室町幕府(むろまちばくふ)の政治について
【室町幕府(むろまちばくふ)のしくみ】
1338年に足利尊氏(あしかがたかうじ)は征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)に任じられ、正式に京都に幕府を開いた。2代将軍は、足利尊氏(あしかがたかうじ)の子の足利義詮(あしかがよしあきら)がついだ。足利尊氏(あしかがたかうじ)と足利義詮(あしかがよしあきら)のころは、北朝と南朝の争いが続き、幕府の仕組みを整わず、なかなか安定しなかった。
足利義詮(あしかがよしあきら)の子、足利義満(あしかがよしみつ)が3代将軍になると、京都の室町(むろまち)にりっぱな御所(ごしょ)を建てた。この御所を人々は美しさとりっぱさから「花の御所」とよんだ。ここを幕府としたため、足利氏の幕府を室町幕府(むろまちばくふ)とよぶようになった。
〈 室町幕府(むろまちばくふ)のしくみ 〉
●管領(かんれい)
将軍を助けて政治を行う役職
鎌倉幕府(かまくらばくふ)で執権(しっけん)と同じ役目
足利氏の一族である細川氏(ほそかわし)、斯波氏(しばし)、畠山氏
(はたけやまし)がこうたいで担当した。 この3氏を三管領という。
●評定衆(ひょうじょうしゅう)、引付衆(ひきつけしゅう)
領地の訴訟(そしょう)を審判(しんぱん)し、判断する役職
●政所(まんどころ)
室町幕府(むろまちばくふ)の財政を担当する役職
●問注所(もんちゅうじょ)
室町幕府(むろまちばくふ)の記録や文書の保管を担当する役職
●侍所(さむらいどころ)
室町幕府(むろまちばくふ)の軍事や京都の警備(けいび)を担当する
役職
山名氏(やまなし)、赤松氏(あかまつし)、一色氏(いっしきし)、京極氏
(きょうごくし)の中から選ばれた。これら4氏を四職という。
●鎌倉府(かまくらふ)
鎌倉公方(かまくらくぼう)を中心に関東から東北地方の10か国を治める。
鎌倉公方(かまくらくぼう)は京都の将軍と並び、関東将軍ともよばれた。
鎌倉府(かまくらふ)も室町幕府とほぼ同じしくみを持っていた。
●九州探題(きゅうしゅうたんだい)
九州の武将を監督(かんとく)する役職
中国や朝鮮との外交の仕事も受けもった。
●奥州探題(おうしゅうたんだい)
東北地方の武将を監督(かんとく)する役職
●守護大名(しゅごだいみょう)
守護がしだいに力を持ち、幕府から任命された地方の国を自分の領地
として幕府から独立したもの。
赤:足利氏と関係の深い守護大名
青:足利氏と関係の薄い守護大名
黄:鎌倉府が治めた地方