トピックス6 <我が家の栽培環境>
2006. 2. 12

<ブログ/2006年1月22日からの抜粋>
1週間ほど前になるでしょうか、ホームセンターで「温湿計」と「pH 測定紙」を購入しました。早速、手始めに溜め置きしている水と水道水の pH を測定してみたのですが・・・。溜め置き水は「pH 7.0 〜 7.2 前後」と予想通りの結果だったのですが、
「水道水」の pH が何と「7.8」! 場合によっては 7.8 を超えている可能性も! ここまでくると弱アルカリとは言わないですよね。 沖縄の水道水がアルカリ性だということは以前から知っていたのですが、こんなにアルカリ性だとは、正直驚きました。実は私の場合、パフィオは溜め置きしている水で潅水を行っているのですが、実家のカトレアは水道水で潅水しています。何故か実家のカトレアは蕾がしけりやすいのですが、あるいは水道水の pH の影響でしょうか。 とにかく驚きました。そしてもう1つ。 正直に申しますが、花芽付きの株に関して溜め置きの水が無くなった場合、直接水道水を潅水に利用することが多々ありました。
パービ系(malipoenseFanaticum(fanaticum x micranthum))の花芽がしけったのはその影響でしょうか。 このテストペーパーは水槽の水質検査用ですが、「pH が 7.8 を超えると熱帯魚にとって危険域」という注意書きがあります。動物の生死に関わる水が植物に良いことはありえない筈。 もっとこの事実を早く知っておけば・・・、深く反省しています。この測定器の購入でいろいろな事がわかってきました。続きは明日。

<ブログ/2006年1月23日からの抜粋>
昨日の続きになりますが、先日購入した「温湿計」と「pH 測定紙」によって我が家の栽培環境が徐々に明らかになってきました。沖縄の水道水のアルカリ性についても驚いたのですが、それ以上に驚いたことがあって・・・。 添付した画像は
「1月14日(土)午後12時」の室内の気温と湿度です。ちなみにこの日が温湿計を購入した日。・・・、うーん、花芽付き株を置いている場所が、まさかこんな環境だったとは! 室温 34℃もさることながら(もちろん換気のために窓を開けています)、湿度が 35%。 いえ、1月の窓際の気温が 34℃というのも何気に凄いことではあるのですが、とにかく湿度の低さに驚きました。沖縄って高温「多湿」じゃなかったでしたっけ? ちなみにこの日は確かに晴れてはいたものの、雲はありましたよ。 正直、「空気が乾燥しているな」という感じはしませんでした。窓際だからでしょうか? 今に思えばこの場所にブラキを置いていて正解です。シグマト系を置いていたらかなりのダメージをうけていたことでしょう。

<ブログ/2006年1月24日からの抜粋>
これからお伝えするデータが現在の我が家におけるパフィオの栽培において1つの糸口になるかどうかはわかりませんが・・・。 先日、水道水と溜め置き水の pH 測定を行ったのですが、その後、溜め置き水(水道水の利用は止めました)を潅水した際に鉢底から流れ出る水の pH 測定を順次行っています。

・Paph. Mazinger・・・植え込み資材は日向土+腐葉土(我が家のスタンダード) → 7.0 〜 7.2
・Paph. Chiara・・・望月蘭園から購入直後で沖縄での潅水はこれが初めて。 植え込み資材はクリプトモス+水苔で私が最も苦手とする植え込み資材 → 7.0 〜 7.2
・Paph. Fanaticum・・・大和農園から購入(植え替えはしていない)。兄弟株は既に花芽がしけった。植え込み資材はバークを含むミックスコンポスト → 7.2 〜 7.4
・Paph. Fumi's Delight・・・フジさんから購入後、先日日向土+腐葉土に植え替えたばかり。 ただし株元はフジさんのミックスコンポストをそのまま残してある → 7.0 〜 7.2
・Paph. James Bacon・・・植え込み資材は日向土+腐葉土。 
2年以上植え替えをせず、やや生育が悪い。→ 7.2 〜 7.4

上の測定は鉢の表面が乾いている状態、すなわち「いつものタイミングで潅水を行う時」に測定しました。・・・、測定紙は正確な pH の測定はできないですね。 変色した紙と測定用のカラーをじっと見比べましたがあまり良くわかりません。 ただし、どの株も酸性を示す測定結果は得られませんでした。
つまりどの株も鉢底から流れ出る水はアルカリ性です。当然と言えば当然。 何故ならば溜め置きしている水そのものが弱アルカリ性(7.2 前後)だからです。今回の各株の測定時に改めて溜め置き水を測定してみましたが、やはり弱アルカリ性でした。私としては何年も日向土を植え替えていない James Bacon が他の株と比べて違いが出るのかなと思っていたのですが、特に変わらず。 と言うよりも pH 値が 0.2 とか 0.3 程度異なることの意味が良くわからないという事もあります。今回の結果を得て、正確な pH を測定するための高価な電子機器は特に購入する必要は無いと判断しているのですが・・・。

パフィオを栽培する方は充分御承知の事と思うのですが、他の蘭とは違ってパフィオは特に蘭園さんによって植え込み資材が異なります。しかもそれぞれの蘭園さんが非常に素晴らしい株作りをしているので、余計に「植え替えをして、かえって調子を崩してしまうのでは?」というためらいが何度もありました。しかし我が家の溜め置き水は弱アルカリ性だということを再認識することによって、各蘭園さんから購入する苗はやはり適期に植え替えすべきだと実感しています。もう、これからは水道水を直接パフィオの潅水に使用することはしません。

さらにもう1つ。 今回の件で「フラスコ苗の馴化の悪さ」も何となくわかってきました。確か、
フラスコ内の培地は「弱酸性」の筈です。特に私の場合、フラスコから出した苗はとにかく鉢内に水を充分浸透させるため、フラスコ出しからしばらくは水道水をたっぷりかけていました。無菌状態→有菌状態、そして弱酸性→(強)アルカリ性。 フラスコから出した苗は2重のショックを受けていたわけです。つくづく、この事実を早く知っていたら・・・。しかし、次に繋がる非常に良いデータを得ることができました。


上から1年以上も経過した後、信じられない事実を知ってしまいました。詳しくは「ブログ」「2007年4月2日、3日」を御覧ください。

トピックス5 <使用しているデジカメ>
2005. 6. 9

先週の宅建主任者登録申請の際、証明写真用に「カメラのキタムラ」に久しぶりに行ったのですが、その商品ディスプレイに驚きました。ずらーっとデジカメばかりが並んでいて「一眼レフ」はショーケースの中。 今の御時世、もはやレコード盤のような位置づけになっているのに少々驚きました。でもそうですね、私もホームページを開設してはっきりと認識したのですが、デジカメはピンボケなどの画像を現像することなくすぐに消去できること、撮影してから焼付けのタイムラグが無いこと、写真を保管する場所が必要ないことなど、その利点は非常にありがたいものです。店員に現在の画素数を尋ねたところ、「当店では最高 720万画素数まで扱っている」という御返事。 私が使用しているデジカメは「Canon IXY DIGITAL 500」で 500万画素(2592 x 1944)ですから、約 1.5倍にまで画素数がアップしていることになります。今後もどんどん各機能と合わせてアップしていくことでしょう。 今日書いていることも来年読み返してみると、「1年間でさらに機能がアップしたな〜」と思うのかも?

ただ、あまりに画質が良すぎるとパソコンへの取り込み時間が長くかかることになります。細かい話は省略しますが、私は「
1600 x 1200」で撮影してパソコンに取り込んだ後、ページの構図に合わせて圧縮していてこれで充分だと感じています。このデジカメの性能からすると画素数をかなり抑えており機能を有効活用していないわけですが、この画質でパソコンに取り込む時間が1枚につき 1.0〜 1.5秒。 それもパソコンの購入が昨年で性能自体がまぁまぁ良いからであって、パソコンの性能が落ちると1枚につき2秒以上かかります。今年の「海洋博蘭展」の直前までもう1ランク上(2048 x 1536)の画素数で撮影していたのですが、もしそれで撮影していたら取り込み時間がとんでもないことになるところでした。もちろん、この話もパソコンの日々の性能アップによって「こんな事を書いていたんだ〜」と笑って読み返す日がすぐに来ると思いますよ。 ちなみに現在の画質でも A4サイズで充分クリアな印刷をすることができます。

1回で撮影できる枚数からしても現在の画素数がベストですね。 フラッシュの使用頻度によってかなり変わりますが、フラッシュ無しだと 140枚前後は撮影可能。 これが1ランク上だと 70枚前後にまで下がってしまい、近場の撮影だと問題ないものの遠距離での撮影は予備チップを持っても足りないという状況になってしまいます。海洋博蘭展は予備チップも準備して現在の画素数で撮影しながら、1回目は入賞花の全てさえ撮影できず。
 結局3回行きましたから枚数で言うと 800枚以上は撮影しています。その中で掲載できたのは 164枚。 通常の一眼レフではこういう撮影はとてもできません。 ただ、現在のところはこれ以上画質を落とすということは考えていません。 通常の草花ではなく開花まで何年もかかる蘭であるからこそ、できる限り良い構図、良い画質、そして下に書いてあるカラーパネルをふんだんに利用して悔いの無い撮影を心がけています。


実は学生の頃は重い一眼レフを抱えて登山をしていた世代です。その頃の記憶が懐かしくて良い思い出として残っているので、正直、デジカメの使用は抵抗がありました。CD の音がレコード盤にかなわないように、デジカメの画質は到底一眼レフに追いつかないと思っていたのです。現在もその思いは変わりません。 先々月、祖母の米寿のお祝いの際には親戚一同が集まって記念写真を撮りました。撮影前の立ち位置や服の乱れの直しに要する慌しさ、、そして「はいチーズ」という掛け声とともにスタジオ内に響き渡るストロボ音はやはり楽しいものです。


トピックス4 <赤い花>
2005. 4. 18


私が住んでいるアパートの3階から電線越しに赤い花が見えました。沖縄県の県花「デイゴ」です。マメ科デイゴ属で、沖縄県の県花であるものの、なかなか大木を見ることができません。 開発が進んで木姿そのものを見ることが少なくなりました。おそらくこの木も都市計画道路によってその姿をなくすことでしょう。

少し近くによって撮影を試みたところ、たった 50m以内に赤い花が3種類も咲いていることに偶然気づいたのでこんなページを作ってみました。蘭の花ではありませんが、たまにはこういう画像も良いのでは?

続きはこのページを御覧ください。いろんな「赤」がありますがデイゴの「真紅」はその鮮やかさが際立っていることがおわかりいただけると思います。






トピックス3 <カラーパネル>
2005. 3. 21

<2005年2月14日からの抜粋>
昨日、ホームセンターで発砲スチロール製カラーパネルを買ってきました。左の画像がなにかと言うと、手前の薄いブルー、奥のモスグリーンの2枚を利用して花の撮影を行うということです。もともとは蘭を置いていたキャスタ−ですが、やはり下方になるにつれて日照不足で苗の状態が悪くなったためにずっと使わないままでいました。それで写真撮影用に利用しようと思い立った訳で、車輪がついているのも今となっては非常に便利です。

カラーバネルの色はホームセンターに出向いてから随分悩みました。ビニカラーのような色が濃い花、そしてブラキのように白色系の花を撮影するために2色買うのは最初から決めていたのですが、例えば薄いブルーに決める前にも、完全な白色にするか考えました。さらには、おそらく我家でもフラスコ出しをしたビニカラー系統の苗がいずれ多数開花していくと期待しているのですが、濃紫色をより際立たせるのは「同系色」の色調なので薄いピンクにするかどうかも考えました。最終的にポリアンサ系のような茶褐色系のことも考えて薄いブルーに決めました。

さらに悩んだのはモスグリーンのパネルです。黒にするつもりは全くありませんでした。黒は光を吸収しすぎて本来の色よりも沈んだ色調になります。ちょうど Emma Decker のような「黄色系」の花が開花しているので、それを念頭に置きながら濃いブルー、エメラルドグリーンなどを見比べました。またカメラの「照度」はグレーを基準にしていると聞いたことがあるのでそれにしようかとも思いました。ただ、どう考えても白色形ブラキのバックがグレーでは輪郭がぼやけてしまいます。黄色系の花とコントラストがきつくなり過ぎないモスグリーンに決めました。

早速、今日の Emma Decker はモスグリーンのパネルを用いて撮影しました。具体的には、奥の窓に背を向けて座り、カラーパネルと自分の間に撮影用テーブルと株を置き、窓からの光を利用して撮影しています。ちょうど東南向きなので午前7時半でも撮影可能です(もちろん晴れている場合です)。また、カラーパネルからの反射光もあるのでこれまでよりもずっと撮影が楽になりました。

と言うわけで、長い間お世話になったこの「座布団」ともお別れです。結構この色がお気に入りで、ホームページに掲載している画像も多々、この座布団をバックにした株があります。古くは Otogozen、最近は Shin-Yi Fireball もこの座布団を使用しました。これまでは中央の縫い目が何とも邪魔でしたが、いざ使わないとなると何か名残惜しい気もします。


もちろん2005年3月現在もカラーパネルを活用しています。花の撮影をする人ならば良く理解できると思うのですが、室内での撮影は風によるブレが無い、雨の日でも撮影可能という長所、そして
絶対的に暗く、花の本来の色が出にくいという短所があります。現在撮影している窓際はそういう点でほぼ理想的な撮影場所と言えるでしょう。 今のところカラーパネルの色は2色のみですが、色の選択も間違っていなかったと思います。本来ならば5色ぐらい持っていた方が良いかと思うのですが、そこまで凝る気持ちはありません。 ほとんど全ての花をこの2色で撮影できると思います。撮影機材に凝るよりも、撮影できる開花株の充実が私には先決です。


トピックス2 <現在所有するパフィオ>
2005. 3. 19

<2005年2月20日からの抜粋及び改訂>
自宅にあるパフィオの数を数えてみました。「開花情報」の株が 55(パフィオ以外を除く)、「開花を待つ花達」の株が 116 となっています。しかしその中で MO2336 の1系統 61苗(予定)を筆頭に、品種不明のブラキ系 26、MO2271が 25、MO2276が 20、Lebeau 17、S.Gratrix x sib.が6苗となっていて、6系統での苗数が 155、総数では 318株となっているようです。・・・、失敗するだろうと思って購入した CP苗、フラスコ苗が嬉しくも予想以上に生き残っているので結構大変なことになってきました。ちなみに MO2336 は3本セットの割引価格に惹かれての購入です。

しかしその中で、純粋に私自身のところで花芽が出て開花に至ったのはわずかに 14株。 ほとんどが「花芽付き」、「開花株」での購入であり、
開花した株の 26%、総数の 4.5% にすぎません。 仮に上記の6系統を除いたとしても全体の 8.4%。あらためて自分の未熟さを突きつけられた数字となりましたが無謀だとは思っておりません。 むしろ植え込み資材の手違いでいくつか苗を枯らしてしまったことに対する悔しさもあります。今後も各蘭園さんから購入をいたします。

何となく始めた数量チェックですが結構面白い目標ができたような気がします。しかし今後も、開花する株の数よりも購入する株の数が多いのは間違いありません。4月には「田口洋蘭園」さんから多数の苗が届きます。さて、トップページ「表紙」の毎月更新に加えて、総数に対する開花率がまずは 10%を超える日はいつでしょうか。



上記の中で系統別の数は今日現在の数字に置き換えています。その後というか、2005年3月現在 Macabre が開花に至ったので、私自身のところで花芽が出て開花に至ったのは
15 株です。また、植え替えの際に芯腐れの株を処分したり、蘭園さんから新たに購入した分を換算すると所有するパフィオは総数 318。よって開花した株の 27%、総数の 4.7%が私自身が咲かせたという実績になります。


<2005. 6. 27 追記>

1ヶ月の降雨量が例年の4倍以上に達した今月、小苗にその影響が出てしまいました。カタツムリによる食害も少しあるのですが、それも梅雨の長雨が間接的に影響していると言えます。1系統で複数個体を有する系統の中で、フラスコ出しを行った MO2336
13個体枯死→現数量 48(うち9個体はカタツムリの食害)、CPから鉢上げしたブラキ系2個体枯死→現数量 24、同じく CPから鉢上げした MO2271現数量変わらず 25MO22765個体枯死→現数量 15となっています。他の系統では U/R (Constant Love 'Perfect 10' x S. Gratrix 'Full Moon')、中藤洋蘭園のミクランサム(残念!)が枯死してしまいました。合計するとこの1ヶ月で 22もの苗を枯死「させてしまった」ことになります。

こういう数字を見ると CP やフラスコでの購入はまだまだ早すぎるなぁと感じます。「雨ざらしにしても平気な丈夫な株に育てよう」という環境は、やはり小苗には厳しすぎるようです。それ以前に、害虫が繁茂する環境を改善しなければなりません。

上に書いたように、以前、所有する数に対する開花率を算出したことがあるのですが、現状では枯死によって総数が減って相対的に開花率がアップすることになります。これは栽培技術が下手な結果として開花率が上昇するということであり、全く意味を成しません。中止します。


<2005. 9. 13 追記>

<2005年9月12日「ブログ」からの抜粋>
昨日の午後、重い腰を上げながら勇気をふりしぼって各系統の現在の苗数を確認してみました。CPで購入した MO2271、MO2276、品種不明ブラキの3系統、フラスコで購入した MO2336、CPから鉢上げしたばかりの「2寸苗」で購入した S. Gratrix x sib. ('Dai You Gaku' x 'Kaoru')です。これまでの処分によってトレーの中で品種が入り混じった状態になっているので、ひとつひとつ確認しないと正確な数がわかりません。

結果は・・・、以下の通りでした。

MO2271・・・購入時 29苗 → 現在 25苗
MO2276・・・購入時 20苗 → 現在 11苗
品種不明ブラキ・・・購入時 26苗 → 現在 18苗
MO2336・・・購入時 61苗 → 現在 28苗
S. Gratrix x sib. ('Dai You Gaku' x 'Kaoru') → 購入時と変わらず6苗

・・・、やはりどうしてもフラスコで購入した MO2336 の激減ぶりが目についてしまいます。私自身残念ですが、それよりも立派なフラスコを御提供くださった望月蘭園さんに申し訳なくて。 Mulyk's Macabre 'Tagara Bounty' の実生はビニカラーの中でも最新交配、しかもオリジナル! 特に毛虫の食害で 10以上の苗が被害に合ったのがなんとも情けない。 これ以上枯らさないように頑張らなくては。

一方、あらためて気づくのは MO2271 の強健さ。 昨日も書きましたが、従来の植え込み資材を使用することによって「私」の栽培管理に合っている事に加え、おそらく品種も強健なんでしょうね。 実は結構の数がリーフスパン 10cm を超え始めています。そのため余計に MO2276 の生長の悪さも目につきます。枯死率の高さもさることながら、苗全ての葉が細く弱々しい。 こちらは 'Crimson Halo' の実生。 同じく大切にしたい品種です。

シグマト系の生長の差が極端に出ているのでブラキは「可も不可もなく」生長しているように感じられます。数は減っているものの、現在の苗はほとんど全てがどんどん新しい葉を展開している状況で、おそらく来年にもいくつかの開花が見られると思います。'Dai You Gaku' x 'Kaoru' はブラキということで直射に当てた影響が悪い方向に出てしまいました。新しく展開した葉が逆に小さくなっているのがほとんど。 ただし枯死はしていません。あらためて株作りをすることになるので開花は遅れますが、同じく開花が楽しみな交配です。

少し前から気にはなっていたものの事実を認識したくなくて目を背けていた小苗の現在の状況を確認して、もちろんがっかりはしていますが、それぞれの品種特性も感じることができました。水のやり加減はおそらく一生かかっても「完璧」にはならない筈ですから、最低限、虫の食害や台風の塩害によるダメージを避けなければなりません。 昨日も書きましたが毎日が勉強です。


トピックス1 <植え込み資材>
2005. 3. 9

最初に断っておきますが、
蘭の中でも特にパフィオに関しては植え込み資材に関して個人個人によってのこだわりがあります。インターネットでの情報や知人の勧める植え込み資材を使用しても、全てうまくいく訳ではないのがパフィオの難しさ、そして奥の深さ。以下に記すことも、あくまで「私自身はこういう状況です」ということをお伝えするようなものですので、その点は充分御了承ください。お願いいたします。

<2005年2月13日雑記帳
からの抜粋>
パフィオを栽培されている方のほとんどが、独自の植え込み資材、潅水のタイミングのこだわりを持っていると思います。望月蘭園さんCPや多花性品種などはバーク単用の植え込みが多いのですが私のところでは全く駄目です。先日購入した U/R (Faan Kruger x Prince Edward of York) も非常に株の状態は良好なのですが植え替えました。知り合いの話を聞いてもバーク単用で調子が良いという話はあまり聞きません。 沖縄の水が合わないのでしょうか。 調子の良い株を植え替えるのは抵抗を感じるのですが、やはり異なる資材を一緒に管理するのは先々不安があります。フジナーセリーから購入した QuasarU/R (Ruby Peacock x Voodoo Magic)、それに一昨年に M&T ORCHIDS から購入した U/R (Magic Lantern x malipoense) なども今日をきっかけに植え替えを決めました。調子を崩してから植え替えるよりも、調子が良いうちに適期の植え替えでどんどん大きくしたほうが生長が速いという意見もあります。私は典型的な「下手の植え替え」です。
海洋博蘭展の時に「仲里園芸」さんから購入した Shin-Yi Fireball
水苔とクリプトモス(ヤシ繊維)が混ざった資材ですが、これも私の所では根腐れを起こします。鉢から抜いてみると根がびっしり回っているのですが既に根の先が止まっています。根を整理して植え替えました。
その他、
明らかに株よりも鉢のサイズが大き過ぎるものも調子の良いものはありません。 Gerd RollkeMacabreRed Glorybellatulum x sib. 、Lake Shinsei などをどんどん植え替えました。そして前々から早く植え替えようと思っていた Shin-Yi PrinceJeri Lemacks も今日で植え替えを行うことができて一安心です。もっとも安心するのは早すぎるのですが。

それともう一つ。
 土の粒が細かすぎるのも決して良くは無いことがわかりました。MO2271MO2276 、それに品種不明のブラキ系は同じ時期にCPから鉢上げしたのですが、MO2276 とブラキの方はこれまでよりも粒が細かいのを初めて使用しました。鉢上げ直後の小苗は乾燥し過ぎないように細かい粒の方が良いと思ったのです。しかもブラキ系の方はCPのバーク単用が調子良いこともあってバークも混ざっています。しかし、従来の粒を使用している MO2271 が1苗も枯れることなくどんどん新しい葉が展開しているのに対して MO2276、ブラキ系はほとんど生長していません。 それどころか芯腐れも少しですが出ました。おそらく品種の違いではないと思います。あくまでも推測ですが、土の粒が細かすぎて潅水をするたびに鉢底に圧縮され、水がほとんど抜けていないような気がします。一瞬気が滅入ったのですが、このままでは何の改善が期待できるわけでもありません。一部を確認用にそのままにしておきながら、ほとんどを従来の粒の大きさに植え替えました。こういう時、下手な冒険を冒すものではないという保守的な考えと、実際にやってみないとわからないという前向きな気持ちが交錯します。

上記以降、一刻も早く植え替えをしたいと思っていたのですが雨天続きや寒の戻りのため、結局1ヶ月近く経過してからの植え替えとなりました。知人の話ではもう1回寒の戻りがあるということですが、もう待てません。
上記の時には、調子が良くない原因についてまだ確定できない部分がありましたが、今回の植え替えではっきりしました。
粒の細かすぎる土に植えている苗が明らかに調子が悪いです。原因はだた1つ。 「水のかけ過ぎ」です。潅水のたびに土が鉢の中で圧縮されて固まっていくので、今日確認してみたらほとんどの苗の土が塊状となっていました。そう考えると、水苔植えで失敗したのも納得できます。明らかな原因がわかった以上、一部を確認用として細かい粒の状態のまま残しておく必要もないので全て従来の土に植え替えました。今回の件で生長がかなり遅れてしまうはずですが、何とか頑張りたいと思います。


2007年3月、長らく続けてきた上記の「日向土 + 腐葉土」から植え込み資材を変更することにしました。詳細は「ブログ」の「2007年 3月11日」、「2007年 3月25日」、「2007年 6月7日」に書いています。


「トピックス」目次へ戻る


トップページへ戻る