本格的な商業・サービス業向け補助金を作る  

補助金ズレした常連企業ばかり相手にしていると、初心者に対する姿勢が必要以上に厳しくなります。

商業・サービス業向けの補助金を作りにくい理由〜(5)企業が補助金事務に不慣れ
補助金を商業・サービス業、しかも、小規模層で展開するとなると、おそらくは、「補助金なんてもらったことがない」という会社も多いと思います。
それだけに、補助金事務の簡素化と内容の精緻化をどう両立させるかが大切になってきます。

補助金採択後の管理業務は、どうしても「性悪説」的な立場に立ちます。
行政機関の職員が補助金の検査に行くと、どうしても<問題点発見型>のチェックになります。「いい部分があったら、それを伸ばす」というような評価に向かわないのです。 その結果、企業と意見の対立になり、後々うまくいかなくなることも生じます。
それでは、産業振興の本旨に沿いません。
企業を成長させるには、「いい部分をほめる」ことも必要なんです。
経営者は意外とナーバス→

収益納付は再考してほしい→

通常の役所の仕事のやり方からすると、事業実施には、
@実施の意思決定→A入札(見積もり・相見積もり)→B発注→C契約書(請書)→D納品書→E検査→F請求書→G振込記録or領収書、といった順番で仕事が進み、書類が整備されていきます。

しかし、商業・サービス業の場合、口約束の信用取引が先行していたり、間に仲介者が介在していたりすることがあり、「いちいち書類でやり取りするなんて、相手を信用していないみたいで失礼だ」「現金でやり取りできるのに、振込手数料をかけて銀行振込するのは不合理」「状況に変化があれば、計画を変更するのが当然」といった考え方があるようです。

補助金を管理する側から見れば企業が近代的な経営をしていないように見えますが、実際に商業・サービス業で生きてきた企業にとっては、こっちのやり方が正解だ、ということになります。
だから、「現物があっても、関係書類が欠落していると、お金を出せません」というような考え方は、なかなか受け入れてもらえなかったりします。

支援先との間の意見の食い違いが度々起こるため、補助金担当者は、商業・サービス業を対象とする補助金には、二の足を踏みます。しかし、そういう企業を育成していくことこそ、支援団体の役割でもあります。
補助金をもらい馴れていて、書類整理もキチンとしている顔見知りの特定企業さんたちだけに恩恵を与える補助金であるならば、そんな補助金は不要です。

こうしたことから、支援団体も支援先企業もお互いが困らないように、専門家によるハンズオンが複数回行われる必要があります。


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