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5.構図について

 モチーフを風景に求めるのが風景画です。風景画は実景の模写ではありません。素晴らしい風景に出遭ったとき、その感動をキャン バスに表現するためには、必要とあれば画面を思うように再構成してよいのです。 電柱が邪魔なら消しても良いし、枝ぶりが寂しければ書き足しても良いのです 廃船
 ただし風景というからには、その構成要素のそれぞれに存在感があり、それらが実景らしく調和し、構成されていなければなりません。 例えば遠近法に則った配置も重要です。さもなければリヤルな風景として受け入れることができなくなります。
 さて構図を良い方向に再構成するポイントについて一考してみましよう。 よい構図にするための初歩的なレベルでの原理原則はいくつ かあります。 例えば、まず主題を明確にする。何を書きたいのか、何を見て欲しいのか、の主題が決まったなら、それが中央にくるよう に配置します。写真のレンズを向けるのと同じ考えです。 主題のほかに副主題が用意されることもあります。その場合は、親子二人連れをカメラに収めるときの様に、主と副のバランスを考えて レンズの中心を決めることになります。
 初心者が冒し易い過ちは、主題を曖昧にすることです。風景の視野に飛び込んでくる構成要素のどれもが捨てがたくて、いろいろと全部 を書き込むと主題がボケてしまいます。 主題が明確になったら、それを主役らしく丁寧に書き込むことです。
 しかしより複雑で高度な作品での構図のよしあしの判断には、初歩的な原則では答が出ません。高度な直感力が必要になります。この 能力は、制作経験や名画鑑賞などを積み重ねることによって身につけていく以外に道はないようですが、それが私にとっては、もどかしく 感じる点でもあります。高度で厳然たる原理原則があって、あとは自分の工夫と考える力で、よい構図にたどり着けるものであって欲しい ものです。
2006/7/20

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