物語の始まり
驚きの出会い
スタジアムに着いたはビサイド・オーラカの控え室に走った。
「お兄ちゃん!!」
ティーダの名を呼びながら控え室のドアを開ける。
「!?お前ってヤツは何処に行ってたんだ!!」
「うっごめんなさい」
「お前の所為でユウナやオーラカの皆に迷惑が掛かったんたぞ」
「ティーダ、そんなに怒らないであげて。
私も大丈夫だったしチームも勝ったんだよ。ねっワッカさん?」
「おお、そうだぜ。勘弁してやれ」
「二人がそう言うなら」
ティーダがそう言うとユウナはニッコリと笑いに質問をする。
「ちゃん、それでアーロンさんは見つかったの?」
「もちろん。あっ置いてきちゃった・・・・・」
「・・・・・お前は何をやってるんだ」
ティーダの言葉を無視したは
「大丈夫だって。お兄ちゃんがここにいる事は言ってあるし」
「アーロンさんかー、ねえちゃんアーロンさん元気にしていた?
もし会えたら私には10年振りなの」
「10年ぶりなの?そう言えばアーロンさんもユウナさんの事を言ったら懐かしそうにしてた」
「ほんとう?嬉しいな」
「さあさあ、お話はここまで観客席に行くわよ」
ルールーがとユウナにそう言うとワッカが
「いいじゃないか?まだ時間はあるぜ」
とルールーを止めた。
「ワッカ・・・・少しは休憩しなさい。ティーダ・・・・頼んだわよ」
「任しといて」
ティーダはそう言うとワッカをベンチに寝かせてマッサージを始めた。
ルールーはその姿を見て安心したように先に客席に向かったユウナ達を追った。
「ワッカ・・・・此処痛いだろ?」
「イッ・・・・まあな、だけど後一試合だから何とかなるさ」
「でも・・・・・」
ティーダはワッカの体が悲鳴を上げているのが手に取るように判った。
「前半休んでろよ。俺が大量点を取るから」
「・・・・いいのか?すまん」
「へへまあ大船に乗った気で見てろって」
ティーダはそう言って笑うとドアを開けて廊下で二人の様子を窺っていた
オーラカメンバーに声を掛けた。
「皆!!そう言う事になったからヨロシク!!」
オーラカメンバーはティーダの言葉に頷くと口々に気合の言葉を言い始めた。
チームの気合も最高に乗ってきた頃、決勝戦15分前のアナウンスが入った。
「それじゃあワッカは此処で見ていてくれ」
「ああ頑張れよ。皆も慌てずにいつも通りにやるんだぞ」
「はい!!」
「コーチ見ててください」
メンバーは口々にワッカに誓った。
*****
前半戦は一進一退を繰り返したがティーダの活躍で1対1の接戦となっていた。
「うーんやっぱり優勝候補は強いな」
「そうなの?わたしブリッツてビサイドでしか見た事ないから・・・・」
ティーダの活躍に少し興奮したユウナはそうに言う。
「ふーんそうなんだ。ルールーもそうなの?」
「そうね、いつもワッカ達の話を聞いてただけだわ」
「もったいないなー。ストレス発散できるのに」
「無理よ。ユウナは召還士になる為の勉強があったし、そんなユウナを残して応援に行けないもの」
はその言葉にルールー達の生活が自分と違いシンに怯えながらの
生活だという事に気付いて、”しまった”という顔をした。
「いいのよちゃん。でもこんなに楽しいのが分かってたら休んで応援に来れば良かった」
ユウナの言葉にルールーは少し目を細めたが何も言わなかった。
そんな三人にキマリが声を掛ける。
「ティーダがボールを持った・・・・」
「あっあの体勢は『ジェクトシュート』だ」
とユウナの声が発せられた同時に、ティーダのシュートが相手ゴールに突き刺さった。
「やったー!!」
「あれがユウナの言っていたシュートなの。凄いわね」
スタジアムもティーダが放った大技に興奮に包まれた。
そして前半終了となり選手達は控え室にと消えた。
「わーんオーラカのメンバー頑張ってるね。ユウナさんこれなら勝てるよ」
「ちゃんもそう思う?これでワッカさんが出れてたら最高なのにね」
「そうだね、もう少し点差があったら何とかなったけどやっぱり手ごわいしね」
そんな二人にルールーが声を掛ける。
「二人とも皆の激励に行かないの?」
するとは
「私は止めておくの。お兄ちゃん結構、ナーバスになってるからいつも試合が終わってから声かけてたの」
「じゃあ 私もそうする。ルールーは?」
「二人がそうするなら私だけ行くのも気がひけるから終わったら皆を褒めてあげましょ」
「「うん」」
とユウナはルールーの言葉に笑顔で頷いた。
それから10分程して後半戦が始まった。
後半、ルカ・ゴワーズはティーダを徹底的にマークして彼はボールをシュートまで持ち込む事が出来なかった。
「うーんもう一人シュートが出来る人がいたらなー」
やはりオーラカのメンバーとゴワーズのメンバーでは力の差が歴然としていた。
それでもなんとか点を取られずに試合時間も残り10分になる。
「ユウナさんもうちょっとで勝てるね」
「うん・・・・皆、頑張って」
とユウナは祈るような気持ちで早く試合終了になるのを待っていた。
しかし敵もこのままでは終われないとばかりにオーラカのゴールに攻め込んでくる。
メンバーの疲労の色も濃くなっていた。
見かねたティーダはタイムを取りメンバーを集め何か言うとプールからいきなり消えてしまった。
「えっ!?どうして?お兄ちゃん怪我でもしたのかな」
「ティーダが?そんな事はないと思うけど」
二人が不安げにプールを見つめていると扉が開き誰かが出て来た。
その姿がオーロラビジョンに映し出される。
「ワッカさん!!」
「ちゃん、やっぱりティーダ、怪我したのかな」
ユウナは慌てて立ち上がり控え室に行こうとした。
「待ってユウナさん。きっとお兄ちゃんは大丈夫」
「でもちゃん・・・・・」
「ワッカさんこれで引退するんでしょ?
勝っても負けても悔いが残らないようにって、だってチームを引っ張って来たのはワッカさんでしょ」
「うん・・・・・そうだね」
「じゃっ私達も気合を入れて応援しよう」
ユウナとは盛り上がってきた観客達と同じように声を張り上げた。
*****
試合はワッカ達の頑張りでビサイド・オーラカが初優勝となった。
ユウナとも抱き合って喜んだ。
プールの中でもオーラカメンバーが抱き合って喜んでいてそこにティーダも加わった。
そんな喜びムードが一転、大きな悲鳴で惨劇に変わる。
「シンのコケラだ!!」
観客席にいた人々は客席を逃げ惑った。
「ユウナ!!」
「うん、ルールー、キマリ行こう」
ユウナはルールーに頷くと
「ちゃんは何処か安全な所に隠れてて」
「待って、私も行くよ」
「駄目だよ。ちゃんに何かあったらティーダが悲しむよ。大丈夫、私達に任せといて」
ユウナはにそう言ってルールー達の許へと走って行った。
「ユウナさん・・・・」
は手伝えない自分をもどかしく思いながらプールの中に居るはずの兄を探した。
するとそこではワッカとティーダがシンのコケラと戦っていた。
「お兄ちゃん!!」
は慌てて駆け寄ろうとしたが、そのの目の前に小さな男の子が現われた。
「えっ!?」
「待って、ティーダ達は大丈夫だから。それより君に選んで欲しいんだ」
「選ぶ?」
「そう・・・・君にはある力がある。その力を使うかそれとも使わないでいるか」
「待ってよ!力ってどんな力なのよ私には何の事かさっぱり分からない」
「君はスピラに来て魔法が仕えるようになったでしょ。
でも君の力はそれだけじゃない・・・・君は召喚獣を呼び出す事が出来る」
「召喚獣!?それってユウナさんと同じ召喚士の能力が有るって事?」
「そう・・・・君は祈り子の間に入らなくても祈り子を呼べる」
「そんな・・・どうして?そりより何で君がそんな事が分かるの?」
「僕はずっと君を見守って来たから、そしてこのスピラに君を呼び寄せたのも僕だから」
「よく分からないよ・・・・」
「ごめん・・・・時間がないんだ。
僕の力はまだ少ししか使えない。君が思い出してくれたら」
男の子はそう言うとの前からスッと消えた。
「消えちゃった・・・・一体何なの?」
呆然としているの目の前にシンのコケラが現われた。
「!何をボーっとしている。死にたいのか」
「アーロンさん!」
アーロンはに襲い掛かろうとしたコケラを一刀両断にした。
「馬鹿!!ボーっとしていてはここでは死を意味するぞ」
「うん・・・ごめんなさい。私、何がなんだか解らなくて」
泣きそうなの顔を見てアーロンが何かあったと察して声を掛けようとした時
階段を駆け上がってくるティーダの声が聞こえた。
「!アーロン!!」
「お兄ちゃん!」
「二人とも何やってんの!ここはやばいよ早く出口へ」
しかしそれは容易な事ではなかった。
シンのコケラが次から次へと襲って来るのだ。
「ワッカ、を頼む。おいアーロン、文句は色々あるけど今はこいつ等を片付けるのが先だ。しっかり頼むぜ」
アーロンはその言葉に”フッ”と笑っただけだった。
二人は次々とコケラを倒したがコケラは何処から沸いてくるのかキリが無かった。
「ワッカさん」
「ちゃん大丈夫だ。二人は強い」
「うん・・・・・」
そんな二人の前にもコケラはやって来る。
「後ろに下がっててちゃん」
ワッカはを下がらせてコケラに攻撃し撃退した。
どれくらい戦っていただろうか・・・・。
突然スタジアムの上のほうから大きな咆哮が聞こえた。
「何?何の声?」
がその声の聞こえる方に目を向けると、見た事のない大きな悲しげな目がを見つめていた。
「アレは何?」
「あれはシーモア老師の召喚獣アニマ」
アーロンの言葉には言った。
「私・・・・そんな召喚獣は知らない・・・・」
「?」
の言葉に疑問を感じながらティーダは昏倒してしまった妹を支えるのだった。
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