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2002年07月11日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020711~.htm#Day11

2002年08月11(日)
コミックマーケット62に参加します

西地区“ね”16a
サークル『性善説』名義にて
(内田竜宮丞との共同サークル)
発行予定
作品集『性善説1』
掲載作家
☆小説☆
梅村 崇/ひでむら/松本楽志
内田竜宮丞/深川 拓
☆挿絵☆
河井つぐのすけ/陸奥聖
(もうひとり参加予定だけどまだ内緒)
☆その他のイラスト・編集・デザイン☆
深川 拓
全編書き下ろし

深川個人名義でも一冊発行予定
(内容はまだ秘密)

 ……個人誌の表紙絵、完成。あとはIllustratorで文字を組み合わせるだけ。色を塗っている間に台風の暴風圏が東京上空を通り過ぎ、床に就いたときには白々どころか青く澄んだ光がカーテンの隙間から注いでいた。毎日毎日毎日毎日……
 今回、イラストを表表紙・裏表紙一枚で作成してみたのだが、結果、完成間際には私のPCの処理能力を超えてしまった。髪のラインを細かく引いて、レイヤー増やしてあとは艶をつければほぼ完成だー、と勢い込んでいたら、ある程度艶をつけたところでレイヤーウインドウが黒に変色し、履歴ウインドウのアイコンが化け、Photoshopのファイルウインドウの上でマウスカーソルが見えなくなる。待てども待てども本来の状態に戻らず泣く泣く強制終了させソフトを再起動すると――髪の艶はおろか、一所懸命引いた髪の筋もまっっさらになっていた――つまり、最後に保存したときの状態にまで戻ってしまった。1時間ほどが無駄に費えた……
 しかし、これでいちばん時間のかかる作業は乗り越えたことになる。『性善説』は裏表紙をIllustrator中心で作成し、表紙もセル画のような彩色を行うつもりなので作業的にもシステムへの負担という意味でも遥かに楽だし。
 ……まだやることは色々と残ってるんだけどね。

 本業はスターウォーズの襲来で久々にちょこっと居残り。待機時間が長いのはいつものことだが、それでもデータが入れば慌ただしくなるので仕事をしたという実感は湧く……って、それはつまり……

 一方、気になっていた紙原稿イラストの方も、台風を避けて無事に到着。帰宅後確認し、早速スキャナーにかけて貼り込み……しようかと思ったら、どこにどの絵を当て嵌めていいのか解らなくなっていたりして……。
 ともあれ、これで無事掲載作一本がほぼ完全な形になりました。ありがとうございますー>Mさま ……見てないはずだけどいちおう。

 本日のお買い物
1,大西巨人『神聖喜劇 第一巻』
2,土屋隆夫『針の誘い 新装版』(以上2冊、光文社文庫/光文社)
3,平谷美樹『百物語 実録怪談集』
4,平山夢明『怖い本(3)』(以上2冊、ハルキ・ホラー文庫/角川春樹事務所)

 1は、ミステリファンにとっては『三位一体の神話』の著者と言った方が分かり易いのではと個人的には思っている大西巨人氏の代表巨編。前々から名前だけ知っていて現物を見たことがなかったので、この文庫化を機に購入。中身は重厚だし値段は高いしでどこまで付き合えるかは謎だが――というか、果たしてどれほど売れるのだろう、と思ってしまう私はどうだろう。
 2は不定期に刊行が続く、旧作の新装版復刻第四弾。旧体裁で集めていたとき、この作品だけが購入前に絶版となってしまったため、私にとっては未だに読んでいない唯一の千草検事シリーズでもある。……が、そーいう事情があったことが災いして、現在いちばん多くの判型で持っている作品でもあったりして……。
 3は第一回小松左京賞受賞作家が自らの体験談ばかりを百綴った怪談集。実話でそれが古式に則った怪談とくれば何を置いても買うしか。何せ、あの新耳袋が洒落にならかったからとして第一夜の最初の体裁以来放棄した形式に再び挑んでいるのだから、そのことにだけでも敬意を表して購入する価値はあるだろう。ねえ。
 そして4は、その新耳袋のお二人ももうひとりの怪談の担い手として認めた平山夢明氏が、『超怖い話』に寄稿した作品を集めた本、久し振りの三冊目。買ったときに何か違和感を覚えたと思ったら、私は1・2巻をハルキ・ホラー文庫ではなく通常のハルキ文庫で買っていたのだった。

 中旬になったので『性善説』掲載作家陣を公表いたします。↑の広告に追記したとおり。実はまだひとり発表していない方がいますが、思惑がありましてもーちょっと伏せさせていただきます。想像すれば解るんですけどね。

 ……来年は、表紙だけでも知り合いにデザイン依頼しようかなと思わなくもない……


2002年07月12日(金)
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 段々空が白んでから寝るのが普通になってきてしまいました。これに日中、前から採っていた仮眠を足すだけで、意外にもそれほど寝不足にならずに済んでいる……油断すると眠りそうになるけど。

 本日のお買い物
1,小池田マヤ『…すぎなレボリューション(7)』(Kiss KC/講談社)
 だけです。この人の作品はもはやライトなドロドロ具合(何じゃそりゃ)が売りのようになってきましたが、これ以上耐えられん、と感じ始めたところでちゃんと話を締めくくってくれるのも評価のポイントではないかと思い始めた今日この頃。つまりはあと一冊で完結だそうな。
 ……個人的には、もっと登場人物を絞り、関係性に極端な変化を与えずにドラマを作る、という恰好でもーちょっと描いてくれないかな、とも思っていたり。

 予習のために、テレビ放映された『スターウォーズ エピソードI ファントム・メナス』を鑑賞。このシリーズ、まともに一本通して鑑賞したのは多分これが初めて。
 ……正直、これ一本を物語として見た場合、あんまし評価するところはない、噂通りに。人間以外の生命体を驚異的なリアリティで表現した映像には無論敬意を表するけれど。しかしまあ、今回敢えて観たのは例によって『エピソードII クローンの攻撃』を劇場で、しかもDLP対応館で鑑賞するのが目的だから全体の完成度はどーでもいーのだ。スクリーンの近くでドットを確認したいがために観に行く、と言っても過言ではない。


2002年07月13日(土)
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 どんなに切羽詰まっていても、もはや週末の映画鑑賞を欠かすわけには参りません。ギリギリまで作業をしたあと、雨ふりの危険も顧みずに例によってバイクに跨り日比谷まで。本日の鑑賞作品は、予告編で惹かれてすぐさま前売りを購入し、楽しみにしていた暗い日曜日』(GAGA・配給)である。楽しみにしていたわりに公開から鑑賞までに随分時間がかかってしまったのは、他に前売り券や鑑賞券を確保していた作品が、思いのほか上映期間が短かったり鑑賞券の期限が早かったりした所為だ。なまじ期待が大きかったところに長いお預けを喰らわされて、裏切られた気分になるまいかと若干不安にさえなっていたのだが――杞憂でした。詳しくはこちらの感想をどうぞ。

 雨に追われるように寄り道もせず帰宅し、昼食を摂って一息ついたところで、――遂に印刷所に予約の電話を入れる。場所が自宅から近いこともあってかなり前から決めていた、共信印刷に。
 一部の挿絵担当の方に「15日ぐらいまで」という指定をしてしまったため、月曜日に確実に入稿できるのは表紙のみなのだが、入稿できるものは早くしておかないとその分金額が高くなるし第一加工付きの締切月曜日だし、ということで。本当は単独の奴だけでも今日入稿できていれば最善だったのだが、流石にそこまで急いてはそーでなくても高くないクオリティが更に落ちそうなので、『性善説』共々月曜日以降の入稿とする。
 これで月曜日、めでたく表紙入稿の締切と某短篇の締切が重なることと相成りました。わーい♪ 決して虚勢でなく現状を楽しんでいる節がある自分がちょっと厭。
 ちなみに滅・こぉるさんには強制的に押しつける由。<?


2002年07月14日(日)
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 あーだこーだと手こずっているうちに2日で50枚近く書かねばならないような狂った状況になってしまったため、次回の『異形』投稿を断念。ネタはほぼ完璧に用意してあるのだが、如何せんここまで切羽詰まってしまっては、文章からも余裕が失われそうでちょっと手がつけがたい。一晩で50枚というレコードがあるから、いまのヴォルテージなら必ずしも不可能ではないよーにも思うのだけど――現実として、まだ同人の方もギリギリだし部分的にまるっきり趣味とは言いきれない内容にもなっているのできちんと仕上げたいのだ。同人のどのへんが趣味と言い切れなくなったのかは、まあ見てのお楽しみってとこで。

 ともあれ、明日に入稿の予約を取り付けた表紙をまず仕上げてしまう。片方――未だに原稿を見ていないために某氏の名前を入れていいのか不安があるのだが、もはや躊躇している余裕もないので、裏表紙に全員の名前を入れる。怖いなら冒険を避ければいいようにも思うが、書いてあればちゃんと売るときの引きになるだろうし〜〜。
 その後、まず自分の同人の仕上げに着手する。『性善説』私担当の挿絵がまだペン入れも済んでいない現実もあるが(おい)処理しなければならない枚数からしても実は自分の同人もけっこーがけっぷちだったりする。やっぱし新しい方法を試しながらやる場合は余裕をもって描くべきだった――って、時間は結構用意していたはずなんだがなあ。コンテにかかりすぎたんだろうなあ結局。
 で、日付が変わったあたりで、明日入稿するための準備。表紙のデータをCD−Rに焼き、見本を印刷してついでに地図の確認。横でCD−Rドライブが動いているのを眺めつつこれを書いている由。……『性善説』の表紙が著しく派手だが、いいか目立つから。

 昼間、作業をしながら何となくテレビを点けておいたら、早々と『かまいたちの夜』ドラマ版の再放送をしていたので眺める……………………何がしたかったんだか。シチュエーションは大量に盛り込んだのにミステリにもホラーにもなり切れてないやんか。
 更についでに『スターウォーズ 帝国の逆襲』のテレビ上映も、予習がてら眺める――エピソードIと較べると格段に面白い。星間戦争という設定を除けば実にストレートなヒロイック・サーガに過ぎないのだけど、当時の技術の粋を凝らした映像と相俟って一種異様な迫力はある。ヨーダなんか、最新作の予告編を見慣れてしまった目には悲しいほどちゃちだが。
 ……あああ、ゆっくり映画が観たいよう。懸案の短篇とか連作にも戻りたいよう。


2002年07月15日(月)
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 午前中、到着した仕事をざっと片づけて、10時半過ぎに入稿に出かける。所在地の住所と道順は調べておいたものの――所在地は映画鑑賞の際の通り道にあたり、ゆえに何となく厭な予感はしていたのだが――、辿るはずの道が悉く進行方向とは逆の一方通行になっていた。何せ神田から銀座までの一帯は4車線を越える広い一方通行が多く、惑わされることこの上ない。付近にたどり着いたのは11時前だったはずなのに、肝心の印刷所を発見したのはそれから更に20分も過ぎた頃であった。真向かいに、元バイト先が仕入れに来ていた問屋があって苦笑する。
 そのあともすっきりと済むかと思っていたら色々と手こずり、印刷所を出たのは12時30分。寝不足もあって必要以上に突っかかってしまった気がする。申し訳ありません〜。
 職場に戻ると、ひとまずメールで届いたデータを出力しそれから食事……の前に、留守中に連絡があった某氏に電話をする。この時期ならたぶんそうだろうなー、と思ったがやはり今日中はちょっと難しいというお話。忙しいのは承知でお願いしたことなのでかなーり心苦しかったのだが、あと2日ほどのあいだに可能であれば一枚でも、という形で改めてお願いする。
 食事のあと、これ以上データが届かないことを確認したあと、雨雲を警戒してさっさと帰宅……が、あんな急いだわりには雨の気配もなく日が暮れた。
 今夜は自分の同人を徹底的に仕上げよう、と思っていたら、帰宅後の夕方から取りかかったページだけで2時間費やしてしまう。というわけで私の同人の見所が自動的に決定。

 本日のお買い物
1,『コミックマーケット62 カタログ』
 後日CD-ROM版も買うでしょうけどいちおう。嗚呼、この夏はあの知り合いも再出馬している。てか、ケロQさんは何故いちいち後ろに何かつけるんだ。

 たまには意味もなくリンク。http://www.ore.to/~mascis/正式追加は後日。


2002年07月16日(火)
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 実質あと2日……あと2日は寝不足で……原稿……

 本日のお買い物
1,柴田よしき『宙都 第三之書 風神飛来』(TOKUMA NOVELS/徳間書店)
2,法月綸太郎『法月綸太郎の新冒険』
3,福井晴敏『亡国のイージス(上)(下)』(以上二冊、講談社文庫)
4,『IN POCKET 2002・7月号』(以上三冊、講談社)
5,藤田和日郎『うしおととら(13)』(少年サンデーコミックスワイド版/小学館)

 不意打ち気味の1は「都」シリーズ第四作第三巻。……そうか、こないだまで書いていらしたのはこれのことだったか。
 2はちょっと飛ばして3。推理作家協会賞・冒険小説大賞・大藪春彦賞を獲得した大作待望の文庫化。親本を買い損ねたままだったので、躊躇なく購入。

 日記に書き忘れているネタが結構沢山ある。修羅場が終わったあと一気に書き留めておこうと思っていたのにあまりの忙しなさに八割方消えている。これで山を乗り越えたらその反動で完璧に吹っ飛んでくれそうだ――悲しい。

 ともあれ、平常スタイル恢復まで最低あと2・3日はお待ちください。『かまいたち2』はゆっくりと遊びたいです。そして次のコミケは――違う! そうじゃないだろう俺?!


2002年07月17日(水)
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 何度も書いているが本業は比較的時間が空いている。忙しいときでもかなりの時間が待ち時間に割かれている場合が殆どだ。文章書きやアナログでのお絵描きはその合間を縫って進めるのを通例にしている。他の仕事だったら多分この日記もここ数日程度の長さで標準になっていたはずだ――と思う。
 ただひとつ、職場で出来ないのは――今やっているようなデザイン作業だったりする。職場と自宅とほぼ同一のツールが揃っているにも拘わらず、ただ自宅で利用しているのがWindowsで、職場で利用しているのがMacintoshだというだけで、仕事の合間に作業を進めるのが難しくなる――と言うより実質不可能に近い。
 フォントの環境が全く異なることも大きな理由のひとつだが、最大の問題は、MacではWindowsで製作したIllustratorやPhoto Shopの原稿が読めるのに、反対はその為のユーティリティがないと不可能だという点にある。仮にユーティリティがあったとしても、私の作るものと言ったら想像するまでもなく文字だらけだから、フォントの指定まで含めて全体像を成すデータ形式では、自宅の作業を職場で行うのは無理だ。以前、職場にメールを導入したときに、真っ新な状態から枠組みだけ作って自分のアドレスに送信してみたことがあるが、このデータは自宅で読み込むことが出来なかった。
 残る方法は、ノートPCに極力自宅のデスクトップと同じDTP環境を再現してそちらで作業を行うものだが、こちらはスペックと筐体の構造に問題がある――狭い画面に狭いキーボード、その真ん中にある小さなポインタだけでデザイン作業を行うのは、ましてやPhoto Shopのようなビットマップ画像製作ツールを利用するのは辛い。文章入力だけなら非常に使い勝手のいいノートPCだが、本気でデザインなどをやるならデスクトップ、それも1600x1200以上のピクセルを表示可能な大きな画面が欲しい。出来ればもっとでかい画面を。
 ――ともあれそんな非常事態につき、午前中に二つ三つ出力したあとは大手の校正が夕方に出るのを待つのみ、という状況を確認したあと、校正済のデータが届いた段階で呼び出してもらうということにして、他の時間を自宅での作業に充てることにしたのであった
 ――と言いだしたまではいいが午前中に片づけるべきもう一つのデータがまだ届かないのでその空き時間にこれを書いている由。わかった? さぼってるわけじゃないのよ??
 で、そーして自宅に籠もっていたら、午後いちばんで自宅の電話に印刷所から電話が来る。……素晴らしい読みだ。

 まだ来ないので、先日読み終わった本について触れておく。
 平山夢明『怖い本(3)』(ハルキ・ホラー文庫/角川春樹事務所)、番匠さん最高。――新耳袋と異なり聞き書きの形式を採り、人物はおそらく仮名ながら鴫原とかやや凝った名前で呼ばれているこの本、何人かレギュラーとなっているのだが、その中でもこの番匠さんという女性は最凶である。そのままオカルトスリラーの主人公、或いは露払いに使われていても不思議ではない強烈なパワーである。本気で誰か書きませんか、と提案したいくらいだ。文章的には粗いのだが、そうした人物の魅力と熟達の演出力とが相俟ってリーダビリティは高い。この忙しなさの中2日で読了。
 続いて怖い本繋がりで、平谷美樹『百物語』に着手する――がこちらは遅々として進まず。理由は――データが届いたのでのちほど或いは後日。

 積むな、と言われても当分は無理です。――それはともかく、『性善説』はあと一息。自分の方は………………まあ、週末までには何とかなるだろ。


2002年07月18日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020711~.htm#Day18

 午前五時、『性善説Vol.01』完成。結局某氏の原稿は間に合いませんでした――印刷所の入稿締切は22日、私個人の本はそっちまで延期にしたのだが(とても同時進行は無理だった……)、どちらにせよ多忙な某氏をあまり追い込むのもどうかと思われ、ならばいっそ奇手を打とうかと考えた次第。先方がこの奇策に乗ってくださるかまだ不明なので、やっぱり「某氏」が誰なのかは秘密――一部の人にはバレバレだろうと思いつつ。
 個人の方を伸ばした理由は、方法が見えてきてだいぶスムーズに作業が出来るようになったものの、それでも1日2・3枚ぐらいのつもりで仕上げた方が綺麗になるのも自明であるわけで。何より、暫くは四時・五時就寝という無茶な生活から逃れたいのです。もっとのびのびやりたいです
 ……と書いていたら、コンベア(CD−Rの書き込みが成功したか否かを確認する)失敗。……勘弁してくれ。現在午前六時。まだ眠れない。

 就寝中に惨劇が起きた。手動でRの中身を確認し、あとは問題が発生したときに連絡してもらえば大丈夫だろうと判断して、片付けをしてベッドに上がった。寝付きの悪い質だが殆ど吸い込まれるように寝入る。
 ――そしていつ眠ったのか何分眠ったのか、不意に左の瞼に痺れを感じて目が醒めた。なかなか引かない。何事だ、と思いながら瞼の上を撫でようとして――躰の上に本が数冊、散らばっているのに気づいた。枕の上に堆く積み上げた本の、上の方の八冊ばかりが顔に降ってきたらしい。起きて積み直す気力もなく、ベッドの脇の方に寄せて積んで、そのまま再び眠る。
 朝、起こしに来た母に驚いた様子で指摘された――左眉の付け根あたりに傷が付いていた。指先を添えるとうっすら赤く濡れる。どーも固い一冊の角が刺さったようだった。目を直撃しなかったことを喜ぶべきか、顔に降ってきてもすぐに目醒めず事態を認識しなかった自分に感心するべきか。

 今日あたりはぽつぽつと大きなデータが来る予定だが、思ったより遅くなりそうなので午前中に入稿に向かう。――やっぱり道路の構造が理解できずにしばらく迷った。到着すると案の定先客がいたが、いつ呼び出しがかかるか解らないので、無理を言って原稿の引き取りと支払だけ早急に済ませてもらった。ついでにもう一つのほうが遅れることをお話しし、見積もりのやり直しもお願いする。恙なく終了して、素早く退出――それにしてもエレベーター使うのも階段使うのも五階程度じゃ早さは変わらないでしょ。
 この時点で午前十時四十分。まだ呼び出しはかからない様子なので、都合のいいことに通り道に当たる秋葉原でお買い物。しかし時間がないことには変わりないので、手早く懸案のふたつだけ。下記1と2を参照。
 昨日は完全に籠もりきりだったため、本のお買い物も溜まっているはず、と行き付けの店にも立ち寄る。――思ったほど数はなかったが、それでも納得して職場に戻る。ええそうです完璧に病気です。
 呼び出しはなかったがデータそのものは届きはじめていたので、あとは淡々といつもどおりに仕事。昨日も触れたとおり、職場で出来る同人作業はもう何もないので、本業から平常に戻していく。もう一方の締切は22日が限度だが、4日の延命があればだいぶ楽になる。

 夕方、例によってやや遅めに到着した校正データを出力すると、下記1のプレゼント抽選会に参加がてら再び秋葉原へ。結果は……ストラップ。PS2の。プロモーションDVDも貰えたからいーけど、それにしてもかつてのくじ運の良さはどこへ行ったやら。

 本日のお買い物
1,『かまいたちの夜2 〜監獄島のわらべ唄〜 スペシャルBOX』(CHUN SOFT/PS2対応ゲーム)
2,『千と千尋の神隠し』(ジブリがいっぱいCollection/ブエナビスタホームエンターテイメント/DVD Video)
3,森見明日『イーダッシュ』(SUNDAY GX COMICS)
4,河合克敏『モンキーターン(21)』
5,青山剛昌『名探偵コナン(38)』(4と5、少年サンデーコミックス/以上三冊、小学館)
6,神坂 一『るなてく・へすてばる』(富士見ファンタジア文庫/富士見書房)
7,『こみっくパーティー コミックアンソロジーVol.11』(DNAメディアコミックス/スタジオDNA)
8,竹田エリ『バサラちゃん(1)』(YOUNG JUMP COMICS/集英社)
9,坂田靖子『記念写真』(双葉文庫/双葉社)
10,芥川龍之介/東 雅夫・編『芥川龍之介 妖怪文学館』(学研M文庫/学習研究社)
11,米田淳一『ホロウ・ボディ』(ハヤカワ文庫JA/早川書房)

 遂に発売しました、の1。前作から――いったい何年が過ぎたのか、「嵐の山荘」から「孤島」へと舞台を移しての第二作。箱書きには我孫子武丸氏の名前が表面に押し出されているが、(c)のところにはきちんと田中啓文・牧野修両氏の名前が挙がっているのも嬉しい。
 ただ――ただし。限定版愛好家として迷うことなくスペシャルBOXを購入すると決めていたのに、実は店頭で初めてそのまともな内容を知ってちょっと躊躇した。特典のメインが、あのぐずぐずなドラマ版かまいたちのDVDというのは、ちょっと……。いつでも好きなときに画面に向かってツッコめる、というのはそれなりに愉しいかも知れないが。今回メーカーサイトにリンクしていないのは、「リンクフリーではありません」と謳っているから。……うーん。
 2は……今更言うことは思いつかず。購入特典「ハクのおにぎり」仕掛け人は糸井重里氏だったよーです。
 3は特に予備知識もなく作者の名前だけで買ったが、最近サンデーで連載している作品とあちこち設定が被っているのはいったい何故でしょう。『一番湯のカナタ』に。生真面目な作風で更に妙に生真面目な筋立てのため、キャラも立ちきれず設定も活かしきれずネタ的にも看過しかねる欠陥があり、全体として説明不足の消化不良に陥ったどーにも不幸な作品なのだが、その収まりの悪さと素直さがみょーに魅力に思えたり。ただ貶すには勿体ない気がするんだけどな〜〜。
 4と5は飛ばして6。長篇シリーズは終わったのにしつこく続くすぺしゃるシリーズ最新作。前巻から随分経ったらしいがこちとらもー感覚は麻痺してますから関係ありません。
 7からあとは夕方の購入。8は『私立T女子学園』以来の新刊。なんか雰囲気はまるで変わってないが。9はノンシリーズの短編集。竹本泉氏とともにシリーズという縛りから離れて書く短篇に長けた坂田靖子氏だが――買ってから重複してないか気になった。いいか、いつものことだし。
 10は初の文庫化文章・資料を含めた、芥川龍之介の怪奇作品集。行き付けの書店に入荷されなかったので今日まで入手できてませんでした。
 そして11は『エスコート・エンジェル』に続くプリンセス・プラスティック第2巻。前作が出たときはなるべくリアルタイムで読もうと思っていたんだけど〜〜。なんだかんだでまだまだ忙しい日々は続くのです。

 さーあとは自宅での作業に集中するのみだ、と思った矢先に大手の校正が例によってなかなか届きゃしない。ここまで全部職場で下書きしてしまったわ。とりあえず、ひとつ脱稿した勢いで久々にばか長い日記になってしまいましたお許しを。


2002年07月19日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020711~.htm#Day19

 綺麗だけど色がちょっときつい。『千と千尋の神隠し』DVDをひととおり鑑賞しての感想。何せ全てデジタルで製作されたアニメだから動きの滑らかなことこの上なく、眺めているだけでもいい気分になれるのだけど、ことトンネルを潜る前後の色調がやけにパキパキとしていて若干辛かった。

 職場でケーブルテレビによるインターネット接続環境とルーターを用意して、初めてのPHS通話料算出。基本料金にプラス30円。……安くなったのはいいが、要するに自分から電話なんか殆どかけていないということだな……。

 同人活動も一区切りついたので、今日から職場での空き時間は心置きなく懸案の連作に費やすことに……しようかと思っていたのだけど、通勤途中に勃然と別のホラー(……だと思うんだけど……)長篇に対する意欲が湧いてきてしまい、空き時間が生じると早速、設定とプロットを記したデータを呼び出してあっちこっち追加したりいじくったりする。少し取材しておきたいんだけど……創作と無関係な趣味の行動に取られそうなのでちょっと厭。
 今回の同人活動で得た教訓に拠れば、もう今からぼつぼつと次の準備を始めるのもいいのだが――それはせめて、次の締切に先送りした自分の本が仕上がって、一息ついてからにしよう。うん。

 せめてちゃんと読み終えてから詳述しようと思っていたのだが、もう耐えがたくなってきたのでちょっと触れます。
 平谷美樹『百物語 実録怪談集』(ハルキ・ホラー文庫/角川春樹事務所)は、ここ数年に読んだ怪談本の中で二番目に劣悪な出来です。最低なのは先日言及した『背筋の凍る話VI』だが、それとは180度反対の意味合いで酷い出来。
 姿勢は悪くない。無理に因果関係を詮索したりせず、ただ怪異を描くことを目指した態度と、プロ作家であるが故の丁寧な文章にも好感が持てる。しかし、怪談としては致命的なほどに怖くないのだ。
 平谷氏はいわゆる「見える」人のようで、その描き方にも日頃からそーいう怪奇を見慣れた人であるからこその真実味が感じられ、興味深い。しかしそれは私の読者というより作家的な好奇心から来るもので、純粋な読み物としてはまるで面白くない。
 姿勢は悪くないのにどうしてこんな結果になったか。想像するに、日頃見慣れすぎている所為で不可解な現象に対する感覚が鈍く、それがそのまま文章に反映されて特異な状況への興味も恐怖も薄めてしまっているのではないか。また、本人とその友人知人の体験のみを扱っているために、怪異に遭遇する際の状況が似たり寄ったりなのもいけない。こと、「本当にこれは怪談本か」と思うくらいに幾度も釣りの情景が描かれ、無論そのつど何かが起こるのだけどたいていちらっと何か見えたとか何か聴こえたという程度の出来事で、当人にとってはそのときからしばらく恐怖を味わう状況かも知れないが、読者にしてみれば同じ事を繰り返し書いているようにしか見えない。恐らく新耳袋なら「よく見る人の体験」として、このエピソードの二十本分くらいを傾向ごとに2・3話に分けて収録する程度の扱いをする内容だろう。加えて、怪異にかならず因果や結果を求めるのは態度として戴けないにしても、大半の出来事に同様の姿勢であたってしまっては、結局その場だけの恐怖に終わってしまい、先に残るものがない。小刻みに何らかの因果や残像の残る結末を持った(或いは匂わせる)エピソードを並べるなりして、全体のテンポを演出する程度のことをしなければ、読み手の興を持続することは出来ないだろう。まして、ほぼたった一人の体験談を集めた本書のような構成では、似たようなエピソードが並ぶゆえにそうした配慮は必須だったと思うのだが。
 他の怪談本には存在する、怖いだろうなと予感しながらもページを繰ってしまうような牽引力がなく、数本続けて読むと退屈になって本を降ろしてしまう。酷くなると眠気すら催す。正直苦痛すら覚えながら、半ば反面教師に接するように読み続けている。珍しく百本きっちりと集めた怪談本ということで期待しての購入だったが――たぶん、一晩で百本読むこと自体が不可能だろう。途中で寝ます。
 ちなみに現在六十七話。本当なら最後まで読んでから結論を出したいところだが、ここまで読んで感想が変わらないなら言い切っても構わないだろう、と思い取り上げてみた次第。仮にこのあと面白くなったとしても、半分以上がつまらないなら百物語として駄目であることは疑いないのだし。

 本日のお買い物
1,倉田英之・山田秋太郎『R.O.D.(4)』(ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ/集英社)
2,日渡早紀『GROBAL GARDEN(2)』
3,中条比紗也『花ざかりの君たちへ(18)』(以上二冊、花とゆめコミックス/白泉社)
4,真保裕一『発火点』(講談社)

 ……悪いとは言わないけどさあ。別に手がなくったって本読むで。好きなら。口でだってめくるわ。とややずれたところで反感を抱いてしまった1。完結。未だに小説版手付かずだが、なんかなあ。いまいち浅墓なんだよなあ。ジョークならジョークで徹底的に踏み込んで欲しかったわ。
 4は新聞連載の単行本化。ぱらぱらと眺めているときうっかりと垣間見た最終行に、厭な予感が禁じ得ないのだけど……杞憂ならいいんだけど。講談社からは同時に東野圭吾氏の新刊も出ていて、ベタな設定ながら舞台が浅草というのでちょっと心が揺れたのだが――いい加減ハードカバーは購入点数を絞った方がいいように思うのでいったん見送り。などといいつつ明日には買っている危険も少なからず。


2002年07月20日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020711~.htm#Day20

 海の日。でも土曜日だと何の恩恵もない。

 何にしても週末であることに違いはないので、毎度のように映画鑑賞。
 まず9時に予告編なし本編からの上映(ただし実際には一本だけ予告編があった)のメン・イン・ブラック2』(Sony Pictures・配給)を観る。この9時からというスケジュールだと梯子するのに都合がいいのでチェックしておいたのだが、7月限定のスケジュールということもあり、夜中に別の予定がある来週は日中は一本のみにしておきたいので(どーせ夜中の空き時間にレイトショー一本ぐらい観るのだ)今週観に行くことにしたわけ。
 ――が、先週『暗い日曜日』を観たがために、うまい具合にこのあと無駄な待ち時間なく観られる映画で、予め鑑賞券なり前売券なりを確保している作品がなかった。ので仕方なく、一ヶ月半ぶりぐらいに窓口でお金を払って鑑賞することにする。MIB2の終了がだいたい10時30分、移動と逡巡の時間も含めると50分から11時開始のものが望ましい。近隣の映画館を見回った結果、条件に見合う作品は二本――奇しくもいずれも父と子の関係をテーマにした映画であったが、一方は子を演じる役者に大いなる不安があったため(さて作品は何だ?)、単館系列でMIB2とはまるで対極の雰囲気を纏ったもう一方――ジョゼ・ジョヴァンニ監督・原作・脚色の『父よ』(Cetera International・配給)を選択。午後1時、気分的にはお腹いっぱい、現実的には空腹を抱えて家路を辿る。
 いつもならばここでひとつぐらい感想を仕上げておくところだが、下記の事情から月曜日以降に一本ずつアップする予定です御了承下さい。ひとまず軽い余談のみ。
 MIB2はハリウッド大作、だが内容的には軽さを狙った娯楽作品になっているが、流石に第一作がヒットしただけあって遊びが増えている。詳しくは後日触れるが、あとになって一番笑えたのはエージェント志願の地球在住宇宙人Mの登場であった。一瞬のみのカメオ出演で「本物か〜?」と疑いたくなるような状況だったが、プログラムには名前も撮影風景もちゃんと載っている……自分から認めるとはちょっと見直したぞ。
 一方の『父よ』はクラシカルな、味わい深い作品を望む向きに送られた、旧友からの書簡といった趣の重厚なドラマ。記念及び粗筋・感想を書く際の参考として必ずプログラムを購入するが、ドラマの重厚さに合わせたようにプログラムも800円とやや高め。しかし高いという印象がないのは巻末にシナリオが完全に採録されていることと、冒頭にあの原ォが寄せた文章が載っていることによる。無論小説ではないが、それでもここ最近ご無沙汰だったので結構嬉しい。

 その後、自滅的修羅場に突入する――余裕があると解った途端にまた色々な趣向を試しはじめたり、今週頭の後先顧みない徹夜のツケで眠気がどーやっても消えず予定より進捗遅め。その代わり、何ページかにひとつのわりで異常に手間のかかったコマが見られるようになって、それなりに(色々な意味で)面白い仕上がりになりつつあるのだけど……売れてくれるかな、ちゃんと。あの場所で。

 あ、映画作品などの新規リンクも月曜日以降ということで。


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夏バテ寸前のような気が。

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