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A1-18   07.07.14

蛍光灯の火災


          蛍光灯本体
 ★ 「蛍光灯」の火災
 蛍光灯の火災は、意外に件数的には多い。
 東京消防の過去5年間(2002年〜2006年)の火災
 をリストアップすると、112件ある。電気製品火災
 のベスト10には、毎年入っている。年平均22件。
 ・出火部位の内訳
  少し大雑把に見ると、左図のようになる。
 @ 安定器が約6割を占めている。
 その限りでは、「延焼」火災に至るようなことは少なく
 天井から「煙」が漂って、大騒ぎになる程度。
 A コード、内部配線関係なども、いろいろな要因で
 出火している。短絡やスパークなど。
 Bその他が16%
 C 基板類が約1割。これは、インバータなどの
 回路基板や回路の雑音防止コンデンサなどが原因
 
 ★ 蛍光灯は、家庭向けの「グロースタータ式」、事務所向けの「ラピッドスタータ式」と「インバータ式」がある。
 最近は、目にやさしい、つまり、チラつきの少ない、インバータ式が多く採用、購入される傾向にある。値段もこのタイプは
 明るさ調整や遠隔操作などの付加価値も付き「高価なもの」も多い。特徴として、電子回路により、交流を整流平滑して、
 凹凸型の高周波形にして、印可するため、安定器などが不要となり、デザイン的にも、様々な形が生まれる。


蛍光灯スタンドからの「可燃物接触の火災」
 「蛍光灯」は「熱くならない」と言う先入観のもと、まさか
 転倒して座布団が焼ける火災があるとは、思っていな
 いので、実験とした時の「写真」です。
 蛍光灯も様々な種類があり、特に、蛍光灯スタンドは
 今は、このツインパラレルなどとと言われるタイプが
 ほとんどです。
 が。これが、転倒して、可燃物に接触した状態で、
 置かれると、口金付近が高温のため、火災に至ります。
 で、今は、スタンドタイプは「転倒OFFスイッチ」が付け
 られるようになっています。
 〇 買うときは、念のため、確かめて!



 蛍光灯基板部からの火災
 
基板上の導電パターンの回路で、短絡(トラッキング)を
 起こすことがある。基板から出火しているので、見分を。

★インバータ式蛍光灯の
 「フィラメント部のトラッキング火災」

 最近、ポッポッ見かけるのが、この蛍光灯の口金付近の
 火災です。口金の合成樹脂部が焼けて、火災なります。
 インバータ式のタイプで起こる。
 通常は、蛍光灯の寿命末期には、電極部フィラメントに塗
 布されている電子放出物質がなくなると、点滅を繰り返して、
 点灯しなくなる。
 が、インバータ式は放出物質がなくなっても点灯を維持し、
 ために、フィラメント自体が放電体となって、高温化し、
 フィラメントを支えているガラス表面に金属材が蒸着して
 通電(トラッキング)となり、さらに、高温化して溶融出火
 する。
 (日本電球工業会・日本照明器具工業会からの説明)

  燃えた蛍光灯が、落ちて来たら、この原因を考えて!


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