月夜裏 野々香 小説の部屋

    

新世紀エヴァンゲリオン

『一人暮らし』

      

 

第51話 『コアの世界』

   

 2016年 6月

 使徒迎撃と人類補完計画が完了してもNERVの存在意義は、失われるどころか、

 重要性が増していく。

 もっとも重要なのが、宇宙開発と地球開発管理機構。

 そして、次期マザーコンピューターのトリニティの基礎理論と開発設計だった。

 
NERV

マギ次世代型コンピューター 『トリニティ』 開発

維持管理

運用

コア管理 &

ロンギヌスの槍

コア探索

研究解析

監視

エヴァンゲリオン

トライデント

零号機(レイ) アルファ・(ヒカリ) 第12使徒レリエル・コア 第11使徒イロウル 第03使徒サキエル ゼーレ・コア12個
初号機(シンジ・レイ) ベータ・(タダシ)   第13使徒バルディエル 第04使徒シャムシェル  
二号機(アスカ・ハルカ) ガンマー・(ケンスケ) ロンギヌスの槍×12 第16使徒アルミサエル 第05使徒ラミエル  
4号機(マナ) デルタ・(チアキ)     第06使徒ガギエル  
      第07使徒イスラフェル  
        第09使徒マトリエル  
        第14使徒ゼルエル  
        第15使徒アラエル  
           

 

 松代

 赤木リツコ、朝霧ハルカ、綾波レイ、伊吹マヤ。

 3Dの映像を次々に切り替えながら、使徒の解析計算が繰り返される。

 「ゼーレの一部は、アダム、サキエル、シャムシェルの固有波形パターンを人間の遺伝子に組み込もうとしていたみたいね」 リツコ

 「ゼーレで人類補完計画に異を唱えていたクムラン派よ」

 「反対勢力というより、人類の可能性を模索していた一種の研究機関だったから」

 「それほど、進んでいないはず」 朝霧ハルカ

 「でも、人類補完計画原案が遂行されたいま、そのクムラン派の台頭は、ありえるわね」 リツコ

 「スポンサーは、エヴァ技術全般で後れを取っているアメリカとドイツか・・・」

 「主要な上層階級は、ゼーレのコアに入って、弱体化しているはずだけど。ありえるわね」

 「予算がどの程度付くかにもよるでしょうけど」 朝霧ハルカ

 「カヲル君のような、使徒人間になるんですか?」 マヤ

 「いまのところ、遺伝子の違いがATフィールドの発生と関係があるとは思えないけど」

 「どちらかというと、バックグラウンドにコアが存在するかどうかでしょうね」 リツコ

 「そ、そうでした」

 「どの国も、南半球開発。国家再建にほとんどの予算が使われるから」

 「予算を計上出来ないわ」 レイ

 「そういえば、レイ。アメリカとドイツは第3東京市に留学生を派遣しているみたいだけど」

 「学校は、大丈夫?」 リツコ

 「・・・いまのところ、何もないわ」

 「本当に? シンジ君。モテてるんじゃない」 リツコ

 「ええ、でも、問題ないわ」

 「いいな〜 心と心が繋がっているなんて」

 「みんなも、そうでしょう」 ハルカ

 「でも、心身感応に比べたら、かなり、ぼやけているから」

 「重複率で100分の1くらいだから」 マヤ

 「アスカは、元気にしている?」 リツコ

 「相変わらずよ」 ハルカ

 「金儲けか。傷心には、良いかもね」 リツコ

 「あ、リツコちゃん。わかる?」 ハルカ

 「まあね・・・」

  

  

 第壱中3年B組

 チルドレンは、B組に集められた。

 アメリカ系留学生、吉村ロバート、大城メグ。

 ドイツ系留学生、帆馬ホーゼン、池田マレーネの4人。

 留学生という名の諜報員。

 お互いに知っている点で確信犯。

 というより、将来を見越した顔繋ぎで、外交官的な存在といえる。

 この頃、シンジは、綾波レイという婚約者がいるのに、モテまくっていた。

 既に相手が決まっているという、ある種の安心感なのか。

 それとも、なんとなく、ちょっかいをかけたくなるのか、とにかく、女の子が言い寄ってくる。

 護衛役からパイロットになってしまった霧島マナの睨みがなければ、もっと、露骨だったりする。

 そして、大城メグと池田マレーネも惣流アスカと並ぶほどのスタイルと美貌で多くの男子を魅了。

 やはり、任務も兼ねて、面白半分にシンジに言い寄ってくる。

 「シンジ君。学校が終わったら。みんなで、カラオケに行かない」 池田マレーネ

 「あ、あのう・・・今日は、勉強しようと。思って・・・・・ごめん」

 「・・・そう、残念。また、今度、誘うね」 池田マレーネ

 「うん。今度ね」

 シンジは、レイ不在で遊びに行く気になれず。

 婚約者がいる男を面白半分に試しているのだろうか。

 シンジにすれば、迷惑な話しだった。

 そして、ケンスケも独り者なのに、シンジの方がモテている状況にムッとする。

 シンジは、気を紛らわそうと、仕方無しに高校受験に備えて勉強を始めたりで、

 そこにカヲルとヒカリが近付いてくる。

 モテ男のカヲル、シンジの二人が揃うと女子の視線も集まりやすい。

 「シンジ君。綾波レイは、まだ戻ってこないのかい?」

 「今日の夜に戻ってくると思うよ」

 「いないと大変ね。碇君。ちょっかい出されて」

 「うん、いても、声を掛けられたりするけどね」

 「良いよな。婚約者がいるのに何で、もてるんだ」 ケンスケ

 「それは、婚約という中途半端さが刺激になるから」 ヒカリ

 「理不尽だよ」  シンジが抗議

 「そうだよ。ここに独り者がいるのにシンジばかり、モテやがって」 ケンスケ泣き

 「あれ、新城さんは?」

 「惣流と一緒」 ケンスケ

 

 惣流と新城は教室の隅で、なにやら話していた。

 アスカ、新城チアキ

 「まだ、電力の再建は、出来ないのかしら、ローテーションきついよ」 チアキ

 アスカは、ネットワークから産業機構の情勢をダウンロードして見ていた。

 「ほとんどの発電所がやられているから、もうしばらくは、必要ね」

 「それに大規模なプロジェクトも始められているから」

 「零号機と二号機にも、N2機関を組み込むの?」

 「いま、S2機関因子を培養しているみたいね」

 「調整に失敗するとアメリカの第2支部と同じようにディラックの海に落ち込むから大変みたい」

 「ものすごく高いシンクロ率が必要みたいなんだけど?」

 「量産型のS2機関が流用できるから二号機は、早いかも・・・」

 アスカは憮然とシンジを見たりもする

 「ふ〜ん。なんか、怖くない?」

 「生きているエヴァにS2機関を組み込んだら、勝手に暴走しそう」

 「・・・それは、ないわね」

 「S2機関を組み込んでもパイロット抜きで動くとATフィールドを上手く展開できず」

 「・・・4号機と同じ。投身自殺と同じだもの」

 「それに・・・お母さんも入っているから。か・・・」

 「チアキ。リツコに聞いたの?」

 「サードインパクトとバウンドインパクトの時にね。なんとなくわかっちゃったし」

 「そうか。リツコのそばにいたのね」

 「生き残るためとはいえ、人柱なんて・・・・」

 精神感応世界から外れたシンジ、レイ、アスカ、ハルカは、疎外感を感じていた。

 教室の雰囲気も、人間関係の距離が以前とはまったく違って見える。

 「チアキ。ショックだった?」

 「そうね。それ以上に納得させられるものも伝わってくると。ぐうの音もでないけどね」

 「もっと酷い事もあるし。仕方なしかな。お母さんを誇りに思うわ」

 「そう」

  

  

 精神感応世界を表現すると。

 向かい合わせにトランプを持った生徒が互いにトランプを出していくと。

 時間があっても、同じ色のカードを出し続けることが出来る。

 これがシンジ、レイ。アスカ、ハルカ。カヲル、ヒカリの心身感応になると、

 まったく同じ種類と数値だけでなく。

 まったく同じ動作で、もっと、すばやく出すことが出来る。

 精神感応世界と心身感応の両方を理解しているのは、洞木ヒカリだけだった。

 「・・・アスカ。それは、何? ドイツ語?」

 チアキが、モニターを覗き込んだ。

 「えっ! あ、アルバイト。生物組成構造とエヴァ組成構造の解析」

 「・・・精神感応でドイツ語も、なんとなくわかるようになったけど、中学生とは、思えない」

 「だから、ドイツ大学を卒業しているって。本当なら、教壇に立っている側よ」

 「それ、どうするの?」

 「出来たら日本語に翻訳して、某企業研究室に提出して、株を買うの」

 「そうすると、報酬を貰って、上手くいけば、さらに株で儲かるわ」

 「うぅぅ それって、インサイダーとか言うやつ」

 「さあ、本当に株が上がるかどうかは、別の要素がいくつも絡んでいるから」

 「一概には言えないけど。堅実な錬金術かな」

  

  

 松代の地下LCLプールに12個のコアが沈められている。

 秋津ヨシキ、冬月コウゾウ、綾波レイ、伊吹マヤ

 「・・・擬似ハーモニックス2パーセント。擬似シンクロ率12パーセント。双方向回線を開きます」 伊吹マヤ

 ナンバー01の黒い墓石が浮かび上がる。

 「・・・冬月か」 キール議長

 「キール議長。ご気分は、いかがですか?」

 「・・・悪くはないな。良くもないが」

 「現在。双方向回線が開けるのは、議長のコアだけです」

 「残りの11個は、もうしばらく必要でしょう」

 「そうか、手足をもぎ取られて・・・・我々は、負けてしまったのだな」

 「本当に、そう思っていらっしゃるので?」

 「ふっ このコアの世界も、一つの世界だ。我々は、満足している」

 「それが、戦意の低さに繋がったのだろうな・・・」

 「数百万の魂が住む世界ですな」

 「どうでしょう。双方向通信が完成した後は、多少なりとも情報交換が必要なのでは?」

 「マギの代わりかね・・・構わんよ」

 「もっとも、こちらの世界も、好き嫌いがあってね、少しばかり、混沌とした状態だ」

 「成熟するまで、もうしばらく必要かもしれないがね」

 「必要なものは、ありますか?」

 「LCL液の濃度をもっと上げてくれれば良いだろう」

 「どの程度?」

 「倍ほどだ」

 「お安い御用です」

 冬月がマヤに指示すると。いくつかの操作が行われる。

 「人類は、どうなったのかな?」

 「サードインパクト直後、リリスと量産型エヴァのエネルギーを全て使い潰して」

 「人類補完計画原案でバウンドインパクトを起こしました」

 「リリスは、消滅。精神感応世界の誕生です」

 「そうか・・・原案か・・・地球は大丈夫かね? 間に合いそうかな?」

 「エネルギー資源の枯渇と宇宙開発速度で言うと、微妙ですな」

 「バウンドインパクトの成果で、南半球のオゾン層と天候、海流も回復傾向にあるようです」

 「国際情勢は?」

 「現在、欧州・アフリカブロック。日本・東南アジア・豪州ブロック」

 「中国ブロック。インドブロック。ロシアブロック。南北アメリカブロック」

 「6ブロックに分かれつつあるようですが、国家間は緩やかに連合体を強めています」

 「戦争という手段は、もう使われないかと思います」

 「心と心が結ばれる世界か」

 「人の痛みも、わかりやすいのに生存競争を生きていくのは、辛すぎるだろうな」

 「バウンドインパクトの再構成で傷病者が健康体になったことが唯一の救いです」

 「少なくとも経済や社会的な要因を除けば、悲劇は、最小限ですから」

 「本当にかね。差別や貧困。飢えや階級は? 混乱は?」

 「それに関しては、辛いでしょうな」

 「ですが、それは、そちらの世界でも。では? 先ほど混沌としているとか」

 「心のベクトルと調整の問題だけだ。それだけのこと。馴染むまで数百年は必要だろうな」

 「やはり、楽園に近いので?」

 「ああ、差別、貧困、飢え、階級で苦しむことはない。楽園といえるだろうな」

 「精神の総量が小さすぎるが、それも時間の問題だろう」

 「外の情報処理を手伝える状況ですか?」

 「球は、無窮で、疲労とも、渇望とも、無縁の世界だ」

 「しかし、住人で、外界に関心を持つ者も少なくない」

 「シナリオ通りの世界ですか?」

 「当然だ。君らの反発が理解できないな」

 「シナリオ通りなら、物理的な科学技術に関する。向上が見込めますが」

 「冬月先生。人の問題は心の問題に起因する」

 「物理的な革新など、シナリオ通りなら。些細なことだ」

 「・・・ごもっとも」

 「まあ、良い。過ぎたこと。人類に多様性があるのも悪くはない。碇司令は、どうした?」

 「サードインパクト、バウンドインパクトにおける。唯一の戦死者です」

 「・・・そうか。惜しい人間を亡くしたよ」

 「なぜ、日本への帰還を許されたのです?」

 「危惧は、あったがね。彼は、人類の恩人でもある」

 「我々とて、無慈悲な人間ではないのだよ。冬月君」

 「今後の結果で、外の誠意を証明したいと思っています」

 「冬月先生・・・・そうあって、欲しいものだ」

  

  

 松代のラウンジ

 モカの香りが漂う、ティータイム

 赤木ハルカ、朝霧ハルカ

 「・・・エヴァ光質の回収が不可能なのは、3体」

 「第2使徒。第8使徒サンダルフォン。第10使徒サハクィエル。残念ね」

 「終わってしまうと。そうなってしまうわね。あの頃は、生き残るのが最優先だった」

 「もっとも、コアが破壊されていると。培養できないから、どうにもならないけどね」

 「やはり、コアが役に立つか」

 「第11使徒、第13使徒、第16使徒のコア。いつごろディラックの海から引き出せるかしら」

 「零号機、二号機のS2機関導入とシンクロ率の向上が条件で良いんじゃないかしら」

 「安全性を追求すると。やはり、そうなってしまうわね」

 「零号機、初号機、二号機、4号機、渚カヲルで捜索すれば、コアの発見も難しくないわ」

 「そうね。もっとも、トリニティが出来なければ、どうにも進まないけど」

 「4号機は、マナのシンクロ率は、どのくらいなの?」

 「42パーセント。ニュートラル機は、専用機よりシンクロの程度が低いけど。良い方ね」

 「シンジ君が牽引役か。くすっ 彼もモテモテね」

 「使徒戦が終わって、時間的な余裕もあるから」

 「こじれると面倒だから、シンジ君とのダブルエントリーは制限しているわ」

 「・・・リリスは、どこから、来たのかしら。裏死海文書には、記されていなかったけど」

 「リリスの故郷?」

 「そう。リリスの消失が原因で、コンタクトもありえるわね」

 「それは怖いわね」

 「想定される可能性は、完全な固体である使徒。不完全な群れである人類。完全な群れ」

 「その後、リリスに進化するのかもしれないわね」

 「ちょっと、毒々しいわね。否定できないけど」

 「進化の階梯というのは、そういうものよ」

 「この銀河で、そういった。完全な群れになった世界もあるかもしれない」

 「そちらとのコンタクトも不安ね」

 「どういう形であれ?」

 「ゼーレ型か、NERV型か、それ以外かなら、その通りよ」

 「どの選択が、正しかったのか、楽しみね」

 「それに。リリスの存在が正しい選択だったかの検証にもなりそうね」

 「一応、生みの親なのに?」

 「親の検証も。子供の権利よ」

  

  

 休日のコンフォート17

 403号室の場合

 シンジ(剣士)赤マント、

 マナ(白魔術師)白マント、

 カヲル(槍士)青マント、

 ヒカリ(黒魔術師)黒マントが3Dゲームに興じる。

 『平和なコンフォート王国を支配しようとする双龍王から』

 『王国を守るために立ち上がった4人の勇士の物語が始まる♪』

 ゲームのアナウンス

 「さあ、王国を守るんだ」

 マナが嬉しそうに宣言する

 「・・・・・・・」  シンジ

 「がんばろうね。シンジ君」

 「うん」

 「また面白いのを買ってきたわね。マナ。マント付きだし」 ヒカリ。呆れ

 マナも形から入る性格で、どこからか、4枚の赤、青、白、黒のマントを持ってくる。

 「設定も楽だから面白いよ」

 「でもさ、再建ままならずなのに、こういうゲームは、広がるんだね」

 外は、建設作業が続いていた。

 使徒戦が終わり、国連からの援助は一切ない、

 再建は日本独自でやらなければならない。

 こういう遊戯系ゲームが広がるのは、自由資本主義だからだろう。

 なんとなく、腑に落ちないものを感じる。

 『王国存亡の時、剣士シンジ。白魔術師マナ。槍士カヲル、黒魔術師ヒカリの4人が立ち上がる』

 『双龍王の位置を知るコンパスを探索する、苦難の旅路が始まった♪』

 現れるスライム4体。

 当然、フォーメーションは、シンジ、カヲルが前衛。マナとヒカリが後衛。

 スライムの呪い魔法を始める。ヒカリが防御呪文を唱えて防御。

 シンジとカヲルが2体を倒し。

 マナが雷撃呪文でスライム2体を無力化し、シンジとカヲルが止めを刺した。

 4体のスライムを倒し、4枚のコインを手に入れる。

 「よし、やった! 素敵、シンジ君♪」

 「ははは、どうも」

 「カ、カヲル君も、素敵」 ヒカリ。ポッ

 「ありがとう。ヒカリも、カッコ良かったよ」

 「きゃっ!」

 ヒカリ。照れる。

 ダブルエントリー後、ヒカリの性格は、著しく変化していた。

  

 その後、数体の魔物を倒して、町で情報収集。

 そして、宿舎に入る。

 シンジ&マナ。

 カヲル&ヒカリの部屋が・・・・・

 『・・・パスワードを認証するので、口承してください』

 『剣士シンジは、“愛しているよ、マナ”』

 『白魔術師マナは、“愛しているわ、シンジ”』

 『槍士カヲルは、“愛しているよ、ヒカリ”』

 『黒魔術師ヒカリは、“愛しているわ、カヲル” です』

 「・・・・・・・」 マナ。ポッ!

 「なっ!」 シンジ

 「ふ〜ん」 カヲル

 「・・・・・・」 ヒカリ。ポッ!

 視線がマナに集まる。

 ニタリとするマナ。

 そして、シンジは、賛成3、反対1の圧力に負ける。

 音声認識が厳しいのか、作為があるのか。

 シンジは、真っ赤になりながら、4回も言い直して部屋に入る。

 そして、ダブルベットの就寝まで凝っている。

 Aを選ぶと、ハートマーク一つで、完全回復+HP20。

 Bを選ぶと、ハートマーク二つで、完全回復+HP40。

 Cを選ぶと、ハートマーク三つで、完全回復+HP60。

 ひたすら、喜ぶマナとヒカリ。

 面白がるカヲル。

 呆れるシンジ。

 「リリンは、素晴らしい文化を持っているね。好意に値するよ」

 「もう、マナったら。しょうがないわね」 顔が喜んでいた。

 「シンジ君。Cだからね。C」 ウルウル攻撃

 「・・・・・」 うつ悟り状態

 その後、荒野や森で魔物と戦いながらアイテムとコインを集めつつ、

 レベルを上げ、コンパスを発見。

 そして、ついに町で魔王の弱点を入手。

 クロワッサンを持って、魔王の居城に行くと、

 水を操る青髪のドラゴン魔王と、

 火を操る赤髪のドラゴン腹心が現れ、シンジを失笑させる。

 カヲルとヒカリも理解したのだが、ここまで来て、やめるのも惜しかった。

 『良く来たわね。勇者と暴力女』

 『そして、どうでもいい二人。出番が来なくて、暇だったわ』 青髪ドラゴン

 「こら! 魔王。人々を苛めるな」 マナ

 『ふっ 餌が偉そうに・・・ちょっとチビだけど、腹の足しにしてやるわ』 赤髪ドラゴン

 「むか〜 あのバカ女が言いそうなことを・・・」

 『それは何?』 青髪ドラゴン

 「クロワッサンよ」 マナ

 『・・・頂戴』

 『こら! 魔王! この一大事に何考えているのよ!』 赤髪ドラゴンが怒る

 『ふっ 問題ないわ』

 シンジは、思わず苦笑する。

 マナがクロワッサンのバスケットを投げると、

 青髪ドラゴンが、クロワッサンをおいしそうに食べ始め、

 クロワッサンが好きなドラゴン魔王が食事している間に戦いが始まる。

 赤髪ドラゴンが火の玉を放ち、

 マナが風の竜巻で火の玉の軌道を変え、

 シンジは赤髪ドラゴンの尻尾をかわしながら、雷撃剣で斬り付け弱めていく。

 そして、ヒカリの火炎攻撃とカヲルの飛龍槍は、赤髪ドラゴンを弱らせていく。

 『こら、手伝え。魔王』

 『・・・美味しいわ・・・』

 その後、青髪のドラゴン魔王は、クロワッサンを食べ終えて参戦。

 圧縮された穿孔水が辺りをズタズタに破砕していく。

 「シンジ君。危ない」

 マナの防御魔法が軌道を狂わせる

 シンジ、マナ。カヲル、ヒカリの総攻撃で赤髪のドラゴン腹心を倒し。

 そして、残った、青髪ドラゴンをなんとか倒す。

 その後、呪いが解けて、赤髪ドラゴンと青髪ドラゴンがアスカとレイに戻って終了。

 「よ〜し。やったぁ〜♪」 マナ

 「・・・は、はは」 シンジ。内罰・自虐状態

 「リリンの文化は、好意に値するね」

 「もう、マナったら」

 「面白いゲームだわ」 レイは後ろで座って見ていた。

 「「「あっ!!」」」

 シンジは、引き攣り。カヲルは面白がり。ヒカリは絶句して、声もでない。

 「やだ、二人を救ったのよ。呪いが解けて、レイも、アスカも人間に戻ったでしょう」

 「・・・・」 レイは、無言のまま、シンジを見詰め、

 シンジは、怖気づく。

 「・・・ただいま。碇君」

 「お、お帰り。あ、綾波。いつから、ここに?」 シンジ。無様に動揺する。

 「“愛しているよマナ” のところから」

 「ゲ、ゲームなんだ。し、仕方がなくて・・・」

 「食事しよ。ま、待っていたんだ。明日、帰ってくると、思っていたから」 シンジ。泣き

 「・・・クロワッサン。買って来たわ」

 レイは、袋を持ち上げて見せた。

  

  

 トライデント4機が松代上空を飛ぶ。

 
4号機(マナ)   アルファ (カヲル・ヒカリ) ベータ (タダシ) ガンマー (ケンスケ) デルタ (チアキ)
1.4 素体 0.02 0.0002 0.0002 0.0002
38 ハーモニックス率 65 22 25 23
45 シンクロ率 98 38 42 40
  重複率 0.008       
0.4 ATフィールド 0.2 0.001 0.002 0.001

   

 「どう? マヤ。調子は?」 ミサト

 「アルファ機は、重複率0.008で安定しました」

 「相変わらず。アルファ機が圧倒的か」

 「ええ、エヴァ光質も増大。機体、そのものをエヴァ光質へと変換しています」

 「さすがは、使徒ね」

 「興味深いですね」

 「アダム系光質とタブリス系光質のスペクトル融合で5パーセントも強度が向上しています」

 「さらに重力操作が認められているので燃料効率は、10分の1以下です」

 「その気になれば、燃料は、いらない?」

 「はい、機体重量を炭素以下と考えて良いと思います」

 「・・・一応、空中戦の訓練をしてみるか」

 「みんな、模擬弾を使った訓練をするからね。目標は、アルファ機のみ。60秒後に開始よ」

 「「「「了解」」」」 ヒカリ、カヲル、タダシ、ケンスケ、チアキ

 「じゃ 展開!」

 アルファ機が加速。

 追随できない、ベータ機。ガンマー機。デルタ機が仕方なしに迎撃隊形で迎え撃つ。

 アルファ機は、G加速をまったく無視して機動し、

 逃れようとするベータ機を追い詰めて掃射。撃墜判定。

 何とか、連携しようとするガンマ機、デルタ機は、アルファ機に翻弄され、撃墜判定を出していく。

 「さすが・・・使徒だわ」

 カヲルとヒカリは、イッてる表情で。

 タダシ、ケンスケ、チアキは苦渋の表情を見せた。

 「前回より。3秒だけ、伸びましたね」

 「誤差のうちよ。実力が上がったといえないわね」

 「トライデントはエヴァ技術と既存の技術との融合した兵器の中で最強だった」

 「そろそろ時間かしら・・・」

 「ええ、渚君とヒカリは、4号機のアスカ、ハルカと交替です」

 「ったく! 発電所再建は、何やってんのよ」

 「一番、狙われましたからね。それに例のプロジェクトにも使われているようです」

 「週に5時間の訓練じゃ 練度を維持できるだけ。話しにならないわよ」

 「ったくぅ〜 燃料までケチるし」

 「仕方がないですよ。戦後ですから」

 「セカンドインパクト後よりましか・・・」

  

 シンジがATフィールドを使えるは、ATフィールドを感知しすることだった。

 それは、NERVのATフィールド感知器より、はるかに繊細なレベルで、

 その日、ATフィールドを感知したシンジは、そこに行く必要を感じる。

 『シンジ君。緊急に必要なら。呼んでくれよ。すぐに行くからね』

 『うん。ありがとう。カヲル君』

 シンジとカヲルは、ATフィールドを使った通信に慣れていた。

 そして、レイとハルカには、まだ感知できない領域だ。

  

  

 動物園

 手を繋いで歩くシンジとレイは、虎の前にくる。

 「・・・強そうだね」

 「ええ」

 「黄色に黒の縦じまは、目立つんじゃないかな」

 「目立たないと草食動物が減るもの」 生態系の観点

 「綾波って、やさしいね」 情緒的な観点

 「・・・・?」

 「次は、熊だ。虎と、どっちが強いかな」

 「大きい方」

 「固体の優劣ってないの?」

 「強い動物が弱い動物を狩るのは、自然」

 「同じレベルで、戦うのは、リスクが大き過ぎて、不自然だもの」

 「そ、そうだね・・・」

 !?

 そして、一人の女の子を見つける。

 メガネをかけた。長髪の大人しそうな女の子が反対側の檻の前に立っていた。

 『こんにちわ。碇シンジ君』 女の子

 『・・・君は、だれ?』 シンジは、ATフィールド通信に動揺する。

 『山岸マユミ』

 『ど、どうして、ATフィールド通信を使えるの?』

 『わたし、ゼーレの実験体なの』

 『でも、ATフィールドが使えるようになったのは、サードインパクトとバウンドインパクトのお陰ね』

 『どうして、ここに?』

 『さみしいからよ』

 『そう・・・なんだ』

 『よろしくね。碇シンジ君』

 『うん』

 この間、僅か、ゼロコンマ数秒。

 「どうしたの? 碇君」

 「あ、いや、なんでもないよ」

 「・・・・・・」 レイ

 「いや、あの女の子が、むかしの自分と雰囲気が少し似ていたかなって」

 心身感応で隠し事は、困難だった。

 「そうね」

 『またね。碇シンジ君』

 山岸マユミが去っていく。

    

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 月夜裏 野々香です。

 遂に出してしました。山岸マユミ。

 使徒戦が終わって、何で出したのと聞かれても、つい、出してしまったような・・・・

 このまま、ホームドラマ風で終わらせても良かったのですが。

 戦後の混乱期ですから、なんでもありでしょうか。

 気になるのは、山岸マユミの背景でしょう

 自分で “さみしいから” といえるところに違和感があります。らしくないです。

 ATフィールド通信で、制御できず、思わず出てしまったというべきか。

 そういった抑制がない性格なのか・・・・・

   

 今後、

 ゼーレの残照。ゼーレ12個のコア。アメリカ・ドイツの影。日本政府とNERVの関係。

 リリン系人類と使徒系人種カヲル、シンジ、レイ、ハルカ、山岸マユミの関係が問題になりそう。

 純正のコアをバックグランドにしたカヲルとシンジは、力関係で圧倒的。

 どちらが強いかわからないほど拮抗しています。

 次が零号機のコアをバックグランドにしたレイと

 二号機のコアをバックグランドにしたハルカで、。

 使徒アダムのデットコピーの大技で、まだATフィールド通信は出来ないようです。

 なんとも、ストレスがたまりそうな展開。

 ATフィールドは、拒絶反応があって使い難い世相です。

 因みに碇シンジ、霧島マナは、国防省、第8特務機関。

 そして、渚カオルは、内閣調査第7室の課長で、三人ともNERVに出向扱いです。

 朝霧ハルカと綾波レイは、第2技術開発局の所属。

 実質的にNERVのパイロットは、5人だけ。

 惣流アスカ、相田ケンスケ、洞木ヒカリ、新城チアキ、久坂タダシ。

 葛城ミサトのイライラも積もります。

 

 

 

 

   

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