私のポータブルオーディオ機器はオリンパスのVioce-Trek V40です。オーディオ機器と言うよりは会議用録音機というべき機種ですが、MP3ファイル再生機能も持っていますし、単なるUSBメモリーとしても使えるのでいつも携帯しており、その関係で外ではこれで音楽を聴ています。ヘッドホンははカナル型のER−4sを常用しています。ポータブルオーディオ用にはいささか高級すぎる感はありますが、遮音性が高くどんな環境でも音楽に集中できるというのは、他の何にも替え難い大きな利点です。
ただER−4sはインピーダンスが高く(100Ω)音圧感度も高い方ではないので(98dB/mW)、V40では今ひとつ音量が足りません。そのため、ブースター用のアンプが欲しくなるわけですが、前に作ったCMoyアンプが予想以上に良かったので、V40用のミニヘッドホンアンプとして、再び製作することにしました。
製作は2006年。第22作目のアンプとなります。
回路図を右の通りです。見ての通りオリジナルのCMoyアンプを踏襲しています。変更点は入力抵抗を10kΩに、入力カップリングコンデンサを2.2μFしたことで、これはバイポーラ入力のオペアンプでも使えるようにするための対応です。
オペアンプは最初はNJM4580DDを使っていましたが、歪み率測定の結果を受けてLM4562に変更しました。
回路はサンハヤトの万能基板ICB−91に実装しました。
ケースはタカチの電池ボックス付きプラケースRG−105Sです。
V40はマジックテープで固定出来るようにしました。V40の背面は電池ボックスの微妙な出っ張りがあり、収まりが悪いので、フェルトテープを貼って電池ボックスの出っ張りが収まるようしてあります。ただフェルトの色の選択を誤ったせいか、V40を外したときのルックスはイマイチで、これはちょっと失敗でした。
サイズがV40に比べてかなり大きく、存在感を主張するアンプになりました。何とかポケットには入るサイズです。音質については、回路がCMoyアンプそのものなので、特筆すべき点はありません。十分満足な音質で鳴っています。むしろMP3のような圧縮処理やビットレートの影響の方が気になるので、アンプの方はそれほど神経質になる事はないと考えています。
外出時の定番オーディオ機器として大活躍です。ただ使ってみるとやはりサイズが大きすぎます。そのうちもっと小型化した、第2作目を製作したいと思っています。