帯状疱疹後神経痛とは
帯状疱疹は水ぼうそうのウイルスが原因で、免疫力が低下すると再活性化し神経に沿って炎症を起こします。 神経細胞は再生されにくく、皮膚症状が治っても痛みだけが残ることがあります。これが「帯状疱疹後神経痛」です。
1.死亡するまでに1/3の人が帯状疱疹にかかります。80歳以上の半数が帯状疱疹の既往があります。2.帯状疱疹患者の20%が90日後にも痛みがあります。すぐに改善をせずとも80%は治癒します。
3.50歳以下の人の帯状疱疹後神経痛に移行するのは2%。(自分は残念ながら残りました)
高齢者は予後が悪く、80歳以上の場合30%に痛みは残ります。
手や額(三叉神経第1枝の領域)に帯状疱疹が出た場合について
帯状疱疹が「手」や「額」に出た場合は、特に注意が必要です。これらの部位に発症すると、症状が長引いたり、回復しても後遺症が残ったりすることがあります。
● 手に出た場合
とくに利き手(右利きの方は右手など)に出た場合、痛みが落ち着いても「しびれ」が残ることがあります。このしびれのせいで、字を書いたり、お箸を使ったりすることが難しくなることがあります。また、痛みのために指を動かさなくなってしまい、関節がかたくなる(拘縮)こともあります。
● 額に出た場合(三叉神経の第1枝の領域)
額に帯状疱疹が出た場合、見た目の発疹や痛みが落ち着いても、「目に違和感がある」と感じる方が多くいます。これは神経の影響によるもので、放っておくと症状が長引くこともあります。
このような症状が出たら
早めの対応がとても大切です。
皮膚科または内科を受診された後は、できるだけ早く「ペインクリニック(痛みの専門外来)」を受診してください。早期の治療が、後遺症を防ぎ、日常生活への影響を減らすことにつながります。
院長自身の体験
平成14年8月に左胸部、平成19年10月に左殿部で帯状疱疹を経験。 チクチク・ピリピリ・焼けるような痛みやしびれを体験し、患者さんの辛さを理解しています。
当院で行う治療
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神経ブロック:痛みの部位に応じて (必要に応じエコーガイド下で行っています)
- 顔面・頚部・腕:星状神経節ブロック、眼窩上/下神経ブロック、おとがい神経ブロック、浅頚神経叢ブロック、深頚神経叢ブロック、橈骨神経ブロック、正中神経ブロック、尺骨神経ブロック
- 肩関節:肩甲上神経ブロック
- 胸部・腹部・腰部・下肢・殿部:硬膜外ブロック、傍脊椎神経ブロック、腰部神経根ブロック、坐骨神経ブロック
- 赤外線治療:エクセル、スーパーライザによる深部照射で血流改善・細胞・自律神経の活性化
- 投薬:リリカカプセル、タリージェ、トラムセット、トラマール、ツートラム、鎮痛剤、抗うつ剤(デュロキセチン、トリプタノール)、漢方薬、ノイロトロピン