S17 「魔女の宅急便」の風見鶏 (2011. 8. 5) | ||||||||
「風見鶏がほしいっ!」 「でも、自分で作るんだったら普通の風見鶏じゃーおもしろくないし・・・、 どうしようかなぁ?」 風の中で遊ぶ風見鶏は、空中にあってもあまり違和感のないデザインにしたいものです。 そうすると、空中を飛んでいる飛行機、矢、鳥、あるいは海中を泳いでいると魚、海獣等が順当でしょうか。 疾走する動物等も一瞬を切り取れば、空中を飛翔していると言えないこともないのですが・・・・・ (~ヘ~;) ウー ない頭を一生懸命、絞りに絞って考えた末、家族みんながスタジオジブリファンだし、『魔女の宅急便』の主人公、キキを飛ばしてみようと、ある時唐突に思いつきました。 もちろん相棒の黒猫、ジジも忘れられません。 ほー、ない頭にしては、素晴らしいアイデアじゃない? まだまだ大丈夫かな? ・・・何が? デザインは、キキの下宿先であるパン屋が、店先に吊るしてくれたパンのリースを下敷きにしました。 ところで、このパン屋、名前をグーチョキパン屋と言います。 掲げている看板を見ると”gutiokipanja”、uとaにウムラウト記号(文字の上にドットが横にふたつ)がついていてゲルマン語系のようですし、”ja”は”屋”でしょう? なんというか国籍不明の雰囲気が出ていて、良いですネ。 ・・・と、いっぱしのジブリファンであることを、作者はここでさりげなく披露したつもりなのでしょうが、実を言うと、この文章を書くにあたって、目を皿のようにしてビデオを見た結果、テレビに穴があいてしまいました。 ・・・・ウソウソ (^^ゞ 横道にそれてしまいました。 興味のない人にどうでもよい話でした。どうもすみません。 m(_ _)m この場合、風見”鶏”じゃないですよね、何というのかなー? 単細胞的呼名なら、「風見魔女」? 科学的呼名なら、「風向指示計 魔女T型」かな? どこが? 文学的呼名なら、「風の友 キキとジジ」??? わけがわかりませーん。 ・ ・ ・ ところが、いざ作るだんになって、うまい回転部の工夫が思いつかず、時々DIY店に行った折に、何となく適当な部材を探していました。(この期間が長かったぁー) ・・・が、あるとき、こんなベアリングを見つけました。 これなら使えそうです。 (^o^)v ものが大きくないだけに、材料を購入するまでもなく、ほぼ端材で制作可能です。 本体は20mm厚の板を切り抜き、アクリル絵具で着色してから防腐塗装しました。 支持棒は9.5mmφのSUSパイプで茶色の塗装。 基礎部分とやぐらは端材の防腐処理済角材を使用しました。 組み立てて、早速、庭に置いて回り具合を確認してみました。 ・・・・が、結論から言うとみごとに失敗。 回転体全体、と言うかベアリングに保持棒を留めるための70mm角の土台が重かったようで、回転が重いっ。 o(`ω´*)o ブー かなり風があるのにも関わらず、キキとジジはそっぽを向いたまま、じっーとして動きそうもありません。 風速「ウンジュウメートル」の風でようやく「よっこらしょ」と動き出す始末。 こんな不精な風見鶏なんて。 (´_`。) トホホ 今回は、やけに顔文字が多いなー。 しかも、下手な文章よりよっぽど感情を端的に表現できてるし・・・ \(_ _。) (組み立て前の写真は上に載せたとおり、ルンルン鼻歌気分で撮ったものの、組み立て後の写真は、鼻歌は鼻歌でも”葬送行進曲”気分ですっかり失念。意図した姿はご想像にお任せします。 あちゃー、今気がついたけど、方位駒の”N”を裏返しで撮ってしまってますね。 えっ、写真を見たとたんに気がついた? この無茶なフォントで気がついたあなたは只者ではない、もしかして、魔女?) 試行錯誤の末、最終的に冒頭に挙げた写真のようになりました。 キウイ棚の前方右部支柱に添わせていますが、姿は最初の思惑と変わってかなりシンプルでスッキリとしました。 結局、一番頭を悩ませた回転部は、本体にあけた穴より少し小さな径のアルミ棒にちょこんと差し込んだだけの非常に単純なものとなりました。 本体を簡単に変えられるのも、気にいった点のひとつ。 回転部の仕組みに悩んで悶々としていたあの日々はなんだったのでしょう? 案ずるより産むが易し、とはまさにこのことです。 今日も、ゆら〜りゆらりと風と遊んでいます。 ●制作メモ 回転部の構造を、もう少し詳しく言うと、本体の板は材料が結構軟らかいので本体の摩耗防止と回転の滑らかさを目的に、穴の先端部にエポキシ充填剤を詰め込んで丸くして、アルミ棒も先端部を丸く尖がらせました。(下の概念図参照) ところで、風見鶏は回転する軸の前方部より後方部の面積を大きくすれば理論的には風圧の差で風上を向くのですが、やはりそれなりに面積差がないと上手く回ってくれません。 今回、写真にあるA軸(軸後部面積は前部面積の320%)とB軸(同じく160%)を試してみましたが、B軸でほとんど動きませんでした。 (尚、不定形の面積測定には、私のフリーソフト「長さ・面積測定」を使いました。当ホームページ別館にてダウンロードできますので、是非使ってみてください。CMでした。) 一方、重量に関しては軸前部と後部が等しい方が良いのは容易に想像できます。 特に、今回の例のように支持棒に本体を差し込むだけの簡単な仕組みではかなり重要なポイントです。 そこで重量調整として、本体の後方のほうきには穴をあけて軽くし、ほうきの先端には重し(魔女修行に立つとき、おとうさんからもらった赤いトランジスタラジオ・・・のつもり・・・)を下げてみました。 重しは板で型を作り、そこに熔かした鉛を流し込んで作ったのですが、実は今回最も苦労した点です。 ところで、風見鶏の性格上、四六時中日光と風雨にさらされているわけですから、防腐剤を何回も重ね塗りしているものの耐久性はそれほど期待できません。 魔女U型、魔女V型を準備しておいた方が良いかも・・・・・ ●概略予算 850円
そのほか手持ちの材料で間に合わせたものは、 20mm厚の集成材端材、防腐処理丸太、防腐剤、SUS目ねじ、アクリル絵の具、エポキシ系木材充填剤等 |
||||||||
(2011年10月7日 追記) 魔女U型、魔女V型を予備として準備すべしと書きました。 ・・・・が、完成後にやって来た猛暑の中で涼しさを演出するならやはり海の中だなーと思って、第2作としてチョウチンアンコウを作ってみました。 夏が終わる前にと思って、暑さの中汗をかきかき大車輪でで作りました、・・・って、もう秋ですね! なぜ、チョウチンアンコウか? 勘の良いチョウさんなら分かると思いますが、重量調整で鼻先に伸ばしたチョウチンに重しとして小魚をぶら下げるアイデアを思いついたからに他なりません。 チョウチンアンコウ自体は色分けするような派手さは全くないので、今回は浅い浮彫りの凹凸を防腐剤の濃淡で強調した、いわゆる芸術路線でいってみました。 んっ、”芸術”って意味を履き違えているみたいだから、もう一度広辞苑で引いた方が良いんじゃーない? 今回は第1作と比べてだいぶ大型化しており、支点をできるだけ上部(重心より上)にすることで回転を安定化(ヤジロベエの原理? なんてあったっけ??)しています。重さとサイズは以下の通りです。 ”キキとジジ” 重量=200g(本体140g+重し60g)、本体長=300mm、軸穴長=53mm ”チョウチンアンコウ”重量=540g(370g+170g)、本体長=325mm、軸穴長=120mm 負荷がかかるチョウチンの柄は直径が2.5mmのステンレス線で補強しました。 ちなみに、”キキとジジ”のほうきの柄も長い木ねじで補強しています。 「キキとジジ」は、しばらく室内に入り、寒くなったらまた屋外に修行に出てもらおーと思っていますが、現在、出窓で「地震感知器」としてのんびりし休んでおります。 |
||||||||
(2020. 9. 14 追記) 風見鶏(魔女型)の塗装がだいぶ色あせてきたので、再塗装しました。 改めて振り返るともう9年も現役です。 正真正銘、四六時中、外に暴露されているのに、こんなにもつとは予想外でした。・・・しつこく防腐処理をした甲斐がありました。 他方、アンコウ型は物干しのてっぺんに場所を移して頑張っていたのですが、重りを吊るしていた提灯がSUS線で補強していたにもかかわらず、根元で折れてしまい、あえなく途中引退でした。 今回再塗装したとはいっても、かなりくたびれていたので魔女T型の再作成と、新たにイルカ型を作ってみました。 ところでスムーズに回転して風上に頭を向けるためには、回転軸の後部の面積を前部よりできるだけ大きくする一方、前部後部では重量を同一にする必要がありました。 前2作では先端に鉛の重しを吊るして調整しましたが、イルカでは後(尾の部分)の板を薄くして、更に下の写真の様に先端部に鉛(活字鉛)を流し込んでみました。 結果、回転軸の後部面積は前部の約3倍とすることができました。 目は黒にすると紺色の地で目立たないので、貫通孔にして透明アクリル丸棒を埋め込みました。 見る方向によってキラキラ輝きます。 (^ ^)v |
||||||||
(2024.6.27追記) 今般、”ロードランナー”を譲り受けましたが、これはアメリカ産パズルゲームのキャラクターで、知り合いが数十年前に当地から帰国の際に持ち帰った代物で、木製ですがまだしっかりしています。 結構サイズが大きい(高さ60mm)のによく持ち帰ってきたねぇ〜〜 うん? 駐在帰りだから船便かな? 庭で試運転の結果、脚の回転はスムーズですが、左右が独立しているので両脚が同時に勢いよく動くことはまれです。 風見鶏として設置するに際して、両脚が同期して動くように手を加えました。 脚を6mm径真鍮パイプの両端に固定して、軸受けは中心にSUSパイプ(内径7mm)を通したものに交換しました。 化粧直しして風見鶏の定位置に設置し、庭先が少しだけバタ臭い雰囲気に変身です。 因みに、このような風車型風見鶏は、風が吹くと、頭は風の方向と90度ずれた方向に向きます。 |
||||||||
←前へ 目次 次へ→ |