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 J38 <研磨・切削> 額縁補強治具  (2017.1.22)

 留め継ぎで作る額縁の強度補強として最も一般的な方法は、額のコーナーにカンザシを入れる方法です。
 これは正式には「挽き込み留め継ぎ」と呼ぶようです。 
補強材の薄板もカンザシ、チギリ、あるいはサネといろいろな呼び方がみられますが、何が正解なのかよくわかりません。  m(_ _)m

 この溝をテーブルソーで加工するための治具の一例がこちらです。


 ところがこの方法を使えないケースがあります。
例えば、額の材料に耳付き材を使ったケースで、この場合には額の裏側を、Vネール、波くぎ、ステープル(工具はタッカー)、あるいは角金等の金具で補強する方法があります。

    

 
 ここで紹介するのは、金具の替わりにカンザシを差し込む方法です。
今まで見たことはありませんが、金具を使うよりもスマートだし、それに金属探知機にも捕まらないし・・・・
(うぅっ、訳が分かりません)

           


 カンザシの溝をトリマーで入れるための治具を、厚さ8mmの合板で一部2枚重ねとして作成しました。
 また、径は3mmのビットを使うことを想定して、厚さ3mmのアクリル製スペーサーも予め準備しました。

    
         

         



 使用手順は以下の通りです。
(カンザシは厚み5mm、長さ30mmで、溝深さは5mmの例です。)

 

@ 位置決めストッパーを3の位置(=長さ3p)に固定し、スリット部に実際に使うかんざしの端材を入れてフェンスを固定。
 治具の凸部を額の内側コーナーに当てて、額と治具をクランプ。
 
 

A トリマーで5mmの深さに溝を加工。

 

B スリット部からカンザシを取り出し、代わりにトリマービットの径と同じ厚み(3mm)のスペーサーを入れてフェンスを固定した後、溝を加工。
 これでカンザシと同じ厚みの溝が加工できました。

 
C カンザシの角を溝に合わせて丸くしてから挿入・接着し、余分な部分を切り取る。


 注意点は、

・ @A、Bの手順前後は不可です。 
  トリマーはフェンスを左側にして手前から奥に進め、 進行方向の左側を切削するのが基本です。

トリマーの1回毎の切削深さはビットの径以下に抑え、 ビット径以上の深さの溝加工は数回に分けて行います。

補強材のカンザシは、強度を考慮して木目が横方向になるようにします。



 トリマーで溝加工するときのビット径を補償する上述の考え方は、MIRAIさんのアキュレットガイドをコピーしたものです。
 使用するかんざしの厚みに関わらず、容易に同サイズの溝を切削できる、特許(US特許5738470)も取得している素晴らしいアイデアです。

 ここでは、このアイデアを借用しました。 ありがとうございました。


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