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A2-04       06.09.12

石油ストーブの火災

「誤給油」 について。 

 
 石油ストーブは、地域によって、かなり異なる形態の物となっている。
 東京での石油ストーブは、昔のアラジンのそれのような、円筒形で開放型「芯上下式
 対流式」のブルー・フレームの代物ですが、一時期はだいたいが放射式芯上下式
 でした。
 今は、開放型の気化式強制通気・対流式の言わゆる「三菱電気製ガス化ファンヒータ」
 のタイプが多くを占めている。(火災現場的には、放射型が主流です。)
 少し、寒い地方では、ポット式の半密閉式、さらに圧力噴射式の密閉式で、
 燃料タンクもこのタイプですと、屋外の別置きタンクです。
 少し温かい地方ですと、気化式では暑いので、芯上下・対流の簡単なタイプが
 結構使われています。さらに温かいと、電気のエアコンで済んでしまい、
 石油ストーブは使われなくなります。
 地域によって、暖房器具は、極端に異なります。
 
 ガス器具も同様で、湯沸器なども、関西地方で考えて作るのと、東北地方で考えて
 作るのでは、発想からして、異なります。
 ガス風呂釜も東京では浴槽内にあるタイプが結構多いですが、関西では皆無
 です。ガス風呂釜の原因で「冠水」による一次空気取り入れ不良による、不完
 全燃焼も、関東と関西では、まるで異なった使用勝手なので、使用状況の説明を
 して、出火原因の機構を説明しない、聞いている人にとって、まるでちぐはぐになります。
 だいたい、「冠水」の意味合いからして異なります。
 
 さて、そこで、「石油ストーブ」にガソリンを入れた(誤給油)場合ですが。
 今、言ったように、石油ストーブの形状によって、極端に違います。
 カートリッジ式・芯上下・放射式では、異常燃焼により、ガソリンがカートリッ
 ジタンクからしみ出て、下部からストーブ全体が包まれるように炎が出てきて、
 火災となりますが。
 ガス化タイプで燃焼効率の良いものだとカートリッジ式でも、正常に燃焼します。 
 灯油と入れ間違えたからと言って、すぐに異常燃焼を起こすことも、火災になることも、
 ないことが多いです。
 とりわけ、最近の関東・東北地方向けの国内メーカものの石油ストーブは、
 燃焼効率が良く、燃料を間違い、ガソリンでも、即火災とはならないケースが
 あります。(この点、誤給油火災として説明される、出火機構の気化蒸気圧説だけで
 考えると説明がつかないケースとなります。) と言って、引火形態が違いますから、
 誤給油は非常に危険であることには、変わりがありません。
  
無用な誤解のないように!
 
 また、「新燃料」と称して、アルコール系のものがあります。
 これは、国内メーカのストーブでは想定していない燃料なので、カートリッジタンクの
 「燃料ゲージ等」が犯されて、ピンホールができ、その時点で燃料が流出して一気に
 火災となります。事例は少ないですが、ガソリン等の値段が高くなると、
  出回る畏れもあります。
 ”火災調査時”には、ストーブがあれば、燃料についても、聞き込むことが必須です。
 特に「誤給油の火災」は、石油ストーブを使用し始めの頃、関東では12月に多いです。
        
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