鍼灸外来で、頭痛は初診時の来院動機として、来院する患者数は少ないものの
、問診と診察を進める中で、慢性的に頭痛を訴える患者さんの数の多さには驚か
されます。頭痛の程度によっては日常生活や仕事に支障が出るほどなのに、頻繁
に頭痛があるため、周囲に「怠け病」のように思われるのがイヤで、痛みを我慢
しながら日常生活を送っている方が大半のようです。一方で、頭痛に対する対処
法も患者さんによってまちまちで、痛み止めの薬、湿布薬、冷やす、ツボ刺激、
温める、入浴、じーっとしているなど患者さんが、頭痛と付き合う過程で獲得し
た様々な対処法があり、私が勉強させられることも多いものです。
 さて、これら頭痛の対処法や、緩和法として、様々な鎮痛薬などは専門医の先
生方のご努力により知られるようになって来ましたが、
鍼灸治療も大変効果的
あることをご紹介しておきたいと思います。WHOが認めた鍼灸適応疾患リスト
も、頭痛は記載されており、薬を一切使わず内臓に負担がない鍼灸療法は、もっ
と試みられるべきと私は考えます。
先ず、始めに頭痛の分類をします。これは、国際頭痛学会(International -
-headache Society:IHS)が提唱する分類で、現在ではこの分類が国際的にも広く
受け入れられており、診断基準として使用されています(表1)。
(表1):頭痛、頭蓋神経痛、顔面痛の分類と診断基準(大分類:1988)
機能性頭痛
@

片頭痛

A

緊張型頭痛

B

群発頭痛及び慢性発作性片側頭痛

C

器質的病変を伴わない各種の頭痛

症候性頭痛
D

頭部外傷に伴う頭痛

E

血管障害に伴う頭痛

F

非血管性頭蓋内疾患に伴う頭痛

G

原因物質あるいはその離脱に伴う頭痛

H

頭部以外の感染症に伴う頭痛

I

代謝障害に伴う頭痛

J

頭蓋骨、頚、眼、耳、鼻、腹鼻腔、歯、口あるいは他の顔面・頭蓋組織に起因する頭痛あるいは顔面痛

神経痛
K

頭部神経痛、神経幹痛、求心路遮断性疼痛

その他
L

分類できない頭痛

このうち、鍼灸療法が奏効する頭痛は、
明らかな原因が無い@〜Cの
機能性頭痛
分類されるものです。この機能性頭痛は慢
性、反復性の頭痛を訴える患者さんの約9
割が、ここに含まれると言われます。これ
から、順を追ってこの機能性頭痛のご説明
を致します。
古くは“偏頭痛”とも記載されていまし
たが、現在は片頭痛と記載するように統一
されています。この頭痛はさらに7つのタ
イプに細分化されており、臨床に携わる人
間にとって“頭痛の種”となっています。
 さて、この片頭痛の症状としては、一般
に女性に多く、若い女性に集中するようで
す。遺伝的な要素もあると言われ、母親が
片頭痛患者であれば、その娘の70%、息子
は30%に片頭痛が出現すると言われていま
す。実際に、患者さんに聞いてみると「母
親が頭痛持ちであった」という話しも良く
伺います。
片頭痛の特徴
 片頭痛の痛みの程度は強く、疼痛の極期
には、日常生活の維持が困難となり、寝込
むこともあります。頭痛の出現頻度は月2
〜3回から多い月は週2〜3回ほど出現し
数時間から2〜3日持続します。片頭痛を
特徴づける痛みの性状は、こめかみや頭の
片側に、まるで拍動を打つように“ズッキ
ン・ズッキン”とした痛みが出現します(
両側に出現することもあります)。さらに
この頭痛は、様々な随伴症状を伴い、悪心
・嘔吐、光過敏(光に対して過敏となり、
まぶしいと頭痛が増悪する症状)、音過敏
(音に対して過敏となり、テレビの音など
もうるさく感じ、音で頭痛が増悪する)、
片麻痺(運動麻痺です)、しびれ(感覚障
害です)などといった症状も出現します。
典型的片頭痛には、頭痛が出現する前に
前兆症状があることが知られており、有名
な症状に「閃輝暗点」(せんきあんてん)と
いう症状があります。これは、頭痛が始ま
る数時間前に視野の中にチカチカ・ギザギ
ザした光が出現し始め、だんだん視野全体
に及び、それが消失していくと頭痛が始ま
る症状です。
片頭痛の引き金になる食べ物
 また、片頭痛には、
頭痛を引き起こす原
因となる食品
も報告されており、チーズ・
チョコレート・アルコール・中華料理・赤
ワインなどは良く聞くところです。(葛根
湯という患者さんもいらっしゃいます。)
 
 さらに、日曜日なので昼まで寝た。お風
呂でよく温まったなど、精神的・肉体的緊
張状態から解放された時やリラックスした
時に出現する頭痛としても良く知られてい
ます。
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北秋田市住吉町4−10
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 片頭痛の原因として、頭部の血管とセロトニンという物質との関連が示唆されて
いますが、まだまだ決定的な原因として支持されているものはありません。女性
に多い原因としては、ホルモンとの関係も示唆されており、生理周期との関連を
疑わせる患者さんも多くいらっしゃいます。

 近年、日本国内で、
片頭痛の特効薬も承認されましたので、片頭痛が疑われまし
たら、専門医(頭痛外来など)の受診をお勧めいたします。(機能性頭痛の診察は
大半が問診といって、お話から診断が行われますので、標榜医(一般診療所で、幾
つかの診療科目を掲げる医師で、プライマリケアを目的とし診察にあたる医師)よ
り、頭痛を専門とするくらいの先生への受診をお勧め致します
特徴のある前兆症状
頭痛の分類
片頭痛の原因
ここです。
緊張型頭痛
混合性頭痛・群発頭痛
症候性頭痛