第52話 『転校生』
2016年 6月
翌日
第壱中学3年B組に山岸マユミが転入する。
長髪でメガネをかけた大人しく、目立たない女の子だった。
同級生は意識していなくても、
ATフィールド通信は、かなり高度な、技で、
碇シンジと渚カヲルは、そうもいかない。
「・・・マナ。今日、来た転校生は、どんな、感じの人?」
シンジは、それとなくマナに尋ねた。
精神感応世界の住人なら、何らかの反応がある。
山岸マユミは、少し離れた席で洞木ヒカリと話している。
ニヤリとする。マナ。
「あれ〜 シンジ君。興味あるんだ〜」
「え、あ、いや。精神感応で、どうかなって、ほら、良くわからないから」
「吉村ロバート、大城メグ。帆馬ホーゼン、池田マレーネの4人には、関心を示さなかったのに?」
「だって、アメリカとドイツから派遣されるって、前もって聞いていたから」
マナが山岸マユミに注目し始める
「別に、怪しい感じは、しないけど。悪い人じゃないよ」
「どっちらかというと、かわいそうな子かな」
「かわいそう?」
「性格は、人間嫌い・・・のような・・・」
「どうして?」
「個人情報は言えないけど経緯から当然ね」
「シンジ。お目が高い。良く見ると。メガネっ子で萌える要素があるぞ」
ケンスケが乗り出す。
「・・・・・・・」
そして、シンジもレイの視線に気付く。
「あ、僕は、違うから。そうじゃないから」 ドキドキ
大城メグがやってくる。
「・・・シンジ君。新しい転校生と一緒に、みんなでボーリングに行かない?」
シンジは、レイを見ると阿吽の呼吸で頷く。
「綾波と行くよ」
「本当♪ じゃ 声をかけてくるね」
大城メグが、山岸マユミの方に歩いていく。
『シンジ君。一応、監視がつくけど。気を付けてね。外国勢力だから』 マナ
「うん・・・わかってる」
「良いな。わたし、ローテーションに入ってるから行けないのに」
発令所
赤木リツコ、葛城ミサト
「リツコ。それで、サードインパクトの溶解とバウンドインパクトの再構築で」
「特異能力を身に付けた新人類というのは、信憑性があるの?」
「重度の傷病者が再構築で全快しているのよ」
「瀕死だった人間が年齢相応の健康体になっているの」
「ある種の条件下で、ありえない話しではないわね」
「いまのところ、報告は受けてないけど」
「いまのところはね」
「あんた。また隠し事してない?」
「あのね。精神感応世界で隠し事は難しいのよ」
「リツコ・・・灰色よ」
「あはは・・・」
「なにが、あはは・・・よ。本当のことを言いなさい」
「仮定の話しよ。仮定の話し」
「ったく。どいつもこいつも」
「どう? トライデント機の調子は?」
「すぐに、宇宙に出せそうなのはアルファ機だけね」
「それも渚カヲルを使うしかないわ」
「・・・やっぱりね」
「エヴァ光質で軌道エレベーターを製造している」
「生産が軌道に乗れば、すぐにでもいけるんだけどね」
「いつ頃なの? 生産が軌道に乗るのは?」
「電力が安定供給されないと目安がつかないわね」
「はぁ〜 アメリカやドイツに追い越されても知らないわよ」
「どうかしらね。日本の静止軌道上にあるのよ」
「当然。エヴァ4体。トライデント4機を配備している日本が主導権を握る事になるわ」
「アメリカとドイツは、中核のゼーレを失って、建て直しに必死だから。日本より混乱しているわ」
「渚カヲルのいる日本と事を構えるつもりはないと思うけど」
「だと良いけどね」
「エヴァ12体とロンギヌス12本を量産すれば、借金地獄で、それどころじゃないわね」
「ゼーレも後先考えずに注ぎ込んで、基幹産業も大損害だもの。経済破綻は確実ね」
「お互い様か・・・」
「カヲル君、ヒカリ。もういいわよ」
「トライデントを降ろして。休憩したら、4号機で発電よ」
「了解」
山岸マユミの歓迎会をダシにしたボーリング大会は、10人以上集まって盛況だった。
それなりなのは、高校受験の影と、主役の山岸マユミが渋々だったからだ。
女子の目的は、碇シンジ、吉村ロバート、帆馬ホーゼンと仲良くなることで、
男子は、大城メグ、池田マレーネが目当て。
相田ケンスケが、なんとなく一人になっていく山岸マユミに声をかける。
シンジから見ると子猫がライオンに近付いていく感覚だった。
「山岸。ご両親がNERVの関係で、こっちに来たの?」
「お、養父さんが、こ、国連で働いているから・・・」
山岸マユミが苦手そうに話し、
相田が興味深そうに見る。
「山岸って。むかしのシンジと雰囲気が似てるな」
「そ、そうなんですか?」
「とてもそうは、思えないけど」
山岸マユミがシンジの方を見て呟く。
「変わったのは、ここ、8ヶ月くらいかけてかな」
「いまじゃ 学園一の注目株だけどな」
「それも、綾波と婚約しているからだけど」
「そうなんですか」
山岸マユミ。なんとなく失望
「なんだ、婚約すると注目されるのか? 俺と婚約する?」
『命知らずだよ。ケンスケ』
「・・・ご、ごめんなさい」
山岸マユミ。うつむく
「そのすぐ謝るところなんか、シンジと、そっくりだったよ」
めげない。相田ケンスケ
「そう・・・なんだ・・・」
「次ぎ、山岸の番だよ」
「うん」
山岸マユミが、トコトコと球を転がすと8本が倒れ、次で2本を倒してスペアをとる。
パチパチと拍手され、恥ずかしそうに俯く。
「良いよ。良いよ。シンジ。線が細くて、はかなそうで、憂いがあって」
「山岸は、なかなか、萌えて、良いよ」
ケンスケが、シンジに呟く。
「ケンスケ。ハルカや新城が良いんだろう」
シンジ。呆れる
「いや〜 美貌とミステリアスさと知性で朝霧だろう」
「新城とは、慣れというか、腐れ縁かな」
「山岸には、新鮮な出会いを感じるな」
「あまり好かれていないようだけど」
「おっ! シンジ。精神感応がわかるのか?」
「いや、見たまんま、言っただけ」
「ふっ! いやよ、いやよ。もなんとか、と言うだろう」
「ケンスケも変わったな」
「ふっ 社会的自立。経済的自立のなせる業だよ」
ケンスケがメガネを触る。
「相田君。本当は、転校したての心細そうな、女の子を引っ掛けようとしているだけじゃないの?」
金髪美人の池田マレーネが会話に入ってくる。
「そ、そんなことないよ。純粋に善意だよ」 後ろめたそうに言い訳。
「ケンスケ・・・・」 シンジ。呆れ
「し、信じろよ。シンジ」
「とりあえず。信じるよ」 ため息
コンフォート17
402号室
綾波の部屋も随分、女の子らしい部屋になっていた。
洞木ヒカリが置いていったのか、その手の小物やぬいぐるみがある。
「愛しているよ。綾波」 シンジは、真っ赤
「愛しているわ。碇君」
レイ頬が薄っすらと赤く染まり。恥ずかしげに俯く。
「あ、綾波・・・・」
「碇君・・・・」
「綾波」
「碇君」
小奇麗なベットが、二人を誘うように目の前に横たわっている。
「“C” で、良いのね。碇君」
「うん。綾波 “C” にしよう」
二人は、同時に押す。
「・・・なんか、納得いかない」
マナは、ムッとした表情で二人を見詰める。
「ゲームなんだから。それに、最初に買って、遊んだのは、マナでしょう。自業自得よ」
「リリンの文化は、好意に値するよ」
カヲルとヒカリは、面白そうに見詰める。
「だって・・・・」 マナは、むくれる。
前回と違うのは、シンジとレイの組み合わせだったこと。
そして、魔王がアスカ風とミサト風だったこと。
退治アイテムがクロワッサンでなく。エビちゅう(ビール)だったことだ。
箱根山NERV本部
ホテルの宴会場
山を刳り貫いて建設したNERV本部は、予算不足。まだまだ建設途上だった。
そして、敷地内のホテルも買い取り、その施設も使われる。
温泉上がりのミサト、レイ、アスカ、マナは、浴衣で色っぽく、まともに視線を向けられないほどだ。
温泉料理も並び、
温泉ペンギンのペンペンが生魚を飲み込んでいた。
「・・・やっぱり、温泉は良いわ。LCLじゃ。この爽快感は、ないわね」 マナ
「ぷふぁ〜 風呂上りのビールは最高よ」
「ミサト。酒飲んで良いわけ。本部の施設でしょう。ここ」
「良いの、良いの。使徒は、来ないし。訓練も順調だし。今日は、調整日みたいなものだし」
「NERVの買い物で、このホテルは、最上の選択ね。うん、うん」
「ったくぅ〜 軍官僚は、これだから」
「なによ、アスカ。突っかかって、てっ なに携帯やってんの」
「これでも、わたし、忙しいのよ」
「アスカ。今度は、どんな金儲け?」 マナ
「ロボット産業・・・いくつか、特許を申請できたから、株も上がるしね」
「アスカ。色気がないわね」
「末恐ろしいわね。アスカ。マヤとハルカとも組んでいるんでしょう」
「加持さんともよ」
「げっ! アスカ。それ、聞いてないわよ」
「違うわよ “邪魔するな” って。ミカジメ料みたいなものだから」
「あいつ〜」
「あっ! そういえば、ミサトさん。結婚生活は、楽しい?」 マナ
「まぁ 楽しくもあり、楽しくなくもあり」
「ふっ ミサト。掃除、洗濯、料理は、結婚生活の最重要項目なのに手抜きするからよ」
アスカが不適に微笑む
「な、なに言ってんのよ。ちゃんと、やってるわよ」
「ちゃんとね〜」 嘲笑
そこにドタドタと、ジャージを着たシンジ、カヲル、
ケンスケ、タダシ、ヒカリ、チアキ、ハルカがやってくる。
「う・・・食べていたな・・・・先に食べていたな」
「俺たちの気持ちを裏切ったんだ・・・・ちくしょう・・・ちくしょう・・・ちくしょう・・・」 ケンスケ、泣き。
「なに言ってんのよ。サバイバル訓練で遅れてきた方が悪いんじゃない」
「悔しかったら、早く来なさい」 ミサト
「そうよ。ちんたらしている方が悪いの」
「まだ。組手が残っているんでしょう。それまで、ご飯は、おあずけ」 アスカ
「そんな・・・後生だから」 ケンスケ
「じゃ わたしに勝てたら、組手が終わったことにしても良いわよ」 アスカが立ち上がる。
浴衣を着ているアスカが言うと、ミサトとマナが喝采する。
どう考えても浴衣を着たアスカは不利。
ケンスケとタダシは、俄然、やる気になる。
シンジは、計算して、ひょっとすると、と思う。
アスカは、宴会場にある扇子を二つ持っただけで、舞台の上に上がっていく。
浴衣姿が妙に色っぽく、シンジは目のやり場に困る、
ケンスケとタダシは、嬉しそうだ。
シンジ、カヲル、ケンスケ、タダシ、ヒカリ、チアキ、ハルカは舞台に上がる。
ケンスケ、タダシ、チアキは、扇子など圧し折れると高を括って
カヲルは、傍観者で状況を楽しんでいるだけ。
シンジは、組手でも良いと思っているので、今ひとつ、戦意に欠ける。
「一度にかかってきても良いわよ」
ケンスケとタダシは、耳打ちして、周りを囲み始めた。
そして、一斉に仕掛ける。
しかし、外から戻ったばかりの7人は、靴下を履いていることが災いする。
素足のアスカと扇子のリーチの差と狭い舞台。
扇子に惑わされ、予想以上の弾力で折れず。
アスカは蝶の様に舞い、7人とも床が滑って力も入らない。
ケンスケ、ヒカリ、ハルカ、カヲル、チアキ、シンジは、次々に舞台から落とされる。
最後にタダシが舞台から落とされ、アスカはポーズを取った。
「じゃじゃ〜ん」
拍手喝さい。
「大丈夫? 碇君。痛かった」
マナがシンジに駆け寄る
「あのね、マナ。いい加減に、あきらめたらどうなの」
「マナ。だ、大丈夫だよ」
「ったく。シンジが一番梃子摺るかと思えば、やる気がないんだから」
「みんなで屋上で組手よ」
シンジ、カヲル、ケンスケ、タダシ、ヒカリ、チアキ、ハルカは、諦めゾロゾロと歩いていく。
「食べさせて、あげれば良いのに・・・・」
マナが目でシンジを追いかける
「シンジ・・・だけ?」
「うん♪」
第3東京市
ジオフロントの大穴を囲うように商店街が再建されていく。
シンジとレイは、腕を組んで商店街で買い物。
大穴は、次第に海水が入り込んで塩湖になりつつあった。
いずれ、巨大な釣堀になるという。
レイは、いかにも嬉しげだ。
何の前触れもなく。
ドォオオンッ!!!!!
という爆発音が響いて、少し離れたビルの一つが崩れ落ちる。
周りで喧騒が起こると、いつの間にか、保安員6人がシンジとレイを囲んでいる。
「二人とも、早く、こちらえ」
「「・・・・」」
シンジとレイは、保安人の誘導に従って移動し、
どこからか銃声が聞こえ。
そちらを見ると一人の男が倒れている。
そばに立っていた山岸マユミが怯えて後退りしていた。
「山岸・・・」 シンジ
「・・・・・」 レイ
倒れた男の周りに諜報員らしき男たちが集まり。
保安部員に合図を送ると、緊張感が消えていく。
「あ、あのう・・・・あの女の子は、同級生だから。行って良いかな?」
シンジが保安部員に聞く
保安部員は、携帯で連絡を取り合い、
いくつかの指示を受けたあと、仲間に合図。離れていく。
喧騒は、次第に収まっていく中、
倒れた男は連れ去られ。
野次馬は、崩れ落ちたビルの周りに集まっていく。
「大丈夫? 山岸」 シンジ
「・・・・・」 山岸
山岸マユミは、震えていた。
「い、家まで、送っていくよ」
山岸マユミは頷く。
山岸マユミの住んでいたのは、高そうなホテルの一室だった。
「・・・ホテルに住んでいたんだ」
シンジが高級ホテルを見回す。
「二人とも入って・・・お茶を入れるから」
「あっ でも・・・」
「お願い。いま誰もいないの・・・怖くて・・・しばらく、一緒にいて」
シンジがレイを見ると頷いたので入ることにする。
紅茶の良い香りが部屋一杯に広がり、テーブルに紅茶とお菓子が並ぶ。
シンジとレイは上質の紅茶に感動する。
「美味しいね」
「・・・アッサム紅茶」 山岸マユミ
「ホテル暮らしなんだ」
「養父さんの仕事の都合なの。国連とNERVとの技術協定が終われば、引き揚げるから」
「国連って、ゼーレなんだよね」
「そう。国連であり、アメリカであり、ドイツであり、主要各国の中枢・・・」
「・・・・・・」 レイは、警戒感を強める
「さっきは、大丈夫だった? 怖い目にあったね」
「ええ、でも・・・何か貰ったわ。あの倒れた人から」
「えっ」
「・・・・・・」 レイ、緊張感が高まる
山岸マユミが椅子から立ち上がるとシンジに近付く。
「・・・下着の中に隠したから。取れたら、碇君にあげる」
「えっ!」
「NERVの機密かも、わたし、外交特権があるから、最初で最後のチャンスね」
「・・・・・・」
シンジの右手が山岸マユミの服に伸びて、寸前で止まる。
「・・・・・・・・」 山岸マユミ
「・・・・・・・・」 レイ
「・・・・・・・・」 シンジ
ゴックン! 生唾を飲み込む音。
「ぬ、脱いで・・・」 シンジ
「・・・・・・・・」 山岸マユミ
「・・・・・・・・」 レイ
「・・・・・・・・」 シンジ。真っ赤
山岸マユミがテッシュケースをシンジの前に・・・・・
「ありがとう」
シンジがテッシュで鼻血を拭いて、塞ぐ。
「・・・綾波さん。もっと、刺激のある男の方が良いんじゃない。退屈でしょう」
「わたしには、碇君しかいないもの」
「ちっ! やっぱり駄目か。似た者同士って、一緒になれないのかな〜」
マユミがポケットから、メモリーチップを出して、シンジに渡す。
「・・・良いの?」
「だって、わたしには、関係ない事だもの」
「そう・・・・なんだ・・・」
「あそこにいたのは、どうして?」 レイ
「あなたたちと同じ、商店街の見物」
「どうして、ゼーレのことを知っているの?」
「バウンドインパクトのおかげ・・・」
「でも、わたしも、パイロット候補者の一人だったの」
「量産型エヴァって、コアだけで動かせるんだけど。念のためって」
「そうだったんだ」
「他にもいるの? パイロット」
「どうかな〜」
「LCLに溶けたレリエル種子の核を注射された事は?」
レイの質問に山岸マユミが微笑む。
喫茶店
アメリカ系留学生、吉村ロバート、大城メグは、ハーフ。
国民性が色濃く、白人然とした雰囲気がある。
間違いなく言えることは、美男美女。
「メグ。碇シンジに近づけないみたいじゃないか」
「霧島マナが邪魔をしているし。婚約者の綾波レイもいるもの。難しいわね」
「そんなの、据え膳食わぬは・・・だろう」
「どうだかね〜 婚約者ともやってないみたいだし。日本人って、どこかおかしくない?」
「婚約者とやっているかどうかは、わからないが、いざとなれば、押し倒せ、が本国の指令だろう」
「あのね〜 痴女じゃないんだから。それなりの雰囲気が必要なのよ」
「そっちこそ。惣流アスカか、綾波レイとでしょう。何とかしたらどうなの」
「生憎、俺の方は、押し倒せと、命令されていなくてね」
「あんたの魅力で何とかしなさいよ」
「なんともね〜 俺は頭が良いと思っていたが、惣流アスカ、綾波レイは天才だぞ」
「しかも、体力も、気力も、男並みで、格闘術までやっている」
「下手に手を出せば、絞め殺されるな」
「ったく。どうしようもないわね」
「やれやれだ。しかも、アメリカから派遣されているのは、公然の秘密」
「わかっていて、近付くものか」
公園
ドイツ系留学生、帆馬ホーゼン、池田マレーネ
この2人も美男美女だった。能力より性格重視で選ばれたように見える。
「ホーゼン。上手く。食い込めそうにないわね」
「・・・・・・」
「はぁ〜 大ドイツも、こういう小手先の工作をしなければならないなんて」
「顔繋ぎだよ。将来的には、俺たちが日本と取引をすることになる」
「まぁ もう一つの祖国でもあるし、任務抜きでも楽しいさ」
「任務が至上命題よ」
「わかっているよ。しかし、そう、気を張っていても、上手くいくものじゃないだろう」
「本国の命令は、顔繋ぎが第一だからな」
「それ以上の深い関係というのは、無理だと思えば、やめて良いそうだ」
「そうだろうけどね。出世もしたいしね」
「十分に出世コースに乗っているさ」
「もっと上に行きたいのよ」
「やりようはあるさ」
「だと良いけどね」
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月夜裏 野々香です。
さてさて、どうしたものか、
『一人暮らし』も、使徒戦が終われば、別なタイトルを考えるべきでしょうが、
今のところ、考えていないので、このまま、『一人暮らし』でやっていくとして、
そのうち、51話か、52話あたりから、何か思いついたら別のタイトルに変えていこうと思っています。
タイトルに、『一人暮らし』は、ないだろうとか、ボキャブラリーがねえな。
とか言われそうですが、分岐の主要原因が一人暮らしだったので、安易に付けてしまいました。
いまでは、それなりに気に入ってます。
“ネームを考えずに小説書くな”
という感じですが、ヤマトも最初は、適当に『落日』と付けて、あとから『南銀河物語』にしましたし。
そういう、やつなんですね。
さて、今の状況を補完しますと、
ATフィールドは、純正使徒の渚カヲル以外に公認されていません。
カヲルは、リリスが消滅して、いまのシンジとヒカリとの生活が馴染んで。
政府機関に組み込まれてしまっているので、無害化しています。
シンジ、レイ、ハルカともATフィールドが使えるのですが、
社会問題になるので、感知されない程度でしか使えません。
ここにATフィールドを使える山岸マユミが転校してきたので、大問題でしょうか。
第51話 『コアの世界』 |
第52話 『転校生』 |
第53話 『衛星軌道へ』 |
登場人物 | |||