頭痛でお悩みの方2
片頭痛との、上手なつきあい方として、前兆があった時点で、動かず横になる。
頭痛が始まったら早めに人ごみや騒音のある場所を避け、暗い場所で静ーか(しず
ーーーか)にして、こめかみ・目・眉間のあたりを氷嚢で冷やすと痛みは和らぐよ
うです。
 頭痛の引き金となる食品を極力避け、例え日曜日であっても昼まで寝るといった
ことは避けたほうが良いようです。また、頭痛のある時は、入浴やマッサージなど
は逆効果で、後でさらに頭痛が悪化することがあります。
 
  頭痛の痛みを和らげる食品としては、血管の拡張を予防するカフェインの含まれ
たコーヒーなどが良いとされています。
片頭痛が始まったら
片頭痛の鍼灸治療は、頭痛発作時の痛みの程度の軽減と、発作回数の低下を目的
として行われます。治療は、発作時の治療は極力避け、今までの経験から、頭痛周
期を推測して治療回数や日にちを決定します。片頭痛の原因がはっきりしていない
以上、何故効くかもはっきり言えませんが、鍼灸療法には、疼痛閾値(とうつうい
きち:痛みの感受性)を上昇させる作用(痛みに対して強くなる、痛みを感じにく
くする作用)、や自律神経の働きを整える効果があるため、頭痛発作時の疼痛緩和
急激な血管運動(特に拡張時)を和らげる効果があるのでは無いかと推測していま
す。
 また、経験的に頭痛の回数も軽減するようで、定期的な鍼灸治療は血管運動性を
正常にして、ストレスなどによる一過性の血管収縮を軽減させた結果、片頭痛の原
因となる発痛物質が血管中に蓄積することを、軽減させているのでは無いかと推測
しています。
片頭痛の鍼灸治療
A緊張型頭痛
次に、日本人に一番多いと言われる緊張型頭痛のご説明をしたいと思います。
この頭痛も以前は緊張性頭痛(tension-headache)などど呼ばれたり、筋収縮性頭
痛と呼ばれたりした頭痛ですが近年、緊張
頭痛(tension-type headache)と統
一されるようになりました。以前は、筋肉と血管の緊張が原因となって出現する
頭痛とされていましたが、精神的緊張なども含め、総括してこの名称が用いられ
ることになったそうです。
慢性的に頭痛を自覚する日本人の約7割が、
この緊張型頭痛であるといわれ、そのうち女性
が7割を占めていると言われています。緊張型
頭痛の特徴的な性状は、頭の両側からズーンと
した重ダルイ、頭重感と圧迫感を伴った頭痛で
我慢すれば日常生活や仕事の継続は可能な頭痛
です。緊張型頭痛はその患者が多い割には、治
療法には100年進化がないといわれ、以下の説
明から、この頭痛には鍼灸療法に分があると考
えます。



 先ず、この緊張型頭痛の発症メカニズムは、
不良姿勢や、一連続の事務仕事といった首や肩
の筋肉に対する身体的なストレスや疲労、対人
関係や仕事での精神的ストレスなどが、頭部周
辺の筋肉に持続的収縮を起こします。持続的収
縮によって筋肉には循環不全が起こり(この状
態を
阻血性筋収縮といいます)その結果、痛み
の原因となる発痛物質(乳酸、ブラジキニン、
サブタンスP等)が蓄積し、末梢神経を刺激す
ると疼痛が発生すると言われています。
 
典型的な緊張型頭痛は、圧迫されるような痛みであること、軽度あるいは中程
度の痛みであること、両側に生じること、階段歩行などの日常動作によって増悪
はしないこと、悪心や嘔吐は伴わないこと、音や光の過敏はないことを特徴とし
てあげていますが、緊張型頭痛の方でも例えば、慢性的に強い肩こり感を自覚し
ている方などは、悪心や嘔吐を伴う場合もあるようです。
緊張型頭痛のセルフケアは、発症原因となる身体的ストレス・疲労、精神的ス
トレスの軽減にあります。事務作業などに従事している人は、首や肩の筋肉を疲
労させないように、一連続で同一姿勢を取らないように、心掛けましょう。定期
的に休憩を入れ肩こり体操などを試みてもよいでしょう。ぬるめのお風呂にゆっ
くり浸かる。蒸しタオルを作って首に当てるなどして、筋肉の疲労を取るのも効
果的です。精神的ストレスが多い方は、一人になる時間を作って好きな事をする。
スポーツ・ウォーキングなどで、精神的ストレスを溜めない工夫も必要です。充
分な睡眠と適度な休息は身体的・精神的ストレスの改善に効果的です。片頭痛や
群発頭痛では禁忌のアルコールも、全身の血行を良くするので少量なら効果的で
す。
緊張型頭痛の鍼灸治療は、緊張型頭痛の原因となる、阻血性筋収縮を改善する
ことにあります。鍼刺激には、亢進した交感神経活動を抑制し、疼痛閾値を上げ
る効果があるので、収縮した末梢血管を拡張させ、頭痛を軽減させる効果があり
ます。亢進した交感神経の活動を抑制するので、ストレス緩和効果も期待できま
す。神経生理学などでも、鍼刺激は細い神経が伝える痛みを抑制することは良く
知られるところであり、緊張型頭痛に対して鍼灸療法はもっと積極的に試みられ
るべきであると考えます。
頭部周囲の筋付着部や靱帯に分布する神経は、密で細く伝わりも遅いという特徴が
あり、これが緊張型頭痛特有の頭重感を伴った痛みの正体と言われています。この
痛みがさらに筋肉の持続的収縮を招き末梢血管を収縮させ、循環不全が起こるため
痛みの悪循環を形成し、頭痛を持続・慢性化させると考えられています。
 疲労や阻血性筋収縮の結果、頭部や頭部を支える筋にはコリが生じ、このコリが
さらに緊張型頭痛の不快感を増悪させているものと考えられます。
〜片頭痛篇終り〜
症候性頭痛
混合性頭痛・群発頭痛
ここです。
片頭痛のご説明
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北秋田市住吉町4−10