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草焼きバーナの火災
                              A4−30   08.08.24 

  1,草焼きバーナ
 
 ★ 草取り
  
   
 デパートや金物店に行くと、さまざまな「草取り機」が並べられている。
 さらに、薬剤による「除草剤」まで多種多用である。
 どれにも一長一短があり、おかげで、「草取り」に苦労している人は、こ
 れらの複数を購入して、イロイロと試されている。

  除草剤では、犬・猫を飼っていたり、子供がいると、何となく、その毒性
 が気になって、購入して使用するのをためらう。

  右写真の用に展示されている、回転式の草刈り機は、扱いにくそうな
 感じも、また、電気製品なので、壊れ易いとか、刃が欠けたりして、その
 刃を追加購入するなどの手間を考えてしまう。

 
 そこで。
 右の様な「草焼きバーナ」が多数出回っ
 ていのを見つける。
 この機種はガスボンベ装着型の使いや
 すそうな品物だった。
 
 
    草焼きバーナ
   
今、市場に出回っている物はどの程度あるのか、分からないが、20種類はあるようだ。
    大きく分けると。
    @ 灯油を圧縮して噴射させるバーナ
    A ガスボンベ挿入型バーナ
    B 灯油が主燃料だが、補助用ガスを使用する少し大型のバーナ
  
   @とAは、2kg程度の小形の物が多く、手軽で、家庭用としても広く使用されている。
   使用時間は10分〜30分と短いが、こまめに使えて、便利。
   Bは、30分〜60分と長い時間使えて、広い場所で、丹念に草焼きするのに適している。
  バーナの先端の「炎」の温度は、いずれも1,000℃以上で、炎の長さも30cm以上はある。 
  
   2, 火災事例 
   ★ 事例1 
   火災は、一般住宅の縁側から発生した。
         庭の草を焼いて、こまめに炎をあてているうちに、縁側の下に置かれていた
         古い園芸品や材木などに燃え移った。
         燃え移ったことが、分からないまま、作業を終えて、買い物に出かけている間に、拡大し、
         縁側から立ち上がった火災により、住宅が焼損した。


 ★ 事例2 
   火災は、農家の畑にある物置から発生した。
         畑のふちの雑草を草焼き器で焼却した際、その炎が、物置の土台付近に触れたのを知らず、
         草焼きを終えて、自宅で寛いでいたところを、付近を通り掛かった隣人が物置から煙が出ている
         のを見て、火災が分かった。   
   
  草焼きバーナの火災
     @ 建物等の脇で、使用し、使用した際に、土台付近まで「炎」をあてている。
     A 作業終了後、30分〜2時間程度して、「何も火源がない」所から出火している。
     B 草焼きの「炎」は、作業時には、太陽光の下で透明色に近く、あまりよく見えない。
     C 春先や秋に多い火災だ。

     火災調査上。
     (1) 出火したと思われる付近に火源となる物が見あたらないことから、関係者が
       「草焼き作業をしていた」との供述が得られないと、原因が分かりにくい。
       現場から、「タバコの投げ捨て」や 作業後、数時間して出火するので、天候に
       よっては、「落雷」などの原因にしてしまうこともある。
     (2) 草焼きの作業の実態を、聴取して、どのような物に燃え移ったのかを考慮する。
     (3) 出火箇所をできる限り絞り込むと、原因の「判定」しやすい
    
     縁側の廊下の下から出火した「現場状況」
 
  建物火災で、建物の内部が焼損しているが、写真のように、縁側の踏み石が
  割れており、室内よりも、下側からの焼損の方向性を示している。また、つか
  石も地盤面近くまで、剥離して割れており、つか石のつかの木も焼損が周囲
  全体におよんで、強い焼けを示している。
  このように、出火箇所の判定として「廊下の下」からの出火を見る事ができる。
 
農家の物置の外壁が焼損
した火災現場

 
下部からの延焼
     
  草焼きに使用した「草焼きバーナ」
  灯油をポンプで圧力を受けて、噴霧状にして噴射するバーナで、バーナの
  「炎」長さも30cm近くあり、地面に押しつけ気味にすると「炎」が横に伸び
  る。物置周辺の地面の草を焼いた際に。草焼きバーナの炎が、物置の土
 台の木に接炎し、しばらくして出火・立ち上がったもの。

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