2000年3月下旬の日常

2000年3月中旬に戻る
2000年4月上旬に進む
最近の日常を覗く


2000年3月21日(火)

 やっっっとバイト先以外の本屋に行く機会を得て、平台に残り一冊となっていた『IN POCKET 2000年4月号』(講談社)を入手。わーい暗黒館だー。前作である『黒猫館の殺人』が確か私が高校時代に出たものだったから……八年ぐらいか。まったりのんびりと付き合うとしましょう。ここまで待たされたならもう幾らかかろうと同じだ。
 そしてもう一つ、待望の天藤真『炎の背景』(創元推理文庫)も一緒に購入した。創元推理文庫では数年前から天藤真の長篇推理作品を統一した装幀にてシリーズ刊行していたのだが、ほぼ二年前の『殺しへの招待』に本書の予告が提示されて以来何故か発刊が途絶えており、仕切り直しの意味を込めてか本書は装幀を一新し、松尾かおる氏の装画を採用してポップな印象となっている。次巻以降はまた作品に合わせたイラストを選ぶのかも知れないが、以前のスタイルも私は嫌いではなかったので微妙な心境である。なんとなく矯めつ眇めつしていると、カバー裏表紙側の折り返しに非常に気になる記述を見つけた。天藤真推理小説全集のラインナップが書き連ねてあるのだが、11作目として示される作品は――『わが師はサタン』。……これって、もしかして噂のアレか。

 バイトの前にCD屋に寄った。思わぬものを見つけて、躊躇なく衝動買いしてしまう。タモリ『TAMORI』(アルファミュージック)……知ってる? 知らない? 私は知っている。昔伯父にテープにダビングした奴を貰って、その時点でかなり磨り減っていたテープを更に聴き込みのーびのびにしたという前科がある。前からCDで持っておきたいと思っていたのだが、どうも'95年にQ盤シリーズのひとつとして(よりによって「赤い鳥」のアルバムと同時に)発売されていたらしい。しかも二枚目と一緒に。……流石に二枚一緒には買わなかった。
 本盤は知る人ぞ知るタモリのテレビ本格デビュー前に制作されたレコードであり、往年の密室芸をほぼ完璧に音源化してしまった代物である。流石に今聴くと古すぎて意味不明のギャグなどもある(討入りを当時の政治家の物真似で表現してみたりとか)が、出鱈目なジャズ解説は今聴いても(というか「今の」私が聴いているからかも知れない)面白いし、演歌・民謡教室・アフリカ民族音楽の流れは今でも破壊力充分。また意味もなく聴き込んでしまいそうである。それにしてもデビュー当時から全然芸風変わってないんだなタモリって。

 バイト先ではまた人が増えていた。先月末に社長が急逝して(訃報を公表する前だったのでこの日記ではずっとぼかしていたのだけれど)跡を継いだ奥さんもお嬢さんたちもあれこれ試行錯誤しているようだが、週一回便利使いされている身としては、慣れない人がまた増えた、という感覚しかなかったりする。幸いに今回入った方は多少客商売の経験があるのか、レジに立って二日目の割には物怖じしておらず隣の私もやりやすかったのだが、まだお嬢さんと一緒で一人分ちょいの能力といった風情で、客が詰めかけてくると私まで気が抜けないというのが現状だった。まあ、ゆっくり慣れて貰うしかないんやけど。それにしても数年間ここで働き続けているが、同じレジに女性が立っているという状況は実は初めてで、そういう意味での戸惑いの方が大きかったりする。何故社長が女の子を雇わなかったのか、本人に確認することはもうできないし。

 ああ、本当に出ていたすがやみつる『ゲームセンターあらし(1)』(太田出版)。一巻でこれだけの厚みがあると、キャラクターデザインの変遷も一目瞭然である。第一回の時点では給食の先割れスプーンのようだったあらしの前歯が、一巻終わり頃には齧歯類のように発達して、ほら、あの和菓子食べるときに使う、先端が二つに分かれた楊枝みたいな奴、あんな感じに変形してしまっている。既にかなり古い作品の上、本来が子供向けに描かれたものだから、痛みで読み進めるのが辛いという可能性もあるだろうなと考えていたのだけれど、三話ほど読んだ現時点では未だ杞憂。破天荒ぶりがなかなか快感なのである。全四巻で、今後毎月20日前後に刊行されるらしい。楽しみが増えました――支出も増えました。はあ。
 他に今更だが生島治郎『殺しの前に口笛を』(双葉文庫)と漫画一冊を購入する。双葉文庫、やっと全体の装幀を統一するつもりになったらしい。


2000年3月22日(水)

 一昨日の答。先々週ぐらいの『奇跡体験アンビリーバボー』で扱われたトランペッター・大野俊三が参加したアルバムだったから。元ウェザー・リポートの一員であるウェイン・ショーターも認めたという実力をまともに聴いてみたかったのである。しかし判断材料とするにはソロパートが少なすぎた。放送では他のアルバムにも言及していたが、CD化されていないのか品切れなのか或いはただ私の探し方が悪かっただけか、見付かったのはあれ一枚だったのである。

『ゲームセンターあらし』結構初期から読んでいたらしい。或いは単行本もそこそこ買っていたのかも知れないがもう記憶の断片すら残ってませんので。昔の家に置きっぱなしの漫画の束をひっくり返せばもしかしたら出てくるのかもね。

 話を作っていくうちに登場人物を一人追加してみたくなり、ふと魔が差して、ネットを通じて知り合った方の名前と、風聞こそ頻繁に耳にしているのだけれど機に恵まれず未だに一度もお会いしていない方の名前とをくっつけて利用してしまった。何故そのふたりの名前を繋ぎ合わせようと思ったのかには、かなり必然的な根拠が存在するのだけれど訳あって公には出来ません。もしかして俺じゃないだろうなと悪い予感を覚え、そのうえ名前使われると拙い真っ当な理由をお持ちの方は御一報下さい。勘違いでしたら勘違いだと個人的に断言して差し上げます。因みに作中での扱いはそこそこです。
 実はもう一人、こちらは作品を着想した段階からずっと存在した登場人物なのだが、女酒豪という設定が最近知り合った実在の人物と被ってしまって、ここ暫くというもの名前を変えたい欲求に駆られていたりする。……変えていい? 念のために言っておくと作中での扱いは物語の必然性ゆえかなり悪いです。

 案の定、昨晩から無限リピートで聴き続けてしまっている『タモリ』。この中でタモリが民謡のお師匠様をおかまっぽい口調で演じているのだが、どうもそのおかま口調に聞き覚えがあるような気がして、昨日から落ち着かなかった。タモリ自身今でも時々おかま口調を芸に持ち込んでいるのだが、彼以外の誰かがこんな風に違和感なくおかま口調を表現していたような……と、ずっと考え続けて漸く思い出す。
 さだまさしだ。
 最近こそあまり口にはしていないが、昔はタモリ、さだまさしと小田和正の音楽を忌み嫌っていた筈。こんなところに共通項があるとは思いませんでしたわ。それともいつか母が推測していたように裏では仲が良いのかこのふたり。
 しかしやっぱり名盤だ『タモリ』。細部は素晴らしく適当なんだが、全体では完璧にタモリの世界を構築してしまっている。前にタモリのことを「芸がない」とか言っていたバカガキに聴かせてやりたいわ。

 積読が片付いた先から漫画の新刊が今日だけで四冊追加。まあ比較的楽に読めるものが殆どではあるが。他には馳 星周『虚の王』若竹七海『名探偵は密航中』(ともにカッパノベルス)を購入。馳の装幀は綾辻行人『フリークス』を発端に始まったカッパノベルスデザイン革命のひとつの頂点。裏表紙では著者近影までがデザインに取り込まれてしまっているのだが、よーく見ないとそこに著者がいることすら解りません。
 既にお気付きの方もありましょうが私は馳作品を結構愛読しております。単行本作品では未読は唯一『漂流街』のみ。これはその一月前に『夜光虫』が発売、読了したばかりでもう一冊あの救いのない物語を読む気になれず、結局そのまま時機を逸して読み残しているのですが。先日『M』を読んで少し餓えは癒えましたが、そろそろ長篇が読みたくなってきた処でした。……そう思ってもすぐに読めないのが私の病気なのだねー。若竹も『ヴィラ・マグノリアの殺人』が出たときに「今度こそすぐに読む」と思った筈なんですが。

 ……ところでまだ修理から戻ってこないんですけどデジカメ。

 トップページをはじめあちこちをちょこっとだけ改造しました。送信フォームをメニュー部分から独立させましたので、今後はこちらから感想や誤字脱字の指摘を送っていただけると嬉しいなーと。無論日記ページに常駐してあるフォームからでも構いません。
 暫く掲示板やメールなど部分的にサボっておりますが、メールは無論のこと、このサイト内にある掲示板と割と頻繁に書き込ませていただいていた掲示板については全て目を通しています。ただ返答するのを面倒くさがっているだけ(ここに来て生来の筆無精がぶりかえしている模様)なので、気長にお待ち下さい皆様。そのくせ時々どうでもいい話題に絡んだりいきなりな発言をしたりするのは……まあ性分なもので、御容赦下さい。基本的にこういう奴です。


2000年3月23日(木)

 朝、いつもはパソコン廻りの荷物を退かしてメールや掲示板をチェックしたあと家を出、両親から十分〜二十分遅れぐらいで職場に着くのだが、今日は両親が車を出す前に出発し、昨日の時点で届いていたデータをさっさと出力したあと上野までバイクを飛ばす。前から繰り返し触れていた『FINAL FANTASY VIII for Windows』(Erectronic Arts Square)の発売日なのである。内容には(映像を除いて)あまり期待がないのだが、初回限定版があると聞くと確保せずにはいられないのがマニアの性というもの。流石にPSの時のような行列も見当たらずふた山ばかり平積みになっている。手に取るなりパッケージデザインに不満を覚えた。初回限定版は天野喜孝のイラストをあしらったピクチャーディスクということで、それを見せるのに最適なパッケージをと三面デジパック方式を採用したらしいのだが、どう見てもマニュアルを止める・仕舞う場所を設けていない。つまり、マニュアルその他は挟み込まれているだけらしいのだ。
 取扱説明書は、ことコンシューマー系のソフトでは必ずと言っていいほど必ず「取扱説明書は保管しておいて下さい」といった主旨の注意が明記されている。昨今の操作方法やシステムが煩瑣なゲームの氾濫から必要とされた記述だと思われるが、こういう注意を施すのが常識であるのならば、ソフトのパッケージにマニュアルを常時添付しておけるデザインを選ぶのが当たり前じゃないかと思うのだが。剥き出しのデジパック方式、ポケットのひとつもないのでは、例えば本棚などに縦置きでソフトを保管している処ではケースを取り出すときにマニュアルだけ落としてしまいそのまま紛失してしまうという事態が容易に想像できる。恐らくソフトウェア企業としては最大手に属する筈のスクウェアの系列会社の割には、随分配慮に乏しいデザインではなかろうか。
 そのまま隣接するPC周辺機器売場に行き、デジカメの修理がどうなっているのか確認する。修理伝票を持って店員が奥に消え待つこと数分、戻ってきた店員の手には緩衝剤に包まれたデジカメがあった。昨晩修理を終えたものが届き、今日連絡する処だったらしい。我ながらこういうタイミングは外さない。しかし漸く万全となって戻ってきたはいいが、暫くオフ会などに参加する予定もなく、当分は無用の長物に……いや、何か理由を見つけて活用してみようか、などと考えつつ今度は秋葉原へ向かう。今日と明日に発売する予定のDVDが揃って出ていれば一緒に買ってしまおうと目論んでいたのだが、明日発売分はまだ陳列準備段階のようで店頭には並んでいなかった。予約という形にして取り置きして貰う。願わくば、今日が正式発売だった方が明日まで品切れにならないことを。
 最後にバイト先へ。宇宙家族カールビンソンの最新刊二冊と……予定外の書籍一冊。志水辰夫『暗夜』(マガジンハウス)。先月確かに予定表で見かけた覚えはあるのだが、チェックするのを忘れていたようだ。畜生何でこんな時期によりによって珍しいところから出してくれるんだなどとぼやきつつ結局買ってしまう。志水辰夫は『背いて故郷』が好き。

 夕方、最後のデータを出力してちょっとのんびりしてから帰宅の途に就く。またしてもバイト先に寄り道して竹本泉の最新イラスト集とほか二冊(詳細は秘す)を買う。道々ふとマクドナルドのポテトが食いたくなった。部屋に辿り着き、いつもは出勤前に行うパソコン廻りの荷物の撤去を行い、一息ついて、んじゃ駅前にあるマック(マクド?)まで出向こうか、と腰を上げたときPHSが鳴った。母。
「データ入稿で一点直しがあるって言うから戻って」
 ……。
「……今じゃなきゃ駄目?」
 もそもそと受話器の奥で父と母が言葉を交わす。
「駄目」

 当然ポテトは奢らせた。

 FFVIII、冒頭から最初の戦闘まで遊んでみる。ムービー部分のCGは間違いなくPS版より遙かに美麗。操作場面のポリゴンは環境によって見え方が大幅に異なるので何とも言えないが、深川の環境(TNT 16MB)では関節部分がややごつごつしているものの(それともこの辺は元からか?)、全体にはスムーズでそれなりの出来。MIDIがヤマハのXG音源に特化して作られているためか、折角繋いであるSC88音源を利用せず内蔵音源のシンセサイザーを利用してBGMを鳴らしてしまっているのが個人的に最大の不満だが、ともあれゲームの再生について特に苛立つ点は見受けなかった。やっぱりゲームシステムは細々し過ぎていて馴染みづらいが、精々先まで進めてみるとしましょう。たまにはちゃんとクリアしないとねRPGも。

 だから今日は創作を一行一枚たりとも行っていません。まあたまにはいいだろう。たまにならな。


2000年3月24日(金)

 あー青木みやさん行くのかー、いーなー。行きたいのだが今月あの金額を払うと火の車なんだな文字どおり。某氏も参加されるそうなのでとてもとても行きたいのだけれど……。因みに開花予想はぎりぎり。あの辺りだと三分咲きか五分咲きぐらいになるんじゃないかと。はい半分妬み入ってます。

 結局FFVIIIやってます。PS版よりは先に進みました。でも創作は一文字たりとも進んでない。でも取り敢えず今夜だけはもーちょっとやってみましょう。というわけで日記も省略モード。しかし演出も脚本も拙いぞこのゲーム。ムービーは上質だが。
 なお今日の買い物は杜野亜希『ガラスの旋律』(白泉社・花とゆめコミックス)Jack Dejohnette『Parallel Realities』(MCA Victor)『JM』(東宝・DVD Video)『ブギーポップは笑わない Boogiepop phantom evolution1』(Vap・DVD Video)、あと電撃系のコミックスを三冊に恩田 陸『月の裏側』(幻冬舎)。いつも直前になるまで告知しない幻冬舎なんか嫌いだ。


2000年3月25日(土)

 ……えーと、詳しくは明日の更新分で書きます……駄目? だって、今日も結局ゲームしかやってなかった(一度だけ買い物に出たけど)。あ、あと、一冊分厚い新書を買いましたが、どうも確認したところ一週間近い大フライングだったらしいと判明。たまーにこういうことがある。何故かとか一体何の本なのかは明日。悪いが私はまたゲームに戻る。

 現在26日日曜、というか明けてしまったので月曜です。兎に角購入した本の正体とフライングの理由について説明しておきます。
 購入したのは大多和伴彦・編『憑き者』(ASPECT・A-NOVELS)。800頁超の、様々な方法論を取り込んだホラーアンソロジー。執筆者のラインナップも壮観だが、とり・みきの漫画に牧野修X水玉螢之丞のコラボレーション、高橋克彦他四人による対談、編者と倉阪鬼一郎とのホラー歌仙といった具合に小説以外のスタイルによるアプローチも試されているのが興味深い。
 帰宅後判明したのだが、これは正式発売は31日、通常は早いところでも30日に店頭に並ぶ予定の商品だった。著者見本でさえこの時点では数人にしか届いていなかったという。それが何故こんなに早く買えたのかというと――まだ店の人間に確かめた訳ではないが、某氏の話と私の今までの経験から推測するに、問屋や取次に出回った見本版を、バイト先の人間が何らかの形で譲って貰ったものだろう。
 書籍類、それも発売元で成る可く売りたいものや取次で以前から注目の高かった品物は、発売日前に取次などに小数部の見本が届けられる。私は取次の事情をよく知らないので彼等がそれをどんな風に利用しているのかは解らないが、多分上層部なり現場の人間なりが実物を確かめた上で実質的な配本数を決めたりするのだろう。そういう形でいち早く出回ったものを、偶々仕入れなどでそのタイミングに行き会った書店が、その取次と懇意であるなら、相談して譲って貰えるパターンがあるらしい。……私は仕入れに行ったこと自体ないので、一連の経緯に誤りがないのか頗る不安ではあるけれど。ともあれ、そういう手順を踏んで、たまに、たまーに異様な早さで本が届く場合もある、という話。
 ともあれ、こんなに早く入手してしまった上それが著者はおろか編集者にもばれているという状況に陥ってしまったので、今読んでいる途中のはほっぽってでも発売日前に読んだ方がいいのかも、などと思い始めている。だが、そんな私の前にスコールのお馬鹿が立ち塞がっているのであった。


2000年3月26日(日)

 私はRPGをやるときは大抵「如何に楽にボスを倒すか」ということに焦点を置いて経験値稼ぎをする。そういう風に目標をいちいち決めながらだと、ちんたらした経験値稼ぎにも比較的飽きが来ずに済む(ただ、FFVIIでは戦闘シーンでキャラクターの動きをいちいち再生してそれをスキップすることが出来ない、という問題があった。結局その所為で経験値稼ぎも苦痛になってしまい、頓挫している)。FFVIIIで困るのは、中ボス格との戦闘が思いがけないタイミングで発生すること。また、経験値稼ぎをしようにも気づくと新しいミッションに巻き込まれていたり狭い範囲内での戦闘を強制されたりと、想像以上に展開が不自由なのである。特に昨晩から今日にかけて、Disc2の冒頭から主人公達の本拠地が例によって(本当にいつもの如く)空を飛び、ある都市に衝突した処まで話を進めたのだが、この間は行動範囲が異常に限定されており、道具類は買いづらいわ魔法は取得しづらいわでやたり難渋させられた。その上プレイヤーキャラが二手に分断されてしまい、途中でGF(面倒なので説明は省略)を数体取得し損なっていたが為にその管理にもいちいち気を配らなければならなくなった。そもそも見落としたGFって一体何処に居たのだ? どう考えても本筋とは違うところにいたとしか思えないのだが、あの余裕のないシナリオ展開でどうして余計な行動が出来る? そんな訳で非常に面倒くさがりながら必死こいて話を追っております。シナリオが楽しめれば、一通りクリアしたあとで取り洩らしたGFやアイテムの回収目的でもう一周遊んでみるというのも考えていたのですが、多分やりません。それでも攻略本だけは買っておこうかね。

 ふと気付くと、htmlソフト開いてせめて一行だけでも付け加えよう、と考えるのが精一杯の時刻になってしまいました。だから切れ目がないのが困るんだって。昨日予告した本の話だけ25日分の日記に追加して、上の文章を推敲殆ど抜きで一気に書いて、これで今日は気力打ち止め。明日から普通に戻ろう。戻るんだ。戻るんだったら。
 お陰で読書はおろか作業も停滞してしまったし。


2000年3月27日(月)

 色分けする必要のあるデータは出来れば自分の処で分けていただきたいものである。特に、所謂印刷に利用する四色や三色原稿ではない、それぞれの色に特殊なインクを指定したものなどは完成したものをきちんと想定したデータで送ってもらった方が間違いがなくていいんだけど。……と愚痴ってみても肝心のデザイナーの処にまでは届かないのが現実だったりする。製版所それぞれに事情が異なるというのも嘘じゃないから尚更強く言えない。ちくしょ。

 結局買ってしまったさ『FINAL FANTASY VIII ULTIMANIA』(DigiCube)。バイト先の店頭で立ち読みしてやっぱり取り落としていたGFが二体あったと判明した。片方はその置き方にも些かむかついたが、戻ってやろうと思うにはあまりにも面倒臭い場所にあったため今回のプレイでは取得を断念する。再プレイの可能性は低いだろうなと思いつつ、次の機会に取り洩らさないためにもガイドブックぐらい用意しておくか、というやや投げ遣りな心境での購入。同ソフトはバイト先におけるパソコンの師匠に当たる店員さんも購入したらしいのだが、あちらでは動作がかなり重いらしい。私の処はスペックギリギリだが取り敢えずPS以上のクオリティは保っているかな、という印象。仕方ないよ、Pentium II の300なんて昔から使っている人間であればあるほど積んでいないだろうし。やはりFFクラスのソフトはハイスペックでないと安定動作しないと言うことか。
 もう一点、某エニックスより季刊ペースで出している少女誌からの初めての単行本から一冊チョイスして購入する。色々理屈を付けてはいるが多分まだマニアやおたく系の男の方が読者層を占めているに違いない。しかし内容は想像以上に真っ向勝負な女の子向けだった。マーガレットとかあの辺の増刊掲載の短編を思わせるような内容。いや私は好きだからいいんだけど。

 アカデミー賞は『アメリカン・ビューティ』が獲得するという一番詰まらない結果に落ち着く。私の仕事的には『インサイダー』が、個人的興味からは『シックスセンス』が取ってくれると楽しかったんだけど、まあそう都合のいい方には転がらない。それにしても本当に縁がないんだなトム・クルーズ。

 夜中になって漸く欲しかった短編用のアイディアが降ってくる。が、流石にそのままではあまりに頼りないのでプロットレベルで捻りを入れなければならない。31日までに仕上がるか。いやそれ以前に、30日の日中までに書き上がれば速達で某賞に投じることも可能なのだが……いや、しかしそこまで推敲の余裕がないという状況で出すのも厭だし。兎に角プロットだけざっと書き留める。


2000年3月28日(火)

 31日必着の締切に間に合わせるためには今日と明日の内に一通り書き上げなければいけない筈だったのだが、プロット作りの段階で詰めの部分の扱いに手間取り、バイト中に漸く最終案を絞り出した。つまり明日中に執筆を終え、校正も行わなければいけない。やってみてもいいがそんな余裕ゼロの状態で仕上げた作品なんか投稿に使いたくない、という訳で某賞への投稿は断念する。しかしそちらを断念したところで、週末までにある程度完成させなければいけないことに変わりはないんだが……。間に合わなくても勘弁してね(私信)。

 椎名林檎のニューアルバムの発売が明日だと思い込んでいた。おばか。正しくは31日。私はその前日に買います。

 依然書きたいネタの量に筆力が追いつかない現状が続いている。最優先でやっているものも順調といえば順調なのだが、こいつの問題は書いても書いても終わりが見えないことにあるわけで。プロットの段階で原稿用紙にして50枚以上書いているという事実に眩暈を覚えないでもない。※ルーズリーフ横罫のものを縦に二等分し、各行に細かい字でぎっしりと発想を書き留めているので、実際に原稿用紙で何枚程度書いているのか正確なところは把握できない。因みに私はそのルーズリーフ横罫一行を半分に割った中に四十字は書ける。先日新たに追加した登場人物が梃子になって進行速度は上がったが、扱うエピソードが増えた分やっぱり手間は増している。本当にいつまでかかるのやら。この間降ってきた長篇ホラーのネタは新鮮なうちに形にしておきたいしミステリ長篇のネタもそろそろ棚の上で腐りかねない奴が幾つかあるし、早いとこ一旦手を切りたいんだが――と愚痴る反面、作品そのものには愛着があって離れがたいのもあるんだけど。ジレンマ。

 バイト。社長の娘さん方もそろそろ慣れてきた頃合いなのだがやはりまだ目が離せません。一時期よりこちらにかかる負担は減ったがそれでもまだまだ。帰り際に泉つながりの漫画二冊を買う。両方とも新刊。タイトルを当てたら誉めてあげよう。

 掲示板でのレスが滞ってます。日記を書く気力も創作する意欲もあるのに、何故か自分の掲示板だと思うと気負いが生じて書き込みを躊躇ってしまってます。そのうちちゃんとお返事しますので見捨てないでね。管理人が現れなくても適当に書き込んでいて下さい。何故余所様の掲示板にはふつーに書き込みしているのに自分の処をサボるんだ、という真っ当なツッコミも勘弁して下さい。そーゆーもんなんですってば。

 なお、本当に私の処に恋愛話を送る場合、100%の確率で利用されることは覚悟しておいて下さい(流石に匿名にはしますが)。


2000年3月29日(水)

 午前中の仕事の合間にバイト先で角川スニーカー文庫を二冊買う。うち一冊は小林めぐみという作家の新刊だったのだが、題名が『困らぬ前のかみだのみ 少年少女退魔録』。昔、この方の作品で『五日目の月』という学園ホラー小説を読んだことがあり、これがなかなかな出来だったため以来ことある毎に手を出そうとするのだけれど、ジュブナイル系ヤングアダルト系作家の例に漏れずシリーズものが多く、膨大な既刊分(といってもこの人は一シリーズの巻数は多い方ではないのだが)を今から読むのも面倒だし何よりこれ以上シリーズものを増やすのは自殺行為だという自覚はあるので、購入予定を立てる際は常に「可能であれば」という但し書きをつけてしまい、また決心も付かないまま見送ってしまうというパターンが殆どであった。今回の新刊は、タイトル、裏表紙の粗筋、中扉、などざっと見渡してもシリーズものの途中という印象もなく、ここから長大なサーガが始まるという雰囲気でもない。軽い読み物といった風情も手伝って購入に踏み切ったのだが、職場に戻ってからふとあとがきに目を通すと、『極東少年』というシリーズの番外編だと書いてあった。文字どおり、そこにだけ書いてあった。いやそらこれだけ(から)読んでも充分に楽しめるのかも知れないが、普通一般の読者が購入の参考にする筈の題名にも粗筋にもシリーズものの番外編であることを暗示する文章がないというのは意図的に騙しているように思えないか? 思えませんか?! ――ちょぉぉっと、この作家に悪印象を抱いてしまった。出版社のほう? ああそれは大丈夫、ここはこういう会社だと解ってますから。

 そして夕方もまた沢山買う。大物は桜玉吉『しあわせのかたち愛蔵本(1)〜(3)』(ASPECT・BEAM COMIX)。各1890円(税抜)。どんな装幀で来るかと思えば、ファミ通と同じ寸法なのだった。掲載当時のサイズによる完全復刻。まだざっとしか目を通していないが、懐かしい以前によく当時このネタで面白がっていたよな、と思ったり。既に最近のおやじっぽいテイストがそこここに滲んでいて、今の方が読んでいて楽しいかも知らん。帰宅後、一巻の帯が破損しているのに気づく。たかが帯されど帯、ということで交換品を入れて貰うようお願いした。だって愛蔵本だし、ねえ。
 小説本は三冊。北川歩実『影の肖像』(祥伝社)鯨統一郎『とんち探偵一休さん 金閣寺に密室(ひそかむろ)』(祥伝社・ノンノベル)、あとこれは母が購入したのだが赤川次郎『卒業旅行』(トクマノベルズ)。鯨統一郎の裏表紙折り返しにある著者の言葉に失笑した。赤川次郎は、たまには読んでみようかと前に話していたので、買い物ついでに寄った母に買わせた。他にも香納諒一の新刊があったが四月度の財政状態を鑑みて泣く泣く棚に戻す。

 ……本当に、ミステリマニアは足を向けて寝てはいけない日下三蔵氏。戸板康二氏の中村雅楽シリーズ復刊予定。鮎川哲也氏の三番館シリーズもまた同様。そして山田風太郎の『忍法創世記』……嗚呼。

 祝・西澤保彦様新作第一稿脱稿。あの日記が本格的に始動してから、初めての新作ではないでしょうか。ともあれ目出度し目出度し。刊行の暁には深く深く味わいましょう作者の艱難辛苦を思い起こして。

 ……うーん、ますます終わりが見えなくなってきた。まぢで適当なところで区切ってしまった方がいいかも知れない。短編、書き出しも出来てません悪しからず。


2000年3月30日(木)

 先週に続いて親よりも早く出勤。が、久しぶりにまともに仕事があったため、買い物に出られたのは予想よりも遅くなってしまった。尤も、今日のお目当ては発売元の性格もあって多少遅くなっても品薄にはなるまいと思っていたが。ばたばたと出力を終えたあと、勇んで買いに向かったのは『ELF ALL STARS 本格的脱衣雀』(elf・18禁)……堂々と書くようなものじゃないと自分でも思う。それ以上に「脱衣雀」という単語を一回で変換してくれたATOKに拍手。
 あれだけ不穏なゲームを大量に買っているのだから脱衣麻雀ぐらい二三本は持っていても我ながら不思議じゃないと思うのだが、案外これが初めてだったりする。一応オールスターと銘打っているしヴォイスも原典の担当者が当てているため贅沢な作り、に見えるが、本当はこれ『雀JAKA雀』というelf往年の脱衣麻雀ゲームのみを移植しようと目論んだのだが、それだけでは売り上げに繋がらないと踏んで他の既存作からもキャラクターを引っ張ってきた、というのが真実ではないだろうか。他に麻雀ソフトを持っていなし、麻雀のルール自体精通していないため、思考ルーチンの出来を云々することは出来ないが、敵の強さに歯噛みすることもシステムの不都合に振り回されることもなく単純に楽しめるのが良い。FFVIIIでこちこちになった脳味噌が、宛らインスタントとろろのように溶解していく様が目に見えるようだ。

 食後、今度は自転車を駆って近所のCD屋へ。言うまでもなく椎名林檎『勝訴ストリップ』(東芝EMI)を買うためである。ピンク色の何やらすっごくいかがわしいジャケットデザインで、陰影のみを浮かび上がらせる林檎姫の姿もロリータチックで妖しい。プラケースまでがピンク色。平綴じ(厳密には本文中綴じ、表紙のみその上から平綴じにしている格好だが)の歌詞カードは些かデザインしすぎという印象があるが、前作『無罪モラトリアム』に見られた拘りを引き継ぎつつ深化させているのがナイス。楽曲については言わずもがな。ちょっと基本の音量が大きすぎる気がするが、何もともとロックは大音量で聴くのが正しい。相変わらず衒いに満ちた、けれど率直に歪な本音を表出させた歌詞を、ギター・ドラム・ベースのシンプルなバンドを軸にした分厚いサウンドと巧妙なメロディで包み込んだ楽曲。ストリングスやオルガン、ギター、トランペットといったゲストを違和感なくさりげなく配置している辺りに、早くもスタイルの完成が窺われる。曲間が排除された構成になっているため、シャッフルしたりすると曲尻に妙な音が混じりそうだが、まあそんなのは瑕疵にもなりはしない。個人的には括りの「依存症」でフェイドアウトするかと思わせてぶっつりと切ってしまう辺りに、そうきたか、と笑みを零してしまう。

 帰り際、バイト先で『しあわせのかたち愛蔵本(1)』を交換して貰い、注文しておいた岩合光昭『ニッポンの猫』(新潮社)を買って帰る。『ニッポンの猫』は新潮社の自然雑誌『SINRA』にて連載中の、日本各地における猫の生態を取材・撮影した一連の記事の集大成。一家揃って、特に母がファンなのだった。我が家のと同じ模様の猫が如何に日本に沢山いるか、改めて認識し直した。一応母が出資するので手渡し先に読ませる。

 たぶん『金八先生』は今シリーズこそが最後という意識の元に作られたのでしょう。そう思わせる構成の破格と熱意が感じられました。個人的にはスタンダードとして数年おきぐらいに復活してくれると嬉しいのですが、リアルタイムに年輪を重ね、間もなく教頭になろうかという地位にまで来てしまった人物をまた教壇に立たせるということ自体に無理があったのですから、期待はしますまい。しかし終盤で兼末から金をせびっていた少年の苗字が深川だったことを最終回で漸く気づくとは馬鹿じゃないだろうか私。元々苗字で呼ばれない役柄だったとは言えども。

 ――あ、また創作に時間を割けなかった。どおもね、歌詞付きのCDは最初のうち、カードを眺めながら熱心に聴き込んでしまうので時間を取られるのだよ。とほほ。


2000年3月31日(金)

 仕事も創作も快調、だが短編には手ぇつけてません御免なさい御免なさい。

 職場の出力装置は仕様で1メートル以上の原稿は印刷できない。普通の使い方なら確かに1メートルもびろ――――んとフィルムを流すことはないのかも知れないが、私の職場では原稿一枚のサイズがまちまちで組み合わせて出力した方が手っ取り早いとか一枚フィルムを流す毎に作られてしまう余白が勿体ないとかいった理由から、時々かなり長尺のデータを作成して出力することがある。いつもはそれでも80センチぐらいで済むのだが、今日は朝方に届いたデータを綺麗に纏めてきっちり1メートル分となった。これ以上の長さにすると、パラメータ違反で出力側のMacに弾かれてしまう。
 ……要するにあれだ、最近はこんなに一度に出力するほどデータが届かない、という事実の証左でもあるんだけど。

 例によって例の如くバイト先の本屋で買い物をする。今日は横文字の会社贔屓でした。原作を持っていないにも拘わらず、知っている方が書いているというだけで某ヤングアダルト系のノベルスに手を出しかかって一旦止める。原作知らなくても読めます? とここで一応訊ねてみる。それにしても吉崎観音『アーケードゲーマーふぶき』(ASPECT)最終回に出てくるのってやっぱり……
 ……このところ、なんでかゲーム漫画ばっかり買っているような気がする。

 帰宅後、麻雀に明け暮れてしまう。麻雀という、ルールを知らなくてもそれなりに親しみを感じさせてしまうシステムを採用したこと、脱衣以外にもデスクトップ・アクセサリーの供給という形で目的が付与されていることで、そのつもりはなくともだらだらと遊ばされてしまうのである。ゲームとは言え純正九連宝燈を振り込むとかなり凹む。


「若おやじの日々」への感想はこちらからお寄せ下さい。深川が空を飛びます(飛ばねえって)
そろそろ暁を忘れる季節。

お名前:  e-mailアドレス:
内容を本文で引用しても宜しいですか?: Yes No

 


2000年3月中旬に戻る
2000年4月上旬に進む
最近の日常を覗く