月夜裏 野々香 小説の部屋

    

宇宙戦艦ヤマト 『南銀河物語』

   

 わたしは、宇宙海賊アルサ・ミエル。

 軍艦でしか国境を越えられないと思っている。

 皮被り野郎には、用はない。

 

 

第09話 『チターム』

 チタームを本星にカスターム、イスタームの2個が従属。半径300光年が影響圏。

 地球より、戦乱に巻き込まれていないことから、

 社会設備は、基礎からしっかりしている。

 それでも、アトラス帝国のカタストロフィーによる影響は少なくなく、

 ミュータントが人口に占める比率は少なくない。

 遺伝性があるため社会的な混乱が収まらない。

   

  

 宇宙戦艦ヤマトとアムヌードは、惑星チタールの軌道ステーションに入港。

 嬉しげにタラップを降りていくアタリ組のクルーと。

 恨めし気に見送るハズレ組のクルー。

 チタームの交通機関は、スカイボートと呼ばれる反重力装置を装備した機体だった。

 そして、入れ替わるように地球外交官ウィリアム・パースがヤマトに乗船する。

  

 CIC室

 古代提督、島艦長、由良副長と地球外交官ウィリアム・パース

 「古代提督。例のものは無事でしょうな?」  地球外交官ウィリアム・パース

 「ええ。機能しています」

 ヤマトが運んできたものは、実体として存在していないもの。

 “惑星開発用システム”

 恒星間国家とはいえ、普通は、開発しやすい惑星を選択する。

 南銀河では旧アトラス帝国の残照を利用する。

 しかし、地球連邦は諸事の事情から金星や火星のテラフォーミングを成功させていた。

 それも、他の恒星間国家が成しえていないほどの速度。

 そして、そのための機材は、チタームが用意し、

 無ければ、南銀河やガルマンガミラス、イスカンダルからも買い揃えた。

  

  

 国家最高機密であることから軍艦で運ぶことが、決まり。

 ヤマトは、その惑星開発の統括システムを運ぶ。

 「ウィリアム・パース次官。南銀河諸国は気付いている頃でしょうな」

 「ええ、大規模な惑星開発プロジェクトが行われると、物流の動きを見れば気付くはずですから」

 「妨害が無ければ良いのですが・・・・」

 「古代提督。開発するのは、チタームとカスターム、イスタームの重心を埋める」

 「この位置にあるアスターム恒星系。金星型の第3惑星です」

 3Dが投影される。

 「・・・なるほど。戦略的にも随分わかりやすい選択です」

 「4つの恒星系で相互支援が出来る距離になりそうですし、艦隊基地もある」

 「ヤマトは、1年を期限に統括システムの任務に付いて頂きたい」

 「そして、代金を受け取った後は、統括システムをチタームへ転送します」

 「よろしいので?」

 「地球連邦のハードとソフトですから・・・」

 「なるほど」

 「その後、地球へ帰還するかどうかは、本国の命令を待つことに」

 「了解です」

 「しばらくは帰れんな」

 「覚悟の上です」

 「そうか・・・・ところで、古代提督、子供が降りていくのが見えたが?」

 「彼に関しては、最高軍事機密扱いになりましたので、手続きを踏んでいただきたい」

 「・・・プロジェクトに支障が無ければ、無理に知る必要は無いよ」

 「・・・・」

  

  

 宇宙戦艦ヤマトとアムヌードから降りた二人の少年は合流すると。

 いつの間にか、一人になっている。

 地球側の芹菜ユキ少尉とチターム側のハインリナ少尉がモウブ少年に付いた。

 彼の力なら簡単に出し抜くことが出来るだろうが、

 まだ、そう考えていないらしい。

 モウブは、スカイボートを降りて歩くという。

 「・・・・歩くという行為は、人の基本だね」

 「それで、どちらへ?」

 「足の向くままさ〜」

 というわけで、モウブ少年を先頭に2人の二人の女性が付いていく。

 「・・・ミュータントが多いねぇ〜 それも失敗作ばかりだ」

 モウブ少年は、禁句を呟く。

 近くにいたミュータント数人が少年に襲い掛かり、

 ボウブがミュータントをすり抜ける。

 あっという間の出来事に芹菜ユキ少尉もハインリナ少尉も対処できない。

 下手に手を出すと暴動。

 しかし、異変が起きた。

 体をすり抜かれたミュータントがミュータントでなくなっている。

 衝撃が広がっていく。

 あっという間に少年が囲まれそうになり、

 中央にいたはずの少年は消えていた。

   

 携帯をかける芹菜少尉

 『・・・・見失った。だと〜』

 「はぁ〜 申し訳ありません」

 『・・・・こっちでも、追跡衛星で確認した・・・・ 完全にロストか・・・・』

 「由良副長。あのう、ミュータントを通常のアトラス人に回復させました」

 「確認しただけで三人です」

 『それも、確認した。教祖になれるな』

 『それも南銀河を統合できる教祖に・・・』

 「どうしますか?」

 『まぁ〜 いい。そのまま、休暇を取りたまえ』

 「は、はい♪」

 芹菜少尉は、ガッツポーズ。

  

  

 銀河系。

 地球人は、人種的な個体差で総合で優れている。

 これは、侵略による種族存亡に対する反動だった。

 そして、南銀河。

 個体差の幅が歪でまったく違う。

 強力な超能力を発揮する者が生まれると支配階級に付いていく。

  

 チターム

 カイバリッツ首相とザナリッツ艦長

 「地球の戦艦か」

 ドックで整備中のヤマトが映される。

 「ヤマトです」

 「小さいな」

 「格納庫が小さいと、お考えください」

 「コンパクトで戦闘能力は高いと思われます」

 「格納できる戦略物資が少ないのはエネルギーが少なく、戦闘能力が高いといえないだろう」

 「あれでは、すぐに弾切れだ」

 「確かに」

 「ところで、モウブという存在と接触したのだったな」

 「はい」

 「・・・・・危険性は?」

 「特SSSクラス。いまのところ、計画の妨害はしないと確約を受けていますが」

 「信用できるのか?」

 「モウブの言質を分析すれば外界に依存するものはないと・・・」

 「自己完結型の存在か。それでも、好奇心だけは、あるということだな」

 「そのようです」

 「会ってみたいものだ。アトラス帝国のほとんどが個体進化を選択して失敗している」

 「あと、調べた限りでは個体」

 「いや、個性を捨て、群集進化を選択したのはガイアスだけのようだ」

 「惑星ガイアスごと恒星系の軌道を離脱し」

 「深宇宙に隠れたのは群集進化が馴染むまでの自己防衛だったようです」

 「外界に対して脆弱な時期があったということか」

 「そして、いまは、そうではないということだな」

 「はい。アムヌードも、ヤマトも最大防壁を突破されてしまいました」

 「それも、ナイフで肉を切り裂くが如くです」

 「あの惑星全体に、その力があるということだな」

 「おそらく」

 「太陽が存在しないにもかかわらず、存在しているように振舞う・・・恐ろしいエネルギー量だ」

 「既存のエネルギー工学では、ありえない現象です」

 「彼らが全宇宙の侵略する可能性は?」

 「能力は、あるかもしれません」

 「しかし、意欲は、感じられませんでした。人間的な欲望が無いような・・・」

 「今のところはな・・・自己完結型なら、そういうものだろうが・・・・・」

 「遊星ガイアスに偵察艦隊を差し向けたそうですが?」

 「危険かね」

 「・・・わかりません」

 「1光年以内には、近付くなと命じている」

 「・・・・・」

 「・・・・・」

  

  

 チターム第5機動部隊艦隊

 戦艦3隻、空母4隻、巡洋艦5隻、駆逐艦12隻がヤマトの支援に付いた。

 それとは、別に護衛空母4隻、護衛艦47隻が開発船団の護衛に付く。

 いずれも、円盤型であり、独特の雰囲気がある。

 これで、開発船団200隻以上を守るのだから、不足気味。

  

  

 ヤマト

 資料にも基づいて惑星開発統括システムの分析が行われていく。

 「ラグランジュ点の・・・ この衛星を引っ張ってきて開発衛星にするのが適当だな」

 「船団を貼り付けさせなくても済む」

 「それと太陽光熱を遮断。惑星を冷やしながら調整だな」

 「この段階でミスをすると地表の組成が悪くなる」

 「金星と構成が似ているのが助かるな。応用が利く」

 「しかし、チターム人の人口少ないですが第4恒星系が必要なのでしょうか?」

 「疑問に感じますが」

 「戦略的に理解できるが素因として、不足か・・・・」

 「それでもコアチタン。あれは、使えるかもしれないそうだ」

 「本当ですか?」

 「素石で、この強靭さだと加工は、不可能なのでは?」

 「でなければ、これほど大規模な投機は行われないだろう」

 「確かに」

 「なんにせよ。宇宙最強の素材を放っておくのも惜しかろう」

 「チターム星雲でしか生成、採掘できないのだから」

 「ええ、もっとも過酷な星雲で、もっとも強靭な素体が生成される。ですか」

 「普通は、チリにでもなるのだろうが・・・・」

 「その方が加工しやすいですがね」

 「生成の仕組みもわからないな」

 「地球の輸送艦隊は、いつ頃、来るのですか?」

 「そうだな。準備が出来次第だろう」

 「惑星開発システムと違って、データーの転送だけではすまないからな」

  

  

地球連邦で捕獲されている艦船

ガルマンガミラス帝国

白色彗星帝国

暗黒星雲帝国

ボラー連邦

ディンギル

中型空母

2

大型戦艦

1

ディンギル戦艦

1

大型巡洋艦

2

戦艦

1

中型戦艦

1

中型巡洋艦

2

バルコム航空戦艦

2

高速空母

1

巡洋艦

5

巡洋艦

3

デストロイヤー

12

駆逐艦

4

護衛艦

5

駆逐艦

4

駆逐艦

4

 

 地球連邦 タウ・セチ恒星系

 第18H機動部隊

 中型空母2隻、戦艦1隻、駆逐艦4隻 + 地球ベガ型巡洋艦6隻 (コスモタイガーX 145機)

 コスモタイガーXが、空母にタッチ&ゴーを繰り返す

 藤堂少将

 「白色彗星の艦艇は、随分、いい感じだな。巡洋艦が無いのは、少し寂しいが」

 「ええ、問題は、ディラック粒子ですね。とんでもない燃料です」

 「政府も生産設備の試算をしたら尻込みしたそうだ。ガミラスニュームと違って増殖も出来ない」

 「地球のヴィーナス型駆逐艦と歩調を合わせられず、ベガ型巡洋艦で、ようやくですからね」

 「元々、外征ができる駆逐艦は開発されていないからな」

 「巡洋艦でさえ、怪しいくらいだ」

 「それでもベガ型6隻を編入させるだけでも大騒ぎだったよ」

 「南銀河まで持って行って大丈夫でしょうか?」

 「いざとなったら南銀河で競売にかけるそうだ」

 「こちらと違って、ディラック粒子が安値で買える。波動エンジンも人気が高い」

 「いっそのこと他の外国艦も、売ったらどうです?」

 「たぶん、政府は、そのつもりだろう。向こうは需要があるらしい」

 「では、帰りは、途中から輸送船ですか」

 「客船で、帰りたいな」

 「客船は優雅ですね・・・」

  

  

 チターム 従星イスターム

 女海賊アルサ・ミエルは鼻歌を歌いながら、

 向かいの廃屋ビルから建設中のビルを録画する。

 チタームの建設基準法違反なのだが黙っていれば、わからないという感じで建設している。

 設計図は、既に手に入れており。

 役人や政治家が受け取ったお金の動きも証拠を揃えていた。

 こういう情報も弱みを握った人間から芋づる式に引っ張り出す。

 当然、情報を教えた要人は沈む船から逃げ出し、保身だけは確保する。

 情報の値段としては低いものの、

 発覚するまで口座に、お金が振り込まれるはずだ。

 「・・ランランララ ランランラン ランランラララ〜」

 「楽して儲け♪ 楽して儲け♪ ・・・」

 むふふのアルサ・ミエルが一瞬凍りつく。

 アルサ・ミエルが合図すると周りにいたアンドロイド兵5人が警戒態勢に入る。

 「・・・・・・・」

 「・・・・・・・」

 「・・そこにいるのは誰かしら」

 「傭兵だよ」

 一人の男が柱の影から現れる。

 「素敵〜 見逃がしてくれたら、もっと素敵!」

 「ふっ 女海賊アルサ・ミエルか」

 「傭兵を雇うなんて思っていたより、儲かっているみたいね。請求額も見直さなくちゃ」

 「そうでもないさ。カウンタースパイは俺一人だけだからな」

 「まぁ〜 本当かしら♪」

 アンドロイド兵2体が傭兵に突撃銃を向けているが3体は、回りの警戒をしている。

 「・・・そのカメラを置いていけば見逃してやっても良いぜ」

 「あら、良いけど。アンドロイドの記録カメラにも映っているのよ。どうするつもり?」

 ニヤリと微笑む傭兵。

 そして、音も無く窓側に突然現れるスカイボートが銃撃。

 次々とアンドロイドが破壊され、

 アルサ・ミエルの顔色が変わる。

 一瞬にして銃弾の雨が降り注ぎ、フロア全体が瓦礫と化し、

 今にも崩れ落ちそうになる。

 掃射が終わった後、フロア全体に無数の弾痕が造られていた。

 そして、アルサ・ミエルとアンドロイド1体が残る。

 「・・・射線を・・・外せるというのは・・・本当だったのか・・・」

 傭兵は、外された射線上にいたのか断末魔。

 「アンチ・オーラ装置が弱かったみたいね」

 「でも、一人は、本当だったのね。傭兵さん」

 スカイボートは、無線か、自動操縦だったらしく。無人。

 アンドロイド兵がスカイボートを銃撃。

 スカイボートは穴だらけとなり、

 重力に引かれて、ビルの谷間に落ちて爆発する。

 「名前だけは、聞いて、あげるわ。傭兵さん」

 外に水雷艇が迎えに来る。

 「オールキースだ・・・・」

 「さようなら、オールキース」

 「・・・・」

 生きていた男は、次の瞬間、ただの物になっていく。

 アルサ・ミエルは、水雷艇に乗り込むと警察が集まってくる前に脱出。

 アンドロイド4体の値段と口座に振り込まれる金額を計算して、むすくれる。

 アルサ・ミエルは、基本的に銃撃戦を避ける主義で人道ではなく。採算面が理由。

 それでも、能力で近ければ被害を受ける。

 アンドロイドを4体も失ったのは、それだけ、オールキースが能力で近かったといえる。

 普通ならば、スカイシップをあそこまで接近させたりはしない。

 彼自身の “気” とアンチ・オーラ増幅装置の妨害。

 「もう・・・絶対に元を取ってやる〜」

  

  

 チタームの交通機関は、スカイボートを使う場合が多い。

 ちょっとしゃれた人間は、馬型の乗り物を使ったりもする。

 ヤマトの乗員も浮かれ気分。

 那岐ツバサ少尉、ソロ・クロウ少尉、佐奈ミキ准尉、

 芹菜ユキ少尉、仁科マイ准尉は、スカイボートでチターム上空を飛んでいた。

 「・・・スカイシップか。いや、地球でも欲しいですね。こういうの」

 「冗談。こんな小さな反重力装置なんて作れないよ」

 「そうそう、仮に作っても大爆発。危なくてしょうがないよ」

 「こういうのもアトラス帝国の残照というやつですか?」

 「そりゃ〜 一時は、銀河最強の帝国だったって言うし」

 「人口が少なく、産業が歪。なのにガルマンガミラスが南銀河に侵攻できない」

 「秘密兵器がある、って、怖がっているからだろう」

 「デスラーが死んでから、権力闘争に追われているだけじゃないのか」

 「デスラーって怖かったんじゃない」

 「いまの総統のヒンデンブルは、人の良さそうなおじさまって、感じで大丈夫そうだけど」

 「そういえば、ボラーのゴリエチョフも毒気なさそうだし」

 「結局、戦争を起こせるのって人柄かな」

 「平和がいいよ。平和が・・・」

 「人はね。平和な時は戦争を欲し。戦争になると、平和を欲するのさ」 モウブ

 ぎょぇえええええええええええ〜!!!

 いつの間にか、モウブは、スカイボートに乗っている。

 隣の座席の芹菜ユキ少尉は硬直する。

  

  

 スカイボート

 「モ・・・モウブ。ど、どこに行ってたのよ? いままで?」

 「せ、芹菜・・・その前に。どうやって、ここいるかを・・・」

 「・・・ミキ。そんな、小さな問題は、どうでも、いいわよ」

 「小さい問題かよ。高度2000mはあるぜ」

 「あ、あんた達ね〜」

 「15億km先の惑星からヤマトの最大防御壁を蹴破ってきた人間に、なに寝ぼけたこと、言ってるのよ」

 「・・あ・・・・・そうだった」

 「ふっ ちょっと、この辺を見て回ったのさ」

 「君たちとは、基礎になる動体能力が違うからね」

 「あ・・そう」

 「人間は、浅ましいね〜 浅ましいから人間なんだろうね〜」

 「浅ましい人間に付き合う。モウブ君は、忍耐心があるみたいね」

 「ふふ・・・芹菜少尉は、面白いねぇ」

 「刺激があるとね」

 「それは、それで気晴らしになるのさ。思ったより自尊心が強まりそうだけどね」

 「モウブ君は、これからどうするつもり?」

 「そうだね。風の向くまま、気の向くまま、行ったり着たりかな」

 「うぅ 理想的な生き方だよ」 ソロ・クロウ少尉

 「ふっ 我々のところに来るかい。気が向いたら取り込んであげるよ」

 「・・・・んん・・・・・」 悩む

 「ひょっとして、それがモウブ君の狙い?」

 「いや。君たちに同情してさ」

 「君たちを取り込むと雑音がするけどね。少しぐらいなら我慢できるし」

 「・・・・・・・・・・・」

 「人の世で生きて行くのは、辛いからねぇ〜」

 「「「・・・・・」」」

  

  

 チターム デパート

 モウブ、芹菜ユキ少尉、那岐ツバサ少尉、

 ソロ・クロウ少尉、佐奈ミキ准尉、仁科マイ准尉

 陳列されている商品(オーラードライブ)を見回す。

 「・・・・こっちでは、デザイル(欲望)ドライブというのか・・・」 那岐ツバサ少尉

 「まぁ〜 当たらずとも、遠からずか」

 「地球では、気を強化する装置をオーラ(気)ドライブと呼ぶから。現象としては、正しいがね」

 「でも、こっちは、デザイル(欲望)ドライブ」

 「正直だね。お為ごかしじゃないところがいいよ」

 「南銀河は、気が、もの凄く強い人間と、ほとんど無い人間と、極端だから」

 「少数の強い気が使える人間の欲望が強調されているんじゃないか」 那岐ツバサ少尉

 「なるほど。チターム製は少し違和感があるな」

 ソロ・クロウ少尉が確認する。

 「気の流れに微妙な差異があるみたいね」

 「たぶん、地球人より感知域が広いのかも・・・」 仁科マイ准尉

 仁科マイ准尉が確認する。

 「すると、ミュータントは、地球人が相殺しにくい領域も使えるということかな?」

 「んん・・・・地球人の感知域よりは広い感じね」

 「モウブ君は、こういうの、わかる」 芹菜少尉

 「生命エネルギーかい。僕が使ったら壊しちゃうよ」

 「あ・・・そう」

 「それより、食事は?」 仁科マイ准尉

 「モアブ君。何か、食べたいものがある?」

 「そうだね。この先の地球店に “おでん” があったな」

 「げっ! 詳しい」

 「大まかな情報はね。頭に入ったよ」

 モウブが頭を指差した。

  

 

 

 

  

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第08話 『遊星ガイアス』
第09話 『チターム』
第10話 『開発惑星アスターム』
登場人物 恒星間国家群 独立恒星系群 銀河勢力図