第00話 プロローグ 『黒船と開国』
日本のどこかの海岸、
潮風が転がるよう脇を逸れていく、
「お殿様が帰ってこられるんだと」
「参勤交代か・・・」
「なんか、馴れ合いだな」
「重苦しくても天下泰平だよ」
「ふん！ 領米を大阪に持ち出して、領民を餓死させてるのにか」
「小判がないと参勤交代のとき、不便だろう」
「くだらん制度だ」
大地は、変わらないようでも季節ごとに様変わりする、
立ち止まって草木を見つめるなら静と動で息づき、躍動も感じられた。
封建社会は、主従関係を固定させる。
徳川幕府成立初期、大名は改易され、
地位が逆転し、世代交代が激しく行われ、封建社会が作り変えられた。
幕政が安定し、世襲された権威を代表する侍は怠惰となり、
商人は、金を集めることで貧富の格差を広げていた。
そう、徳川幕府の矛盾と歪は大きくなり、軋轢が増していた。
「・・・おい、あれはなんだ？」
一人が沖を指さした。
「「「・・・・」」」
1853年7月8日
江戸湾の浦賀沖
アメリカ東インド艦隊
「サスクハナ」「ミシシッピ」「プリマス」「サラトガ」
の4隻が来襲
日本人は、黒船と呼んだ。
ペリー提督は、フィルモア大統領の親書を徳川幕府に手渡し開国を要求。
幕府は、翌年までの猶予を求め、
ペリー艦隊を退去させてしまう。
しかし・・・・
1853年6月22日
12代将軍 徳川家慶 死去
ペリー提督は、将軍の死を知ると・・・・
約束より半年、早く、浦が沖に・・・・
1854年2月13日
サスクハナ号 外輪式フリゲート
水線長76メートル、満載排水量3824トン、乗員300名。
10インチ砲3門、8インチ砲6門
外輪船 「サスケハナ」「ミシシッピー」「ポーハタン」
帆船 「マセドニアン」「ヴァンダリア」「レキシントン」「サザンプトン」
7隻が来襲
その後、帆船 「サラトガ」「サプライ」が到着すると、
合計9隻の艦隊となった。
1854年3月31日
徳川幕府は強大な戦力を有するペリー艦隊に開国させられ、
唯一無二だった徳川幕府の権威は傾き、
日米和親条約が調印される、
日本人は、新しい時代の流れを感じつつも、
欧米列強の脅威に晒されていると実感する。
諸藩は、徳川幕府が欧米列強に対応できないと気付き、
勤皇志士と呼ばれる若者たちの台頭を許してしまう。
「なにが、尊王だ。攘夷だ」
「下級武士どもが、ただ成り上がりたいだけじゃないか」
「しかし、小物が大乱や外戚を利用し、成り上がるは、世の常・・・」
「うぬぅぬぬ・・・」
再建の気運は、幕府内でも高まり、
幕府派、尊王派、攘夷派など多様に分かれるものの、
幕府は開国、
長州は、尊王攘夷から倒幕へと傾いて行く、
安政の大獄
桜田門外の変
坂下門外の変
寺田屋事件
文久の改革
生麦事件
薩英戦争
八月十八日の政変
池田屋事件・禁門の変
第一次長州征伐
第二次長州征伐
そして、一人の天才、坂本龍馬によって、
薩長同盟が成立。
倒幕の気運は庶民にも広がり、
徳川幕府は追い詰められていく。
1867年11月09日 大政(統治権)奉還
1868年1月03日 王政復古の大号令
1868年 - 1869年 戊辰戦争
上野戦争、北越戦争、会津戦争、箱館戦争
1871年8月29日 廃藩置県
薩長をも含めた徳川幕藩体制は、解体され、
天皇を中心とした明治新政府が誕生する。
しかし、付け焼刃で誕生した新政府も亀裂が生じていた。
対朝鮮政策に敗れ下野した西郷隆盛の下に既得権を失いつつある士族が集い、
明治幕府に反旗を翻した。
西南戦争 (1877/02/15〜09/24)
日本は、天皇を中心とした近代国家として成り立つため、
欧米列強に認められうる国民国家とならんとし、
武士が持っていた既得権益の解体と、
天皇親政の元、新しい権益が構築されていく、
武士階級のタガが外れると、
抑え込まれていた、豪農、豪商の発言力が増し、
転がるように議会政治へ移行していた。
それまで武士のみ許されていた国政の意識が国民に芽生えていく、
そして、殖産興業によって新しい工業力が育とうとしていた。
この時期、欧米列強の圧力は、確かに東アジアに押し迫っていた。
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月夜裏 野々香です。
日清戦争前からの仮想戦記です。
プロローグは、開国からの歴史を少しだけです。
この頃の北前船
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第00話 プロローグ 『黒船と開国』 |
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