ツイスター
   監督/ヤン・デ・ボン

2005. 8. 20

実は沖縄は竜巻の発生が日本国内としては結構多く、昨年も那覇空港すぐ近くの海上で竜巻が発生しました。という事で今回はこの映画のことを。

「スピード」を見てこの監督のテンポの良さが好きになり、この映画の DVD 化を楽しみにしていました。SFXで魅せる台風の脅威とスピーディな展開は、見ていて心躍るような高揚感があります。惜しくもこの映画が公開された年は「インデペンデンス・デイ」がアメリカでの興業ナンバーワンの年で、アカデミー賞の特殊視覚効果賞もそっちに持っていかれましたが、映画の中で観客に訴える視覚効果はこちらのほうが数段上だと思います。ブレイク直前の2人の役者、というかこの映画でブレイクしたヘレン・ハント(恋愛小説家)、ビル・パクストン(タイタニック)に加え、いろんなジャンルでくせのある演技をしているフィリップ・シーモア・ホフマン(ブギーナイツ)も端役で出演しています。

見せ場は、終盤に竜巻によって「いろんな物」が空から落ちてくる所かな。まあ、皆さん御存知だとは思いますが。 結末は作り過ぎという感じもありますが、こういう映画はハッピーエンドでないと。

この映画がヒットした直後(1996年、何と9年も前ですよ。最近月日の経過をとみに早く感じます。)に沖縄で竜巻が発生したときには、そりゃあ沖縄は大騒ぎでした。実際、高台にあった駐車場の車が下方に落ちたりしてかなりの被害が出ました。逆に、沖縄ではその事によってこの映画がクローズアップされた感もあります。もしかすると、実際に竜巻を体験した人(特にアメリカ)にとっては竜巻を「美化」しているこの映画はたまったもんではないと思いますが、なにとぞ映画なので御勘弁を。


ブレードランナー(最終版)   監督/リドリー・スコット
2005. 9. 16

「最終版」から14年、最初の製作から実に23年が経過しています。しかしこんなにも色褪せない映画はなかなかありません。

「炎のランナー」でも話題になったバンゲリスの超機械的音楽、映画を通して降り続く雨、ルドガー・ハウアー、ダリル・ハンナ他が演じるレプリカントは本当に「無機質的」な感じが良く出ています。「無国籍的」な繁華街がこれまた映画に絶妙にマッチ。 ストーリーそのものは、人間のような感情を持ち始め脱走したレプリカントを追いかけるという追走劇にハリソン・フォード演じる刑事とレプリカントとのラブストーリーという非常にシンプルなものですが、とにかく微に入り細にわたり近未来を感じさせるアイテムが出てくるので面白いんです。この映画を見た人は御存知だと思いますが、映画に出てくる「ふくろう」や「蛇」などの生き物を「SFXを駆使せずに」本当に作り物じゃないんかと思わせる演出がたまりません。今ではごく当たり前ですが、音声に反応する探知機でわずかな手がかりを得る場面は映画を初めて見た当時はぞくぞくしたものでした。

それにしても監督のリドリー・スコットは只者じゃないですね。 「エイリアン」、「グラディエーター」、「ハンニバル」、「ブラックホーク・ダウン」などなど・・・。SF映画で不朽の名作と言われる「エイリアン」、「ブレードランナー」を世に送り出しました。この監督の作る映画の「静寂感」が成す緊張感は他の追随を許さないと思います。昨今の映画は映画全編にわたりSFX効果を前面に押し出すのが主流で、もちろんそれを否定するつもりはありません。 そういう映画も大好きです。しかし、この監督の独特の静寂感による恐怖感は昨今の中でも秀逸です。いまだにアカデミー賞監督賞を受賞していないのが不思議かつ残念です。



逃亡者   監督/アンドリュー・デイビス
2005. 11. 25

ストーリーで魅せる映画です。何回見ても飽きません。 この映画も「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」同様、助演のトミー・リー・ジョーンズが主演のハリソン・フォードを喰う演技でアカデミー賞の助演男優賞に輝きました。映画雑誌でもそういう講評ばかりですが、ハリソン・フォードも素晴らしい演技だと思います。彼の主演作の中で最も好きな映画です。

妻殺しの冤罪を受けたハリソン・フォード演じるキンブル医師がたった一人で真犯人を突き止める孤独な戦いと、それを追いかけるトミー演じるジェラード連邦保安官補との息詰まる捜査は、ストーリーが緻密でテンポ良く、しかも面白いので早回しをする箇所がありません。 この文章を書きながら、キンブル医師とジェラード保安官補のどっちが好きか考えてみましたが選べないですね。 時にはキンブルの立場で見たり、時にはジェラードの立場で見ます。一番好きなシーンと言えば・・・、ジェラードが会議室で捜査会議を開いていて、仲間と談笑している途中にキンブルから電話がかかってきて、一気に緊張が高まっていくところでしょうか。 ただ、全てのシーンが最後の結末への伏線になっているので頭に浮かぶシーンは多々あります。

父親に聞いた話では、この映画はだいぶ前に放送されたテレビ番組のリメイクだそうで、それとは結末が異なるそうです。最近の映画はたま〜に DVD映像特典で異なる結末を用意しているものがあってかえってマイナスになっていますが、この映画はそれも見てみたいような気がします。



ジャッカル  監督/マイケル・ケイトン=ジョーンズ
2005. 12. 8

上に書いた「逃亡者」同様、リメイク版だそうです。廉価版に惹かれて DVD を購入するまで全く知りませんでした。ただ、「ジャッカルの日々」というタイトルは確かにレンタルビデオコーナーで見た事があります。おそらくオリジナルはかなり古い製作ではないでしょうか。 FBI とロシア情報局を題材に取り上げた映画は、いかにも「70年代」という雰囲気を感じます。

ブルース・ウイリス、そしてリチャード・ギアという2大俳優が火花を散らす、という謳い文句が目を惹くものの・・・、残念ながらこの映画に関しては両者とも演技に魅力を感じません。 映画の解説ではブルース・ウイリスの冷徹無比な殺し屋役、そしていくつもの変装に注目と書いてありますが、冷徹無比な「演技をしている」のが見え見えで少し鼻につきます。決して両者の演技が下手と言うことではありませんが、ブルースに関しては「12モンキーズ」や「シックス・センス」、リチャードに関しては「プリティ・ウーマン」が強烈な印象を残していました。この DVD を購入したのもその頃はまっていた「シックス・センス」で演技をしていたブルース・ウイリスに注目したからですが、むしろオリジナル版を見てみたいという思いになってしまったのが残念。

では何故この映画を紹介するのかと言うと、実はこの映画には「ハイ・フィディリティ」で強烈な「オタク役」を演じて注目され、その後オスカー女優グウィネス・パルトローと「愛しのローズマリー」で共演を果たし、まだ見ていませんが「スクール・オブ・ロック」で主役を演じるまでに至ったジャック・ブラックがほんの端役で出演しています。何と腕を吹っ飛ばされて殺される役。 こんな役柄を演じていた彼が、今はむしろブルース・ウイリスやリチャード・ギアを凌ぐ(ファンの方、すみません!)素晴らしい演技をしている事に人生の妙を感じてしまうのです。


A. I.  監督/スティーブン・スピルバーグ
2005. 10. 5

この映画は映画評論家の方達にはかなり酷評されたようで。 要するに「スタンリー・キューブリックの遺志を受け継いで製作されたものの内容が軽くて・・・」という意見が大半のようです。しかし私はそうは思いません。 スピルバーグが作る以上「スピルバーグの映画」であってキューブリックの映画では無いのが当然。 映画に何を求めるのかが重要なのでは? 

この頃の時の人、ハーレイ・ジョエル・オスメント君(「シックス・センス」)が人間の感情を持ち始めたサイボーグを繊細に演じていて、子供の演技を引き出すのが得意なスピルバーグならではの演出だと思います。上に書いたリドリー・スコット監督の「ブレードランナー」や「エイリアン」がロボットの無機質な感じを全面に出した映画であるとすれば、この映画は「E.T.」、「未知との遭遇」でロボットのヒューマニズムを全面に押し出した、まぎれもなくスピルバーグの映画です。そして、両監督の作品のどちらも好きな私は、蘭と同じように映画が好きなんだなぁと思います。

実はこの映画の製作と少し背景が似ている漫画を読んでいます。タイトルは「PLUTO(プルートウ)」。 手塚治虫先生原作の不朽の名作「鉄腕アトム」をモチーフしにた題材を「MONSTER」の浦沢直樹さんが執筆しています。上と同じように、あるいは手塚治虫先生の熱狂的なファンからすると「え?何で?」という感情を持つ方がいるのかもしれません。 しかしスピルバーグ同様、大先生である手塚治虫先生と比較されるのを承知で、敢えて試みる浦沢直樹さん、そしてスピルバーグの映画、漫画への飽くなき探究心、冒険心に拍手です。


※番外編その1 宇宙戦争 監督/スティーブン・スピルバーグ
2005. 12. 25

この映画は DVD の購入やテレビ録画は行っていません。 12月4日、管理業務主任者本試験を終えた晩、寒さと試験疲れで外へ食事に出る気にもならず、すぐ近く(と言うよりもホテルの隣)のコンビニで買った弁当を食べながらぼーっとテレビを見ていました。今回、広島でテレビを見ながら「テレビチャンネルの数字が全く違う」とか「この番組は本当はゴールデンの時間帯なのか」と思いながら、それでもあまり集中せずにチャンネルを切り替えていたのですが。

その中でホテルのサービスビデオを放映しているチャンネルがあって、やはりぼけーっと眺めていたのですが、トム・クルーズが出演しているのを見てすぐに「宇宙戦争では?」とピンときました。しかもちょうどタイミング良く始まったばかりのようです。おそらくそのまま寝るだろうなと思いながら見てました。しかし眠くなるどころか、どんどん映画に惹きこまれていきました。ちょっとストーリーは「遊星からの物体 X 」に似ているかな? さすがにこういうジャンルは大得意なスピルバーグ。 これでもかというぐらい迫力ある映像で見る者を圧倒します。そしてスピルバーグは子役の演技を引き出すのがやはり上手い! 正直、カメオ出演的なアカデミー受賞役者が出てくる場面はいらないのでは? と思いつつ、それもまたスピルバーグの遊び心でしょう。

この「映画雑談」はあくまでも映画を薦めるために書くべきものであって、極力マイナス的なコメントは書かないようにしています。評論家が酷評した上記の「A. I. 」も私は良い映画だと思っています。しかし・・・、この映画を御覧になった皆さん、
このエンディングを見終わってどう思いましたか? この映画はかなり古い映画のリメイク版ということで、やはりスピルバーグはオマージュを捧げる意味でコピーしたと思うのですが・・・。 それまでの物凄い特殊効果映像は何だったのかと全く拍子抜けしてしまいました。まぁ、この結末にしておかないと上映時間が3時間でも収まらないでしょうし、パートUを作る必要があるのは事実です。しかし「バック・トゥ・ザ・ヒューチャー」や「インディ・ジョーンズ」シリーズ(これは監督は別でしたか?)を過去に製作したスピルバーグとしては、これ以上シリーズものを作る事は考えていなかったでしょうし、やはり忠実に過去のリメイクを行ったのだと感じました。でもなぁ・・・、リメイクされたもともとの映画を知っている人は別として、映画館にお金を払って初めてこの映画を見た人(特に若い世代)はこの結末をどう感じたんだろう? と妙な事を考えてしまうぐらい、ある意味この時代においては衝撃的な結末でした。裏を返せば、あまりにも衝撃的な結末だけが頭に残っています。

さて、DVD を購入する醍醐味はやはり「特典映像」ですよね。 特にスピルバーグ監督の DVD は特典映像が充実しています。せっかく思い出に残る旅の中で見た映画なので「管理業務主任者記念」として購入しようか? これから思案してみます。


12モンキーズ  監督/テリー・ギリアム
2005. 10. 25

「バロン」という映画の興行大失敗でハリウッドを追い出されたテリー・ギリアム監督の復帰作は、面目躍如どころか、出演したブラッド・ピットがアカデミー助演男優賞にノミネートされた他、数々の映画賞に輝く大ヒット作となりました。「タイムスリップ」を題材にした非常に面白い映画です・・・、ですが「コピーキャット」同様、こういう事が現実に起こっていることが怖い。 人間を絶滅させる「細菌」をばらまかれ地下に潜らざるをえなくなった 2035年。 過去にタイムスリップして細菌がばらまかれる前に防ぐことができるか・・・、詳しい内容は是非映画を御覧いただくとして、もしタイムスリップして過去を変えたならば現在はどういう世の中になっていただろう・・・、脚本家ではなく私たちでも1度は想像することだと思います。タイムスリップ映画の特徴としてストーリーが複雑になりすぎるきらいがありますが、逆にそういうジャンルが好きな人にとってはこの映画はお勧めです。

少し話し変わりますが、この映画のキーパーソン=細菌をばらまく人を演じているのは、その後「グリーンマイル」、「交渉人」、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」など数々の映画で大活躍することになるデヴィッド・モース。 おそらくこの俳優が世に出るきっかけとなったのがこの作品だと思うのですが。

「異端児」と称される監督らしく、この映画のエンディングに関してはプロデューサーと大喧嘩をしたそうです。つまり、監督は最後(空港の広い駐車場を主人公が歩いていく場面)の部分を撮影する予定では無かったのにプロデューサーが挿入してくれと指示したのだとか。 結果として「ハリウッド映画」らしいエンディングとなりましたが、私自身はこのエンディングに納得しています。必ずしもハッピーエンディングでは無いので見終わった後に何となく胸につっかかるものが残るような感じになりますが、映画の最後にパズルを解き終えるストーリーは非常に緻密で、やはりこの監督の力量を感じました。


インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア   監督/ニール・ジョーダン
2005. 11. 15

これこそ「炎のランナー」で書いた、脇役が主役を食う映画です。この映画で一番光っているのは4人の男共(トム・クルーズ、ブラッド・ピット、クリスチャン・スレーター、アントニオ・バンデラス)ではありません。 体は子供なのだけれど心は大人の吸血鬼役を演じたキルスティン・ダンストです。この映画を見るきっかけも「物凄い子役がいる」という友達の薦めを受けたからで。 確かに驚くほどの名演技でした。

ストーリーも確かに普通の「ヴァンパイア映画」とは異なり、言うなれば叙情性があって面白いのですが、キルスティン・ダンストが出てくるまでのストーリは特に目を引くところはありません。 と言うか、この映画はキルスティン・ダンスト演じる吸血鬼役が出てくることによって通常の吸血鬼映画よりも断然面白みが出てきます。特に、子供なのだけど血を吸うことに貪欲で人を殺すことに何のためらいもない冷血さは見ていてぞくぞくします。確か、アメリカではこの映画の公開直後、観客の男性が彼女の喉元に噛み付くという事件で騒然となりました。それほどに彼女の演技は人を惹きつけるものがあります。

この映画に関しキルスティン・ダンストはブラッド・ピットとのキスシーンについても「ただの演技よ」と言い放ったそうで、将来どういう女優になっていくのだろうと興味津々だったのですが・・・。「ジュマンジ」はまだしも、「スパイダーマン」では本当に平凡な女の子、「チアーズ」でも本当に平凡な子を演じており、道を間違っているような感じでがっかりです。せめて「キャット・ピープル」のナスターシャ・キンスキーのような怪しい演技をしてもらいたいのですが。 名前からして西洋的な印象を受けるので、もう少し役を選んでほしいと思っているのは私だけではない筈です。



ピースメーカー  監督/ミミ・レダー
2006. 5. 16

私にとって、おそらくこの映画は「誘う女」に続いてニコール・キッドマンという女優の演技を見た作品だと思います。「トム・クルーズの妻」という代名詞が付いて回った当時、どうしても彼女が出演している作品は見る意欲が沸きませんでした。特に「デイズ・オブ・サンダー」のように巷(ちまた)には夫婦共演ものと言われるジャンルの作品が多数ありますが、ほとんど見たためしがありません。 ゴールデングローブ賞の主演女優賞を獲得した「誘う女」にしても、確かに良い演技はしているのだけれど何か印象に残らない。 当時はそんな印象の女優さんでした。ただ、この作品の彼女を見てからというもの彼女に対する印象ががらっと変わりましたね。 「ディープ・インパクト」のミミ・レダー監督の演出や共演のジョージ・クルーニーの演技に「助けられるのではなく」、ニコール・キッドマンという一人の女優の演技をしっかりと見ることができた作品です。

内容はいわゆる「テロリスト」もの。 冒頭の核爆発のシーンも驚きましたが、随所にアクションが散りばめられたテンポ良い作品。 私自身はこの映画の中で一つ、強烈に焼きついているシーンがありまして。 飛行機の中で犯人の持つ動機についてジョージ・クルーニーと語る場面。 ニコール・キッドマンが淡々と語る中に、内に秘めた強い感情をはかり知ることが出来る良い演技です。

その後の彼女の活躍はここで語るまでもありません。 アカデミー主演女優賞を受賞(「めぐりあう女たち」)するまでの名女優となりました。演技もさることながら、この人ほど年を重ねるほど若くなってゆく女優さんも珍しいですね。 最近、特に「オードリー・ヘップバーン」に似ていると思うのは私だけでしょうか。 本当に綺麗で今では大好きな女優さんの一人です。


ディープインパクト  監督/ミミ・レダー
2006. 10. 8

稀代の名馬と同じタイトルの映画。 今月初めの「凱旋門賞」は3着に終わったものの、競馬界では空前の人気のようです。むしろ、この映画があってこその馬名の由来になっている筈? ですが、現在の日本では「ディープ〜」と言えば馬の名前。 しかし映画もかなり面白いですよ。

内容は「隕石落下によるパニック」もの。 上に書いた「ピースメーカー」と同じ監督の作品ですが、その作品のテンポの良さが気に入っていました。なので続く監督作品のこの映画はストーリーを全く知らずに見た、私の中では結構珍しい作品。 正直、初めて見た時は前半の部分がちょっと引きずり過ぎかなぁとも思ったのですが、何回か見るうちにじんわりと響いてきます。私が見る限りこの映画の主人公は三人いて、ニュースキャスターを演じる女性「ジェニー(ティア・レオーニ)」、隕石を大気圏に突入する前に爆破するために発射された宇宙船のキャプテン「タナー(ロバート・デュバル)」、そして隕石を発見した少年「リオ(イライジャ・ウッド)」。 タナーが演じる父親との葛藤、隕石爆破の失敗に伴う乗員とのぶつかり、そしてリオ演じる肉親との別れ。 隕石の落下がメインの映画でハッピーエンドというのはもちろんありませんし、ラストまで見なくともある程度予想できる結末。 私は何回か見てやっと早送りせずに見るようになりましたが、実は個々のストーリーをひとつひとつ丁寧に演出するのがこの監督の良さなのだろうと最近は感じています。

しかし印象に残る場面は、なんと言っても隕石が落下するシーン。 はっきり言って凄い。 もちろん CG(コンピューターグラフィック) による合成なのですが、隕石が落ちた瞬間の「音」と「映像」は身震いするような演出です。こういう映画が臨場感溢れる映像技術を駆使するのは当たり前なのですが、特に言葉では表現できない「遠近感」を感じさせる音に私は非常に魅力を感じました。そして、この映画を見て小学生の頃に読んだあるマンガを思い出しました。実家にまだ残っているだろうか。 何か無性に読みたくなりました。その話はいずれまた(実家にあれば)。

全く話変わりますが、「パフィオペディルム」という馬もいる(あるいはいた?)んですね〜。 驚きました、と言うよりはちょっと笑ってしまいました。パフィオファンの私からすると、マニアックな世界(そうですよね?)の単語が一般の人の目に触れているのが少しこそばゆい。 馬主がパフィオファンなのかどうかはわかりませんが、名前にするぐらいなのでかなりの思い入れがあるのでは? こちらも調べて見ます。


マトリックス  監督/ウォシャウスキー兄弟
2006. 8. 17

初めてこの映画を見た時、「これぞ 21世紀の映画だなぁ」と思いました。ブレードランナー、ターミネーター、未知との遭遇他、不朽の名作と呼ばれる SF 映画は多々ありますが、私個人の思いを言わせてもらえるのであれば、今後の SFX 映画が「マトリックス以前」、「マトリックス以降」で区分されるような、それぐらい斬新な映像が強烈でした。映画が公開された年が 1999年というのもタイミング良いというか、新世紀へのカウントダウンが始まっていた時でしたからね。 その年のアカデミー賞特殊効果賞の受賞他、音響効果賞も受賞。 確かに納得の映像技術。 少し細かい事を言えばこの映画は特殊効果をさりげなく見せるのではなく、むしろ「ありえない」映像をこれでもかと前面に押し出した映画。 だから余計に斬新さを感じたのかもしれません。

ストーリーは今更書く必要もないですね。 キアヌ・リーブス演じる「ネオ」が、自宅のパソコンに現れたメッセージをきっかけとして「マトリックス」の世界に入っていく・・・。その過程が非日常的なのに、何故か「あるいは?」と考えさせるストーリー。 特典映像のメイキングで監督のウォシャウスキー兄弟が出てきましたが、悪く言えば「オタク」的な兄弟が作り上げた映像は近代映画史に残る傑作となりました。私は好きな映画は映画評論家の批評に関係なく続編を購入するタイプ。 この作品ももちろん3部作全てを購入しました。その話はいずれまた。

印象に残るシーンはありすぎて書ききれません。 当時流行の兆しを見せていたワイヤーアクション(と言うか、この映画でアジアがルーツのワイヤーアクションが世界的な評価を得ることになりました)、そしてこの映画で最も有名になった、弾丸をスローモーションで避けるシーンは今で言えば「イナバウアー」状態とも言えます。また、ネオが猫を見て「デジャ・ブ」と呟く箇所も、さりげないシーンなのですが「マトリックス的な」場面です。


X−MEN  監督/ブライアン・シンガー
2006. 11. 11

最近のこの映画雑談はタイムリーな話題、あるいは映画公開に併せて書くことが多くなってきました。今回は part 3も日本で公開された「X-MEN」です。

上に書いた「マトリックス」同様、特殊な能力を備えた人物が主人公ですが、コミックが原作ということもあってマトリックスよりは弱冠子供向けという感じ。 「人間と人間ではないもの」との闘いこそ共通するのですが、マトリックスが人間が弱者であるのに対し、この映画は主役が「ミュータント」なので人間は悪役として描かれています。そしてこの映画は人間との闘いは直接的なものではなく、むしろミュータント間での争いという方が妥当かもしれません。 また、マトリックスの「非現実世界」の中でのストーリー進行に対し、この映画はあくまでも現実社会が舞台。 似ているようでバックボーンが違う2つの作品を見比べるのも面白いですよ。 そして主人公が一人ではなく大勢いるのもコミック的と言うか、ストーリーの展開を早くしています。悪く言えばそこが少し安っぽい印象を受けるのは否めませんが、とにかく SFX 主体の映画ですからね。 特殊技術はマトリックスよりも派手でダイナミックです。

この映画に出てくるミュータントの中で私が好きなキャラクターと言えば・・・、その人物の指紋、瞳の虹彩を含め完全にコピーできる「ミスティーク」。 ミュータントの中では悪役の方ですが、とにかく抜群のプロモーション! DVDにはメイキングが収録されているのですが、はっきり言ってとんでもない美人です(モデル出身のレベッカ・ローミン=ステイモス)。私は第二作までしか見ていませんが、結構キーポイントになるキャラクターです。第三作ではどういう展開になっているのでしょうか。 DVD が発売されたらすぐに購入したいと思っています。


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