2000年7月中旬の日常

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2000年7月11日(火)

 まだ確認をしていないが、どうも昨晩の『垂里冴子〜』録画に失敗したような気がする。10時からこれの裏に当たる時間帯の番組を枚収録がする設定にしてあったのだが、その設定を消さないまま予約したところ、10時を境にビデオのチャンネルが変わってしまった気配がある。まだ確認してないんだけど。まあ、散見した評価からするとあまりいい出来でもなかったらしいし、そのうち再放送するだろうし、今のうちに諦めておこう。万一うまく撮れていたら御の字だ。
 昨晩の『バスストップ』、展開に対する評価はさておいて、音楽のこと。期待していたのだが昨晩放送分ではパット・メセニーの楽曲は使われていなかったようだ。少なくとも私は気づかなかった。ちょっとだけ残念。

 お買い物は定期購読のみ。
 Adobeのベクターグラフィックツールの代名詞・Illustratorの最新ヴァージョンが発売される。既に数週間前にダイレクトメールが届いていたのだが、昨日・今日と改めて新機能や変更部分に目を通す。出色なのは、Photoshopのみで採用されていたレイヤー効果を取り入れたこと、またオブジェクト毎に透明度の設定が可能になったこと。今、仕事以外のところでIllustratorを利用しているのだが、丁度透明効果のないことに不満を感じていたので、個人的に導入を検討しようかと考え始めたのである。
 では職場はどうするか。職場では基本的に余所から届くデータを処理するのみなので、最新ヴァージョンが出たからといって即導入する必要は……ない、本当は。データはいずれもデザイナーのところで作成したものが、手を入れられることなく代理店などを経由して私の職場に届く。つまりデータそのものは各々のデザイン事務所やデザイナーの環境で作成されるのだが、この辺のデザイン関係者は概ね古い環境を現在まで引き継いでいるため、同じIllustratorでも5.0辺りから精々7.0ぐらいまでのヴァージョンのものを利用して作成している。何故ヴァージョンアップを行わないのかは、まあ様々な理由があるのだが。
 だが、今回採用された新機能−レイヤー効果は、或いはそうして古い環境を保持しているデザイナーも、敢えてヴァージョンアップに望むのではないか、というぐらいの魅力がある。今までは文字に影や浮き彫りといった表現を加える場合、別途にオブジェクトを作成して重ねるという手続きを踏まなければならなかったり、アートワークに写真などを配置しそれに対して文字をデザイン的に重ねようと思うと、元の写真に対してPhotoshopなどで加工を行わなければならず、そうすると他の文字との兼ね合いを一々二つのソフトを行き来して微調整せねばならず、不便が多かったのだ。Photoshopライクなレイヤー効果の採用は、この不便を払拭してくれる。今すぐに、とはいかなくとも、各デザイナーが少しずつ9.0に環境をシフトさせても不思議はない、と思えた。
 そこで親父にこれらの点を話し留意を願ったところ、存外乗り気な態度を見せた。こういう設備投資には剛毅なところを見せる質なのである。導入するかどうかはともかく、店で値段などを確認して来い、と言われた。その言葉を受けて、職場からの帰途に秋葉原を彷徨いた。
 だが、あとで知ったのだが、Illustrator9.0はまだ発売していなかった。今週の14日。目的からすると無為な行動となってしまった訳だが、それなりに収穫はあった。FFIX、まだ買える。ヤマギワソフトでは売り切れていたが、ソフマップでは非常に何気ない様子で平積みになっていた。帰宅後に訪れたコンビニにもずらっと並んでいる。だからと言って買うかどうかは不明。

 帰宅後コンビニで飲み物を買い、朱い夕闇のなか帰宅する途中でのこと。アパートと民家と墓地に囲まれた小さい駐車場で猫が寝ていた。ぐでーっと。暑い日が続くようになってから我が家の猫がそうしているように、アスファルトの上にだらりと横になって前後の足を無造作に投げ出した、些か情けない格好である。
 妙に嬉しくなって、常時携帯しているデジカメを取り出し、じわじわと近づく。普段なら近づくや即逃げ出す猫も多いのに、人を鬱陶しげに眺めて殆ど動く気配もない。見ると、駐車場の奥にも一匹の黒猫が横たわっており、そいつに至っては首を擡げることすらしない。奥の黒猫も含めて何枚か撮影し、ふと後ろを見ると、某県民会事務所の脇にある狭い空き地に、腹這いで足を折り畳む猫特有の姿勢で寛ぐ虎猫の姿がある。ことのついでとこいつも撮影する。やはり鬱陶しげに目を細めるだけで、逃げる様子はない。
 更に奥を見る。コンクリート製のプランターに体を寄せるようにして、さっきのとはまた別の黒猫が佇んでいた。起きてしまった以上は駄目だろうな、と思いつつ歩み寄ると、やはりプランターの影に逃げてしまった。が、プランターに近づくと……寝てる。猫が歩いている姿を横合いから見て描いた絵があるとしよう、それをそのまま地面に伏せたような格好で、寝っ転がって私を見上げていた。別の場合なら恭順とも取れる態度だが、要はかったるいだけらしく、首を擡げて「近づくんじゃないわよ(何故か女言葉)」とばかり私を睨む。脇にある空調の室外機は熱くないんだろうかと思いつつ撮影し、他に猫がいないのを確かめて漸くその場を離れた。蒸し暑い夕刻の楽しみ。
 写真は後日アップします。

 私もそろそろ執筆にかからないといけないんだけどー。どー。どー。どー。


2000年7月12日(水)

 本日のお買い物
・福澤徹三『幻日』(ブロンズ新社)
・阿刀田高・選『とびっきり奇妙にこわい話』(光文社文庫)
・恩田 陸『ネバーランド』(集英社)

『幻日』は幻想文学系の作家・評論家の間でいまちょっとした注目の的となっている作品集。私は松本楽志さんに強く推されて注文した(というかさせられたのだろうか)。これからホラー賞用の原稿を準備するというのにこういうものを読んでいいのだろーか。

 昨晩眠りが中途半端だったため、視界も思考も朦朧とした状態で用事を片づけて廻る。ワセミス機関誌の代金を漸く振り込み、元バイト先で『幻日』『奇妙にこわい話』と定期購読誌を仕入れて、更に某ファッションビルへ。恩田陸の単行本を買うついでに資料本を物色する。幾つか候補を見つけ、最終的に購入したのは次の二冊。
・別冊宝島編集部・編『わかりたいあなたのための心理学・入門』(宝島社文庫)
・井村君江『妖精学入門』(講談社現代新書)

 他にもフロイトの評伝などが欲しかったのだが資金との折り合いを考えてこの入門書二冊のみとした。しかしどっちも何故今頃、という気が我ながらする。準備は随分前からしていたのに。
 午後は床屋へ。行く毎に「今度こそ定期的に来るようにしよう」と決意するのだが、一季に一度ではあまし意味がない。最早髪を伸ばすつもりなどないのだからふた月、長く見ても三月に一度だろう。しかし一時間近く何もせず座り続けるというのは私にとって苦痛以外の何物でもなくて……


2000年7月13日(木)

 髪を短くしたので頭は涼しくなったが発汗量は増えたような気がする。どうも髪で塞き止められていた分が伝っている所為のように思うのだけど。それともこの二日間で暑さがピークに達した所為なのか。

 背景部分に微妙な影が入っており、65線で出力するとランダムな点が出てしまう。Photoshopで写真のデータをいじるが、背景のみを真っ新にするのは結構面倒臭い。明るさとコントラストを変更すると、画像の中央にピントを外して映り込んだ女性の足の陰影部分が白く飛んでしまって拙い。トーンカーブを弄っても同様。塗り潰しツールを活用して何とかそれらしく仕上げて漸く出力すると、程なくして全面改稿というお達しが来た。
 夕方になって届いた新しいデータは、確かに全面改稿されていた。何たって写真が全く別物。

 オンラインブックストアbk-1が一昨日から正式運用を開始した。昨晩早速訪問し、あちこちを眺めて廻って三冊ばかり注文してみた。
・『新心理学がわかる。[現場から]』(朝日新聞社・AERA Mook)
・小此木啓吾『フロイト』(講談社学術文庫)
・ジョン・ディクスン・カー『火よ燃えろ!』(ハヤカワミステリ文庫)

 うち、後ろの二冊は二週間以内の出荷とあり、アエラムックのみ24時間以内の出荷となっていた。さて、どのぐらいで届くのかと思っていたら、今日仕事から帰宅すると既に届いている。先着サービスのブックカバー付き。この迅速さが続くのなら、取り敢えず私の住んでいる区域ではそれなりに実用的なサイトと言えようか。マイナーな作家の新刊などは小さな書店では入荷数が読めず、入手に東奔西走させられる場合がままあるが、ここで予約できるなら悩みは減りそう。但しそのためにはまめに新刊情報を更新していただかないと。
 本当は小此木啓吾もカーも別にオンラインで注文しなくてもちょっと努力すれば二三日以内に入手できるんだけどね。因みに検索で『フロイト』と入力すると、川原 泉の『フロイト1/2』もちゃんと拾ってくれる。


2000年7月14日(金)

 という訳でAdobe Illustrator 9.0 アップグレード版(Windows95/98/2000対応)購入しました。自前。早速Flash対応アニメーションを軽く作成してみた、のがこれ。Flash非対応ブラウザでは御覧になれません悪しからず。本当に簡単に作ったので大した代物ではありません。何故線と線が交錯した部分が欠けて見えるのかがよく解りません。研究の余地あり。

 朝、一仕事済ませたあとバイクでお買い物。PCソフトは基本的にここで買うと心に決めている量販店に向かう。
 購入予定のソフトは二本。一本は上記のものだがもう一本はあんまり題名を口にしたくない代物(知りたい方はin Deep掲示板を参照のこと)。だが、何故かどちらも見つからない。買うだけ買ったら早めに帰宅してお絵描きの続きをするつもりだったのだが、探し回るうちに30分近く失ってしまった。店員に訊ねると、Illustratorのアップグレード版は棚にはなく、ビジネスユースソフトの新作が平積みになっている台の、やや死角気味の位置に積まれているとのこと。ではもう一本は、と訊ねると、品物を見ていないから恐らく延期ではないか、と中途半端な返事である。
 それなりに楽しみにしていた作品故こう曖昧なままでは落ち着かない。IllustratorとZipディスク3枚組を購入したあと、そのまま秋葉原まで走り、二箇所ほど見て回る。今日は新作がそこそこの点数発売されたためか、平日昼間にも拘わらずどちらも売場はなかなかの人出だった。新作のある場所を眺めて廻るも見当たらず。最後に廻った場所で折良く別の客が店員に件の商品について訊ねていたので聞き耳を立てると、こちらは明確に「延期です」と応えた。だが発売時期については「来週ぐらい」と曖昧な言い方をする。ともあれ、二箇所で延期という声があったのだから間違いあるまい、と撤退した。もう一箇所見てこようかと一瞬魔が差すが理性に止められた。
 職場までの帰途に元バイト先を訪れいつものように大量に買う。で、今日一日のお買い物は以下の通り。
・『Adobe Illustator9.0 アップグレード専用パッケージ』(Adobe)
・馳 星周『古惑仔(チンピラ)』(徳間書店)
・小野不由美『東の海神 西の滄海』
・真保裕一『防壁』
・有栖川有栖・篠田真由美・二階堂黎人・法月綸太郎『「Y」の悲劇』(以上、講談社文庫)
・倉田英之『R.O.D』(集英社・スーパーダッシュ文庫)

 最後のはイラストに惹かれてしまった。粗筋などから推測するに、私にとってはあんまし笑えない内容のような気がする。

 帰宅後、まず昼間買い損ねた作品の発売予定日を公式サイトなどで調べてみる、が情報なし(午後6時現在)。依然発売日は14日と記してあるところばかり。屡々訪れる情報サイトにも延期の報は見当たらない。どーなってるのやら。
 ともあれIllustratorをインストールする。アップグレード版は各種の手段を使ってユーザーにアップグレードの資格があるか否かを冒頭で検証する仕組みになっており、ここで些かまごつくが概ね問題なくインストールは終了。その他、幾つかのユーティリティも導入したあとでいよいよ起動してみた。
 ここのソフトは起動の際に環境の総点検を毎回行うため作業が出来るまでにやや時間がかかるのが常だが、今回は特に遅い。フォントのチェックに手間取っている印象がある、が私のパソには自分でも正気を疑うくらいフォントが投げ込んであるため、余所の環境でも同様とは断言できない。しかし、一旦起動すると動きは寧ろ8.0よりも軽快な印象がある。8.0のデータを読み込む際に反応の遅れなどが見られるが、確実な処理のためと思えば妥協できるレベルだし、実際の作業に特に支障は感じない。
 最初に試した新機能は、旧ヴァージョンとの互換において一番の気懸かりだった透明効果である。効果を操作する上での柔軟性は申し分ない。各種パレットの内容が若干Photoshop寄りになったため、あちらで慣れている分には操作に手間取ることもなかった。さて、問題は、一旦オブジェクトに透明度を割り当ててしまったデータを、8.0以前のデータ形式で保存するとどんな具合になるのか、だ。保存する段階で透明効果を保持するか否かが指定でき、つまり8.0以前のヴァージョンでも極力作成したとおりに見えるようデータを改竄してくれるらしい。ならば、と8.0での保存を試みた。
 …………………………長い。
 保存を終えたデータを、まだハードディスクに残してある8.0で開いてみた。おお。見事に透明度の設定が反映されている。どうやら透明度の指定をしたオブジェクトとそこに絡んで見え方が変化したオブジェクトを分割したり統合したりして、画像としての見え方が一致するように修正したらしい。では、このとき肝心のデータサイズはどの程度になっているのか。Illustratorはごく一般的な保存方式を採用した場合、オブジェクトの総量や原稿サイズにも左右されるが、概ね1MB足らずで収まる(配置したPhotoshopなどの画像は含まない)。さて、作成されたデータのサイズは、と言うと。
 27MB
 ……オブジェクトの量が爆発的に増えてしまうこと、データ修正の手続上、Photoshopの画像などを配置しているとそれを適宜分割した上でIllustratorのデータ内に理論的に取り込んでおり、即ち配置した画像データのサイズと修正されたオブジェクトの分量に比例してデータのバイト数も増大する仕組みらしい。見た目の変化は全くなく、互換性の確保という観点からすれば非常に優れているのだが……

 ……ととと、早くお絵描きを終わらせるつもりだったんだった。楽しさのあまり書き込みすぎた。今日はこれまで。さて、明日は心置きなく新宿に行けるだろうか。


2000年7月14日(金)

 という訳でAdobe Illustrator 9.0 アップグレード版(Windows95/98/2000対応)購入しました。自前。早速Flash対応アニメーションを軽く作成してみた、のがこれ。Flash非対応ブラウザでは御覧になれません悪しからず。本当に簡単に作ったので大した代物ではありません。何故線と線が交錯した部分が欠けて見えるのかがよく解りません。研究の余地あり。

 朝、一仕事済ませたあとバイクでお買い物。PCソフトは基本的にここで買うと心に決めている量販店に向かう。
 購入予定のソフトは二本。一本は上記のものだがもう一本はあんまり題名を口にしたくない代物(知りたい方はin Deep掲示板を参照のこと)。だが、何故かどちらも見つからない。買うだけ買ったら早めに帰宅してお絵描きの続きをするつもりだったのだが、探し回るうちに30分近く失ってしまった。店員に訊ねると、Illustratorのアップグレード版は棚にはなく、ビジネスユースソフトの新作が平積みになっている台の、やや死角気味の位置に積まれているとのこと。ではもう一本は、と訊ねると、品物を見ていないから恐らく延期ではないか、と中途半端な返事である。
 それなりに楽しみにしていた作品故こう曖昧なままでは落ち着かない。IllustratorとZipディスク3枚組を購入したあと、そのまま秋葉原まで走り、二箇所ほど見て回る。今日は新作がそこそこの点数発売されたためか、平日昼間にも拘わらずどちらも売場はなかなかの人出だった。新作のある場所を眺めて廻るも見当たらず。最後に廻った場所で折良く別の客が店員に件の商品について訊ねていたので聞き耳を立てると、こちらは明確に「延期です」と応えた。だが発売時期については「来週ぐらい」と曖昧な言い方をする。ともあれ、二箇所で延期という声があったのだから間違いあるまい、と撤退した。もう一箇所見てこようかと一瞬魔が差すが理性に止められた。
 職場までの帰途に元バイト先を訪れいつものように大量に買う。で、今日一日のお買い物は以下の通り。
・『Adobe Illustator9.0 アップグレード専用パッケージ』(Adobe)
・馳 星周『古惑仔(チンピラ)』(徳間書店)
・小野不由美『東の海神 西の滄海』
・真保裕一『防壁』
・有栖川有栖・篠田真由美・二階堂黎人・法月綸太郎『「Y」の悲劇』(以上、講談社文庫)
・倉田英之『R.O.D』(集英社・スーパーダッシュ文庫)

 最後のはイラストに惹かれてしまった。粗筋などから推測するに、私にとってはあんまし笑えない内容のような気がする。

 帰宅後、まず昼間買い損ねた作品の発売予定日を公式サイトなどで調べてみる、が情報なし(午後6時現在)。依然発売日は14日と記してあるところばかり。屡々訪れる情報サイトにも延期の報は見当たらない。どーなってるのやら。
 ともあれIllustratorをインストールする。アップグレード版は各種の手段を使ってユーザーにアップグレードの資格があるか否かを冒頭で検証する仕組みになっており、ここで些かまごつくが概ね問題なくインストールは終了。その他、幾つかのユーティリティも導入したあとでいよいよ起動してみた。
 ここのソフトは起動の際に環境の総点検を毎回行うため作業が出来るまでにやや時間がかかるのが常だが、今回は特に遅い。フォントのチェックに手間取っている印象がある、が私のパソには自分でも正気を疑うくらいフォントが投げ込んであるため、余所の環境でも同様とは断言できない。しかし、一旦起動すると動きは寧ろ8.0よりも軽快な印象がある。8.0のデータを読み込む際に反応の遅れなどが見られるが、確実な処理のためと思えば妥協できるレベルだし、実際の作業に特に支障は感じない。
 最初に試した新機能は、旧ヴァージョンとの互換において一番の気懸かりだった透明効果である。効果を操作する上での柔軟性は申し分ない。各種パレットの内容が若干Photoshop寄りになったため、あちらで慣れている分には操作に手間取ることもなかった。さて、問題は、一旦オブジェクトに透明度を割り当ててしまったデータを、8.0以前のデータ形式で保存するとどんな具合になるのか、だ。保存する段階で透明効果を保持するか否かが指定でき、つまり8.0以前のヴァージョンでも極力作成したとおりに見えるようデータを改竄してくれるらしい。ならば、と8.0での保存を試みた。
 …………………………長い。
 保存を終えたデータを、まだハードディスクに残してある8.0で開いてみた。おお。見事に透明度の設定が反映されている。どうやら透明度の指定をしたオブジェクトとそこに絡んで見え方が変化したオブジェクトを分割したり統合したりして、画像としての見え方が一致するように修正したらしい。では、このとき肝心のデータサイズはどの程度になっているのか。Illustratorはごく一般的な保存方式を採用した場合、オブジェクトの総量や原稿サイズにも左右されるが、概ね1MB足らずで収まる(配置したPhotoshopなどの画像は含まない)。さて、作成されたデータのサイズは、と言うと。
 27MB
 ……オブジェクトの量が爆発的に増えてしまうこと、データ修正の手続上、Photoshopの画像などを配置しているとそれを適宜分割した上でIllustratorのデータ内に理論的に取り込んでおり、即ち配置した画像データのサイズと修正されたオブジェクトの分量に比例してデータのバイト数も増大する仕組みらしい。見た目の変化は全くなく、互換性の確保という観点からすれば非常に優れているのだが……

 ……ととと、早くお絵描きを終わらせるつもりだったんだった。楽しさのあまり書き込みすぎた。今日はこれまで。さて、明日は心置きなく新宿に行けるだろうか。


2000年7月15日(土)

 昨日書きすぎたから、という訳ではないが今日は特筆することは何もなし。結局下書きを終えるだけで精一杯でした、と。色塗りはペン入れ・色塗り含めて二・三日で、詰めも含めると来週一杯が限界といったところか。他の執筆作業もこれ以上滞らせることは出来ないので、スパートをかける。

 今晩は再び新耳袋のライブに出かけます。


2000年7月16日(日)

 新耳袋ライブ。前の教訓から10時頃に家を出る。前回から動員数がキャパシティを越えてきたためか、三回に分けて整理券を配布する旨が一回階段脇の案内板に張り紙してあった。地下二階のロフトプラスワン入り口から四人目という素敵な位置で待っているとどんどん後ろに人が溜まり、狭く空調もない階段は人いきれで蒸した。私の背後、踊り場付近には、インターネットの掲示板で知り合ったと思しい一同があれこれ話をしている。初めてこのライブに訪れたらしい女性が「これって怖い話なんですよね」云々と訊ねている。何を今更、と密かに思っていると別の男性が、「大丈夫大丈夫、笑えるから」。文庫本に目を落とす振りをしながら深く頷く私。
 11時頃、二桁ながらこの人数からするとかなり前の方の番号を頂戴する。12時5分前にまた階段の処に集まるように、それ以前は近隣で屯しないようにという指示を受けて、一旦その場を離れた。途中見知った方を見かけるが声をかけ損なう。時折雨粒が落ちる気配もあり、近くに喫茶店でもあればそこで休む処だが、見える範囲内には風俗店ばかりだったので、駅の構内で涼める場所を探して時間を待つことにした。
 だが、駅構内も人出の所為かかなり蒸し暑い。遠くから聴こえるパーカッションの音に誘われるように外に出た。駅前の広場でコンガなどの打楽器を並べ即興のセッションを行っているアジア系外国人がいる。それとはまた別に、ギター・ベース・ドラム・ヴォーカルのシンプルな編成のバンドが演奏の準備をしていたので、それでも眺めて時間を潰すことにした。彼らが演奏を開始したのは12時35分頃。音合わせの演奏はいわば祭りの前の活気とでも言おうか、とても伸び伸びとしていたのだけれど、本番の演奏は私にはあまりに素直すぎる、単純すぎるメッセージソングだった。いずれのメンバーもそれなりの技術はあると思しいが、歌詞もメロディーも編曲も、演奏そのものも凡百の域を出ない。ワンコーラス聴いたところで見限って、再び会場に向かった。
 会場前で前回も一緒になった知人と遭遇した。予め私が来るつもりであることは話してあったので、気を遣って若い番号の整理券を確保してくださっていた。一桁である。有り難いと同時に色んな意味で恐縮してしまった。12時5分前、階段は人が詰まって動きが遅い。整理券の番号が若い順に通しているようなのだが、店員の客あしらいが悪く、番号とは無関係に人が押し寄せてしまい身動きが取りにくい状態になっていた。番号の若さという強みもあって、私は強引に人の群を掻き分けて階下に向かう。知人と共に座敷席を確保した。
 何だかんだで木原浩勝氏が壇上に姿を現したのは一時近い時刻だった。おおまかなタイムテーブルを発表し、まず氏が話し始めたのは、前回でも質問されていた、ある病院に纏わる怪異談についての最終結論である。内容に都市伝説的な側面があり、確実な証言や根拠が得られなかったため今日まで態度を保留していたそうだが、まさにこの日の昼に、問題の病院がある土地の近くに幼い頃から現在まで住み続けた人物に取材することが出来、「怪談」というよりは極めて事件性の高い物語であったことが判明したという。その人物を壇上に招き、更に些か突っ込んだところまで話していただくことでこの病院に纏わる物語にピリオドを打つことにした。無論、というべきか、件の人物(会場でも木原氏の配慮から名前は公表しなかった)は現地で病院に絡む怪異もかなり多く目撃されており、それらのエピソードを往復しながら小一時間ほどかけて、病院に纏わる疑問に決着をつけた。結論としては、人間のやることの方がよっぽどグロテスクだ、ということ。
 中山市朗氏も壇上に登場したところで、観客から提供されたビデオの検証に移った。実はこれ、私の知人が提供したものなのだが、午前中に放送している某ワイドショーで2年ほど前に行った怪奇特集を録画したもので、この中で扱ったVTRに、男性らしき人物の意味不明の絶叫が被っているのである。肝心の放送も生であったため視聴者からそれを指摘するファックスが届いたことに司会者が言及している。ファックスではその男性の声がかなり不吉な内容を口走っていたように書いているのだが、実際にリプレイしてみると何を言っているのか判然としない。折角なので、この言葉について会場で統一見解を出してみようか、という提案だった。結局具体的にどんな言葉を口走っていたのかは決めかねたのだが、一連の台詞の最後はどう聴いても「ビビンバ!」が、さもなくばスペイン語で「アリーバ!(イェーイ!)」のどっちかだろうという結論に落ち着く。因みに、店員の誰かか或いは木原氏ご自身だったのかも知れないが、私が本文頭に示した会話を小耳に挟んだようで(但し木原氏は「カップル」と表現されていたので、或いは私が聞いたのとはまた別の場所での会話だった可能性もある)、この前後で発言を引用しては頻りに頷いていた。
 ここで休憩が挟まれる。私は会場入り口で販売されていた新耳袋のコミック版と、テレビ番組『怖い日曜日』用に新耳袋収録作品を再編集した文庫本を購入する。前者はともかく後者は完全な記念品代わり。正式な発売は月曜日だそうな。コミック版は原作のクオリティを引き継いでとても端正な仕上がり。
 後半。幾つか新耳袋シリーズには収録できないが興味深い(というかやっぱり笑える)エピソードを置いたのち、Vシネマ『呪怨』の監督・清水崇氏を壇上に招いて、『呪怨』に纏わる怪奇談や監督が見聞きした怪談などについて触れる。一番印象深かったのは清水監督が弟君にとっては悪魔だったろーなーという話だったのだが。『呪怨』という作品、実はレンタルオンリーだったという事情もあって(それ以前に私は映像のホラーにはとことん弱いという事情もあるが)、今まで興味を持たなかったのだが、監督の人柄も含めて一度観てみようかという気にさせられた。特に女優の演技を。どうでもいいがこの監督を兄に持った方はそれだけで不幸でしたね、と。
 その後も監督を中央に置きながら、木原・中山両氏が思い出した話、新規に取材した話などを開陳する。この辺は新耳袋の続刊に収録される可能性があったり、また例によって形として遺すには問題がありそうな話が多いため、ここでは詳述しない。ただ、新規に取材されたという話の一つは、個人的に欲しい、と思った。漫画として描かせて欲しいと思ったのである、ほんとに。話を聞きながら頭の中では既にコマ割りをしていた私であった。
 最後は恒例の質問コーナー。何せ挙手した観客全てから質問を受け付けていたので無益な展開も度々あったが、質問を契機に「第5夜」に関する活字には出来ない裏話や、また続刊に収録される予定のエピソードなどが紐解かれた。例によってお祓いを行って散会。木原氏は出口、物販の傍らで列をなすサインの要望に応えていた。階上で、開場前から幾たびがお見かけしていた顔見知りの方――要は倉阪鬼一郎さんなのだけど――に何とかご挨拶する機会も得て、心置きなく帰宅する。前回にも増して楽しいトークライブでありました。

 七時半頃、ベッドの上から荷物を退かすのが面倒臭かったので、昼寝の時と同様に床で寝た。三時間が限界だった。ぼえぼえー。……そもそも朝方になったら暑くておちおち寝てられんのだわ。

 このところお絵描きに意識が傾いている所為で、町中で人を観察する際も、服の皺の寄り方だとか、立っているときの足や腰の位置だとか、妙なところに注意を払ってしまう。特に気になるのが女性。身辺に自分と同年代の女性が少ない(知り合いは大体ネット周りのため普段は接触する機会が得られない)ため、こういう風に人出のある場所に出向いたときに徹底的に観察する癖がついてしまったのだ。そして、取り分け気になるのが、肩から腕にかけてと、胸許
 今の処訝しげな眼差しを返されたことも非難がましく見返されたこともない。だが念のためにここでお断りしておく。
 みんながみんな疚しい理由で見ているわけじゃないんだ――――!!!

 ……本当に何もなかったんだよ。ほんとに。


2000年7月17日(月)

 梅雨が明けたらしい。気象庁も「そうらしい」と言っていたらしい。

 そして私はペン入れに明け暮れる。流石にここ暫くずっとお絵描き中心でやって来たので、線がぐらつくことも往時に較べれば少ない。

 しかしバスストップのエリート像は非現実的だよなあ。いやドラマは全般そうなんだけど。そもそも企画やプレゼンテーションを行う業種にいたって誰もが現場に出ることを避けられるわけじゃないのだから、「こんな処にいるべき人じゃない」という発言には違和感ばかり覚えるのだけど私は。仮に現場に出ないことがエリートだと本気で思っているのなら世間知らずもいいころだし。あ、そういうものを表現したいのか?
 ……どっちでもいいんだけどね。

 書き忘れてました本日のお買い物。
1,有栖川有栖『ジュリエットの悲鳴』(実業之日本社・JOY NOVELS)
2,CLAMP『すき。だからすき(3)』(角川書店・あすかコミックス)
3,赤松 健『ラブひな(8)』(講談社・マガジンKC)
4,赤松 健・監修『ラブひな 0』(講談社・マガジンKCDX)
5,川原由美子『前略・ミルクハウス(3)』(朝日ソノラマ文庫)
6,須藤真澄『アクアリウム』(秋田書店)
7,藤田和日郎『うしおととら(1)』(小学館・サンデーコミックスワイド)
8,KADOKAWAミステリ2000年8月号(角川書店)
9,IN☆POCKET 2000年7月号(講談社)

 2はこの巻で完結。謎というほどの謎ではないしここで止めてしまったために結果ただひなたというキャラクターの特異性が変に目立ってしまっただけで終わってしまった。雰囲気は好きだったし、どうせならここからきっちり話を作って欲しかったな、と。
 6は……実はこれで三冊目。オリジナル、昨年初め頃に発売された、イラストの追加された新装版、そして今回版元とカバーを変更して(オリジナルのカバーは綴じ込みポスターとして収録)復刻。大ファンを自認している私としては揃えないわけには。ちなみに前の版元は、新声社。元バイト先のI氏に「そんな会社もあったねー」と言われた。7も当然オリジナルで揃えているのだが。


2000年7月18日(火)

 今日は買いすぎ……。計算すると眩暈がしてくるので一部のみ紹介。
1,平山夢明『怖い本(2)』(角川春樹事務所・ハルキ文庫)
2,中島みゆき『地上の星/ヘッドライト・テールライト』(YAMAHA MUSIC COMMUNICATIONS・CD)
3,『踊る大捜査線 THE MOVIE 特別版』(フジテレビ・DVD Video)
4,『シックス・センス コレクターズ・エディション』(Pony Canyon・DVD Video)
5,『ナトゥ LIVE ON STAGE』(Sony RECORDS・DVD Video)

 今日阿刀田高・選『とびっきり奇妙にこわい話』(光文社文庫)を読み終えたが……苦行だった。そもそも読者から募った体験談から優秀なものを選び、文章をそのままに一冊に纏める、というコンセプトからして文章力に期待などしていなかったが、これは予想以上に酷い。流石に最優秀作はそれなりの質に仕上がっていたが、他の作品は文章もさることながら「恐怖」という主題すら明確になっていないものも多く、読んでいて辛い。また、本書は「体験談」というコンセプトを布いているのに、著者名と作中の一人称人物が異なっているという意味不明の作品もあった。別に作用された作品が創作であっても一向に構わないと思うが、少なくとも「体験談」としている以上はそれに添った演出を行うべきではないのか。全般にそうした創作に対する姿勢があまりに杜撰で、正直お金を払ってまで読みたいと思える作品集ではない。前作はここまで酷くなかったように記憶しているのだけど。口直しに本日購入の1を読み始めるが、『新耳袋』シリーズの影響が明らかな丁寧な作りで、反動もあって頁を繰る手が止まらない。やはり文章で怪談を楽しむ場合、ある程度は完成された文章、或いは語り口が必要なのだろう。
 2は、実は移籍第一弾シングル。デビュー以来ずっと在籍し続けたポニーキャニオンを離脱したのは何故、と一瞬思ったが、そもそも中島みゆきの所属はYAMAHAなのだった。それだけではない。詳しくは上にリンクしたメーカーサイトで会社概要を御覧ください。まず、出資企業にポニーキャニオンの名前が見える。そして、役員の一覧をよーく眺めていただきたい。ほら、見覚えのある名前が三つぐらいありませんか?
 ――ちなみにDVDは5ではなく『The Film of Miyuki Nakajima』を購入するつもりでいたのだが、これは正しくは来月2日の発売であった。残念。『トーキョー迷子』以降、最近の『竹の歌』までの主なビデオクリップを収めた代物。『たかが愛』が見たいんだよー。

 昨晩からペン入れ。午前中の空き時間を利用しての作業は白熱した。午前中だけで5枚仕上げてしまう……まあ、その辺は一枚当たりの線の量が少な目だった、という事実もあるのだけど。基本的になぞるだけなのでその気になればあっという間に終わるが、気を抜きすぎると下書きを消したときに情けない画面になってしまう。匙加減が案外難しい。


2000年7月19日(水)

 目が回る。

 学生諸氏は今日を以て夏休みに突入らしい。感覚が遠い。職場近くのコンビニに昼時殺到するガキが減る、ぐらいしか影響が思いつかない。そもそもそのコンビニはあまりの学生率の高さにずっと避けていたためすっかり縁遠くなってしまった。最早完全に他人事である。

 本日のお買い物
1,『BE-YOND』(elf・18禁)
2,Larry Carlton『夜の彷徨(さすらい)』(wea japan・CD)
3,竹田エリ『私立T女子学園(8)』(集英社)
4,若竹七海『古書店アザリアの死体』(光文社・カッパノベルス)
5,秋田禎信『なかったことに出来ねえか?』(富士見ファンタジア文庫)
6,HI-POSI『性善説』(CONTEMP RECORDS/Heat Wave・CD)

 今日はテンションが低い。色々と書くことはあるのだが面倒臭いので止す。


2000年7月20日(木)

 最近ゴキブリが良くでる。自家飼育のものにしては大きすぎるので恐らく開いた窓から飛び込んできた奴だろう。どのくらい大きいかというと、夜中に私の部屋にいたのが扉に取り付いたとき、湿気で開け閉てに支障がでている扉が鳴ったほどである。手近にスプレーも潰すのに好都合な新聞紙の類もなかったため放置していたが、この部屋の状況だとふとした拍子に踏みつけかねんな、と思った。綺麗にくたばってくれるなら兎も角、擂り潰したりするとあとが厄介である――などと思いながら部屋を出てトイレに向かう途中、ホールで足の親指の付け根に厭な感触を覚えた。
 取り敢えず潰れなかった。

 昼間、昨日買い損ねた『ガイナックス連続殺人事件(エロ)』(GAINAX・18禁)を求めて外出する。暑い。その暑いさなか上野公園の入り口でライブを行っているのが更に暑苦しい。昨日夕方に秋葉原を訪れたときに店頭に並んでいるのを確かめていたので――その時は既に過積載状態だったので、嵩張るPCソフトの購入は避けた――これといった不安もなく店を訪れたのだが、幾ら棚を見回しても発見できない。あまり気は進まなかったが、店員に在庫を確認する。レジの横にある在庫管理用のPCで照会したのち、あるはずのソフトを探しに行き、五分かかっても戻らない店員。他の店員と相談する店員。しまいに、「このソフト、近日発売予定で、上の階に在庫はあるらしいんですが――」云々と言い出す店員。発売日が昨日であること(公式サイトでは先週14日だと言い張っているが)、既に他の店頭で出荷を確かめていることなどを話すと慌てて取りに行く店員。何だかんだで無事購入するまでに30分近くを費やしたのであった。昼食は久々に某ファーストフードのこっってりしたチキンにしようと思っていたがすっかり疲れ果てたので自宅近くのコンビニでカップラーメン(大盛り)とおにぎり二つを買って済ませる。

 ぶつ切りごった煮レビュー。
『踊る大捜査線 THE MOVIE 特別版』(フジテレビ)
 凝り性だとは聞いていたが冒頭にきっちり劇場予告編を入れている辺りが納得である。今年はじめにテレビ放映されたときにも思ったことだが、フィルムで撮影されたこと以外はやはりテレビドラマ的な纏まりだが、細部にある仕掛けや悪戯の類を捜す楽しさが尽きない。ちゃんと遠くで副署長が小細工してるし。なお、予告編で紹介されたのは劇場版『ホワイトアウト』。当然。
『シックス・センス コレクターズ・エディション』(Pony Canyon)
 流石に夜中はよう見ません。今日の昼間、一気に見た。結末を知ってから見直すのはこれが初めてだが、噂に違わぬ気配りの細やかさ。これも筋を追うことよりも細部に仕組まれた伏線を堪能する。監督が「好きなシーンだったが敢えて切った」という本当のエンディングも素晴らしい。オリジナルのすっぱりとした括りもいいが、余韻は切ったシーンの方が私好みだった。
『ナトゥ LIVE ON STAGE』(Sony Records)
 BGVに最適。なーにも考えなくて済むから。番組のコントや流れの延長としてのみではなく、ちゃんとその場限りの娯楽として完成されているのがいい。筋書きが安直だとか歌詞があんまり内容に絡んでいないぞというのはこの際批判として意味を為さない。脳味噌をスッカラカンにして見ましょう。だからお絵描きをしているさなかも気楽に流しておける。作中で南原が「俺の好みのど真ん中だ!」と叫ぶ場面、とても悲愴な顔をしていたのが妙に印象的なのである。
『BE-YOND』(elf・18禁)
 ばか。二枚目のディスクにはオリジナル発売当時に作られたOVAの第一話のみが収録されているのだがこれもまたばか。だからこそ思わず猿のように延々遊び続けてしまうわけで。
『ガイナックス連続殺人事件(エロ)』(GAINAX・18禁)
 あのガイナックスが作った18禁ソフト、という割には突出したものが見えてこない。フルスクリーン表示が出来ないし、主要キャラクターの初登場シーンに挟まれるムービーはやたらちゃち。恐らく主要な女性キャラにはそれぞれ声優がついている筈なのだが、プロローグ部分の途中まで遊んだ印象では、声が吹き込まれた台詞は雀の涙程度でないかと疑われる。他にも文章がつたない、メッセージ送りが出来ない、マウスクリックに対する反応が屡々鈍るなど問題山積み。今井ひずるの絵は結構好きなので、そのためだけに一通りプレイはしてみるつもりだけど。あのガイナックスならもうちょっとましなものに仕上げてくれなかったかなあ。


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