diary / 2002年07月上旬
2002年06月下旬
2002年07月中旬
Past
nowadays
toppage(with frame)
toppage(without frame)
2002年07月01日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020701~.htm#Day012002年08月11(日)
コミックマーケット62に参加します
西地区“ね”16a
サークル『性善説』名義にて
(内田竜宮丞との共同サークル)
発行予定
作品集『性善説1』
(内田・深川の共作短篇ほか全編書き下ろし)
深川個人名義でも一冊発行予定
(内容はまだ秘密)というわけで夏コミの情報を一部公開。まだ色々と準備することがあるのでこれ以上は公開不能、っていうか入稿もまだだし。予定が狂っても勘弁してください――少なくとも『性善説1』だけは何とか出します。
遅ればせながら、あのゲームのシリーズ最新作のシナリオがあの人だと知る。期待している向きが多いようだが――私は不安だ。あの人の名前を最初に知ったあの作品が「失敗作」となった原因は、システムを配慮しないシナリオの所為だった、と認識しているため。システムが確立したあのシリーズを手掛けると聞いて、単純に期待するわけにはいかない。性格上、システムとのバランスが保たれていないゲームシナリオなどどうしたって評価できないのだ、私は。
とは言え、あの人の文章やプロットが持つ雰囲気には惹かれるものを感じているし、レベルは低くないのだから、ここで「代表作」という突破口が作れるなら歓迎するべきだろうとも思う。いずれにしても、問題の作品が発売されるらしい来年待ちか――しかし、某メーカーの戦略はどうも凋落の一途を辿っているが故の苦肉の策にしか見えなくなってきたのだが。某A氏の起用といい。
……すみません殆どの読者にとって意味不明の内容で。固有名詞出したくないのよ、なんとなく。本日のお買い物
1,桜 金造『背筋の凍る話 PART VI』(リイド文庫 ETシリーズ/リイド社)
2,『電撃萌王 VOLUME02』(メディアワークス)
1は習慣。……しかし1話目を読んで腹の底から不愉快になる。別にどんな生き物がどんな呪いをかけたって構わないが、土着信仰と因縁の定かでない出来事を結びつけた新聞記事を枕にして、何処にでもあるような子供の悪意をそれから何十年もあとの出来事と結びつけるこの語り口はあまりに卑怯。加えて、購入後に巻末を眺めて気づいたのだが――これ、桜金造自身はあんまり関わっていないんじゃないか?
何故あれを止めたのにこっちを買い続けるのか。……なんとなくです。『うさみみ天国』いきなり無くなってるが。いいけど。いっそ吹っ切ったような作りが素敵です。ペン入れが大変なので今日も簡易更新。もっとスピーディに執筆する方法はないものか。何より辛いのは、使っているインクが強敵で簡単にペン先が潰れるのだ。一気呵成に作業をしている所為もあるが、この2日で5本くらい実用に耐えなくなってます(我慢してゆったり書いている分には問題はなさそうだが)。あまりに駄目になるのが早いので、試しに通常使うペン先を丸ペンからGペンに変更してみたところ、これが想像以上に手に合って描きやすい。筆圧が調整できるようになってGペンでも丸ペン並の細い線が引けるようになっていたので、当分Gペンで格闘してみよー。
あと2週間この苦労が続く予定だが、当初思っていたほどにしんどい事態にはならずに済みそう。書かねばならない短篇二本はだいぶネタが纏まったので、書くのにそれ程苦労はないはず……だが、その余波であれの続編のエピソードが急激に頭の中に湧いてきてしまったのがどーにも。この日記を書く前に慌てて構想メモに思いついた展開などを書き留める。作業が終わってから浮かんできて欲しかった……てゆーか早く続き書かせてどこでもいいから。泣くわよ。
2002年07月02日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020701~.htm#Day02『性善説1』収録作の詳細は来週発表、ってゆーかまだ中身が(毎度ながら以下略)。
桜 金造『背筋の凍る話 PART VI』(リイド文庫 ETシリーズ/リイド社)読了。ここ暫くに読んだ怪談本の中で最低最悪の出来。やってはいけないことを幾度も繰り返したうえに、いちばん怖いエピソードとして広島の原爆の話そのものを持ってくるのは最低のマナー違反。啓蒙しようという意識があるのかも知れないが、そもそもそれ以前のエピソードで動物虐待を窘めるようなことを書いたかと思えば、犬神憑きもどきの出来事を揶揄うように描いてみたり、因果関係のまるで立証できないことを並べ立ててさも大発見のように書いてみせる。よくもまあこれだけ人を不愉快にさせる話を並べたものだと逆に感心したくらいだ。幾つかは書き方次第によって怪談として綺麗に纏まりそうなものもあったが、余計な記述が多すぎて却って怪談としてのインパクトを損なっている。どこを褒めていいのか解らない、最低の一冊。ただ、巻末のスタッフ一覧を見る限り、こうした描き方は寧ろ構成・編集の人々の責任によるものと感じられるのだが……どっちにしても、次からは考えさせていただきます。少なくとも、同じスタッフが携わっていたら絶対に読まない。
本日のお買い物
1,紗夢猫『みかんとさくら(1)(2)』(Kadokawa Comics Dragon Jr./角川書店)
2,『Kanon アンソロジーコミック』(Magi-Cu Comics/enterbrain)
1は衝動買い。うどんが好きだから。本当にそういう話です。この人の手掛けた『魔法使いTai!』のコミック版がなかなか面白かったのもあって手に取ってみたのだが、絵のタッチもお話も腰があるのでなかなか良し。何故二冊同時発売になったのかがよく解らないが。
2は……なんとなく。予定に入れていたからもある。全体に真琴に偏っているように見えるのはどうしたことだろう。普通ではメインで扱われないキャラクターが押し出されている傾向があるのも不思議。
2002年07月03日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020701~.htm#Day03自分にとってある程度理想に近い絵になるまで、A4の紙でだいたい30枚は描く必要があるらしい。たぶん、ブランクがあるとその都度に。今回、私個人で出す本はその過程が手に取るように理解できて笑える。本文→扉絵→次回予告(!)→各種カット→表紙裏表紙の順で下絵を用意しているのだが、順序として結構正しいかも知れない。
しかし、こっちが終わってもまだ『性善説』の分がある。こっちは裏表紙に作家陣の名前を並べるのでカラーは表だけ、他に総扉・一部のカット・私担当分の挿絵(どーにか一作だけに絞れた……)それと空きページが出た場合の対策としての絵も幾つか用意して、レイアウトとかやって…………はて、本当にあと2週間足らずで終わるのだろうか? 冗談抜きで、今月後半の私はきっと抜け殻になっていると思う。どんなに忙しくても映画を観る機会だけは極力逃したくない。そんな私にとって、今日は月に一度の大切な映画サービスデー(第一水曜日)なのだが、そういうときに限って半端に仕事が立て込む。多いのではなく、なかなか届かないのだ。二時頃に送らせる(内心、この「らせる」がついたものはあまり信用するべきじゃないと思い始めてたり)と言うから職場のMacの前で待機しているのに待てども待てども届かない。もっと厳密に動いてくれれば、待ち時間が出来ても他の作業に費やしたりと有意義に使えるのに、結局予定を壊すから無駄が増える。私もいい加減遅れるものと割り切って作業が出来ればいいようにも思うのだが、半端に生真面目な所為なのかこの時間に来ると聞いたらそこまでをきっちりと目途にして気持ちを作ってしまうので、遅延した場合にどーしてもぼんやりとしてしまいがちなのである――
いや、普段ならば別に遅れようが構わないのだ。しかし、今だから余計に困る。空き時間がきっちりと見えていれば、徹夜がちでぼんやりとしている頭を仮眠でリフレッシュさせて、映画鑑賞のあとも憂いなく作業にかかれるはずなのに……
……とりあえず空き時間を使ってこの上の行までを書いた。最終的に原稿が届いたのは、三時半のことであったとさ。……イベントの確定が出なかった、って、なあ……ともあれ、早めに帰宅することは出来たので、準備を整えて日比谷へバイクを走らせる。当初は久し振りにケヴィン・コスナーを観るつもりだったが、終了時間がやや遅くお気に入りの某番組が見られなくなる可能性があったので、間に合う時間帯に上映していた中国映画『きれいなおかあさん』(ムービーテレビジョン、JCP・配給)を選択する。感想はこちら。ついでにエピソード2の前売鑑賞券も遅ればせながら購入――でも特典の旧三部作のチラシ復刻版セットは無事貰えた。
ところで、感想を書いてからふと思ったんですが、この邦題ってもしかして“綺麗なお姉さんは”…………あと2日ぐらいで書き下ろさないととってもマズい短篇のネタが頭の中で纏まる。……しかし、これ……本のジャンルからあまりに外れすぎてるんだが……まあ、あれの続編を載せようと思い、某氏の招致に成功してしまった時点でとうに道を踏み外していた気はするんだが。
『メガネっ娘居酒屋「委員長」』って一体いつのイベントだよヲイ、と半ば向きになってLOFT/PLUS ONEのスケジュールを点検していたら、悲しい事実を知ってしまった。次々回の新耳袋ライブ、8/10だ……絶対に無理だ……しかもそんなときに限って「耳なし芳一」の生演奏なんて魅力的な企画打ち出してやがるし――っ! まあ、その前の7/27も怪談DVD発売を記念してかゲストが三輪ひとみという贅沢ぶりなので、こちらに参加できれば御の字か。
2002年07月04日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020701~.htm#Day04第二段階終了、それに伴い別の作業も猶予がなくなってきたので並行して進める。2週間以内に書く短篇その一。
……書きやすい。
どうしたことか、こんなにスイスイと書けたのは10年くらい前、『鬼神たちの夜』の原型を書いたとき以来じゃなかろうか。自分でも吃驚するほど楽に、しかも面白がって書いている。……まあ、同人だし位置づけとしてはちょっと脇になるものなので、ネタ的にもかなり暴走しているから、キャラクターがきっちりと噛み合えばテンポよく書けるとは思っていたが――自分でも驚くほど早い。2日で書くのは流石に無謀のような気がしていたが、なんか不可能じゃないかも知れず。行き付けの書店に『マリア様が見てる』棚に揃えさせたったはははははははははは。
本日のお買い物
1,永久保貴一、犬木加奈子、西川ジュン、他/木原浩勝・中山市朗原作『エレベーターの闇 他 (新耳袋より)』(MF文庫/メディアファクトリー)
2,山田風太郎『剣鬼喇嘛仏』(徳間文庫/徳間書店)
3,うえお久光『悪魔のミカタ(4) パーフェクトワールド・休日編』(電撃文庫/メディアワークス)
4,永 六輔『沖縄(ウチナー)からは日本(ヤマト)が見える』
5,小松和彦『日本魔界案内 とびきりの「聖地・異界」を巡る』(以上2冊、知恵の森文庫/光文社)
6,『ジーパーズ・クリーパーズ デラックス フィギュアバージョン』(東芝デジタルフロンティア/DVD Video)
1は雑誌の体裁で発売された漫画版新耳袋の単行本。いきなり文庫版というのは何故でしょう。そして、個人的にいちばん不出来だと思っていた永久保氏の作品が表題作となっているのはどうしてでしょう。
2は26年前に刊行された、「最後の忍法帖」文庫化。なんとなく早速読み始めてみる――最盛期の精彩はないが、やっぱし面白いのである。
3は二ヶ月連続刊行の第四巻。あとがきで「ミステリーじゃありません」と語ってます。
4は眼につくとときどき買ってしまう、永 六輔氏の著書。二年前に祥伝社から刊行されたものの文庫化だったらしい。自称“沖縄宣伝部長”の氏による、沖縄語り。
5はしばらく前に刊行された『京都魔界案内』と同様に、日本各地の「境界」を案内した一冊。
そして6は今月楽しみにしていたDVDのひとつ。他にも明日が正式の発売日、今日午後に入荷されるものに2・3本欲しいものがあったが、作業中でもあるし荷物になるのでとりあえずいちばんの待望であったこれひとつのみ購入。今年前半に上映されたホラーの中で個人的に偏愛する作品である。しかも、作中に登場するアレのフィギュア付き。DVDのケースが同時発売の通常版(トールケース)と異なり、飾りも何もない透明なプラケースというのがちょっと厭だが――通常版も買えってか。
劇場では中座してしまったという苦い記憶もあって、早速鑑賞する――こんなに厭なシチュエーションが大挙する映画もちょっと珍しい。そして、劇場で観たとき直感したとおり、あの男が初めて顔を見せてからの一連のシーン、案の定笑ってしまいました。
このDVD最大の難点は、折角映画の予告編で林原めぐみをナレーションに使うという贅沢をやらかしたのに、吹き替えで彼女を起用しなかったこと。彼女の声で叫ぶトリッシュ、期待してたのに。
2002年07月05日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020701~.htm#Day05流石に、従来のキャラクターひとりずつを描いているだけでは進まない箇所に入ると筆の走りも鈍ったが、それでも普段と較べて遥かに執筆は快調。少なくとも、解決編の手前くらいまでは今夜中にも先方にお渡しできそう。果たして、たったひとつの野望のために特化したこの内容を受け入れてもらえるかは甚だ疑問だが。
……残ったもう一方が予想より遥かに難航していることはあまり考えないことにする。本日のお買い物
1,種田山頭火・句、真島満秀・写真、小学館文庫編集部・編『写真句行 はぐれ雲山頭火』(小学館文庫/小学館)
2,山口美由紀『春告小町(1)』
3,橘 裕『ガッチャガチャ(1)』
4,筑波さくら『目隠しの国(6)』(以上三冊、花とゆめコミックス/白泉社)
5,ロクニシコージ『すべてに射矢ガール(5)』(ヤンマガKC/講談社)
6,北条 司『Angel Heart(4)』(BUNCH COMICS/新潮社)
見境ない物書きとしての夢のひとつに、「種田山頭火をテーマに小説を書く」というのがある。故に趣味なのか資料なのかよく解らないのが1。山頭火の句集からテーマごとに作品を選び、それぞれのイメージを元に撮影した写真を並べた本。山頭火が行乞のなかでしたためた日記の文章も挟まれているため、句のみではいまいち見えてこないこの男の放浪の生臭さが滲んでいる。時系列通りに並べていないため資料としては弱いが、読み物、或いはイメージの拡大には役立ちそうである。
2はお気に入りの漫画家山口美由紀氏久々の、巻数入りシリーズ第一巻。江戸を舞台とした時代物だが、そういや実在の地名が出てくるのは初めて見たかも知れない作者の言うとおり。題名がいまいち中身と関連しているように見えないのが難だが、けっこう端正な連作短篇(漫画では50ページくらいあるとあっさり「長篇」と言ってしまうことがあるので、この表現は使いづらいのだが)となっている。個人的に、登場人物の表情まで含めて見事な“怪談”に仕上がった第三話が好き。
いちいちシリーズをひとつ終わらせて新作にかかる山口氏と反対に、次々と新シリーズが登場しているように見えるのが橘裕氏、これまたいきなりな新シリーズ第一巻が3。でも、ちょっと、素材的に、『Honey』とあんまし差違が見出せないのはどーかと思うんだが。しかし、主人公が少女漫画的に珍しい“ヨゴレ”って……いままで違ったんですか……??
いいテーマだと思ったがまさかここまで続くとは想像してなかった、の4。でも付き合う方がちょっと疲れてきました――なんでこんなに関係性に変化がないのだ君たちわ。
5は最終巻。こちらは非常に綺麗に着地した感がある。やや癖のある絵柄には最後までいまいち馴染めなかったのだが、いい「青春物語」或いは「ラブコメ」でした。
6は新宿戦争編が終わってからこっち、方向性がいまいち把握できないシリーズ最新刊。結局シティーハンター(中盤以降)とどう違うんでしょう。これはこれで好きなんだけど。現在午後10時。懸案の短篇はまだ全体の半分くらいですが、頑張れば何とか夜が明ける前に完成させられそうな気配になってきたので、早めに日記だけアップさせて以後執筆に没頭します。というわけで、ちょっと遅くなりますが暫しお待ちください>S様、ってここをリアルタイムで御覧になってるだろうか。
2002年07月06日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020701~.htm#Day06執筆者の皆様〜。あとがきぼちぼち締切ですよ〜。
現在午前4時――短篇、まだ完成してません。当初の思惑である30枚を大幅に上回り、最終的に50枚くらいに到達しそうな勢いです。こんな馬鹿ネタなのに雰囲気と規模だけは本格ミステリに変貌しつつあります、恐ろしいことに。
とりあえず前半部分のみと、某氏の提案を受けて昨年執筆した10枚ちょっとの番外編を一緒に圧縮してS氏にメール送信する。残りは書き上がり次第――とは言うものの、新作も位置づけは番外編的なものにするはずが、ヴォリュームは本編のひとつと言ってもいいぐらいになってしまったことにちょっと胸が痛む。読むのも大変だろーなー。たとえ作業に目処は立っていなくとも、映画鑑賞だけは止めない。結果的に気分転換になるから。
本日の鑑賞作品は、EP2のあおりで今週末、例によって3週間にして撤退することとなってしまった作品『ザ・プロフェッショナル』(GAGA、K2 Entertainment・配給)。感想はこちらから――と普段なら書くところだが、こちらは流石に明日送り。これ以上S氏に負担をかけるわけにはいかないので、感想はそっちの作品が仕上がってから書きます。
ただひとつだけ言っておく。これのプログラムを編集した会社、文章担当者の能力を改善させろ。そして、「オトナにしか堪能できないデビマメ映画」(このセンスのない略称も何とかならなかったものなのか)などというタイトルでガキ丸出しの文章しか書けないような評論家を使うんじゃありません。いい気分で自宅に戻ったのに、あとで読んで台無しになったぞ畜生。本日のフジテレビ系列27時間テレビ『みんなのうた』、下手をすると明日まで付き合わねばならない事情が私にはある。何せ私が師と崇め奉るさだまさし氏と、あのくずのふたりが組んで、27時間かけて全国行脚して各地で歌う、というのだから。……同人作業もそろそろ本格的な山場に差し掛かったわけだし、今日ぐらいは本気で完徹してもいーかなと思ったり。
本日のお買い物
1,『トレーニング・デイ』(Warner Home Video/DVD Video)
2,有栖川有栖『幽霊刑事』
3,北山猛邦『『瑠璃城』殺人事件』(以上2冊、講談社ノベルス/講談社)
4,岩井志麻子『ぼっけえ、きょうてえ』
5,風間賢二『ホラー小説大全〔増補版〕』(以上2冊、角川ホラー文庫/角川書店)
1は先日、購入を一度見送ったDVDのうち一枚。デンゼル・ワシントンが遂にアカデミー主演男優賞を獲得した問題の作品。劇場で鑑賞した際に「久々の本格派ハードボイルド」と高く評価した私としては買うしか。ちなみに映画鑑賞時の感想はこちらにあります。
2と4は親本でも持っているがそれでも買う。趣味なのでほっといてください。……ところで、4のほうは映像化しないんだろうか。解った人が扱えば、久々にストレートな怪談映画になると思うのだけど。3は、いちおうチェック。
5は日本推理作家協会賞を獲得したブックガイドの増補文庫化。いちおーホラー小説書きの末席を汚しながらもまだまだ不勉強なので、先日の千街氏の著書と共に参考として精進しようかな、と……当分いろいろと忙しくて読んでいる時間もないのだけど。……同人作業が終わったら映画観倒そうっと。
2002年07月07日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020701~.htm#Day07午前5時30分、同人誌用の書き下ろし新作短篇、脱稿。……番外編の筈だったのに、気づけば執筆済の本編に匹敵するヴォリュームになっていた……。
一眠りし、起床して2時間ほど経った頃、松本楽志来訪。同人誌に彼の作品をひとつ掲載することになっており、その校正をしてもらうために来てもらったのである。
1時間ほどで作業を終えて、それから私の両親共々昼食へ。某氏の日記でも取り上げられていたペルシャ料理店『ザクロ』まで足を運ぶ。驚異的に愛想のいいマスターが説明を省略するほどに常連と化した両親とは異なり、私は最初の印象が悪かったために一年以上ぶり2度目の来店である。
カーペットの上に直に座り、足のないテーブルに次々運ばれてくる見慣れぬ料理を黙々と食べる――前のように全く受け付けない、ということはなく、量的にも質的にも満足した。
――しかし、今日のハイライトは別のところにある。店の一画が赤いヴェールで仕切られて、その向こうでコースメニューによるパーティーらしきものが催されている様子だった。真横に案内された私たちは、だが最初のうちこそ特に気にすることもなく食事に集中していたのだけれど、ひと段落してのんびりと、しかし油断すると延々と注がれるお茶類を啜っているうちに聞くともなく隣の話に耳を傾けるようになり――しまいに私たちはこっそりと囁きあった。
「隣、知っている人いないか?」
面識がある、という意味ではない。この店独自のサービスとして行われる写真撮影のときにお互い顔を見ているから、面識があれば流石にどちらかが気づいたと思う(……単にど忘れしていたか、肝心の相手に気づかなかっただけという可能性もあるが)。そうではなく、ネット上の交流で接点のある人々のように思えてならない。
話題が、ものの見事に最近の本格ミステリに関することばかりなのだ。本格ミステリ大賞とか密室本とか祥伝社文庫の「まほろ市」競作とか。自分たちの話もそっちのけで、彼らの素性を探り当てるヒントは出てこないかと、こっそり話に耳を傾ける。が、幾つか鍵となりそうな条件は掴めたものの、どうやら我々と直接の交流はない層が主に話をしていたようで、特定するための材料は掴めず。あまり長居しすぎるのもアレなので、適当なところで切り上げた。
……あとにして思うと、粘って解らなかったのだから、去り際に遠慮なく訊ねてみれば良かったのだけど。もしここを御覧の方で、「それ私たちと違うか?」と確信した方がありましたらご一報ください。これで『性善説』のほうは表紙・イラストの出来待ちとなったので(ってもその殆どは結局私が描くんだけど)、心置きなく優先的に自分の漫画の続きを作る。
……しんどい。想像以上に。
当初、コマ割り通りに原画を張り合わせた1ページ分のpsdデータを作り、文字だけIllustratorで載せるつもりだったのだが、Photoshopでは原画を縮小する際に数値入力で細かく調整することが出来ず、コマ同士が重なっている箇所の処理がかなり面倒臭い。というよりは、私がその手の作業に関してはIllustratorで完全に慣れているために、思考の切り替えが出来ないのだ。
そこで急遽、最初に考えていたスタイル――コマの中の絵のみPhotoshopで別々に加工し、それをIllustratorの「配置」機能で並べて、枠やフキダシは全てIllustratorで作成する、という方法に戻した。これもまた手続は煩雑になるのだが、ベクトル画像中心になるため線から極力ドットを排除することが出来、仕上がりは断然綺麗になる――はず。その分結構手間は増えて、余計に完成が遅くなりそうなのだけど。とまれ。
そんなこんなで、この修羅場にまた新しい方法を模索し始めてしまったので、結局昨日の『ザ・プロフェッショナル』の感想は書けずじまい。明日以降に何とかします。……職場で書くか。もう一つの短篇にも着手しなきゃいけないんだけど。あ、『性善説』掲載作家のラインナップは中旬以降に公開します。
2002年07月08日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020701~.htm#Day08職場で『性善説』用の挿絵や表紙の下絵だけでも描き上げよう、と思ったら、消しゴムを入れたケースを家に忘れてきてしまった。このケースには何故かPHSとノートPCを繋ぐためのケーブルにUSBを利用したLANケーブル、それにイヤホンまで一緒に入っている。よって、職場でメールチェックすることも心置きなく音楽を聴くことも出来なくなってしまったわけで。
……結果、思いがけず懸案の短篇小説が捗ることとなった。ついでに、『ザ・プロフェッショナル』の感想もとっと仕上げてしまった。粗筋も感想も簡潔に済ますつもりがふつーに書き込んでしまったし。ともあれ感想はこちらからどーぞ。本日のお買い物
1,アンドリュー・クラヴァン『愛しのクレメンタイン』(創元コンテンポラリ/東京創元社)
2,乙 一『GOTH リストカット事件』(角川書店)
それにしても某取次は腐り果ててないだろうか。もう発売しているはずの幻想文学、行き付けの書店に定期講読で注文を出しているのにいつまで経っても届かない。どうも取次の検索システムで探しても見つからないらしく、店長が「まだ出ていないんじゃないの?」と言うので取り敢えず待つことにしたが、夕方別の店に行くと棚に面出しで並んでいる。また、書籍だから部数が少なく配本がないのでは、と言われ事実Webでも地方では全く見つからないらしい2が、夕方幻想文学を見つけた店ではワゴンの上に六列も平積みになっている。こういう偏向が草の根的な読者を逃がしているのだと少しは認識して欲しいのだけど。
ちなみにその夕方訪れた店では、講談社ノベルス新刊の平積みの上に、既に発売から半月ほど経過した、官能小説の新書をたった5冊ばかり乗っけて売り時を逃すような真似をしていた。いちおうレジの女性に指摘しておいたが対応する気配なし。いやもう、呆れてものが言えませんです。
――気を取り直してお買い物解説。1は東京創元社で新たに創刊した文庫シリーズ「創元コンテンポラリ」第一弾より。サスペンスの名手クラヴァンによる現代版シンデレラストーリーだそうな。何故か邦題に強く惹かれて前々からチェックしており、今日漸く店頭で発見したので購入。
2はそんなわけで乙一初の単行本……が、上記のような状況では却って仇になっているとしか思えないのだけど。内容はさておき、非常にカバーの掛けづらい装幀です。表じゃなくて、裏の所為でね。
2002年07月09日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020701~.htm#Day09外でカラスが会議を始めた頃に漸く就寝する毎日。なにひとつ細かいことは書いていられない現状。挿絵待ち三件。うちひとつはこの同人誌で唯一、原画を預かってこちらでスキャンするものなのだが――到着予定が近いこの時期に台風襲来。それだけが不安。
本日のお買い物
1,山口雅也『13人目の探偵士』
2,倉阪鬼一郎『青い館の崩壊 ブルー・ローズ殺人事件』(以上2冊、講談社ノベルス/講談社)
3,『こみっくパーティー(5)』(RAPORT COMICS/ラポート)
4,『幻想文学64 特集・幻獣ファンタスティック』(アトリエOCTA)
1は10年振りに判型の変わった、キッドピストルズ第二作――というのを購入後自分の蔵書データを眺めて久し振りに認識する。この人がいなければ西澤さんのあの作風も存在し得たか解らないのだが某氏は御存知なのかどうか。
2は倉阪さん久し振りの著書――っても半年しか経ってないのか。『白い館の惨劇』以来のゴーストハンターシリーズでもある。
3は飛ばして、4は昨日「どーして入らないのだ」と言っていたそれ。どうやら、定期講読で流していても注文扱いで受理されているようで、その為に発売からこれだけのブランクが出来てしまったらしい――変なの。
2002年07月10日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020701~.htm#Day10いっときは完璧に諦めていた相方単独の短篇(ただし10枚)も到着し、文章はほぼ完全に出揃う。あとは自分でイラストを描いて、デザインと校正をしつつ残りのイラストが届くのを待つばかり。……簡単に書いてるけど結構な仕事量だよなあ……。空が白々と明るんでから眠るというのを繰り返していたら流石に寝不足気味でそろそろ限界間近。印刷所の締切はもーちょっと残っているとは言えあと一週間も続いたら流石に倒れるかも知れず。……微妙な線だ。
本日のお買い物
1,さだまさし『落談まさし版 三国志英雄伝』(文春文庫/文藝春秋)
2,北山猛邦『アルファベット荘事件』(My文庫/白泉社)
1はさだまさし氏が昔、ラジオ番組の企画として毎週行っていた落談『三国志英雄伝』を、そのままの形で文章化したもの。親本は1984年とこちらもかなーり昔に発行されたものだが、恐らく幻冬舎での書き下ろし小説の好評を受けて復刻されたのだろう。ちなみに幻冬舎からは近々、『精霊流し』に続く小説第二弾が発売するそうです。『水底の町』などがモチーフになっている模様。
2は何と北山氏今月二冊目。あとがきによると、元々匿名でWebに掲載されていた作品だそうで、デビュー以前にそれを発見された担当氏(……って、あの方だよな……)に声をかけられ、大幅な改稿ののち出版の運びとなったそうな。
ところで今回のMy文庫、ほかに創元推理短篇賞佳作受賞者の伊神貴世氏の第1長篇なんてのもラインナップされている……そちらは迷った挙句ひとまず見送ったがあとで買うかも知れず。色々と思うことはあったがちと口を噤んでおこう。ともあれ、明日には『性善説』掲載作家を公表しようかと思っております。お楽しみに。挿絵の方は、まだ届いてないので果たして発表して大丈夫なのか不安なんだが。
「diary」への感想はこちらからお寄せ下さい。深川が空を飛びます(飛ばねえって)。
誰か活力をください。
2002年06月下旬
2002年07月中旬
Past
nowadays
toppage(with frame)
toppage(without frame)