・許認可の検討がなされていない
☐(0) 問題が多く、実施困難
*評価のための視点
・東京都の行政方針と方向性が一致しているか。公費を投入する価値があるか。
・活用できる公社事業が想定できるか。
・法令や許認可について、しっかり確認されているか。
・東京らしさが出ている事業か。
【コメント】 評価のポイント
※前記判断に至った根拠などを記載してください。







( )内の数字は評点です。
ご覧になってわかるように、「経営者の人物評価」と「事業の実現可能性」の項目が高い得点となるようにしました。
まず、人物評価ですが、これまで私が経営指導に従事している方たちから話を聞いたところでは、やはりその人物像が重要な要素になるというご意見が多かったので、高得点としました。「その人がどういう経路をたどって今に至っているか」ということが、とても大切になってくるそうです。

また、事業が実現しなければ、そもそも話になりませんので、実現可能性の項目も高得点といたしました。
この辺のところも、人によっては異論があると思います。
実際の制度設計にあたっては、ご専門の方が十分検討されることが必要かと思います。
面接票の設計に当たって検討していただきたいこと→


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