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A1−19      07.08.11

花火の火災

 1,花火の火災件数
   東京での花火の火災件数は、昨年の2006年(平成18年)は、34件でしたが、2005年は48件、
   2004年は多く60件、しかし、2003年は28件と、年によって、「夏」の季節感によって、
   火災件数は変動します。
   また、15年ほど前の1992年(平成4年)を見ると81件もあり、その前後では平均70件前後の件数
   であったことからすると、 「減少」傾向にある火災原因と言えます。
   減少傾向の要因は、公園などで「花火遊びを禁止」している所など、イロイロと考えられます。
 ☆ 発生月は5,6,7,8月に多いですが、子供のいたずらして、1月や2月にも発生しています。
 ☆ 火災種別から見ると、8割は、立木や枯れ草などが燃えた「その他の火災」に分類されますが、
   2割は「建物火災」になっています。
   花火は火災だけでなく、火傷事故としても、2006年に14名救急搬送しています。 
   
[火災調査上の注意] 
 
 火災調査上の注意として。発火源を「花火」にした時は、経過を「火遊び」とすることはできません
   花火は、もともと行為者が子供時は「火遊び」になる製品ですので、着火物との関係から、
   経過を決めます。
   例えば、「枯れ草」なら「火の粉が散る」、立木や外壁などでは「接炎」などを経過分類として適用します。
 
☆ 玩具用花火のほとんどは今や「中国製」です。国内では、一端、事故を起こすと、同じ場所での再建が
  できなくなるなど、次第に、安い、中国産に変わりました。 業者の打ち上げる「花火」においても、中国製に

  変わっています。最近の業者さんが揚げる花火で、各地で不発弾等「事故」が多いのも一つには、不良品
  の課題があります。また、今は、10,000発などと従来にも増して多量の消費をする発弾にも課題があります。
 
 2000年(平成12年)8月愛知県の火薬工場で爆発火災が発生しています。
   黒色火薬に変わる物として、今は様々なところで「無煙火薬」が使われています。
 この火薬は、酢酸エステルであるニトロセルロースを主成分としており、そのため、安定性が悪く、加水分解と
 酸化反応により、反応熱が蓄積して、自然発火、つまり、爆発を起こします。今は、安定剤の添加や残留酸分の
 除去などによりニトロセルロースを安定させるようにしています。しかし、やはり、高温多湿の状態で、長期間放
 置しておくと、自然発火することがあります。この愛知の火薬工場の火災が、そうでした。同じように、東京
 でも、火薬貯蔵庫で、返品扱いの半製品が、長期間保管で自然発火している事例があります。
  火薬類は、特に、このような返品・半製品・試供品などが、扱いに困って、そのまま長期間保管放置される
 ことがあります。夏時期での、自然発火の火災になります。  
 2,玩具花火の種類別
 玩具用花火は、日本煙火協会
 http://www.hanabi-jpa.jp)が6種類に分けて
 いることから、火災調査上も種類分けします。
 右図は2006年の34件を種類別に分けたものです。
 一番多く遊ばれる製品が、火災件数も多いです。
 昔は「飛しょうする」製品が火災原因として多かっ
 たですが、最近は「火の粉」製品で、「子供」の火傷
 を伴うことが多いです。

 ドラゴン、
 線香花火

 ロケットなど
 ミツバチの花火 
 video1 へのリンク

 花火で最近流行して
 いる。「ミツバチ」です。
 ミツバチが飛ぶような
 奇妙な動きで、夜空を
 動きます。
 ビデオにしました。
 
 3,花火の規制
@ 都知事の許可
 打揚煙火の直径が6cm以下なら50発を超える場合
 6cm〜10cmなら15発を超える場合
 仕掛け煙火なら、200個以上の焔管を使用した場合
 などで、都知事の許可が必要とされます。
 購入先の業者が教えてくれます。
A 消防署への届け出
 条例60条により、煙火の打ち上げの届出が必要と
 なります。幼稚園や公園などで、自治会等主催の
 「花火と納涼大会」などの小規模の場合も
 消防署への届出は打ち上げの3日前までに
 出して下さい。
種 類 別
@ 炎・火の粉・火花を出す花火
 ドラゴン・線香花火・ナイヤガラなど
A 打ち上げ花火
  単発、連発、パラシュートなど
B 回転する花火
  ヨーヨー、ねずみなど
C 飛しょうする花火
 ロケットなど
D爆発音を出す花火
 爆竹、クラッカーなど
E煙を出す花火
 煙玉、スモークボール、煙幕など
 
4,花火の種類
 「花火」には4つに分類さ
 れる。
 その中でも、「打ち上げ」
 は3種ある
@打ち上げ
  ポカ物
  割物
  立火昇り付
A仕掛け花火
B玩具用花火
Cその他
 代表的な花火は「ポカ物」
 と呼ばれるものである。
 5,花火の色
 花火は、酸化剤・発光剤・発音剤・発煙剤・助燃剤
 などと合わせて、「炎色剤」が入れられる。
 赤炎=硝酸ストロンチュウムSr(NO3)2、炭酸スト
    ロンチュウム、炭酸カルシュウムロン など。
 黄炎=蓚酸ソーダNa2C2O4、など
 青炎=花緑青Cu(CH3COO)2・3Cu(AsO2)2 など
 緑炎=炭酸バリウムBaCO3、硝酸バリウム など
 白炎=三硫化アンチモン、 など
6,花火の寸法  開花火の大きさ 
 3号(高度125m)  直径50〜70m
 4号(高度160m)  直径約150m

 5号(高度190m)  直径約200m
 6号(高度220m)  直径約250m
 7号(高度250m)  直径約300m
 10号(高度330m)  直径約400m

 30号(高度600m)  直径約600m

ここで、例:5号は昔の5寸玉のこと。
尺玉は、10号玉のこと。6kg以上の
 重さとなる。
 7,子供への花火注意項目
@ 花火は、説明書をよく読んで注意事項を必ず守り、正しく取り扱いましょう。
    特に「打ち上げ花火」は、点火方法がそれぞれ異なります。
    花火をする前に、明るい所で読んで確認して下さい。
A 燃えやすい物のある場所や風の強い日はやめましょう。
B 花火を人や建物に向けたり、投げ込んだりしてはいけません。
C 子供たちだけでなく、大人と一緒に遊びましょう。
D 必ず水の入ったバケツを用意しましょう。
E 吹出し、打上げ等の筒物花火は、途中で火が消えても筒をのぞいてはいけません。
F 遊び終わった花火は、必ずバケツの水につけて、残り火を完全に消しましょう。
玩具花火の[値 段]
手持ち すすき 10〜350円>
手持ち スパーク 10〜300円>
噴水 50〜200円>
ロケット花火・トンボ 100〜300円>
落下傘 80〜1500円 >
連発10連発〜40連発 100〜400円>
単発打ち上げ 120〜1000円 >

⇒浅草・蔵前の花火問屋さんの
山懸花火店」から http://www.hanabiya.co.jp
 /home/top.htm

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