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A2-11 07.02.03
・ロウソクの火災
ロウソクの火災は、灯明用・照明用・アロマテラピーの3種類の用途に3分割されます。
灯明は、仏壇島に使用されるもの。照明は、電気を止められているなどして、ロウソクで明かりを
とるためにもちいるもの。アロマテラピーは癒しのために、香りと暗闇の中の炎の美しさに魅せる
られるものです。
☆ ロウソクの接炎
燭台を使用しないで、「缶などに釘」をさして「ロウソク立て」にしている場合。
この缶内にマッチの燃え殻を入れていると、ロウソクの炎が小さくなって、その後、
溶けたロウソクの液とマッチの燃えかすとが、一体となって、缶の内径全体で「炎」
が立ち上がり、付近の物に接炎して、火災となります。
☆ 可燃物の接触
仏壇内の御札が、風などで揺れ、ロウソクの炎に接触して燃えて、火災となります。
また、「仮祭壇」と言われる、ダンボールで安易に組み立てられた「仮祭壇」は、振動に弱いので
その上に供える「ロウソク」が、通夜の席で、振動により、転倒して、火災となっています。
☆ 「アロマテラピー」
ロウソクを「癒し」のアロマテラピーとして使用する際に発生する火災です。原因としては、イロイロ
です。昔は、アロマテラピーで使用するロウソクの燭台が可燃性であったりで、イロイロとトラブルが
ありましたが、最近は協会が統一的な方針を出し、火災は少なくなりました。
しかし、直接にロウソクの「火」をベッド際や棚などの上に無造作に置いて、転倒・接炎などで
火災となります。
ロウソクの火災の統計 08.07/20 |
★ 東京消防の最近5ケ年間の火災件数 過去5年間の「ロウソクの火災」は、上表のとおり、毎年平均した70件近い火災が発生している。 その意味では、「ロウソクの火災」は、火災件数、死者の発生、焼損面積などから見て、危険な 火災原因と言える。 |
★ 火災原因となる「ロウソク」はどんな用途に使用されているか? @ 灯明(宗教用)としてが33% A 照明用が26%。 その内訳は、電気料金滞納が11%・ムード照明8%・その他7%である。 B アロマテラピー(芳香)27% このように、同じ「ロウソク」であっても、その利用目的が3つに大きく分類されるほどに、時代的 要因が加わっている。 |
★ 利用する年代別の相違は? 利用形態から、「灯明」と「灯明以外」に分けて、年代別の件数比率をグラフとした。 「灯明」は、宗教的な目的で利用されることからも50才台から増加し70才台が最も多いことになる。 「アロマや照明など」では、20才台が最も多く、30才台、40才台と減少していく。 |
★ 火災原因の「経過」として、どのような要因により出火しているか? 「ロウソクの火災」は、ロウソクそのものが裸火であることから、火源と着火物の関係としては 動的要因により出火する。 @ 着火物が、動くことにより火災となる「接炎する29%」「接触する19%」が最もおおくなる。 接炎や接触は、・仏壇内の御札などや・カーテンなどがローソクの火に触れるものです。 A 裸火としてのローソクが、動的な変化による「転倒18%」「接触14%」「落下10%」などと なる。ローソクが、ローソク立てから、転倒したり、落下して、可燃物に接触して火災となる ものや、「ローソク立て」そのものがなくて、テレビ台やトイレの棚・浴槽の縁に立てておいて 消し忘れて、下の可燃物に燃え移るものです。 電気を止められて、「照明」替わりに、使用する時は、ローソク立てを使わないので、この 「火源が接触する」が原因となります。 |
[燭台とロウソク] 実験結果 なぜ、通夜の夜に「火災」が起きたか? | |
ロウソクは、「号」で指定され、10号なら高さ約20cm、直径1.7cmとなる。 仏壇などでは、長さが約8cmの小5号、小8号などが使用され、この大きさ だと約30分、 停電対策用などの10号などでは、約5時間燃焼している。 ロウソクの火災は、ロウソクが「転倒する」、可燃物に「接炎する」などの経過 がある。 右グラフは、10号ロウソクを点灯し、燃え尽きる時の燭台の芯の先端と下部 の温度変化です。 これは、ロウソクの継ぎ足しをした時に、針芯がロウソク が燃え尽きるときに、どの程度の温度になるかを調べた時のものです。 先端で最高350℃になりました。 32分の所で、針芯の上部の大きさになり、徐々に温度上昇し、92分で消え るケースでした。 |
・ ロウソクの転倒 振動などでの転倒とは別に、灯明特有の現象として の転倒があります。 ロウソクを継ぎ足し時に起きる 現象です。 ロウソクが燃え尽きる時に、ロウソクを継ぎ足すと (上の実験グラフの温度参照)、 燃え尽きる状態、 芯が火と一体となっている時に、芯の炎を移して、芯 の炎を吹き消し、その上に被せるようにして、火の 点いたロウソクを乗せることがよく見られます。 その場合には、右の図のように、熱せられていた 針芯により、徐々にロウソクの内径内が溶けて広が り、ロウソク全体が傾いて、倒れます。 通夜などで、夜通し、ロウソクを点ている時に発 生します。 |