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S16 燻製器 (2011. 7. 28)
全体像
 今回は、燻製作りにチャレンジです。


 手始めに、DIY店で燻製器(スモーカー)を探してみました。
段ボール製、金属製折りたたみタイプ、金属缶タイプ等があり、ほぼ20L位の容量です。
 本体を含め、そのほかの材料等を購入すると、まぁ、おおよそ4,000円位からというところでしょうか?

 燻製を作ってみようと思ったきっかけは、「自家製燻製を肴に飲む酒は、さぞかし旨いだろうなー」
あららぁー、もう顔の筋肉が弛緩して、よだれが出ている。

 それにしても、なんて純真無垢な発想でしょうか! 
ものづくりの原点ですね。


 しかし、燻製については、まったく知識がないので、あれこれ購入する前に、ネットで燻製についてちょっと調べてみました。
 旨い酒を飲むとなれば、手を抜くわけにはいきません。
ここは腰を落としてじっくりかかりましょう!

 その結果、
燻製作りには、熱燻、温燻、そして冷燻の3種類があること、燻煙材の種類はサクラ、りんご、くるみ、ヒッコリー、ナラ等、またその形態にも、スモークウッド、チップ、チャンクス等の種類があること、燻製は材料をただ単にいぶすだけではなく、前処理、後処理で更に素晴らしい燻製ができること、
・・・・等々、燻製の奥深さが分かり、腕まくりもひとつふたつどころではなかったのですが、目からうろこだったのは、スモーカーを自作しているひとがたくさんいること。

 そうなのです。右側面の温度計(実際は根元まで挿入)
 考えるまでもなかったのですが、段ボール製があるくらいですから、自作木製があってあたりまえです。
日曜大工をテーマに本ホームページを開設しているのに、危うく?スモーカーを購入するところでした。
 腰を落とした甲斐があったというものです。


 スモーカーは、いってみればただの箱、工作はそんなに難しくありません。温度調整用煙突
早速、合板製スモーカーを基本方針に簡単な図面を引いてみることにしましたが、ここは日曜大工のホームページ。
単純ないわゆるボックスでは、ここに登録するのはやはり憚られます。
 機能性に加え、少ーしだけ見た目を気にすることにしました。

 最初の写真にある通りですが、全体の形は家形で屋根に温度調整用の煙突を設け、外側はバーナー焼きで一見して古い民家風、そして扉の取っ手を工夫して、スモーカーらしく仕上げました。
まぁ、作者の自己満足以外のなにものでもありませんが・・・・。
 


 さぁー、完成です。
取敢えず、煙の漏洩テストを兼ね、記念すべき燻製第一号は、ゆで卵、ちくわ、かまぼこ、チーズ。 これらの材料を金網の上の載せ、りんごのスモークウッドでいぶしました。
@材料を金網の上に置くAスモークウッドでいぶす
     B燻煙中C出来上がった燻製

 燻すこと約1時間半。

でっ、できました、自家製のくっ、くんせい、が・・・・(涙)
感動を余すところなく表現しようとしている作者の苦労がにじみ出たセンテンスですねー
1日冷蔵庫でねかせた後、念願の自家製燻製で一杯。

 うっうー、激うま。
 きゅー、酒もうまっ。



今後、少しずつレベルアップを図り、手の込んだ燻製作りに挑戦するつもりですが、飲む量が増えたら、どっ、どうしよう!

(o^-^o)♪
おいおい、またよだれが・・・



●制作メモ

 ネットから得られた知識を駆使して、制作にあたって気をつけた点は、以下の通りです。

(1)外に置きっぱなしにするので耐水性、板のそり等を考慮して、耐水性特類(最高級)の針葉樹構造合板を使用。これって、実はすごく安い。
組み立てはほとんどSUSの木ねじを使いましたが、構造合板は防腐処理はされていないので、外側だけバーナー焼き後、防腐剤塗布処理。
屋根部は防水紙貼り付け。
内側は燻煙されるわけですからもちろん防腐処理は必要なし、と言うか食品を扱うわけですから変な処理はしない方が良いのは言うまでもありません。

(2)上部は液垂れを防ぐ意味で45°の切妻屋根採用。

(3)燻煙材消費、温調の効率化を考え、内容量を変えられるように胴体の一部は取り外し可能。(少しの燻製作りには小さい箱で、多い時には箱を大きくして・・・・)
加えて、将来簡単にサイズアップできる利点もあります。
     下段から順次組立
 全体のサイズは 300mmX300mmX750mmH(中央部の胴体を外すと450mH)
 板取りと外観寸法はこちら
 煙の漏れがかなりあった屋根と壁の間の隙間はゴムパッキンで、塞ぎました。


 最後に注意点をひとつ。
燻製作りは言うまでもなく、火を使います。木製のスモーカーに火が移らないよう十分気をつけましょう!


●概略予算
  4,000円

構造材合板(12mm X 1,800mm X 900mm X 1枚) 1,098円
杉角材(40mm X 30mm X 1,820mm X 4本) 400円
木ねじ(SUS) 約200円
金網(27cm角型) 198円
ゴムパッキン 330円
温度計 1,180円
赤レンガ(4ケ) 380円
餅焼網 178円

 <手持ち品で間に合わせたもの>
 耐水紙、12mmφ木丸棒(100円位)、蝶番4ケ(400円位)、マグネットキャッチ2ケ(200円位)、防腐剤、エポキシ充填剤、


(2013.3.10追記)

 燻製器、その後です。
 
 燻材は、もっぱら拾ってきた桜の間伐材を自分で裁断したチップを使っています。 
 まだまだ端材があるのでしばらくはこれになりそうです。

 熱源は、最初は卓上ガスコンロを使い、その上にSUSの皿を載せてました。
・・・・が、温度コントロールが難しい、と言うかほとんど不可能です。
そのうち、一番下の壁が一部焦げてしまいました。
うひょー、危ないアブナイ。

 直ぐに、ホームセンターで昔懐かしいニクロム線の電気コンロを購入してきました。
ところで、やはり温度コントロールは相変わらず問題として残っていましたが、同じ時期に作成したスピードコントローラを併用して解決できました。
   
 それ以外に、温度微調整用に冷却窓を上段の裏側に作りました。
写真で一目瞭然ですが、くり抜いた窓を鋼板で塞ぎ、温度を下げたいときに窓を開放します。

      

 現在、燻玉、スモークチーズがメインで、ささみ、ベーコン等に挑戦中ですが、肉類の場合は油が垂れるため、燻材の上にアルミ箔皿を架台を使って置いています(上の写真)。 

  (2017.3.23 追記)

 温度コントローラを設置しました。

 
  (2020.6.10 追記)

 燻製器のリニューアルです。
 いろいろと試みた工夫は、温度コントローラーを使うことでほとんど不必要となったので、大型化と単純化です。

 網サイズは380×380mmを採用し、それに対応すべくサイズアップです。
材料は前回と同様12mm厚の構造用合板で36版1枚で足りるように本体高さを決定。
 使えるものは再利用します。

 その他の変更点は、

・ 底板を加えより、密閉性を増した。

・ 3段分離タイプは止め1体型でドアは2分割

・ 庭に置くので見栄えを考え、3色塗り分け、持ち運び用取っ手は窓型。

・ 屋根の上に温度コントローラーを載せる台を新作。不使用時は内部に保管。



 
  (2020. 6. 21 追記)

 新装なった薫製器を使ってみて、早速プチ改良したくなりました。

 以前の薫製器はあちこちに適度に隙間があったので、薫材を使いきればすぐ分かったのですが、今回は板の歪みもまだ出ていないこともあり漏れはほとんどなく、時々扉を開けてチェックしなければなりません。

 ・・・・そこで、

 捨てずにとっておいたペアガラスサンプル(厚みが板材とちょうど同じ)を、そのまま扉に嵌め込んで覗き窓にして、そしてもうひとつ、煙突に穴を開けて見かけだけだった煙突を本物の煙突に変えました(笑)。

 ほとんど暇つぶしの作業・・・ 





 ついでにもう少し暇つぶし。

 開始と終了時間のメモ用時計を掛けました。
 小学校の授業で使ったムーブメント無しの教育用時計と同じで、例えば下の写真の場合、10時開始、12時半終了予定となります。

 そしてもうひとつ。
 屋根の防水が気になって、防水シートを貼り、更に知り合いからわけてもらった杉皮をその上に貼り付けました。

     

 又暫くは、燻製にハマりそう!

 
   (2022. 2. 4 追記)

 本体はサイズアップしましたが、材料を載せる竹製巻きすはそのままでした。

 24cmから38p角へのサイズアップですが、市販品の最大サイズは30cmで、こうなれば作るしかありません。
 手持ちで黒竹があったのでそれを材料にすることにしましたが、長さが短く節が入ってしまいます。 
 大きな妄想竹を探せば節無しのきれいな巻きすが作れますが、思い立ったらすぐ作りたくなる性分、節があった方が”手作り感があって良いかな!”と、例によって、魔法の呪文で解決です。

 編機?は1p離して並べた板とガラス瓶に水を入れたオモシで、短冊に割った竹は反っていたので、表裏を交互に並べてタコ糸で編みました。

  

 実際に燻製器に敷いたのが下の写真(以前の巻きすを重ねています)

              


 
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