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小動物による火災(電気コードの短絡)

その1 (電気コードの短絡)        A5-09          07.01.28 

Fケーブルに見られた、
 ネズミの噛み跡。

電気火災の中で、動物が火災原因に関係することがあります。
 主なケースとしては。
 @ 変電設備、特にキュービクルの中に入り組む、ネズミ・ヤモリ・ヘビなど
  が高電圧部に載って、漏洩放電による地絡等の火災。
 A 電気コード、屋内配線(ケーブル)をネズミ等がかじって損傷させる火災。
 B 電気コード類を犬、ネコが引きちぎって発生させる半断線による短絡の火災。
 C 電気ストーブ、電気コンロ等を犬、ネコがスイッチを入れたり、転倒させて
  発生させる火災。         ⇒などです。

 今回は、Aの「電気コード類を小動物が損傷させて、短絡出火する」の例を示します。
  これが「右写真」のような歯形がある、噛み跡に見られる火災原因です。
 ネズミ・リスなどの「齧歯類(げっしるい)」は、門歯(前歯)は上下とも1対で、終生伸
 び続けるために物を「かじる」習性があります。ウサギは齧歯類ではありませんが、
 同様の門歯をしており、ウサギを飼っていると同じような火災を発生させます。
 
 写真に見られる、丸ノミで引っかいたような跡がケーブルにできます。
 電気コード(平型ビニール)では、これほどハッキリした形が出ません。また、
 火災原因となった箇所はもちろん焼損しているので、このような跡形が残りません。
 そこで、火災原因調査では、出火箇所の短絡痕とは別の箇所・場所のコード、
 ケーブル から、この種の跡形を見つけて、原因判定の補強とします。
 この種火災は、「イタリアや中国料理店、パン屋、ピザ屋など」、と「ウサギ、リスなど
 を自宅で飼っている家庭」です。
 
 ウサギ、リスなどを飼っている家庭は、意外とおおらかで、室内でこれらの小動物を
 檻から出して遊ばせます。この時に、アッチコッチをかじっり、適度な弾力がある
 ケーブル類が噛みやすいのか??損傷させます。
 かまれても、両線の芯線が同時に露出することはまれで、一部が損傷しても、
 すぐに短絡することはなく、損傷部が「熱」を持って、被覆がジワジワと炭化して
 年を経て、両線間がトラッキング状態となってある時、短絡出火し火災になります。


その2 クマネズミ・カラス      A5-10       07.02.03

・クマネズミ
  電気火災ではA−9のとおりですが、「ネズミ」は通称、クマネズミとドブネズミに分かれます。
  このクマネズミが、都会ではたいへん脅威な存在で、どこにでも生息します。そして、垂直に
  昇り降りでき、排水管等があればその管内を通じて行き来できる、すぐれものです。
  地下鉄や大規模ビルの地下変電室での電気事故の遠因をこのネズミが引き起こしています。
  地下鉄等の鉄道事業所は、幹線、指令信号線、情報線など多くの電線を利用していますが、
  この電線類のトラブルは、ネズミによる被害が多いです。最終的には、地絡、短絡事故となり、
  ケーブル類の経年損傷として扱われますが、発端はネズミの損傷が遠因となる事が多いです。
   ネズミが嫌らう薬品をケーブルに混ぜたりしていますが?

 ・カラス
  カラスは、巣作りで、クリーニングの針金ハンガーを集めるのが好きです。これを電線鉄塔等で
  巣作りに使用されると、地絡事故につながります。各電力会社は、見回りがたいへんです。
  春先に、里山の木の上での火災が、カラスの原因となることがあります。
  カラスは、キラキラ光るものが好きで、収集します。
  多摩川上流ではバーベキュができる河川敷が幾つかあります。この付近で、たき火の跡から
  「火」のついた小枝類を取ってきて、自分の巣に運ぶと、高い松の枝の上で、火災が発生します。
  カラスは意外と高い木の上で巣をつくります。おかげで、燃えた巣が落ちてきて、始めて、わかる
  こともあります。

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