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東京の落雷火災の統計分布を調べて見ると。
足立・板橋・練馬・西東京などの “東京都の北の周辺区市”に多く発生しています。
世田谷・港・品川などには過去5年間にありません。つまり、都市部で温められた
「積乱雲」は、荒川の上でどうにかなって、雷を落とすのかな。 と、地勢学的に思ったら。
「その地域は、建物が低くなつて、相対的に「避雷針設備」が手薄になるからだ。」との意見も出され
「何だ、そんなことか・・」と何となく納得してしまいました。よくは分かりません?。
「火災と気象」の領域?
1,雷の火災統計 | ||||||||||||
★ 雷の火災 雷の火災は、2003年〜07年までの5年間で、東京消防管内で58件発生し、年間約12件程度となるが、年によるバラ ッキが大きい。年に20件もある年から年5件程度と少ない年もある。都市内のビルの避雷針などの避雷設備の普及で、 少なくなって行きそうなのだが、落雷等による雷の火災は、以前として、発生し続けている。
USAのNFPAの統計では、(USA)全米の消防本部は毎年平均して約31,400件の落雷火災に出場している。 2002年から2005年までの4年間の住宅への落雷火災は16件しかないが、負傷者等がでていると報告している。 また、特に、落雷を原因とする「林野火災」の損害が大きく、毎年平均して2,104kuが消失したと報告している。 ( Marty Ahrens NFPA) 落 雷 雷の火災は、火災原因分類では大きく2つに分けられ「直接雷」と「間接雷」である。 山などの林野火災などの原因として「直接雷」を原因とする火災もあるが、一般的には、「間接雷」がほとんど であり、統計分類において、間違いのないようにする。 よく火災現場で、関係者の供述から『雷がゴロゴロと音を立てていた時に、「ドーン」とすごい雷の落ちる音がし て、しばらくしたら、その部分から火が上がって、燃えてきた。」と供述していても、火災の原因は、ほとんどが 「間接雷」である。
★ ここで、注意するのは、A「侵入雷」B「誘導雷」では、電柱のトップ部に架空地線(グランドワイヤ)があり、又、 高圧線の碍子には避雷器を取り付けて、各電柱ごとにアースをとっているため、容易に「雷放電」を受け易い構造 となつている。 このため、電柱による高圧・低圧の配電線は、付近の落雷を受けて、サージを発生して伝搬しやすいと言える。 関係者の供述の中に「・・・・窓から外を見ていると近所の神社の境内の木の頂上付近が光って、ドーンと大きな落 雷の音がした。その後に家の前の電線が青白く光って見えた。・・・」などと聞かれることがある。 ★ B「誘導雷」は、付近に落雷した時に、異常に高くなった電場のために、地表面から建物内に侵入して放電することも ある。この場合は、関係者供述は「・・・「ドーン」と言う音がしたので、外を見ると、シトシト雨の中で、地面がうっすらと 青光りしていた。・・」となる。この場合には、落雷の被害が数軒に渡って、広い範囲にでる。特に、動力機器の作業場な どの「進相コンデンサー」は接地アース側からサージを受ける為に、絶縁が破壊され易く、この部位から出火することが ある。また、一般的には「電話取り付け端末器のアース線」から逆流して、放電する。 |
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2, 火災事例 | ||||||||||||
事例 : 直接雷 | ||||||||||||
山の中腹にあるお寺の立木に、 落雷した事例。 立木の中から煙が出て、落雷に より出火して、火災となっている。 「林野火災」になりやい事例である。 |
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間接雷 (典型的な落雷) | 最も多い「落雷」による 火災事例。 「間接雷」により、配電線 から侵入したサージによ り「積算電力計」の近接 部が放電して出火する。 積算電力計の破損により 建物内へのサージを防止 しているとも言える。 単相、三相の別なく発生 し、最も一般的な落雷火 災の典型である。 |
キュービクル | ||||||||||
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積算電力計への落雷 | アンテナの避雷器 |
電話集積器のアース端子 右が被雷した物 |
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間接雷 アンテナに放電したことによって、建物内の複数点の電気器具から放電した事例 | ||||||||||||
建物の様々な電気器具類の「放電痕」 このような例は、結構見られる。 建物内の様々な所で「放電痕」を残すもので、多くが アンテナからである。アンテナ線から、この事例では 「TVコンセント」の端子内の金具台座に放電し、その 部位から、屋内配線系統へと次々にサージが流れた。 また、アンテナ線にブースタを付けているとこの部位 から屋内配線系統に流れる。 このような場合、放電痕は多数見られるが、出火には 至らないこともある。 (興味のある事例でもある。) アンテナ線が単独で、配線されてテレビに引き込まれ ている場合は、このような多数箇所の放電痕がなくて、 単にテレビの避雷器部位付近だけが焼損することがあ る。 |
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★ 建物の避雷設備が、有効に避雷したが、建物内から出火した事例 中層の建物の屋上、避雷針に「落雷」し、避雷設備の接地線により地面にアースされたが、その近傍に、 建物内の自家発電設備の接地線が埋設されており、この接地線が高くなった電場のサージを拾って、 アース線から建物内に逆送し、自家発電機の基盤を焼損させた火災事例がある。 ★ 落雷火災の火災調査 落雷火災は、「落雷音と稲妻の光」を見聞きしている関係者の供述が多く、このため、安易に判定してしまうことがある。 しかし、落雷なら、地面からの逆放電も見られることから、付近の電話機器類の損傷など、他の被害の実態も把握する 必要がある。後日のり災証明の発行が求められることから、「落雷」の場合は、焼損した建物以外の付近の聞き込みを 必ず行なう。 ⇒ 建物の燃えた箇所(例えばテレビなど)だけに、固執しないで、広く調査範囲を取って、見分をすすめる。 ⇒ 関係者が落雷音や光を見ていても、一般的には「直接雷の出火」よりも、落雷からの放電による「間接雷」が 火災原因では多いことを念頭に置いて、調査を進めると、供述の先入観にとらわれなくてもすむ。 ⇒ サージの放電痕はさまざまな所で偶発的に発生するので、必ずしも、全部の解明に至らない事がある。 ただし、無理に、機器内部の放電を推論して「出火」につなげる必要はなく、雷を要因とした配電線の電圧異常を 受けて老朽製品の絶縁性が破壊されることもあるので、出火した製品の状態も良くて吟味して、「雷の放電でない」 場合も考慮する(つまり、瞬間的な異常電圧によって、電源部が影響されて、少ししてから、普通の使用状態の時に 出火する)。 |