カセットこんろの火災 <(燃焼器具火災) <火災原因調査 <ホーム:「火災調査探偵団」
火災原因調査 Fire Cause |
火災損害調査 Fire Damage |
火災調査の基礎 Fire Investigation |
火災統計と資料 Fire Statistics |
外国の火災調査 Foreign Inv. |
火災調査と法律 Fire Laws |
火災調査の話題 Such a thing of Fire |
火災調査リンク Fire Inv. Link |
情報提供:五右衛門氏
1,カセットこんろ | |||||||||||||||||||||
★カセットこんろは、携帯用として用途の範囲も広く、多くの場所で用いられている。 特に、これから冬場の「鍋物」には、台所のテーブルで煮炊きできることから、使用が増えます。 {カセットこんろ火災}は、東京消防庁管内では、年間約20件発生しています。 その主な原因と対策の注意点は次のとおりです。 @こんろを2台並べて使用する。 取扱方法が不適切な例としては、2台のカセットこんろの上に鉄板を置いて、焼きそばなどを調理する もので、バザーやピクニックなどで見られます。この場合は、鉄板の放射熱が下方に向かっい、ボンベ 本体が加熱されて、爆発し火災となります。(このホームページの「エアゾール缶」も参照してください。) A大きすぎる鍋を使う。 同様に、1台のカセットこんろでもこんろ本体よりも大きい、鍋やフライパンなどを使うと、同様の 火災を招きます。 B炭を起こす。 バベーキュ用の炭を早く起こすために、カセットこんろを使用して、炭を起こす人がいますが、これはボンベ 本体が加熱されるため、爆発の危険が有ります。 CIHクッキングヒータなどの他の調理器具の上で使用するのも危険です。 Dそして、次に、カセットこんろとボンベの装着が不適切な場合に、ガス洩れが発生して、爆発・火災と なるものです。 |
|||||||||||||||||||||
2, 火災事例 | |||||||||||||||||||||
★ 火災は、一般住宅の台所で、カセットこんろを使用中に こんろの下から50cmの炎が上がって 火災となつたものです。 火災の主な原因は、他社製ボンベを使用し、さらに「誤装着」したものでした。 現物を見分すると、カセットこんろのメーカが指定するボンベでない、他社製のボンベが取り付けられ また、「切り欠き」セット部に正しく装着されていない状態で、押し込まれていた。 そこで、この火災は、カセットこんろの指定するメーカでない、ボンベを使用し、かつ「切り欠き」部に正 しセットされていないためにガスが漏洩して出火したものと判定しました。 しかし、この火災の「原因調査」から思わぬ結果も導かれました。 @ 凹凸が噛み合っていなくても、押し下げレバーが動いて装着される。圧力装置のボンベ受け口に 確実に入っていなくても、ガスボンベからガスが出てしまう。このため、受け口付近でガス洩れが 生じる。 A 今は、凹凸部が確実に噛み合わなくても、使用できるタイプのカセットこんろが出回っており、ボ ンベのJIS規格に対して、カセツトこんろの規格はゆるやかで、どのようなタイプのボンベにでも利用 できるようになっている「カセットこんろ」が、販売されている。 「切り欠き」部とは、 昭和55年頃にカセットコンロの火災が多発し、もともとはこのような「正しく装着する」機構となつてなか ったことから、ボンベの大きさもマチマチで、セットの仕方でどのようにでも装着し、ガス洩れ事故が発生 て火災となったことから、消防側からの「要望」で、カセットこんろの圧力部とボンベのかみ合わせ「切り 欠き」部を設定し、メーカごとの共通の仕様とすることになった。 これにより、凹凸の形状で、同一メーカ製のこんろとボンベが使用されることが前提要件とされる工夫と なった |
|||||||||||||||||||||
現場の状況 | |||||||||||||||||||||
火災現場の状況。 火災の原因となったカセットこんろ。 |
各部の名称。 ガスボンベを、こんろの「圧力感知安全装置」の「切り 欠き部(凸部)」に、ボンベ側の凹部をあわせる。あわ せるとだいたいは、説明文が上の来るように装着される。 圧力装置の凸部とボンベの凹部が重なる位置で、こんろ の「カセットレバー」を下に下げると、「ボンベガイド」がボ ンベの底を前に押しやって、凹凸がかみ合い、確実にボ ンベ受け口に入る。(火災調査教本、参照) |
||||||||||||||||||||
★ ボンベとこんろのあわせによる意外性
|