松平一族の惣領・松平信忠の嫡男。通称は次郎三郎。徳川家康の祖父。
少年時より将器の資性を発揮し、大永３年（１５２３）に家督を譲られて三河国安祥城主となる。
家督相続直後から所領拡張に意を注ぎ、大永４年（１５２４）には三河国額田郡山中城主の松平信貞（岡崎松平氏）を降し、その属城の岡崎城を奪い、西三河を掌中に収めた。
大永５年（１５２５）に加茂郡足助の鈴木重政を攻めて降伏させ、享禄２年（１５２９）から翌年にかけて小島城・宇利城・吉田城などを攻めて吉田城主・牧野信成、田原城主・戸田政光ら東三河の国人領主を膝下に従えて、一国を固めた。
ついで尾張国に馬首を転じて織田信秀と干戈を交え、春日井郡品野・愛知郡岩崎などを領有。
天文４年（１５３５）１２月には岡崎から尾張国守山に進撃、信秀の居城・清洲城に肉薄したが、同月５日、近臣の阿部正豊（弥七郎）に殺害された（守山崩れ）。２５歳だった。法名は善徳院年叟道甫。